半熟探偵 2022-05-11 18:01:11 |
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やれやれ……あぁ、僕もこれほど種類があるとは思わなかったよ。どれにするか決めてはいなかったが……そうだな、あのマスカットにしよう。緑色とは縁があるしね。
(痛いところを突かれ逃げる相棒を深追いすることはなく、代わりに叩かれたところを肩をすくめながら撫でておき。世界の本棚で検索したのはあくまでもフルーツサンドについてのみ。この店にどんなものがあるかは把握しておらず、遠くに見える陳列棚を眺めていて。しばし考えてから使用するメモリと近しい色の果物を選び)
こんだけカラフルなら流行る訳だ。なら、俺はブルーベリーにするか。 二つ並べたらWってな
(今朝まで何の興味も持っていなかった物が実物を見れば食べてみたいと思う気持ちにも頷ける。素直に感心しつつ相棒の目線を追って列も進み近づいてきた陳列棚を眺めた。悩んだ相棒が選んだ物に乗っかるようにこちらもメモリと似た色を選べば視線向けてニヤリ笑ってみせ)
だろう?やはり視覚と欲求は密接に関係しているんだろうね。……確かに君にはそのブルーベリーの色がとても良く似合っている。お互いこの色に惹かれてしまうのは必然のようだね。
(フルーツサンドが流行したのは単なる目新しさだけではない。そこに斬新さ芸術的な面があったからこその話題沸騰だ。それを理解したのだろうて勝手に解釈すると満足げに数度頷き、進む列に合わせて歩を進め。なんの気無しに選んだ緑色だったが、相棒が選んだものも同じく戦闘服の色。その事実が自分から言い出したもののはずなのにどことなく気恥ずかしくて、芝居じみた声色で返事をしたあと先頭の方に目を向け。購入までもう少し、その時点でふと思い出したように「あ、」と声を漏らしていて)
見た目で印象も大分変わるもんな。ああ、なんか目につくつーか、この色が一番しっくりくる。お前と相棒始めてからな
(断面が見えてなければ味は同じでもここまで興味を持つことは無かったはずだ。そう意味では検索にのめり込んで実物を見たくなった気持ちもある程度理解は出来る。見た目の大事さに共感しながら列に合わせて歩を進め。あの夜から二人の象徴でもあり特別になった色を何気ない日常でも選択したことに気恥しい気持ちもあるが何処か嬉しいような気持ちの方が強くて芝居じみた返事にクスッと笑いながら言葉紡ぎ。そんな会話をしていれば随分列も進んできたが何かを思い出したような仕草に「どうかしたか?」と問いかけ)
……あぁ。僕が使うメモリはひとつじゃないが、やはり最初に手にしたメモリは思い出深いね。それで、僕は緑、翔太郎は紫なのはいいとして……アキちゃんは何色だろう?いつも明るいから安易に黄色、となればバナナ?いやでもいつも使っているスリッパは緑で、でもそれは僕の色と被る……
(どことなく嬉しそうに語るその姿に嬉しくて、どこか救われたようにも思い。あの日あの場所に居合わせ悪魔と相乗りさせてしまった相棒、それを後悔とは言わないが、それでもふたりでひとりの姿に愛着を持ってくれていることは嬉しい。列を進みつつ前を向いて笑みを噛み殺しながら話題を最後のひとつへ移し。我らが所長の分も買って帰るわけだが、彼女にふさわしいものがどれかピンと浮かばず、迫りくる会計の順番を横目でみつつブツブツと呟き)
まさか食べ物にまで影響が及ぶとは思わなかったけどな。あー、亜樹子の色ねぇ…。色じゃないがあの騒がしさはパイナップルとかミカンって感じがしねぇか?
(あの時あの場所で手にした始まりの色がすっかり生活にまで根付いているのはそれだけこの相棒と過ごした月日の証明でもあって何だか擽ったい気もする。茶化すように笑って感想零してはもう一人自分達には欠かせない人物の話題に触れる。相棒と違ってメモリを持たない彼女の色はと問われ横で同じく思考をめぐらせる。騒がしいし無駄に活発でもあるがその明るい部分に救われることも多い。陳列棚の商品に目を移せばその事は口にせずともイメージに近い果物をあげてみて)
君も悪魔との相乗りが板についてきたということだね。なるほど、パイナップルというのは確かに良いかもしれない。南国のイメージはアキちゃんの雰囲気にあっているね。サンバも踊れそうだ。
(気がつけばふたりでひとりでいることは当たり前になっていて、相棒はなくてはならない存在。互いに違和感なく隣に収まっているのは嬉しいことだが、同じく気恥ずかしいのは確か。こちらも茶化すように返事をしておき。我が所長に合うフルーツ、相棒が上げた中ではパイナップルがぴったりだ。マラカスを持って満面の笑みで踊る所長の姿が目に浮かび、しっくりくると数度頷いて。そうしているうちに列は進み気がつけば次が会計の番で、任せたとばかりに目配せし)
ああ。 ならパイナップルにすっか。その事、亜樹子に伝えたら怒りそうだが。
(相棒が欠かせない存在であるのはこうして言葉にしたのは久しぶりでお互いに照れ隠ししてるようなこの空気は嫌いではなくて満足気に相槌を打つ。自分の提案が肯定されるとあっさりその案に決定する。南国でサンバを踊る彼女の姿とそれにツッコミを入れる姿が簡単に想像つけば思わず口元緩みつつ列を進み。ようやく会計の番になれば決めた3種類のフルーツサンドを注文し、思ったよりも高い値段に一瞬顔が引き攣るも無事終えれば「ほらよ」とフルーツサンドの入った紙袋を相棒に差し出し)
もちろん僕からは言わないよ。君がうっかり口を滑らせない限りは大丈夫だ。これが……翔太郎!早速あそこのベンチに座って食べよう!
(当然ながらパイナップルを選んだ真意は所長に伝えられない。あのスリッパを頭にくらうのは相棒だけで十分で、無駄口を叩かないのは心得ており。無事会計が終わって「ありがとう」と紙袋を受け取り、口の端を開いて中を確認すると求めていたものがそこにはあって。居ても立っても居られないと近場のベンチを指差し。しかしそこには同じくフルーツサンドを買った若い女性達が多く座っていて)
なら、大丈夫か…多分。 そのな、直ぐに食べたい気持ちも分かるが違うとこで食べねぇか? せっかく食べるなら景色も良いとこの方がいいだろ
(相棒が言わないと言うならそちらから漏れることはなさそうだが自分が口を滑らせないという自信はあまりなく曖昧な答えで切り上げ。紙袋を受け取り中身を見た相棒が喜ぶ姿を見れば来て良かったと思うものの食べようと指差す先には同じ考えの女性客ばかりだ。今も珍しい男性客を見る周りの目が気になる。せめて食べる場所は違うとこでとそれっぽい言い回しで誘導試みて)
な、……分かったよ翔太郎。風都は君の庭だ。このフルーツサンドを食べるのに最もふさわしい場所に連れていってもらおう。
(ようやく検索対象であるものが手に入ったのにすぐに食べないなんてと抗議しようかと思ったが、一旦言葉を飲み込み。女性達の好奇の目はまったく気づいていないが、こうもガヤガヤと人が多いところではフルーツサンドに集中できないかもしれない。相棒の提案を受け入れると、景色のいい場所とやらに期待していて)
任せとけ、俺のお気に入りスポットに連れて行ってやるよ。
(また抗議の声が飛んでくると踏んでいたが案外あっさり承諾されたようだ。珍しいとは思ったが好都合、得意げな顔で宣言すればその場を離れ事務所とは反対方向に歩き始める。普段相棒は事務所かガレージに籠ることが多いからこうして二人で外を平和に歩くのは何だか新鮮な気もする。そんな相棒に風.都の良さをもっと知って欲しいと思い辿り着いたのは海沿いのちょっとした公園だ。大きな風車と広い海、そして海から吹く風が心地好い場所で設置されたベンチに腰を下ろせば「いい所だろ?」と反応窺い)
____うん、確かにここなら静かにフルーツサンドを味わえそうだ、流石この街を庭だと言うだけある。君の分だ、翔太郎。
(この街を知り尽くした相棒が一体どこへ連れていってくれるのか、茶化し半分に期待していたが、辿り着いたのは人気も少なく開放的な公園で。遮るものがなくよく風が感じられそこに潮の香りが混ざると、深呼吸してそれらを吸い込み。文句なしのその場所に満足げな表情しながら相手の隣へと座り、紙袋からブルーベリーのフルーツサンドを取り出して手渡して)
俺に風.都で知らない場所は無いからな。他にももっと色々と良いとこがある街だ。さんきゅ、…何か食べるのがちょっと勿体ねぇな。
(絶好のスポットを相棒も気に入ってくれるかと少し心配だったが杞憂だったらしい。褒められた事に気取ったような台詞を返すが表情は嬉しいのを隠しきれておらず。大好きな街の景色を相棒にも気に入って貰えて自分のことのように誇らしげに語る。紙袋から取り出された自分の分を受け取ると早速実食するつもりが綺麗に整えられた断面を崩すのが惜しくてぽつり呟き)
それなら、今度はまた別の場所に連れていって貰わないと。期待しているよ?検索通り素晴らしい造形美だ。これで味も抜群だなんて信じられないが、確かに勿体ない気もするな……そうだ。写真を撮ってはどうだろう?検索によればこういうものは写真を撮ってSNSにあげるものらしい。
(得意げに言う相棒の顔からは嬉しさが滲み出ていて、やはりハーフボイルドだとまた茶化してやりたくなるが、ここに連れてきてくれた恩を思い今回は軽く笑うだけにしておき。自分のマスカットのフルーツサンドを取り出せば、丸々としたマスカットが綺麗に並ぶのをしばし眺め、食物となればこのまま失われてしまうのは確かに勿体ないも同意し。ふとアキちゃんが自分の写真を撮っていたことを思い出せば、それにならって形として残すことを提案して)
、ああ、いつでも連れてってやるよ。写真か、記念にもなるしアリだな。 あ、せっかくだしお前も一緒に映ろうぜ
(次の機会を強請られるとは思っていなくて僅かに目を見開くも直ぐに喜びが勝って軽い笑みと共に告げて。二人して物珍しいフルーツサンドの断面を眺めていた所に写真というアイデアが出ればナイスアイデアとばかりに頷き賛成を示しバ.ット.ショ.ットを取り出し。だが単にフルーツサンドだけを撮るのも味気ない気がすればガジェットを起動してレンズが2人を映すように操作し、一緒に映ること誘い)
君は僕の知らないことを沢山知ってる。だから楽しみにしてるよ翔太郎。僕らも写るのかい?ふむ、確かにSNSにアップロードされている写真もフルーツサンドと投稿者を映すパターンが多かったね。よし、それならもっと僕らとフルーツサンドを寄せて、画角いっぱいに全てが映るようにしないと……翔太郎もフルーツサンドを顔に寄せて。
(世界の本棚と繋がりあらゆる情報がこの手にあろうと、相棒はそれらを凌駕する情報や刺激をくれる存在で、期待しているというのは決して方便でなく。一緒に映るという提案には少々驚きはしたものの、フルーツサンドの慣例にならうなら自分達が映るべきでもあり、検索で見た写真の如く顔の近くにフルーツサンドを添えたまま体を寄せると、相棒の顔の横に自分の顔をもっていって)
お前にそう言われんのは光栄だな、じゃ、次の約束だ。 …こうか? 撮るぞ、ハイポーズ。
(世界中のあらゆる情報にアクセス出来る相棒が自分を頼りにしてくれるのが信頼の何よりも証拠で誇らしげに笑っては約束をとりつけて。自分から提案したがイマドキの自撮りの構図分からずひとまず隣の相棒に倣って顔の近くに断面が見えるように添え。角度など微妙に調整すればそのまま掛け声をし、撮影して。ガジェット操作して写真確認しては「なかなか良いんじゃねぇか?」と相棒にも見せてみて)
それなら僕は次の場所に行くときのお供として新しいスイーツの情報でも仕入れておかないとだめだね。……あぁ、よく撮れてる。僕が写ってる写真は少ないから、ひとつ増えただけでも嬉しいよ。
(新たな約束にこちらも頷くと新たなスイーツ情報に意欲を燃やし、アキちゃんかエリザベスにリサーチする必要がありそうと意気込み。撮られた写真を覗き込むとSNSでよくみた構図で相棒との写真が出来上がっていて、写真いっぱいに広がる二人の顔が可笑しくにクスクス笑い。だが記憶喪失の自分にとって自分が写る写真は数少なく、ひとつ増えたそれが家族たる相棒と撮られたものならより愛着は湧くもので。ガジェットに手を添えると記憶に刻みつけるようにしばし写真を眺めていて)
お前が調べ始めたら毎日行くことになりそうだ、ほどほどにしとけよ。 …、ならこれから沢山撮らねえとな。事務所帰ったら写真飾るか
(一度探し始めたらとことんな相棒だ、毎日日替わりでスイーツを検索しては連れ出される未来が容易に想像つき暴走せぬよう一応釘は刺しておいて。自分自身もそこまで写真を撮ったり映るタイプではないが大事そうに写真を眺める相棒の横顔見れば楽しげないつもの様子故に忘れがちな待遇を今一度思い出すことになり。写真くらいならいつでも撮ってやると告げれば優しく相棒の様子見守り)
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