半熟探偵 2022-05-11 18:01:11 |
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だろう?やはり視覚と欲求は密接に関係しているんだろうね。……確かに君にはそのブルーベリーの色がとても良く似合っている。お互いこの色に惹かれてしまうのは必然のようだね。
(フルーツサンドが流行したのは単なる目新しさだけではない。そこに斬新さ芸術的な面があったからこその話題沸騰だ。それを理解したのだろうて勝手に解釈すると満足げに数度頷き、進む列に合わせて歩を進め。なんの気無しに選んだ緑色だったが、相棒が選んだものも同じく戦闘服の色。その事実が自分から言い出したもののはずなのにどことなく気恥ずかしくて、芝居じみた声色で返事をしたあと先頭の方に目を向け。購入までもう少し、その時点でふと思い出したように「あ、」と声を漏らしていて)
見た目で印象も大分変わるもんな。ああ、なんか目につくつーか、この色が一番しっくりくる。お前と相棒始めてからな
(断面が見えてなければ味は同じでもここまで興味を持つことは無かったはずだ。そう意味では検索にのめり込んで実物を見たくなった気持ちもある程度理解は出来る。見た目の大事さに共感しながら列に合わせて歩を進め。あの夜から二人の象徴でもあり特別になった色を何気ない日常でも選択したことに気恥しい気持ちもあるが何処か嬉しいような気持ちの方が強くて芝居じみた返事にクスッと笑いながら言葉紡ぎ。そんな会話をしていれば随分列も進んできたが何かを思い出したような仕草に「どうかしたか?」と問いかけ)
……あぁ。僕が使うメモリはひとつじゃないが、やはり最初に手にしたメモリは思い出深いね。それで、僕は緑、翔太郎は紫なのはいいとして……アキちゃんは何色だろう?いつも明るいから安易に黄色、となればバナナ?いやでもいつも使っているスリッパは緑で、でもそれは僕の色と被る……
(どことなく嬉しそうに語るその姿に嬉しくて、どこか救われたようにも思い。あの日あの場所に居合わせ悪魔と相乗りさせてしまった相棒、それを後悔とは言わないが、それでもふたりでひとりの姿に愛着を持ってくれていることは嬉しい。列を進みつつ前を向いて笑みを噛み殺しながら話題を最後のひとつへ移し。我らが所長の分も買って帰るわけだが、彼女にふさわしいものがどれかピンと浮かばず、迫りくる会計の順番を横目でみつつブツブツと呟き)
まさか食べ物にまで影響が及ぶとは思わなかったけどな。あー、亜樹子の色ねぇ…。色じゃないがあの騒がしさはパイナップルとかミカンって感じがしねぇか?
(あの時あの場所で手にした始まりの色がすっかり生活にまで根付いているのはそれだけこの相棒と過ごした月日の証明でもあって何だか擽ったい気もする。茶化すように笑って感想零してはもう一人自分達には欠かせない人物の話題に触れる。相棒と違ってメモリを持たない彼女の色はと問われ横で同じく思考をめぐらせる。騒がしいし無駄に活発でもあるがその明るい部分に救われることも多い。陳列棚の商品に目を移せばその事は口にせずともイメージに近い果物をあげてみて)
君も悪魔との相乗りが板についてきたということだね。なるほど、パイナップルというのは確かに良いかもしれない。南国のイメージはアキちゃんの雰囲気にあっているね。サンバも踊れそうだ。
(気がつけばふたりでひとりでいることは当たり前になっていて、相棒はなくてはならない存在。互いに違和感なく隣に収まっているのは嬉しいことだが、同じく気恥ずかしいのは確か。こちらも茶化すように返事をしておき。我が所長に合うフルーツ、相棒が上げた中ではパイナップルがぴったりだ。マラカスを持って満面の笑みで踊る所長の姿が目に浮かび、しっくりくると数度頷いて。そうしているうちに列は進み気がつけば次が会計の番で、任せたとばかりに目配せし)
ああ。 ならパイナップルにすっか。その事、亜樹子に伝えたら怒りそうだが。
(相棒が欠かせない存在であるのはこうして言葉にしたのは久しぶりでお互いに照れ隠ししてるようなこの空気は嫌いではなくて満足気に相槌を打つ。自分の提案が肯定されるとあっさりその案に決定する。南国でサンバを踊る彼女の姿とそれにツッコミを入れる姿が簡単に想像つけば思わず口元緩みつつ列を進み。ようやく会計の番になれば決めた3種類のフルーツサンドを注文し、思ったよりも高い値段に一瞬顔が引き攣るも無事終えれば「ほらよ」とフルーツサンドの入った紙袋を相棒に差し出し)
もちろん僕からは言わないよ。君がうっかり口を滑らせない限りは大丈夫だ。これが……翔太郎!早速あそこのベンチに座って食べよう!
(当然ながらパイナップルを選んだ真意は所長に伝えられない。あのスリッパを頭にくらうのは相棒だけで十分で、無駄口を叩かないのは心得ており。無事会計が終わって「ありがとう」と紙袋を受け取り、口の端を開いて中を確認すると求めていたものがそこにはあって。居ても立っても居られないと近場のベンチを指差し。しかしそこには同じくフルーツサンドを買った若い女性達が多く座っていて)
なら、大丈夫か…多分。 そのな、直ぐに食べたい気持ちも分かるが違うとこで食べねぇか? せっかく食べるなら景色も良いとこの方がいいだろ
(相棒が言わないと言うならそちらから漏れることはなさそうだが自分が口を滑らせないという自信はあまりなく曖昧な答えで切り上げ。紙袋を受け取り中身を見た相棒が喜ぶ姿を見れば来て良かったと思うものの食べようと指差す先には同じ考えの女性客ばかりだ。今も珍しい男性客を見る周りの目が気になる。せめて食べる場所は違うとこでとそれっぽい言い回しで誘導試みて)
な、……分かったよ翔太郎。風都は君の庭だ。このフルーツサンドを食べるのに最もふさわしい場所に連れていってもらおう。
(ようやく検索対象であるものが手に入ったのにすぐに食べないなんてと抗議しようかと思ったが、一旦言葉を飲み込み。女性達の好奇の目はまったく気づいていないが、こうもガヤガヤと人が多いところではフルーツサンドに集中できないかもしれない。相棒の提案を受け入れると、景色のいい場所とやらに期待していて)
任せとけ、俺のお気に入りスポットに連れて行ってやるよ。
(また抗議の声が飛んでくると踏んでいたが案外あっさり承諾されたようだ。珍しいとは思ったが好都合、得意げな顔で宣言すればその場を離れ事務所とは反対方向に歩き始める。普段相棒は事務所かガレージに籠ることが多いからこうして二人で外を平和に歩くのは何だか新鮮な気もする。そんな相棒に風.都の良さをもっと知って欲しいと思い辿り着いたのは海沿いのちょっとした公園だ。大きな風車と広い海、そして海から吹く風が心地好い場所で設置されたベンチに腰を下ろせば「いい所だろ?」と反応窺い)
____うん、確かにここなら静かにフルーツサンドを味わえそうだ、流石この街を庭だと言うだけある。君の分だ、翔太郎。
(この街を知り尽くした相棒が一体どこへ連れていってくれるのか、茶化し半分に期待していたが、辿り着いたのは人気も少なく開放的な公園で。遮るものがなくよく風が感じられそこに潮の香りが混ざると、深呼吸してそれらを吸い込み。文句なしのその場所に満足げな表情しながら相手の隣へと座り、紙袋からブルーベリーのフルーツサンドを取り出して手渡して)
俺に風.都で知らない場所は無いからな。他にももっと色々と良いとこがある街だ。さんきゅ、…何か食べるのがちょっと勿体ねぇな。
(絶好のスポットを相棒も気に入ってくれるかと少し心配だったが杞憂だったらしい。褒められた事に気取ったような台詞を返すが表情は嬉しいのを隠しきれておらず。大好きな街の景色を相棒にも気に入って貰えて自分のことのように誇らしげに語る。紙袋から取り出された自分の分を受け取ると早速実食するつもりが綺麗に整えられた断面を崩すのが惜しくてぽつり呟き)
それなら、今度はまた別の場所に連れていって貰わないと。期待しているよ?検索通り素晴らしい造形美だ。これで味も抜群だなんて信じられないが、確かに勿体ない気もするな……そうだ。写真を撮ってはどうだろう?検索によればこういうものは写真を撮ってSNSにあげるものらしい。
(得意げに言う相棒の顔からは嬉しさが滲み出ていて、やはりハーフボイルドだとまた茶化してやりたくなるが、ここに連れてきてくれた恩を思い今回は軽く笑うだけにしておき。自分のマスカットのフルーツサンドを取り出せば、丸々としたマスカットが綺麗に並ぶのをしばし眺め、食物となればこのまま失われてしまうのは確かに勿体ないも同意し。ふとアキちゃんが自分の写真を撮っていたことを思い出せば、それにならって形として残すことを提案して)
、ああ、いつでも連れてってやるよ。写真か、記念にもなるしアリだな。 あ、せっかくだしお前も一緒に映ろうぜ
(次の機会を強請られるとは思っていなくて僅かに目を見開くも直ぐに喜びが勝って軽い笑みと共に告げて。二人して物珍しいフルーツサンドの断面を眺めていた所に写真というアイデアが出ればナイスアイデアとばかりに頷き賛成を示しバ.ット.ショ.ットを取り出し。だが単にフルーツサンドだけを撮るのも味気ない気がすればガジェットを起動してレンズが2人を映すように操作し、一緒に映ること誘い)
君は僕の知らないことを沢山知ってる。だから楽しみにしてるよ翔太郎。僕らも写るのかい?ふむ、確かにSNSにアップロードされている写真もフルーツサンドと投稿者を映すパターンが多かったね。よし、それならもっと僕らとフルーツサンドを寄せて、画角いっぱいに全てが映るようにしないと……翔太郎もフルーツサンドを顔に寄せて。
(世界の本棚と繋がりあらゆる情報がこの手にあろうと、相棒はそれらを凌駕する情報や刺激をくれる存在で、期待しているというのは決して方便でなく。一緒に映るという提案には少々驚きはしたものの、フルーツサンドの慣例にならうなら自分達が映るべきでもあり、検索で見た写真の如く顔の近くにフルーツサンドを添えたまま体を寄せると、相棒の顔の横に自分の顔をもっていって)
お前にそう言われんのは光栄だな、じゃ、次の約束だ。 …こうか? 撮るぞ、ハイポーズ。
(世界中のあらゆる情報にアクセス出来る相棒が自分を頼りにしてくれるのが信頼の何よりも証拠で誇らしげに笑っては約束をとりつけて。自分から提案したがイマドキの自撮りの構図分からずひとまず隣の相棒に倣って顔の近くに断面が見えるように添え。角度など微妙に調整すればそのまま掛け声をし、撮影して。ガジェット操作して写真確認しては「なかなか良いんじゃねぇか?」と相棒にも見せてみて)
それなら僕は次の場所に行くときのお供として新しいスイーツの情報でも仕入れておかないとだめだね。……あぁ、よく撮れてる。僕が写ってる写真は少ないから、ひとつ増えただけでも嬉しいよ。
(新たな約束にこちらも頷くと新たなスイーツ情報に意欲を燃やし、アキちゃんかエリザベスにリサーチする必要がありそうと意気込み。撮られた写真を覗き込むとSNSでよくみた構図で相棒との写真が出来上がっていて、写真いっぱいに広がる二人の顔が可笑しくにクスクス笑い。だが記憶喪失の自分にとって自分が写る写真は数少なく、ひとつ増えたそれが家族たる相棒と撮られたものならより愛着は湧くもので。ガジェットに手を添えると記憶に刻みつけるようにしばし写真を眺めていて)
お前が調べ始めたら毎日行くことになりそうだ、ほどほどにしとけよ。 …、ならこれから沢山撮らねえとな。事務所帰ったら写真飾るか
(一度探し始めたらとことんな相棒だ、毎日日替わりでスイーツを検索しては連れ出される未来が容易に想像つき暴走せぬよう一応釘は刺しておいて。自分自身もそこまで写真を撮ったり映るタイプではないが大事そうに写真を眺める相棒の横顔見れば楽しげないつもの様子故に忘れがちな待遇を今一度思い出すことになり。写真くらいならいつでも撮ってやると告げれば優しく相棒の様子見守り)
あぁ、僕らだけじゃなくアキちゃんともまた写真を撮りたい……翔太郎、あれはなんだい?
(実際の時間にすれば短いが、鳴.海.探偵事務所での時間は振り返るまでもなく濃厚で、だからこそいざ写真を撮るという場面は少なく。相棒に止められようとまた何か街へ繰り出す口実を検索しようと目論んでいると、視界の端に親子の姿が目に入り。その親子は互いの小指同士を絡ませて「指切りげんまん」と歌っているようで、自分の知らない歌と行動に興味を持つと相棒に問いかけ)
アイツなら喜んでやってくれるだろ。ん? アレは約束を交わす時の昔ながらの誓いみたいなもんだ。確か破ったら1万回殴られたり針を千本飲んでも良いという覚悟の上での約束って意味らしい。
(所長に伝えればここの誰よりも率先して写真を撮りたがるに違いない。相棒の要望はこの場所を何よりも大切に思っている証拠できっとまた数日以内に駆り出されるだろう予感にも嬉しい気持ちの方が強い。問いかけの言葉で相棒の視線追えば親子が中睦まじく指切りしてる姿があり、簡単にだがその行為の意味を伝え。昔聞いたことのある言葉の由来も添えれば「今考えたら大分物騒な言葉だな」と感想口にして)
!!約束を交わすのにそんなに重いペナルティがあるのかい?!しかも親子間の誓いであってもそんなことを?一体なぜ?……これは検索しないと。
(相棒から問いかけの答えを得ると目を開いて驚き、同時に一気に興味は約束の誓いへと引っ張られ。親子は誓いを終えたにも関わらずニコニコと楽しげに笑顔を浮かべており、そんな状況ではないはずだろうと知識の暴走を始め。いつもより早い口調で捲したてるように問いかけが口から次々出るも、居ても立っても居られずフルーツサンドそっちのけで愛用の本を握り目を閉じ地球の本棚に入ろうとして)
今は単に決まり文句って感じだが…って待て待て待て! 今検索始めたらフルーツサンドのクリームが溶けるぞ
(あくまでそれは言葉の由来であって今では言い伝えられているお決まりのフレーズや歌と言った意味の方が強いと補足したところで隣で暴走を始めた相棒の存在に気づき。コイツが検索に熱中したらどうなるかは身に染みて知っている。地球の本棚に入ろうとする相棒の腕を慌てて掴めば手元のフルーツサンド見せ興味戻そうとし)
もうそれに興味はない……と言いたいところだが………………これを捨てたらアキちゃんに怒られてしまうな。仕方がない。まずはこれに集中することにしよう。食べようか。
(せっかく検索をしようと思ったのに腕を掴まれ意識を引き戻されると心底不満といった顔で相棒に抗議の声をあげ。出会った当初ならば興味がないものはないと簡単に切り捨ててしまえたものだが、今なら相棒の言うことも分かり。それでも十二分に唸って悩んだあと、フルーツサンドを再び手にとって封を切り。開けた瞬間にクリームの甘い匂いとマスカットの爽やかな香りがして思わず頬が緩み)
はぁ…迂闊なこと言った俺も悪いが検索は家に帰ってからな。 ああ、頂きます。…ん、思ったより甘くなくて美味いな。
(あからさまに不満を全面に出した面で文句を言われるが検索を中断することには成功して安堵のため息を吐く。相変わらずというべきか、ちゃんと諦めてくれたことに成長を感じるべきかは分からないが検索は後回しにするように告げ。相棒と同じく封を切り食事の挨拶しては1口齧り付き。たっぷりのクリームも想像より甘さがしつこくなくブルーベリーの甘酸っぱさとベストマッチな味であれば表情緩ませて感想呟き)
その言い方じゃ僕が子供みたいじゃないか。むしろ我慢した僕を褒めるべきなのに。……ん、美味しいね。これはマスカットに合わせて甘さを調整したクリームなのだろうか?それともクリームは統一で各果物の方に甘みを加えているのか……?
(呆れた様子の相棒に再度不満気な顔をし、褒められることを強請るも、それこそ結局は子供のような行動なのだがそこは気に留めず。相棒に続いてフルーツサンドを一口齧ると豊かなマスカットの風味と甘すぎないクリームがよくマッチしていて同じく表情緩ませ。興味は再びフルーツサンドに向いたのか、自分と相棒の分を見比べならやはり知的好奇心は抑えられておらずブツブツと分析は進み)
拗ねてんのか?…検索よりこっちを優先してくれてありがとな。これなら一人一個食べれそうだ。フィリップ、こっちも食べて比較してみるか?
(不満気に褒めることを強請る姿は小さな子供のようだ。今だけは相棒ってより弟のように見えてからかうような口調で顔覗き込み、初めて出会った時よりも成長して人間らしい感情を示すような姿に柔らかな表情見せればぽんぽんと頭撫でて褒めてやり。見た目よりも重たくもない味にもう一口と食べ進めていると相棒の視線に気付き、自分の食べている分を差し出して問いかけてみて)
拗ねているわけじゃ……、これだと余計に子供扱いじゃないか!そっちも食べる!そもそもこれは僕がフルーツサンドを知るために買ったのだからね!
(あれも違うこれも違うと言う様はやはり子供なのだが、頑なに認めることだけはせず口をすぼませていると、不意に相棒との距離が近くなり頭を撫でられて。それは相棒の距離感とはまた違うもっと親密で、もっと暖かな距離で、慣れない家族の距離に面食らって硬直し。口調はからかっているのだから確信犯、ますます子供扱いされていると意地になると、せめてもの仕返しにとフルーツサンドを持つ手首を掴み無理やり引き寄せ、大口あけて齧り付くと、一口とは言えない量を横取り口を膨らませて咀嚼し)
俺から見たらまだまだ立派なガキだろ? おい、コラ!そんな一気に食べたら喉詰まらせんぞ
(違うと意地を張る姿こそより子供っぽく見えるのだが本人はそれに気付いていないようでここまで月日を共に過してきたからこそ見れる姿に微笑ましく口元は緩むばかりで。年上としての余裕見せるような言葉と共に頭撫で続けるが差し出した手首引き寄せられ、大口でフルーツサンド齧り付くと思わず声を上げ。一度に大量に食べた事への注意しつつも入りきらなかったクリームが相棒の口端についてることに気付けば「あーもう、言わんこっちゃない」と指先で拭ってやり)
んん゛っ!!…!……!!ゴホッ!翔太郎!!僕を子供扱いしすぎじゃないかい?!
(頭を撫でられるのは暖かな掌が触れて正直なところ心地良いが、やはり相棒とは違うが対等に見られているわけでもないように思えて反抗心は高まり。だがその手が次に口元へ伸びてくると他人に触れられた記憶のない場所へ指先が触れてさらに混乱は極まり、案の定喉をつまらせると苦しげな呼吸音が数度続き。そもそもあれは子供にやるとのなのかとぐるぐる思考が巡りながら、ようやく飲み込むも喉にクリームが残っているようで、口元に拳あてて咳き込み薄っすら涙目になりつつ講義の声をあげ)
おい、大丈夫かよ。お茶でも買ってくるか? 子供扱いってか何か世話焼きたくなるんだよ
(案の定クリームを喉に詰まらせたのか苦しげな呼吸音すれば今度は心配そうな表情で顔覗き込みながら背中摩り様子見て。流石にこちらもからかい過ぎたかとも思うがひとまず落ち着かせるように優しく声掛けながらも飲み物の調達申し出て。相棒でもある一方で師匠から託された年下の存在にはつい弟の様に感じる面もありその事を素直に伝えて)
ん゛、……いや、大丈夫だよ。まったく君は……そんなに世話をしたいなら何から何まですべて翔太郎に委ねてしまうよ?
(気管に入りかけたクリームはようやく何処かにいって呼吸は落ちついてくるも、その間背中を擦りこちらを覗く相棒はやはり相棒の距離感にはいなくて。今はマシだがずっと外に出ないように言ったり、こうやって世話を焼いたり、相棒の対応は時折過保護で、それは大切にされている証拠でもあるが大事にされすぎて恥ずかしくもあり。それならこの状況を逆手に取ってやろうと近場にあった相棒の顔にこちらも顔を寄せ、内緒話でもするように囁きかけ)
良かった、そんな慌てなくてもちゃんと分けてやるって。 …、何言ってんだ。甘えてぇってこと?
(漸く呼吸が落ち着いてくれば危機は一旦去り安堵の息を吐き。背中を擦るのも辞め、そんなにフルーツサンドが食べたかったのかと勘違いしては食べ方について小言を並べて。また子供扱いしたと怒られるかと思えば今度は顔が近付き囁かれる言葉に目を僅かに見開き。最近は大体は相棒の思考は読めるようになったと思ったがこの行動の意図が分からず少し動揺した様子で顔を見つめ、とりあえず思い付いたこと口にして)
僕としては子供扱いされるのは大変不本意だが、君は僕の世話を焼きたいんだろう?なら相棒の願いを叶えるべく、世話を焼かれるのもいいかと思ってね。決して僕のためじゃなく、翔太郎のためだよ。
(ここまでの行動をみるに子供扱いをやめてくれといっても止まりそうにない。そもそも相棒は無意識でやっているのだから。そうとなれば取るべき手段は逆の行為。世話を焼きに焼けば相棒もいい加減面倒だと行動を改めるに違いない。あくまでも不本意と断りつつ、世話を焼かれるものとして多少は甘えるべきと思えば相棒の肩に顎を乗せ軽く体重をかけながら返事を待ち)
ふーん? どういう風の吹き回しか知らねぇがいいぜ。…その代わりほんとに嫌なこと以外は素直に受け入れるってことでどうだ?
(説明を受ければ何となくやりたい事は分かったが肝心の意図が掴めない。とはいえ普段からツンとした相棒が大人しく世話を焼かれるという自体は珍しく興味惹かれるものはあって訝しげな表情を崩し誘いに乗り。肩に顎を乗せ甘えてきたとこに驚きつつもこちらからも条件出して問い)
そもそもは君が僕を子供扱いするからだろう……もちろん僕が言い出したことだ、君からのお世話は甘んじて受け入れるよ。約束だ。
(ことの発端は相棒だというのにピンときていない様子はやや不満だが、乗ってくるというなら文句はない。これで相棒が音をあげればそれでことは収まるはずだ。内心ほくそ笑む。相棒がやりたいだけやらなけれはま意味がないので要求もすんなりと飲み。互いに合意が得られたならばそれはもう約束、先程覚えたばかりの誓いとやらをしようと小指を差し出し)
だってお前目離したら何するか分かんねぇだろ。ああ、約束。破ったら暫くスイーツ食べに行くのはお預けな。
(さっきだって放っておけば検索に没頭してフルーツサンドのクリームは溶けてしまい、なかなか事務所に帰ることも難しかっただろう。そのこと指摘しつつも普段なら突っぱねそうなこちらの提案すらすんなり飲む姿から何か企んでそうと察する。だがせっかくの珍しい機会に気づかないフリしては先程の親子の様に小指同士を絡め、拳万や針千本よりも現実的なリスク提示しては約束誓い)
僕はただ興味が湧いたことを検索しているだけだ。む、それは困る。スイーツを食べに行けないと君しか知らない場所に連れていって貰えないじゃないか。
(その検索すること以外に一切の興味をなくすのが厄介なところなのだが、そこは棚に上げておき。今のも重要な約束だが少し前に交わしたものだって大事な約束、同時に2つの約束を破ることになるのは避けたくて、しかし自分から破ることなんてないだろうと高を括っており。親子がやっていたのを真似て繋いだ小指同士をしばらく上下に振ったあと「これでいいのかな」と先程見かけた呪いもついでに出来たことに満足しており)
そうだな、そこはフィリップが素直なら問題ねぇから安心しろ。 ん、もう1回落ち着いて食うか?
(単にスイーツを食べに行くことだけでなく自分がお気に入りの場所に連れていく事までセットで強請ってくれるのは素直に嬉しくて先程の約束を守れば問題ないと声を掛けて。この約束の誓いもどちらかというと子供向けではあるがその事は内緒にして満足気な相棒の顔確認すれば指を解き、ひとまず物事が落ち着けば喉に詰まらせたこともありあまり味わえてないであろう自分のフルーツサンドもう一度差し出し)
あぁ、今度こそきちんと味わうとしよう。……翔太郎、口に運んでくれ。
(もともとここに来たのはフルーツサンドを探求するため。ようやく主目的が果たされるとまた興味をフルーツサンドへ向けて。だがフルーツサンドを差し出されるも自ら受け取ることなく、その場から動かずに相棒をしばし見つめていれば、早速最初のお世話だと「あ」と口を開けてフルーツサンドが運ばれるのを待って)
そうしてくれ。…フィリップ?…これで良いか?
(色々遠回りした気がするが漸く本題であるフルーツサンドに意識が戻ってくれば相棒が自分のフルーツサンド齧り付くのを待ち。だがいつまでも経っても動かずにこちらを見る相棒にキョトンとして名前を呼ぶが口に運ぶことを強請られ分かりやすく困惑浮かべて。世話を焼くといったがこれはその範疇を超えているのでは無いかなどと考えつつもひとまずお望み通り相棒の口元にフルーツサンド運び食べさせようとし)
ふふ、そうかなるほど……ん、……こちらも美味しいね。ブルーベリーの甘酸っぱさがよく引き立てられている。食べさせてくれてありがとう、翔太郎。
(相棒があまりにもそれらしく困惑するものだから思わず笑ってしまい。先程相棒からやったことに比べれば食べさせるくらいどうということないのに、無自覚自発的でなければこうも精神を揺さぶれるのかと内心弱みを得た気でほくそ笑み。食したブルーベリーフルーツサンドはマスカットと同じく程よい甘みで満足のいく味で脳に情報として刻みつけておき。ひとしきり満喫したあと、相棒へ視線戻すとしてやったりの心を隠しながら柔らかく笑み)
…何だよ、何かおかしかったか? ん、俺もお前が言い出さなきゃフルーツサンドなんて食べる機会無かっただろーな
(強請られるまま口元に運べば相棒が笑うものだから何に対してはますます分からずその様子見つめ。フルーツサンドが美味しいだけの事ではないのは確かで要望と違ったことをしたかと見当違いの確認とり。色々疑問はあるがこちらに視線を向け柔らかい笑みと共に礼を言う相棒の姿見ればまあいいかという思考になり、照れ臭そうに反応示すと自分の分のフルーツサンド再び口にして)
ふふ、秘密さ。僕も君がいなければこの場所に来ることはなかった。今日はそれぞれいい仕事をしたね。
(何がなんだか分かっていない相棒にわざとはぐらかすような返答をすると、その顔は変わらず上機嫌で。今度は自分の分のフルーツサンドを手に取り、海の風を感じながら食べ進め。その見た目も味も満足いくまで堪能したのか最後の一口を口の中へ放り込み咀嚼して飲み込むと、目を細めて余韻を楽しんでおり)
なんだそれ。 ああ、コンビネーションのなせる技だ。…ご馳走様。たまにはこうやってのんびりするのもアリだな
(結局はぐらかされてしまうと少し不満そうに呟くが上機嫌な横顔見れば追及諦め。食べ物を相棒が決めて場所を自分が決める、そんな連携で今のこの空間があって居心地の良さに同意示しながらフルーツサンド食べ進め。あっという間に全部食べてしまえば心地の良い海風が吹き、ココ最近小さな依頼続きだったり誰かに連れ回される日々だった為かゆっくり過ぎていく時間にリラックスしたように感想口にして)
あぁそうだね…………うむ、……いざ世話を焼かれると言ってもどう甘えればいいか分からないな。
(フルーツサンドも双方食べ終わり、ゆっくりとした時間が流れていて。せっかくなんでも相棒に世話になると約束を取り付けたものの、いざ何かをしてもらおうと思ってもいい案が浮かばず。記憶のある時からずっと何かに追われる日々ばかりでそもそも甘える方法すら分からず、ポツリと公園からみえる海を眺めいって)
…じゃあちょっと街の方に出てみるのはどうだ? その方が欲しいもんとかやって欲しいこと見つかるんじゃないか?
(リラックスした自分とは対象的に何か悩んでいると思えばその中身がどう甘えたらいいかという話で相棒らしい考えに思わず笑みを零せば街に移動することを提案し。相棒の興味を引くものがあるかもしれないし、周りの街の人を見て何か思うものもあるかもしれないと助言挟んでは反応伺い)
いいのかい?街には興味深いことがたくさんあるんだ。そのお言葉に甘えさせてもらおう。文字通りね。行きたいと思っていたところなら山程ある。動物園、水族館、ゲームセンター、商店街、遊園地、あとは温泉地や食品工場……
(相棒の提案にぱっと顔を明るくさせ顔を向け。部屋に籠もっての検索はライフワークだが今回のように実際に見てみなければ気がすまないこともあり。だが外に出るとなると敵の脅威にさらされる危険性もあって、迂闊に出歩くなと口酸っぱく言われているが相棒も一緒ならば安心で。そうとなればこの自由時間を有効活用せねばと行きたい場所を次々あげていき、最後にはだんだん一日では収まらない場所になってきて)
ああ、今日は一旦探偵業はお休みだ。それは1日じゃ回りきれねぇな。とりあえず一番行きたいとこ行こうぜ
(分かりやすく相棒の表情が明るくなれば頷き、こうなったらとことん甘やかしてやろうと普段の探偵業を今日は休業すると告げ。楽しそうな相棒があげて行く候補地を大人しく聞いていたがその数と場所が広く大きくなってくると思わず苦笑いし、ひとまずその中で特に行きたいとこはないかと尋ね。)
それなら水族館はどうだろう?今特別展示をやっていると若.菜.姫がラジオで言っていたし、ふたりで行くなら水族館がいいと彼女も言っていたからね。
(どこもかしこも好奇心そそられる場所ではあるが検索対象が広すぎても収集がつかない。一番行きたい場所と言われてもどこも行きたい場所なのだが、ふと先日ラジオで聞いた内容を思い出して。水中にいる生き物は大抵閲覧済みだが奇抜な生き物を集めた特別展示があるらしい。ラジオで若.菜が言っていたのは正確に言えばデートの時二人でいくなら、という内容だったが、その中間部分はすっとばし、彼女の言うとおりにすれば間違いないだろうと水族館を選択して)
水族館か、良いんじゃねぇか。俺もまともに行くのは大分久しぶりだ。行先は決まったことだし早速行こうぜ
(色々とあげた中で相棒が何を選ぶのを大人しく待ち、水族館という選択には好意的な反応を示し。情報源が大好きなラジオなのは微笑ましい限りだ。相棒の行きたいところに行くという話だが自分も水族館には小さな頃に行った限りで大人になってからは行く機会がなかった。久しぶりの場所に密かに楽しみを抱けばベンチから立ち上がり早速移動しようと声掛け)
(/すみませんこれ以上続けられる自信がないので〆させてください。前のお相手様のように上手くできなくてごめんなさい。ありがとうございました。またどこかで縁がありましたらよろしくお願いします。)
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