匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
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わ、わたし、そんなにヤワじゃないもん!新一やお父さんくらい守れるし──新一だって知ってるでしょ?
なのに…なのに、そんな大事な事、なんで抱え込んじゃうのよ…
(彼から返ってきた答えは自身や自身の父親の身を心から案じてくれているが故のもので、ますます心が痛くなる。危険だと分かっているのなら、余計に話して欲しかった。自身の知らない所で彼が危険を抱え込んでいたなんて、想像するだけでも耐えられない。秘密は隠される方も辛いが、隠す方だって傷つかないはずはないのに。そんなに危険なら尚更自身に話してくれれば、そんじょそこらの奴らならボコボコに懲らしめてやるのに。考えれば考えるほど悔しくなり、涙声を絞り出す。幼馴染みをそんな目に遭わせたそいつは、今頃一体どこで何をしているのだろうか。すぐにでも探し出して成敗してやりたい。少しずつ冷静になっていくにつれて、そもそもの元凶である毒薬を飲ませたというその得体の知れない人物に強い憤りを感じ、今からでも警察に押し掛けてしまいそうな勢いで立ち上がって)
…で、まだ見つかってないの?新一に変な薬飲ませたヤツ!どこの誰なのよ!
いやそういう問題じゃ…ちょ、落ち着けって…──灰原っ!
(長年空手をやっているのを間近で見ているし強さは重々分かっている。けれど自分をこんな身体にした男──その男が所属する組織そのものは世界的にも暗躍している得体の知れない巨大なものだ。況して人の命など何とも思わない冷徹な輩ばかり。乗り込んでいった所で敵う訳がない。
正体は明かしたものの、組織について話す訳にはいかない。話せば結果として同じ状況下にいる少女の事も話さなければならなくなる。もっと言えば自分の居場所が組織にばれてしまった時、彼女を最悪の状況に巻き込み兼ねないからだ。
踏み込んだ所まで言う事が出来ずヤキモキして、今にも飛び出していきそうな彼女を止めようと声を出した所で、先程までカウンター席で眠っていた少女が会話に割って入り"そう容易い相手じゃないの、彼らはね"と述べながら欠伸を一つ。慌ててその少女の名を、それ以上話すなと言わんばかりに強めの口調で呼んで)
あ、哀ちゃん…?…哀ちゃんも、知ってたんだ…
(完全に頭に血が上ってしまっていた所を少女に遮られ、何が何だか分からずにキョトンとしながら声のした方へ視線を向ける。幼い少女の前でこれ以上取り乱したり物騒な話をする訳にはいかないと、深呼吸をひとつ。しかし冷静になればまた、次の疑問が湧いてくる。少女がたった今発した何かを知っているような口振りや、目の前で人間が縮んだというのにやけに落ち着いていたあの態度。どんなに鈍い人であっても、この少女も新一が毒薬で縮んでいる事を知っていたのだろうと少し考えれば気が付くだろう。しかし、危険に巻き込みたくないからという理由で自身が知らされていなかった事情を、なぜ自身よりも明らかに幼くか弱い小学生の女の子が知っているのだろうか。それについて、果たして尋ねてよいものなのか。少しは理解出来てきていたはずの状況も、なんだか振り出しに戻った気分だ。説明を求めるように彼に視線を戻してじっと顔を見つめていれば、ふとある事に気が付き首を傾げて)
あれ?でも新一、前にコナン君と一緒にいた事あったよね?ほら、学園祭の時!
ー灰原ー
ええ…彼が小さくなってしまった原因は私にもあるのよ。
(少し前から目を覚ましていて、悪いと思いつつも密かに聞き耳を立てていた。ここで変に否定した所で逆に疑問が深まり、更に此方側に踏み込まれるよりはマシ。そう考えていたが、たった今自分の正体を明かした彼はどう答えるべきか悩んでいる様子。彼女が説明を求めるのも当然だし同じ立場だったならと理解を示し、冷静にそれで居て淡々と原因は自分にあるとはっきり答える。また同一人物が二人現れた時の事を聞かれれば)
あの時の江戸川君は私が扮していたの。貴女の疑いの目を逸らす為にね。
(/コナンとしてのロルの中で灰原を動かす事に少々限界を感じてきたので、一旦灰原に説明をさせようかと思うのですが宜しいでしょうか?もし抵抗がある様でしたら次レスから元に戻しますので、遠慮なく仰って下さいませっ)
え…えぇ~っ!?あれ、哀ちゃんだったの?
で、でも、原因って──新一は毒薬で縮んだんだよね…?
(次々と明らかになる衝撃の事実に目を丸くして、思わず叫んでしまう。事情を知っているだけではなく、まさかこんな幼い少女に協力までさせていたとは。学園祭の記憶を辿りながら、言われてみれば確かにあの時のコナン君はやけにクールだったような…なんて妙に納得しつつも、そうまでして彼が自身に隠し通していた事実をこんなに小さな女の子には話していたのかと思えば、疎外感から少しだけ寂しくなり俯いて。さらには、幼馴染みからは毒薬を飲まされて小さくなったと聞いていたはずなのに、少女にも原因があるなどと言われては頭の中は混乱する一方で。そもそも、この状況で淡々とこんな話をしてくる小学生の女の子…この子は一体何者なのだろうかという最大の疑問が浮かんでくるものの直接的に口にするのは幅かられ、おそるおそる顔を上げると困惑した表情で幼馴染みと少女を交互に見つめ、言葉を選びながら遠慮がちに尋ねて)
(/説明の件、かしこまりました。サブキャラに関して特にこだわりも抵抗もありませんので大丈夫です!むしろお任せしっぱなしで宜しいのでしょうか…必要があれば此方も展開に応じて対応しますので、何でも仰ってくださいね。此方はこれまで何の問題もなくとても楽しませて頂いていますので、これからもよろしくお願い致します~!)
ー灰原ー
…その薬を開発したのが私なのよ。だから工藤君がこんな姿になってしまったのも全ては私の所為──…謝って済む事ではないけれど…本当にごめんなさい。
(ちらりと彼の方を見遣れば、こんな状態に陥っても必死に自分を庇おうとしている。その気遣いが彼自身を苦しめるという事を理解しているのだろうか。事の発端、つまり原因が自分にある以上庇われる資格なんてないのに──。
告げた事でどんなに責め立てられたって構わない、彼女の怒りの矛先を組織では無く自分に向けられさえすれば、危ない橋を渡らせないで済む。それを信じて頭を下げて)
ーコナンー
っ、灰原……前にも言ったろ?オメーの所為だなんてこれっぽっちも思ってねーよ。全ては俺が好奇心に任せて行動し招いた結果。だから気にすんなって。
(頭を下げる相棒と呼べる存在の少女に呆気に取られるも、直様原因は少女にある訳ではないと否定して。昔から好奇心旺盛で気になった事柄への執着は半端ではない。況してそれが事件なら尚更、こんな状況を招いたのも全ては自己責任であると続けて)
(/ご承諾頂き感謝致します!またお気遣いもありがとうございます。そうですね、今の所操作するキャラも少ないので大丈夫ですが必要な時は声掛けさせて頂きますね!
そう仰って頂けてとても嬉しいです。
キャラ操作からロルの回し方までとても美しく、本当にキャラと話している感覚で楽しいと同時に感激しております!此方こそ、これからも宜しくお願い致します!)
な…!じ、じゃあ、あなたは…──ううん、そっか。
(告げられた事実に、あんぐりと口を開いて少女を見つめる。自身と面識のある女の子が毒薬を開発していて、しかもそれを幼馴染みが飲まされていたという衝撃の事実に、開いた口が塞がらない。そもそも、小学生に毒薬を作る事など可能なのだろうか。小学生にしては大人びているし、やはりこの子も──何となく察しはしたものの、自身に向かって頭を下げる姿を目の当たりにすれば問いただす気になどなれず、出かけた言葉を引っ込める。もちろん毒薬を開発していたのは、本人がそう言うのだからそうなのだろう。しかし、話を聞く限り幼馴染みにそれを飲ませたのは別人のようだし、自身にはこの少女が人に危害を与えるような物を自ら進んで開発するような子にはどうしても思えなかった。当然この子の事をそんなによく知っている訳ではないけれど、哀ちゃんはコナン君の大事な友人だ。現にこうして新一が少女をフォローしているのだから、新一だってこの子の事を信頼しているはず。ならば新一が信じているこの子を、自身も信じたい。この真っ直ぐな謝罪が偽りだとは、到底思えないから。この子はこの子で何か事情を抱えているのだろうと悟れば、何も知らずに辛い話をさせてしまった事に罪悪感が湧いてくる。彼女がどんな想いで打ち明けてくれたのかと思うといたたまれなくなり、ゆっくりと彼女の元へ歩み寄って、膝を折り目線を合わせる。申し訳なさそうに眉尻を下げ、次いで出来る限り柔らかく微笑みかけて)
ごめんね?わたし、何にも知らなくて…話してくれてありがと、哀ちゃん。
(/とてもとても有難いお言葉をありがとうございます!ご提案して下さった設定もロルも大変素晴らしく、此方こそ物語に没入しつつ日々の励みにさせて頂いております。今後も楽しみにしていますね…!/蹴可)
ー灰原ー
…蘭さん…どうして?どうしてっ…許せるのよっ!私が元凶なのよ!?許される資格なんてっ……っ!
(責められる事を覚悟していたのに、返ってきたのは謝罪と感謝の言葉。目線を合わせてきた彼女が姉の姿と重なる。まさかの事態に驚きを隠せない。いや聞くまでも無く、目の前の彼女は出会った頃からこういう人だと分かっていた筈なのに。だからこそ事実を話した今、許される資格も優しくされる資格もなくその優しさが心苦しい。何とも言えない葛藤から自然と語尾が強くなり、どうしたら良いか分からず体が僅かに震えて言い放つと尽かさず博士の制止する名を呼ぶ声で我に返る。
堪らずこの場に居られなくなり、振り切る様に背を向ければ地下の自室へと駆け込んでいき)
ーコナンー
おい、灰原!ッ……
(感情的になった少女を呼び止めようと声を掛けるも、どうやら声は届いていない様で。間に博士が入り、今はそっとしておいてやろうという言葉に諭され黙り込む。此方が幾ら否定をした所で少女の中では責任と葛藤を今でも感じているのだろうと理解を示すと共に、少女の消えてしまった方向一点を心配そうに見つめて)
哀ちゃん!?──どうしよ。わたし、また嫌われちゃったかな…
(少女の事情など何も知らない自身が、余計な事を言い過ぎてしまっただろうか。逃げるように地下室へ駆けていく少女を呆然と見つめ、彼女がいなくなってしまった静かな部屋で後悔の色を滲ませ悲しげに苦笑し呟いて。少女と出会ったばかりの頃、あからさまに避けられていた時の事を思い出してしまう。少女を傷付けてしまった責任からすぐにでも追いかけて謝りたい気持ちはあるが、博士の言葉もごもっともだし、彼女に快く思われていないのなら自身が行っても逆効果だろう。思えば新一が打ち明けてくれた秘密だって彼なりの事情があって隠していただろうに、いくら自身に嘘をつかれていたとはいえズケズケと追及しすぎてしまっただろうかと、何も知らずに疑いの目を向けてしまった過去の事が今更ながらに悔やまれる。先程は新一にもあんなに拒絶されてしまったし、元々自身はお節介で他人に干渉しすぎてしまう所があるのかもしれない。彼がここまで話してくれたのだから、これ以上自身が踏み込むのはお門違いなのではないかと考えを改めれば、彼の方に向き直り後ろめたそうに謝罪を述べ、話題を変えようとして)
新一も、ごめん……とりあえずここまでにしよっか。
何か食べられそう?昨日から何も食べてないでしょ?
…何で蘭が謝るんだよ。オメーが気にすることなんかねーって。
(彼女からの謝罪を受け視線を戻す。幼馴染の彼女自身、何も悪い事などしていないというのに何故謝るのか。昔から他人の事を自分の事の様に抱え込み泣いてしまう様なお人好しの彼女。今回の事も責任を感じているのかも知れない。そう思うとフッと少し肩の力を抜き呆れにも似た感嘆の吐息と共に言葉を吐き出す。少女についても今は幼馴染の優しさに困惑しているだけだろうと、それ以上深く考えることはせず続けて一言。
話題が変えられた事に多少なり共困惑するが、ここまであり得ない事が次々に彼女の目の前で目紛しく起こったのだから一旦休憩を挟むのが妥当だろう。彼女の提案を受け入れ、少し考えると)
えーっと…、軽い物なら何とか。
…良かった~!あ、博士。キッチン借りるね!
(彼からの返事に心底ホッとしたように満面の笑みを浮かべて。彼に拒絶されてしまった事が一時は本気で気がかりだったのだが、どうやら怒らせてしまった訳ではなさそうで、彼には嫌われてもいない様子。彼のたった一言で、張り詰めていた空気が心做しか穏やかになった気がするのだから不思議だ。この状況で不謹慎かもしれないが、コナン君の姿をしていても先程から彼の何気ない仕草や態度、すべてが新一そのもので。本当に新一がここにいる。そしてこれからはコソコソと自身の前からいなくなってしまう事もないのだと思えば、先程告げられた事実は決して喜ばしい内容ではないとはいえ、それを打ち明けて貰えた事は自身にとってただ傷付くだけのものではなかった。毒薬なんて得体の知れない物を飲まされた幼馴染みは、最悪の状況になっていてもおかしくはなかったはず。それでも今彼は生きていて、ここにいる。どんな姿でも新一は新一で、新一がこうして傍にいてくれている。それが…正直、嬉しい。こんな時にこんな事、決して口には出せないが。多少なりとも態度には出てしまったかもしれない。博士に断りを入れると、阿笠邸のキッチンを借りて手際良く調理を進めていく。暫く経ち、いつの日か哀ちゃんにも作った事がある玉子粥が乗ったお盆を手に戻って来て)
おまたせ~!
────ふっ…。
(キッチンへと向かう彼女の何処となく嬉しそうな姿に心の奥に引っかかっていた物が取れた様にホッと胸を撫で下ろす。彼女の涙を見た時はとても心苦しく胸が締め付けられる思いだった。目前でコナンになり状況から仕方なく話してしまったが、本当にこれで良かったのかその答えについては未だに出せていない。組織を壊滅させていない以上全てを話す訳にもいかず、靄が晴れずスッキリしない感覚に陥る。
──幼馴染がキッチンに立っている間に、心配して近付く博士。ピスコと言う組織のメンバーに連れ攫われた時と言い、今回の誘拐事件と言い、またいつどんな状況下で同じ目に遭うか分からない。それは秘密を知った幼馴染だって同じだ。これから先、更に細心の注意が必要となるだろう。そう思えばこそ、博士には自分達の事よりも灰原を気に掛けて欲しいと伝えて)
…ああ、さんきゅ。いただきます──旨っ!
(キッチンから戻ってきた彼女に気付かれる前に博士との話を終わらせ、何事もなかったかの様に笑みを浮かべて礼を一言。作りたてという事もあって、熱々の湯気に覆われた美味しそうな玉子粥を前に添えられたレンゲを左手で少し掬い、自分の息を吹きかけ冷ましてから口の中へと頬張り。コナンとして傍に居て彼女の作る手料理を毎日のように食べていた筈なのに、なんだか久々に味わう様な不思議な感覚になる。正体を明かした事によるほんの少しの解放感がそうさせているのかも知れない。
感想を短く述べると一口、また一口と食べ進めて)
んふふ…!
(冷蔵庫にあった食材で作った即席料理ではあるが、それでも本当に美味しそうに食べてくれる幼馴染みの姿につい頬が緩んでしまう。彼が目の前にいて、自身の手料理を食べているというこの状況がただただ嬉しくて、幸せを噛み締めるように彼が食べる様子をじっと見つめていて。そういえば、コナン君も自身の料理を気に入ってよく褒めてくれていたな、なんて事を思い出す。今思えば、それは実質的に新一から褒められていたようなもので…何だか急に恥ずかしくなり、仄かに頬を染めて一人もじもじと俯いてしまい──ふと、ある事に気が付く。自身は今の今まで新一とコナン君が同一人物だとは知らなかった訳で。当然、コナン君に対してはコナン君としての接し方をしていた訳で…あれ?自身はコナン君と同じ部屋で眠ったり、一緒に入浴をしたりしていなかっただろうか。それだけじゃない。確か以前コナン君に向かって、新一の事が大好きだとか何とか、堂々と宣言してしまったような気も。これは大問題なのではないだろうか。顔から火が出るほど恥ずかしいのだが。俯いたままチラリと目線だけで幼馴染みの様子を窺ってみれば、相変わらず美味しそうに玉子粥を頬張っている。まさか、全て忘れているのだろうか。それとも全部気が付いていて、その上でいつも通り平然としていられるのだろうか。全てを知った上でずっとコナン君として自身の傍にいた彼は、一体全体そこのところをどう思っているのだろう。一度気になってしまえば、とことん気になりすぎてソワソワと落ち着かない。真っ赤な顔をおそるおそる上げると、じとりと半目で彼を睨み口を尖らせて)
てか新一、何かわたしに言う事とかないわけ…?
──はっ?オメーに言う事…?
(半分程食べ終えた所で一旦手を止めて。嬉しそうにしていたかと思えば、今度は睨みつけている。表情が次から次へとコロコロ変わり忙しい奴と思いつつ、何かあっただろうかと思考を巡らせる。顔を真っ赤に染めた彼女を再度見ても、何の事か分からずと言った具合。色んな事が起こりすぎた所為もあって完全に忘れているらしく、思い出せない様子で。
博士に聞いた所で分かるはずも無いのだが、一応聞いてみてもニタニタと気持ち悪い笑顔を浮かべるだけで何も分からずに)
だ、だから~!コナン君の時に、その──
…わ、分かんないなら、もういいよ…
(全く心当たりが無さそうな彼の様子に、拍子抜けしてしまう。安心したような少し残念なような、何とも言えない複雑な心境。あんな事やそんな事も何もかも全部、コナン君として過ごしていた間の自身とのやりとりは彼にとって完全にノーカウントで、何とも思っていないという事なのだろうか。大して気にしていないからこそ、綺麗さっぱり忘れてしまえるのだろう。いや、はっきり覚えられていたとしてもそれはそれで恥ずかしいから、これでいいのだろうけど…やっぱりずるい。彼にとっては平気でも、自身にとっては知らない間にあれこれやらかしてしまっているのだから。此方だけが勝手にこんな恥ずかしい思いをしなければならないのは、どうも納得いかない。抗議しようと仏頂面で口を開くが、それを言葉にして説明すること自体恥ずかしくなってくる。そもそも、せっかく彼が忘れているものを思い出させるなんて、それこそ墓穴を掘るようなものだ。すぐさま撤回したその語尾はもごもごと弱々しくなっていき、頬を染めたまま視線を逸らして)
コナンの時……──ッ!!けほっ、ごほ、ごほっ…
(ヒントを貰い更に思考を巡らせればある一つの答えに辿り着く
。止めていた手を再度動かし、残りの粥を口に運んだ後という最悪のタイミングで変な所に飲み込んだ物が入ってしまい咳き込んで。急いで水を飲んで流し込むと、危なかったと胸を撫で下ろし息吐いて。
彼女が聞いている事は間違いなくあの事だろうと検討がつき。正体を明かした時、コロされるだろうなと覚悟しては背筋が凍ったと言うのに何故忘れていたのか──。呼吸を落ち着かせてから、少々気まずそうに顔を背けて)
あー!やっぱり覚えてるのね?ヤダヤダ最低~!
(突然盛大なリアクションをする彼に驚き顔を上げ、ポカンと呆気に取られながらその様子を見守っていれば、何か答えてくれるどころかそっぽを向かれてしまって。あんな事やこんな事がありすぎて彼が一体どれを想像しているのかは分からないが、この反応からして確実に彼は覚えていると確信。何も知らずにやらかしてしまった出来事が多すぎて、穴があったら今すぐ入りたい。それもこれも、彼が別人のふりなんてするからいけないのだ。真っ赤な顔をぶんぶん左右に振りながらビシッと彼を指差し、ぷんすかと怒りをぶつけ始めて)
バ、バーローッ!お、俺は別に好きで覚えてる訳じゃなくてっ、イッ──だいたい、俺はちゃんと断ってただろーがっ。
(一方的に怒りをぶつけてくるこの状況に、彼女の方を見て対抗し大きめの声を出して。途中まで言葉を紡ぎ出すも、その行動が怪我の痛みを再認識させる事となり一瞬痛みで顔を顰めて。相手に聞こえるかどうかくらいの声量で目線逸らしながら続けて。
コナンとして過ごしていた期間、聞いてはいけないであろ女子の会話を聞いてしまった事も自信に対する彼女の気持ちを聞いてしまった事も確かな事実だ。けれどそれよりも、一緒に風呂に入る事になった時や怖がりな彼女の頼みを断れず同じ布団で寝てしまった事の方が相手にとっても自分にとっても重要な事で)
は、はぁ?どーいう意味よそれ?悪かったわね。聞きたくもないもの聞かせて…見たくもないもの見せちゃってっ!
(彼は何やらボソボソと言い訳を続けているようだが、そんな事よりも自身にはとあるワードが引っ掛かり、後半はほとんど頭に入ってこなかった。好きで覚えている訳ではない…まるで嫌がっているようなその言い方。言わせてもらえば此方だって、相手が小学生の男の子だと思っていたから気を許しきっていただけなのだ。要するに彼がした事は、盗み聞きや盗み見と変わらない。勝手に見ておいてそんなに嫌がられるなんて心外だとぴくりと眉を吊り上げ、彼に目線を逸らされても構わず被せ気味に反論する。言い返しているうちに、一体自身は彼に忘れて欲しいのか欲しくないのか、言いたい事がよく分からなくなってきたような気もするのだが──その辺は複雑な乙女心というもの。そもそも、やらかしてしまった恥ずかしさを怒って誤魔化しているだけというのが正直なところで。実際は反論する度に顔の赤みは増していく一方なのだが、引っ込みがつかなくなっており)
なっ!──と、兎に角、今日はもう帰れよ。オメーの父さんも心配してんだろ。
(まだ怒りが治らず反論してくる彼女に言い返そうとした所、少し離れた場所で二人だけの空間ではなく自分も居るのだと気まずそうに咳払いをする博士。側から見れば些細なことで揉めている痴話喧嘩、と認識されてもおかしく無い。言い返す気もなくなり冷静さを取り戻して。
気が付けば暗かった空も次第に明るみを帯びてきており、朝まで帰らない娘を心配しない親などいる訳もなく。況して眠りの小五郎、彼女の父親なら焦って騒いでいるかも知れない。そんな予想が容易に出来、話の切りも良いしと帰る様に促して)
あっ…ヤバ!お父さんからいっぱい着信きてる…!
(彼に促されてようやく、そういえば父親にカップ麺と簡易的なメモのみを残してそのまま家を飛び出してきてしまった事を思い出す。カレーの鍋だって作りかけのまま放置しているし、そんな状況で自身と連絡もつかず一晩帰ってこなかったら、父親の事だから大騒ぎしているはず。慌てて携帯を確認してみれば、案の定何十件もの不在着信が。どう言い訳をしよう…なんて考えている間にも、時間は過ぎていく訳で。怪我をしている彼を残して帰宅するのはかなり不安ではあるが、さすがにここは彼の言う通り、一刻も早く帰宅するべきだろう。立ち上がって思い出したように去り際に一言付け加えると、足早に玄関へと向かって)
そうだ、玉子粥。多めに作ってるから、よかったら博士も哀ちゃんと食べてね。
蘭っ!…その、俺の事だけど…コナンが工藤新一だって事は周囲の人間には秘密にしてくれ。勿論、オメーの父さんや園子達にもだ。…約束、出来るか?
(帰宅を急ぐ彼女の名を呼び引き留め、言いにくそうに切り出す。自分から正体を明かしておいてこんな事言うのは烏滸がましいが、詳細な組織の事を話して無いにしても秘密を知る人間を彼等が生かして置く筈が無い。結果として彼女も自身の秘密を知る数少ない人間の一人にしてしまった訳だが、他に知る人間を増やせば組織に狙われる人達を増やす事になる。実際勘違いだったとは言え、毛利探偵は一度命を彼らに狙われている。そんな事態を避ける為にも、真剣な眼差しと声色で約束して欲しいと願い出て)
え…──う、うん。新一がそう言うなら…誰にも言わないよ。
(足を止めて振り返り、告げられた言葉に目をぱちくりさせながら真剣な表情の彼をじっと見つめる。普通に考えれば、こんなに有り得ない事が起きているのだから周りの全員とは言わないまでも、可能な限り多くの人の協力を仰いだ方がいいと思ってしまうのだが。警察にだって相談すべきだし、身体の事も心配だから病院で診てもらうべきだろう。結局、それでも彼が秘密を打ち明けようとしない理由は曖昧なまま分からず終い。彼は危険だからだと言っていたけれど、危険なら尚の事警察に言うべきなのだから、まだまだ自身の知らない深い事情がありそうだと何となく感じ取って。当然気にはなるが、彼が話さないと決めたのならこれ以上自身が追及する事ではない。自身は、幼馴染みが無事でいてくれればそれでいいのだ。最も知りたかった事は打ち明けてもらえた。彼のその決断を踏みにじらないよう、信じて彼の言う通りにしようと決意。ゆっくりと頷き、それから不安げに瞳を揺らし確かめるように言葉を続けて)
でも、一人で無茶したりしないでよね?新一…
──そっか、サンキューな。
(家族や友達など他人を思い遣れる彼女にとって、周りを騙さなければならないと言う責任と秘密の重みは辛いものになるかも知れない。その重圧に押し潰されないかと正直不安な面もあるが、自分を信じ約束してくれると言う彼女に礼を告げ。
しかし"無茶しないで"と言う事に対して自身は簡単に約束は出来そうに無いが、表面上だけでも安心させなければ本当に危険な所まで踏み込んでくるかも知れないと普通を装えば)
…分かってる。ちゃんと病院にも行くし心配すんな。
…それじゃ、また様子見に来るね。あ、新一にもお父さんから鬼電来てるかも!適当に言っとくから、新一は安静にしててっ。
(彼の言葉にホッとしたように柔らかく微笑み、今度こそ帰宅しようと一歩踏み出したところでふと思い至る。昨晩自身は父親に会っておらず、咄嗟に残したのは夕飯に関する簡易的なメモのみの為、コナン君が博士の家に泊まる事も当然伝わっていないだろう。一晩中戻ってこない自身の行き先が分からず連絡も取れない、更にはコナン君までいないとなれば、自身同様コナン君の携帯にも父親から大量の連絡が来ている可能性が高い。ごめんね、と言うように彼に向かって両手を合わせて眉を下げ、携帯は気にせず大人しくしているよう念を押せば、小走りで阿笠邸を後にして)
ああ、気を付けてな。
(彼女を見送った後、コナンの携帯を取り出し電源を入れる。電源を切っていた為、不在着信は無いが留守電として何件かメッセージが残されている物があり。一番上に表示されている留守電を聞いてみると、案の定連絡がつかないイラつきと心配の折混ざった声色で"連絡しろ"などのメッセージが。あまりにも予想通りだなと顔を引き攣らせ苦笑いを浮かべて電話を置いて。
──さて此れからどうするか。病院へ行くにも、自室に篭ってしまった少女を一人残して行く訳には行かない。暫し考えある1人の医師が思い浮かぶと、こんな早い時間帯に気は引けるが新出医師に連絡してくれる様に博士に頼めば再び横になり)
……って、眠れるわけないよー!
(探偵事務所まで帰りつけば、もう大分明るくなってきたとはいえ2階の事務所の明かりが点いているのが外からでも分かった。探し疲れて眠っている可能性も踏まえてそーっと静かにドアを開けた瞬間、泣きそうな顔をした父親が大声で自身の名を呼びながら駆け寄ってきて、これほどまでに心配をかけてしまった事に胸が痛むと同時に、つられて泣きそうになってしまう。一睡もせずに近所を探し回ったり、普段は積極的に仲良くしたがらない母親に連絡を取ったりもしていたようだ。それでも本当の事情を告げる事は出来ず──泣く泣く園子の家に泊まっていて、話が盛り上がりすぎた故に連絡をし損ねてしまったという事にさせてもらったが…咄嗟の言い訳に親友を使ってしまったのも、なんだか嘘に巻き込んでしまったようで後ろめたく、父親の顔が直視できなかった。帰宅が遅れた理由を、一つ誤魔化すだけでもこの調子である。幼馴染みはずっと、こんな辛い思いをしながらあんなに大きな秘密を抱えてきたのかと思えば、長年近くで見てきたはずの彼がすぐ傍で苦しんでいるのに気付けなかった自身が、どうしようもなく情けなくなってくる。とにかく父親に謝罪と説明を繰り返して何とか納得してもらい、疲れているだろうから眠るよう伝えると、住居スペースに移動して放置していた物を簡単に片付け、自身も少し仮眠を取ろうと自室のベッドに横になり。それでも色んな事がありすぎて、瞳を閉じれば怪我をした彼の姿や彼が目の前で縮んでいく瞬間が脳裏に鮮明に蘇り…まったく眠れる気配がないまま、意味もなく何度も寝返りを打ちながら思いを巡らせて)
──はははっ… ありがとう、新出先生。
(医師が来る前に新一の服からコナンの服へと、博士に手伝って貰いながら着替える。
暫くして早い時間帯にも関わらず駆け付けてくれた医師により、傷口の診断を受ける。本来なら病院へ行き、きちんと検査を受け手術して縫合すべきだと半ば怒られながら指摘を受け思わず苦笑いを溢して。医師の判断はご尤もだが、状況が状況なだけに行く事は出来ない。組織から守るべく彼自身もFBIにより一時的に身柄を保護されていたが、まさかその組織に属する一人に撃たれたなんて口が裂けても言えず。況して子供の自分が関わっているなんて知られたら、彼の性格上黙って見過ごしてはくれないだろう。
博士の協力もあり、どうにか納得してくれた様で治療を受ける事に。本来なら全身麻酔が好ましいが、場所が治療室では無い事もあって部分麻酔を打たれ治療がスタート。彼曰くどうやら神経を傷つけてはいない様で、回復後の腕の動きにも影響は無いらしい。それだけでもホッと一安心だ。
──それから傷口の縫合から包帯を巻き終えるまでの全ての治療が終わり、傷口が開かない様にする為に首から右腕を吊る形になる。最後に新出医師から"全治2ヶ月"とはっきり診断され、いくら何でも長過ぎやしないかと抗議の声を挙げれば"君は怪我が多いし、無茶ばかりするだろう?医師の忠告を無視して病院へ行かない罰だよ"とお叱りを受ける。更に続けて"完治するまでは絶対安静に無理も禁物、無理をすれば一目で分かる"などと言われ仕方なく応じる事に。帰宅する医師に再度お礼を述べ見送ると、何とかひと段落と安堵の溜息を一つ吐いて)
…新一、ちゃんと病院行ったのかなぁ。哀ちゃんの事も気になるし…
(何とか眠りにつこうと暫く目を閉じてじっとしていたが、ただ一人静かな部屋にいても次々と懸念材料を思い浮かべてしまうだけで、全く落ち着かない。あれから新一はちゃんと病院に行ったのだろうか。哀ちゃんは食事を口にしてくれただろうか──考えれば考えるほど気になって、休むどころではない。一言だけでも確認の連絡をしてみようかと携帯を手に取っては、安静にするよう言った手前、寝ている所を起こしてしまっては元も子もないと思い留まる事の繰り返し。幼馴染みを信じようと決意はしたものの、時間が経って冷静になってくるにつれて、そもそも幼馴染みが飲まされたというその毒薬に身体が縮む以外の副作用や害はないのか等、心配事は増えていく一方だ。こんな時に、知識も経験も乏しくて何の力にもなれない自分がもどかしい。居ても立ってもいられず、どうせ眠れそうにないならばせめて少しでも収穫があればと、丁度手にしていた携帯で“毒薬 副作用”、“怪我人 栄養”等の語句を検索し始めて)
──博士、もう大丈夫だから寝てくれ。ってもベッド占領しちまってるけど……。
(バタバタと色んなことがいっぺんに起こり過ぎた。時間の経過も倍以上に長く感じられ、博士も疲れたのではと気に掛ける。そんな博士から返って来たのは、先程少し寝たから大丈夫だと言うこと。ベッドを占領してしまって申し訳ないと思いつつそのまま借りる事にして。ホッとしたのも束の間、これからどうするべきか考える事もやらなければいけない事も山積みだ。
自分の正体を知る人物、つまり両親や関西の親友に対して幼馴染に明かしてしまったと伝えて置くべきか悩ましい所。まあ伝えるだけ伝えて、万一の時に備えて置くのが一番良いのかもしれない。結論に辿り着くと先ず親に連絡をと携帯を取り出して)
くっそ、打ちづれぇ…──あとは服部にも送っとくか。
(右手を吊っている為、左手を使って文章を打つも不慣れな為に打ち間違いや一文打つのに多少時間を要する。文句を言いながらも簡潔な文章ではあるものの打ち終えて片親に送信する。常に一緒にいるのだから十分伝わるだろう。
また関西の親友に送る為、新たにメッセージ作成をし始めて)
…へぇー、疲労回復…!
(調べてみると、野菜をたっぷりと入れて煮込んだスープカレーがさらりとしていて比較的食べやすい上に、バランスよく栄養が取れて疲労回復効果もあるという情報を発見。病人にカレーを差し入れするのは胃もたれしないかと心配になってくるが、どうやらそもそもカレーに含まれるスパイスは薬として用いられる事もあり、カレーは工夫次第で究極の健康食になるとの事。“これだ…!”思い立ったらすぐ行動。急いでベッドから起き上がり、必要な材料を買い足しに近所のスーパーへ直行する。丁度昨晩カレーを作りかけていたから、それをうまくアレンジ出来そうだ。携帯でレシピを確認しながら、材料を買い物カゴへ入れていく。隠し味に味噌を入れるのがポイントらしい。無事に買い物を済ませて自宅に戻ると、早速作りかけのカレーに手を加え始める。今の自身にも出来る事──昨日この家でコナン君と交わした会話を…新一が自身のカレーを大好きだと言ってくれた事を思い出す。スープカレーなら怪我をしていてもスプーンで食べられるし、食欲がなければ少し飲むだけでも、お腹が空いてきたら白米と合わせて食べてもらえるのではないかとあれこれ考えながら手を動かし、初めて挑戦するレシピではあるが様々なサイトを閲覧しながら何とか完成までこぎつける。冷凍しておけば日持ちするだろうから、自身と父親の分を確保して残りは鍋ごと持って行こう。ただただ心配で様子を見に来てしまったと正直に告げるより、差し入れという口実があった方が幼馴染みにも受け入れてもらいやすいだろう。自身にはこんな些細な事しか出来ないしありがた迷惑かも知れないが、居ても立ってもいられなかった。既に目を覚ましていた父親に今度はきちんと出掛ける旨を伝えてから、蓋付きの鍋を手に阿笠邸へと向かい、到着すれば呼び鈴を鳴らして)
……電話?──何でって、今ちょっと立て込んでんだよ。事情はさっき送っただろ?──。
(関西の親友にメッセージを送り終えた直後、電話着信を告げる音が鳴り響く。画面を見ると服部平次の文字。今出れば面倒臭い事になりそうだと直感が働き、見なかった事にしようと電話に出る事なく切り。尽かさず次の電話が掛かって来る。何度かその繰り返しで次第にしつこいと思いつつ、仕方なく電話に出る事に。出た瞬間、電話の主は案の定キレていて。実際これからの事について対策を考えなければならない為、電話なら後にして欲しいのだが──。
親友と電話でやりとりしていると、阿笠邸へ来客を知らせるチャイムの音が鳴り響く。博士がモニターを確認すると、数時間前に帰ったばかりの幼馴染だと言う。ちゃんと病院へ行ったのか確認しに来たのかもしれない。医師から絶対安静と言われているのに電話しているのを彼女が見たら、何を言われるか分からない。
ただでさえ少々面倒臭い親友と電話中という事もあり、博士には病院へ行っていると上手く伝えて貰えるように頼みベッドから降りてリビングの二階へ移動して声を押し殺.して。
その事を確認した上で、博士は玄関へ行きドアを開けて"忘れ物かのう?新一は昴くんと一緒に病院へ行っていて居ないんじゃが?"と)
あ、そうじゃなくて、差し入れ持って来たんだけど…良かった。ちゃんと病院行ってるんだね。
(暫しの間の後、ドアの向こうから博士が現れる。忘れ物かと問われれば首を振って否定し、持っていた鍋を軽く掲げて見せながら料理を渡しに来た事を伝えて。一時は病院に行くのをあんなに嫌がっていた幼馴染みだったが、きちんと行ってくれたのなら一安心だ。どことなく強張っていた表情を緩め、ホッと息を吐く。このまま博士に料理を預けて帰ろうかとも思ったが、本音としては彼の診断結果も非常に気になるところ。博士だって疲れているだろうし昨日の今日で長居し過ぎるのも躊躇われるのだが、かといってこのまま帰ったとしても、結局容態が気になって幼馴染みに連絡してしまいそうだ。あんなに高熱を出していた上に大怪我をしている幼馴染みの事を、気にするなという方が無理な話である。少し悩んでから、せめて一目会って医師の見解を聞いてから帰らせてもらえないかと遠慮がちに切り出して)
ねえ博士。新一が帰ってくるまで、待たせてもらってもいいかなぁ?やっぱり心配で…
ー阿笠ー
色々とすまんのう。
──すまんが、これから予定があってのう。すぐに出なきゃ間に合わんのじゃ。新一も診断がついたら連絡すると言っておったし、家に帰って待っておった方が良いと思うが。
(相手の幼馴染の秘密を知り、更には倒れた少年の看病から色々なことが目紛しく起こり疲れているだろうに差し入れまで届けてくれるとは。長年近くに居る幼馴染が怪我をしているのだから心配するのも分かるが当人と約束した手前、中に招き入れる事も出来ず、それとなく理由を付けて断りを。)
蘭くんも疲れているんじゃし、しっかり休まんと倒れてしまうぞい。
そっか…無理言ってごめんね。
じゃあこれ…多めに作ってあるから、余った分は冷凍しといて。
(幼馴染みの様子を見る事が出来ないのは残念だが、予定が入っているのならこれ以上無理を言う訳にもいかないだろう。申し訳なさそうに眉を下げて謝り、スープカレーが入った鍋を博士に差し出す。自身を気遣う言葉をかけられれば、どう答えたものかと一瞬悩み視線を下に落として。休まなければならないのは重々承知しているのだが、先程から幼馴染みの怪我の具合や自身が傷付けてしまったかも知れない少女の事など、気がかりな点が多すぎて落ち着かない。それでも幼馴染みは病院に行ってくれたようだし、その結果を聞けば少しは気が晴れるだろうか。周囲には秘密にするよう幼馴染みから言われているというのに、いつまでも自身がどんよりした気分でいては不審に思われてしまう可能性もある。気持ちを切り替えなければと笑顔を繕って返事をし、阿笠邸を後にして)
ありがと、博士。これから帰って休むね。
────ああ、悪い服部。掛け直す。
…博士、蘭のやつ何て?──いやダメだ。
(博士が戻って来た所を見ると幼馴染はどうやら帰ったらしい。博士が玄関へ行ってからずっと声を出さずに黙り込んでいた為、電話の相手が不審がり慌てて返事をすると話もそこそこに電話を切り一階へ降りる。博士の様子からしてどうやら忘れ物をしたとかでは無いらしいが、酷く心配した様子で差し入れまで持って来てくれたとのこと。肝心な部分も含めて全てを話すべきなのでは無いかと助言を受けるが、危険な目には遭わせたくない。これだけは何があろうと絶対に教えられないと強めの口調ではっきりと答える。
それでも怪我の事を知っている以上、その経過だけは伝えた方が良いと助言を受け形態を取り出すとゆっくりではあるが文章を打ち送信)
──────
宛先:蘭
件名:
内容:遅くなって悪い。
怪我の診断結果だけど、神経も傷付いてないみたいだし問題ねーってさ。体調の方も心配しなくて大丈夫だから、オメェもしっかり休めよ?
それと灰原の事も心配だし、悪いけど暫く博士の家にいる事にしたからよろしくな。
P.S 博士から差し入れ貰ったって聞いた。サンキューな。
──────
そっか…まぁ、そうだよね。あの怪我じゃ、お父さんにも……って、お父さん!?
あ、うん、ちょっとね。あー、コナン君なら博士の家に泊まるって…え?えっと、それは──、
(帰宅後、父親の食事の支度をしようとスープカレーを盛り付けていると、メールの着信音が。急いで手を止めてテーブル上の携帯に駆け寄り確認すれば、それは待ち侘びていた幼馴染みからの連絡で。結果は問題なかったとの内容に、一先ずはホッと息を吐く。それから追伸の言葉にも、思わずにやけてしまう。暫く博士の家に泊まるという報告は、何となく予想していた。あんな大怪我をした状態で帰ってくれば父親にも色々と突っ込まれるだろうから、少し寂しいがそれが正解だろうと納得したように呟いたタイミングで丁度父親がやって来て、動揺から咄嗟に携帯を後ろ手に隠してしまう。隠した事で逆に目立ってしまったのか、何を見ていたのかと問われて適当に誤魔化そうとすれば、今度は“そういや、あのボウズはどうした?”と尋ねられる。場所くらいは伝えておかなければと正直に答えるものの、続けざまに“明後日は学校だし、明日には戻って来るんだろ?”なんて問われて、報告を受けた直後で当然何の口実も用意しておらず困ってしまう。確かに、怪我をした状態で幼馴染みが此処に帰って来れば父親だって当然心配になるだろうが、暫く帰って来なければそれはそれで心配するだろう。
“もぉー。秘密にしろとか言うなら、お父さんへの言い訳くらいちゃんと考えて送ってきてよねー?”なんて心の中で幼馴染みにぼやいてみても、長期間不在にするような言い訳が瞬時に舞い降りてくるはずがない。不慣れな事はするものじゃない…と言っている場合でもなく、今後はこういう対応にも慣れていかなければならないのだが。昨日の今日ではまだ上手に誤魔化す事ができないのは、さすがに許して欲しい。ここで自身が下手な言い訳をしてボロが出てしまっては余計にマズいし、結局は口裏を合わせておく必要がある内容だ。苦笑いで会話を引き伸ばしつつ、後ろ手に持った携帯を何とか手探りで操作して【おとうさん せつめい】と入力すれば、伝わるかどうかは不明だがダメ元でそのまま幼馴染みに返信してみて)
…説明?…──
(そんなに時間も経過しない内にメール着信を知らせる音が。直様開いて見てみると幼馴染からの短い文面で。先ほど送ったメール内容から察するに、恐らく自身が博士の家に居座る理由を毛利探偵に問われたのだろう。
完治するまでは2ヶ月。そんなに長期間ともなるとそれなりの理由が必要だ。しかし正直に説明させる訳にもいかないし──。
思考を巡らせ一つの案に辿り着く。この理由にしてしまうと自身の行動に制限をかける事になってしまうが、この際仕方ないだろう。思いつけばコナンの方の携帯を取り出し文章を打ち始め、あくまでコナンとして装い"急なんだけど、明日お母さんから帰国するって連絡が来たんだ。暫く日本に居れるみたいで、一緒に暮らそうって事になっちゃって。学校もちゃんと行くから心配しないで"と送信して)
あっ…噂をすればコナン君からメールだよ、ほら。
(父親に携帯の画面を見せれば、特にそれ以上深く突っ込まれる事もなくあっさりと納得してくれたようで一安心。ふぅと息を吐きながら、さすが幼馴染みだなと感心する。こういう状況に慣れているのか頭の回転が早いのか…おそらく両方なのだろう。“今日は変わったカレーだな…”なんて呟きながら自身の料理を美味しそうに食べている父親を横目に、早速幼馴染みにお礼のメールを打ち始める。
【ありがと、新一!急にお父さんに聞かれて困ってたから助かったよ。あんな言い訳、咄嗟によく思いついたね?さすが新一!わたしも見習わなきゃ。怪我の方も、問題ないみたいで良かった。でも、だからって無理しないでよね?お父さんも納得してくれたみたいだし、安心してゆっくり休んでね。】
送信し終わり、先に食べ始めていた父親と一緒に食事をとる。何だかんだで自身も一日ほど何も口にしておらずお腹が空いていたのか、食べ始めれば案外食が進んでしっかりと完食する事ができた。食器類を片付け終わっても、昨晩家を飛び出したままで掃除や洗濯物が溜まっている。一つずつやるべき事を済ませているとあっという間に時間は過ぎていき、全てが片付いた頃には疲労や安心感から久々の眠気が訪れる。今ならばすぐに眠れそうだ…と考えた記憶を最後に、いつの間にかリビングのテーブルに突っ伏して眠りについており)
……。
(メールを受信して内容に目を通すと、つい先程まで緊張状態が続いていた事もあり、その文面にほっこりして思わず笑みが溢れる。その直後、夕飯の支度が出来たからと博士に呼ばれ携帯をしまうとカウンター席に着く。一方で声を掛けても出て来る気配のない少女に困り果てる博士。"後で話してみる"と伝え、冷める前にスープカレーを食べ始める。程よいスパイスの辛さと旨味が体中に染み渡る。
毛利探偵事務所に居て今までスープカレーは出た事が無く、恐らくレシピを調べながら作ってくれたのだろう。スパイスが薬として使われる事があるのは知っている。幼馴染の心遣いに感謝しながら食べ終えて。少し休んだ後、組織を壊滅させる為に協力関係にある人物達にそれぞれ連絡を済ませ、念の為阿笠邸の周辺警護を依頼する。灰原に関しては今はまだそっとしておいた方が良いだろうと考え、博士にも早めに休む様に伝える。
自分も心配されるが先程休んだから平気だと答え、今後どうするべきか考え始めて)
(/お返事をお待たせしており、誠に申し訳ございません。恐れ入りますが、体調面の問題により本日より2週間~1ヶ月前後、レス頻度が落ちてしまいそうです。これまでのやり取りがとても楽しく、ロルの相性等を踏まえましても今後もぜひお相手をお願いしたいというのが此方の正直な意見なのですが、現時点で復帰予定日を明言できず一方的にお待たせする形となってしまう為、継続が難しいようでしたら遠慮なく仰ってください。確認が遅れる可能性がありますが、必ずまた顔を出させて頂きます。)
(/わわ、大丈夫ですか?体調優れない中、ご連絡頂き有難うございます。レス頻度、了解致しました。
此方としましても、とても楽しませて頂いておりますし是非待たせてくださいませ!
勿論体調やリアルの方が大切ですし、其方を優先して頂いてお互いに出来るペースでお話を紡いでいけたら良いなと思っております。今は無理をせず、お身体ご自愛ください。体調が早期回復されます事を、微力ながら祈っております。)
(/あたたかいお言葉をありがとうございます…!反応が遅くなり、申し訳ございません。おかげさまで今月中には退院できる見込みです。レス頻度が落ちてもこちらには何とか顔を出すつもりでいましたが、環境の違いや体調面から思うように言葉を紡ぐ事が出来ず、期間が空いてしまいました。お待たせしている中恐れ入りますが、完治して状況が落ち着くまでは引き続きお休みさせて頂ければと思います。お待ち頂けるとのお言葉 大変嬉しく思いますが、当初と状況が変わってしまった事も踏まえまして、もしこれ以上待てない!と感じた際にはいつでも仰ってくださいね。これから梅雨に入り体調を崩しやすい時期となりますので、背後様もどうかご自愛くださいませ。もちろん、お待ち頂ける限りは時間がかかっても必ず全力で戻って参りますので、今後ともぜひよろしくお願い致します。)
(/退院できる見込みと聞いて安心しました、本当によかったです!お休みの件に関しましては、どうぞ気にされる事なく安心してお休み下さいませ。いつ迄でも待つつもりで居ります故…!
またお気遣いありがとうございます。1レス前の様に時折、生存表明の意味を込めて上げさせて頂きますがご了承頂けると幸いです。頻度的に然程高くないかもですが汗
此方こそ絡み再開出来る日を楽しみにお待ちしておりますので、これからもよろしくお願い致します。)
(/暑い日が続いておりますが、体調は大丈夫でしょうか?くれぐれもご無理なさらず、お身体ご自愛ください。
生存証明に上げさせて頂きます。)
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