名無しさん 2022-05-05 16:24:15 |
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え、か、完璧な女の子……?
(自分の言葉に納得するような相手の相槌を聞けばやっぱりかぁ~とは思いつつ。そんなこと分かっていたしいいけど……と気にしないようにしていると、彼女からのとんでもない提案。
まあつまり、簡単に言えば女子になれと。
例えば目の前の汀花は、しっかりと女の子らしい服を着こなして、化粧は……疎いのでどれくらいしているか分からないけどきっとしているのだろう。立ち振る舞いや言葉遣いも当然女の子らしい。
そんなふうに自分がなる……そんなことを想像すると。)
む、むりっ……気持ち悪いっ……!
お、女の子らしくとかっ……自分なんかがそんなことしたって気持ち悪いだけだって……!
(想像するに耐えられない。いくら身体が女の子になってるったって、女装みたいなもんだ。そんな趣味俺にはないし、そもそも男である自分なんかがそんなことしたって気持ち悪い。黒歴史にしかならないし、もし元に戻ろうもんなら「うわーあいつ男のくせに女らしくスカート穿いたり化粧してたりしてたのか、キモっ」なんてなりかねない。それに、もしそうなろうものなら……)
て……汀花までっ……気持ち悪がるっ……
自分なんかが、って……
(血相を変えて取り乱したかのように見える志穂ちゃんのその言葉に思わず身を少し引いた。
……これはやっぱり、相当重症だ。
言わば、志穂ちゃんは重篤な「かわいさ敗北主義者」なのだ。 戦う前から、志穂ちゃんは自分なんかが他の女の子の相手になる訳がないって初めから気持ちの所で折れちゃってる。
女の子らしくない自分がイヤで、女の子らしくなるのなんて絶対ムリ、だなんて妙なダブスタにハマってるくらいだから、きっと私じゃ想像もつかないくらいに苦しいんだろう。
だからこそ、ちょっぴりカチンときた……絶対に、思い知らせてやらなきゃ。 )
……んー、ごめんね。 ちょっと踏み込みすぎちゃった。
私、志穂の事は何にも知らないし、私も何にも教えてないし。
だから、うん。 私達さ、友達になろうよ。 ねっ、そっちは別に、嫌じゃないんでしょ?
(もちっ、と意識を向けさせるために志穂ちゃんの両頬に手を添えながら。
私なんかよりずっとかわいいのに、自分の事を気持ち悪いだのなんだの好き放題言ってくれて。 そんな勿体ないことを許して置けるほど、私は優しくない。
絶対、志穂ちゃんに自分の事をかわいいって。
そう言わせてやらなきゃ私の気が収まらない……けれど、それはきっと今じゃないんだろう。 )
(やっぱりむりむり。何度考えても想像できない。
まあそもそも、今の自分の見た目は実は正確に把握していない。自分の目から見えるもの……例えば筋肉が落ちたとか、胸が膨らんだとか、それくらいは分かるけど。
外から見た時の全体的なシルエット、顔立ち、髪の長さは分かっていてもそれと顔のバランスなど。
女に変わってから自覚するのが怖くて見てこなかったのだ。
ともすれば、自分が女の子らしい服を着る姿なんてとうてい完全に想像できるわけが無い。
浮かんでくるものといえば……自分の顔がちょっと中性的になって、いびつに胸が膨らんで妙に男っぽい身体と体勢の男か女かよく分からない人が男らしくやや脚を開き気味にスカートを履いている姿。
……うぅ、やっぱり気持ち悪い。
そんなことを考えていると、突然むにっとする頬への感触。
目の前には汀花がいて、改めて友達になろうという提案。そんなのは、こちらからお願いしたいくらいだ。)
も、もちろんっ……! それはこっちからもお願いしたいっていうか……と、友達、なる。
(そんなことを言いながら、変なことを考えていたせいか、突然カタコトになった自分の最後の言葉に恥ずかしくなってしまいつつ。
さっきからこんなんばっかりだと思いながら、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせて。)
ふへへっ、何それ! 異文化交流じゃん。
(テセウスの船、あるいはフット・イン・ザ・ドア。
いきなり大きく段階を踏むのではなく、少しづつ。 小さくて細かいところから志穂ちゃんに女の子の何たるを叩き込み、気付けば……! と、そういう算段を立てながら両頬を解放して。 )
……ん! それじゃ、私そろそろ戻ろっかな。 また後でね、志穂ちゃん!
(そう言っておもむろに席を立つ。 元々用事で離れていた途中だったから、いつまでも戻らなければ私の事をちょっとくらいは心配するかもしれないし。 )
(/ 個人的には一旦シーンをカットして、帰りに「あれっお部屋隣なの!?」とか、朝出た時にかち合って「うおっそこに住んでたのかー! 」とか、そういうムーヴに繋げてみたいという気持ちがありますがどうでしょう……!
ちょ、ちょっと……からかうなってば!
(変な口調になったことに突っ込まれれば恥ずかしそうにちょっと大きめの声を出して。
それでもさっきまでの自信皆無どんより曇り空だった表情には幾分か光が差しているように見え。また後でねと別れることになれば無意識に少し寂しそうな顔をしつつ、手を振って自らの講義に臨む。
……結局そのまま一日大学にいたが、汀花以外に新しい友達はできず。みんな同じような変な人だというレッテルを貼るような目で散々見られ少し疲れながら……この大学生活から始まった一人暮らしの新しい拠点の前へ着いて。)
……? あれっ、鍵……俺ポケットに入れなかったっけ……?
(自分が履いているパンツのポケットや、カバンのポケットを探しても鍵が見つからず。カバンの奥の方に落ちたかなと、カバンを床に置き膝をついてゴソゴソと手を突っ込んだりしており。)
(/ こんな感じで、お願いします!
一応、隣同士だったんだ!となる予定のレスにしてますが、汀花さんの好きなように繋げちゃってください。
それにしても本当に汀花さんとのこの也楽しいです。)
(……それから志穂ちゃんと別れ、ちょっとしたグループの子たちと話したりしている間も頭の片隅に、彼女の事がちらつく時間を過ごしていた。
あれから、まだ他の誰とも馴染めずにいるのか、私という成功体験を得て上手いことやれたのか…… 不安だし、気になる。 悶々とした思いを抱えながらも、気付けば私の脚は身体を家路へと運んでいて。 )
──恋人がふんふふーん、寒そうにふんふふーん……
(かこっ、かこっ。 靴音と適当な鼻歌と共に小さな居城の前へ……という所で、そのすぐ前にしゃがみこむ人影をみとめる。 ……というか! )
…………えっ、志穂ちゃん? なにしてんのこんなトコで。
(その服装は見覚えがありまくりだ。 今日だけで何度か思い返したそれを忘れる訳もない。
心配のあまり幻覚でも見出したのかと不安になるが、恐る恐ると声をかけて。 )
あれー? 俺マジでどこにやったんだ……カバンの奥にさすがにあるよな……?
(そうぶつぶつと呟きながらひたすらカバンの奥をノールックでゴソゴソと弄り回す。そんなことをしていると、カツンカツンと誰かが歩いてくる音。一瞬動きを止めるも、仲のいい人なんて一人を除いていないしなんでもいいやとまたゴソゴソと漁り始めたあたり。自分の名前を呼ぶ、それも聞き馴染みのある声が聞こえてくる。
振り返ると……そこには、そのたった一人の友達である安田汀花という女の子。)
あーっ、鍵見つかんなくてさ。んーっ
(そう言いながらしゃがんで鍵を探すその様子はお淑やかさの欠片もないまるで男の子のような仕草。まあ、元々男だから当たり前といえば当たり前なのだが。
少し焦っているような雰囲気を出しながら、話しつつも相変わらずゴソゴソ。するとすぐに「あっ」と声を出しながら腕をカバンの中から引っこ抜く。その指先にはストラップなど何も着いていない家の鍵らしきもの。)
あった! ごめんごめん、大丈夫だった。
(そう言いながら、目の前の扉……汀花の部屋のすぐ隣の扉の錠に鍵を差し込んだところで、ふと動きを止めて。
隣の部屋を、汀花の前にある扉を指さして)
……もしかして、汀花の家、そこ?
あっ、鍵ね、鍵……
(鍵を探すのは当然、それを使うっていう目的と付随している。 それをここで探しているってことはつまり、このすぐ近くに彼女の部屋があるっていうこと。 そしてそれは、私の部屋のすぐ前なんだから、ええっと…… )
あっ、うん。 そこだけど……
(志穂ちゃんも似たような結論に至ったみたいで、私はカバンから幾つか鍵が束ねられたキーホルダーを取り出しながらそれに答える。
こっつ、こっつ。 私の部屋の扉の前に歩く。 )
…………えーっ! すごっ、こんなことある!?
もっと早く言ってくれればよかったのに! あっいや言いようがないよね!あっはは!
(そして、キュッ! 通り過ぎざま身を捩って半回転!
肩をがしっと掴んでぴょんっと跳ぶ。 何か運命の作為めいたものすら感じるのだ。 )
……てことは。
(2人で並んで隣の扉の前に立つ構図。つまりこれは……いわゆるお隣さんというやつだろうか。
そう考えればえーっと驚いた表情を見せるけど……そんなものが霞んで見えるくらい、汀花の方がもっともっと派手に驚いていて。)
あ、わわっ、ちょ、ちょっと落ち着けっ……!
(これが女子特有のはしゃぎ……? なんて驚きながら、自分とまるで驚き方のテンションが違う相手に戸惑いながらも相手の肩を掴んでなだめるように言って。)
そ、それにしても隣なんだな……びっくりしたぁ……。
(まさかのお隣さんが唯一の友達。そんなことがあるのだろうかとこちらも運命じみたものを感じながら。想像していた面白くなさそうだった大学生活が、少しずつ明るくなってくるような感覚を感じる。まだまだ課題は山積み、これから色々ぶつかるだろうけど……それでもとにかく、唯一関わってくれた汀花とすぐ隣だということにホッとしながら微笑んで。)
(/ たのしみ~! 色々なシチュエーション楽しんでいきましょうね!
ちなみに私は一緒にお買い物行ったりとかプール行ったりとか、そんなこととか考えてましたね)
えっ、あっ! ごめんね! ちょっと驚いちゃって!
(なんだかさっきと逆みたいだ、今は志穂ちゃんの方が落ち着いてるみたいだし。
とりあえず気持ちを抑え、スパッと肩から手を離して一歩後ろに引き、しゃらり、指先でキーホルダーを回して扉の鍵を摘みとる。
驚いたけれど……その方が何かと便利なのは間違いない。 )
うんうん、ほんとにびっくりだよー。
……で、えっと。 なんか、部屋入るタイミング逃しちゃったね……ふへへ。
(ばったり会って、驚いて。 こうして話のタネができてしまうと…はいサヨナラ、と言って部屋に戻るタイミングでは無い気がする。 )
(/ プール……水着を拵ねば……)
い、いや全然っ。それは大丈夫だけど……
(相手の肩を掴んで落ち着かせれば、すぐに相手は落ち着いた様子。女子ってこんなもんなのかな、こう、熱しやすく冷めやすいというか。
なんて考えながら、まだまだ慣れない女子同士の絡みってやつに困惑しながらも改めて扉に鍵をかけて……。
そこで止まり、少し考えていると、どうやら相手も同じことを思っていたらしい。)
んー、まあ確かに……? でもさすがに家の前で立ち話ってのも変な話だしな……
(部屋に入るタイミングではないものの、とはいえこんなところで話し込むのも色々とおかしい。普通に他の人達の邪魔にもなりそうだし……。)
(/ ですねですね。志穂ちゃん絶対持ってないし…笑)
そだねぇ、折角だしどっか行く…………ん!
(越してきて間もないから周りの事をそう知っている訳ではないけど、探しようはいくらでもある。
だからどこか落ち着ける場所でお話でもしようか、と考えた矢先に思い付いたのは…… )
えーっと……じゃあさ、私の家来る? 帰るとこがいっこ隣にズレるだけだしさ。
(志穂ちゃんの方に行っていい? って選択肢もあったけど、何となく志穂ちゃんと付き合う上でのポイントもわかってきた感じがあるし。 それに基づくなら、そっちの方はまだきっと早いと思う。
鍵をかけ、がちゃりと捻るとロックの外れる音が響く。)
……え? 汀花の家……?
(ぽかんと間の抜けたような、言われたことを理解するのに時間がかかっていそうな表情をすれば。少しずつ理解してくると共に顔がまたほんのり赤くなっていって。)
い、いきなり部屋って……! えと……そういうの汀花は気になら……あっ
(生まれて始めて女の子の家の中へのお誘い。どう反応すればいいかわからず……そもそもまだ出会って数時間の話したばかりの仲。ただの友達。そんな相手に部屋に呼ばれては、汀花はそのへん気にならないのだろうか、それとも俺があまりに女の子耐性ないだけ? とあたふたするが、それを口にする途中、聞き馴染んだものよりも高い自分の声を耳に届かせてはハッと思い出す。そう、自分は今女なのである。
いったい何回やるんだこの下り……と自分で自分にツッコミながらも、慣れないものは仕方ない。というかこれに数日で慣れろという方が酷だろう。
とりあえず……どう振る舞うべきかは結局分からないけど、多分男同士で家にゲームとかで呼ぶ感覚と同じだよな? なんてアホなことを思い浮かべ)
や、やっぱなんもない! 行こう! 汀花の家!
(恥ずかしさを誤魔化しながらなせいか、少し大きめの声で口にして。しかし謎に変な気合いの入った言い方をしているが、行く先はすぐ隣の扉である。まるでこれからどこか遠出するような、そんな言い方になってしまった……。)
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