匿名さん 2022-05-04 19:01:27 |
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分かります分かります。もし自分の目覚ましがうるさかったらごめんなさい。
( 朝の苦手な相手に同調しながら頭を掻きつつ、薄い壁のアパートなのでというようにそんなことを言っておいて。)
ああ、大学ですか。この先をこう行ったところにある〇〇大学って知ってますか?
( 知っているかどうか分からないけれど、とそんな様子の切り出し方で大学の名を口にする。もちろん彼女の通う大学でもあるので確実に知られているのだが。
あくまでも偶然を装うため、そんな口調で話してみる。
それにしても……。自分のことに興味を持ってもらえるのは素直に嬉しい。そんなことを考えればまた自然と笑みが零れてしまう。)
それは、此方も同じなので!
…確かに壁薄いですから、音うるさかったら言って下さいね。
( 昨日なんて隣の物音など全く気にならなかったが、確かに壁は薄いし、物音には気をつけようと心にきめて。)
え!私も〇〇大学です!
まさか同じだなんて…。
( 大学名を聞くと相手の顔を見て目を丸くして驚き。まさかこんな偶然があるのかとまたドキドキして。一学年上だと全く交流もないため分からないのにも納得できる。しかし相手程のイケメンなら、きっとモテモテだろうなと予想して。)
いえいえ、僕は生活音は気にしないので。
( そもそも夏月さんの生活音であればむしろ聞きたいくらいだから壁の薄さなんて気にならない。……と言うか、そもそも盗聴器を仕掛けているのだからどのみち生活音は丸聞こえなのだけれど。)
え!そうなんですか…!
それは偶然ですね。それなら大学までずっと一緒に行けますね。
( 同じ大学だと知れば嬉しそうに微笑みを見せ、それならば途中までではなく最後まで行けますねと気分良く言ってみせる。
そしてそのまま隣に並んで歩き始めては、同じ大学へ向けて相手の歩調を合わせつつ歩いていって)
それにしてもこんなに綺麗な人が同じ大学にいたなんて…いや、卒業する前に知ることが出来てとても嬉しいです。そしてその綺麗な女性とこうして話せている僕は幸せ者ですね。
(そう感慨深そうに、全く嘘でなく心の底から思っていることを口にしながら歩いていく。
相手を褒めて照れさせたい、なんて思いもない訳では無いけど、そもそも全て本当の気持ちなのだ。)
こうやって、誰かと学校に行くのって小学生とか中学生ぶりかもしれません。
( 何だか隣に誰かと並んで歩くのが久しぶりすぎて、ましてや学校までとなるといつぶりかな、なんて考えて。高校くらいになると家の近くにいた友達もみんな違う学校に行くことになってしまっていたから、ちょっと不思議な感じだと笑って。 )
いやいや、綺麗だなんて。そんなことは…。褒めても何も出ませんよ?
わたしなんかより、神崎さん物凄く格好良いじゃないですか。こんな格好良い人と知り合えるとか、人生の運全部使い果たしてる感じがします…。神崎さんモテますよね?
( 本当に昨日から自然に褒めてくるなぁとまたしても顔が赤くなり、首を振って自分なんてどこにでもいる女の子だと思う。それでもそんなふうに言ってくれるのが、ちょっぴり嬉しくて小さく笑って。並んで歩いていてわかるが、周囲の女性からの視線を感じるくらいに相手は格好良い。絶対大学でも女性から人気があるのだろうと思う。)
そうですね、僕も…中学生以来ですね。
( 自分も間違いなく中学生ぶり。しかし……誰かと登校する時間が終わったのは、中学を卒業したタイミングではない。周りの人間が自分から離れた時……そんなことを考えると少しだけ、ほんの一瞬だけ言葉が詰まってしまうが、すぐに繕って言葉を紡ぐ。)
僕ですか? ……いや、まぁアプローチされることはありましたけど……。
(女性からの接触が多いことは認めつつも、どこか浮かれないような様子。普通の男の人なら色んな女の人から好かれるのは悪い気分では無いのだろうけど、自分は違う。
誰からアプローチされようと、告白されようと、それが夏月さんでなければ何の意味もない。何の嬉しさもない。
僕には一人、その一人を除いて興味が無いんですよ。目の前の人を除いて。
そう心の中で返しながら、顔を赤らめた夏月さんを、表情を綻ばせながら見る。
褒めても何も出ないと言っているけど、そのかわいい表情だけでお釣りが来ますよ。)
それより、夏月さんこそどうなんですか?
誰かに言い寄られてたりとか……。変な男にアプローチされてたりとか……。
僕なんかよりも夏月さんの方がよっぽど。
(相手は「モテますよね?」といったポジティブな言葉だったのに対し、似た質問を返したつもりでも「言い寄られる」「変な男」というネガティブなワードが出てしまっている。その事は秀也は自覚していないが……。
それはやはり目の前の彼女を他の誰かに取られたくないから、他の男から守りたいから。その気持ちが強く前に出てしまっているがゆえのことで。)
( 彼が少し言葉に詰まったことは気にも留めず、懐かしい昔のことを思い返して、今友達元気かななんて少し思いながら。)
そんな!ないですないです。
私なんて…。
( 他の女性からアプローチをされることはあるという彼の言葉にはそうだろうと思うも、どこか淡々としている相手の様子に嬉しくないのだろうかと疑問に思う。まさか自分のことをそんな風に言って貰えるとは思いもよらず。首を振りながら。男性に言い寄られるなんて経験は一度もない。自分のような地味で目立たない女など、いても気付かれないようなものだと苦笑して。ましてや男性と付き合うなど、夢のまた夢である。)
そうですか。
( それは良かった。と続けて口にしてしまいそうなのは堪えてその言葉は飲み込む。
その辺りもずっと調査はしていたが、さすがに自分も24時間夏月さんを見張れるわけではない。彼氏がいたことがないのまでは分かっていても、学校の中などでアプローチされているかどうかまでは知らないのだ。だからこそ、ここで改めてそんなことが無いと言われると少しホッとしてしまう。)
それにしても夏月さんに誰も寄ってこないなんて、周りの人達はまるで見る目がないですね。
( まあその方が助かりますけどね。と心の中で続けながら。
しかしその言葉に嘘はない。誰にも夏月さんを渡したくはないが、夏月さんほどの女子大生に誰も興味を示さないなんて、本当に見る目がない。でもそれならば遠慮なくいただきたい。自分が、夏月さんの一日をしっかり観察させていただこう。
だからこそ……やはり夏月さんに他の男を寄らせる訳には行かない。)
でも……もし、夏月さんに言い寄る男がいたら、その時は遠慮なく僕に言ってくださいね。力になりますから。
いや、普通ですよ。
そりゃあ、私みたいな地味な子より、周りには可愛い子がたくさんいますから。
( 見る目がない、訳では無いと思う。世間一般からしたら私は、地味な女子で。特に大学に入ってから、周りのお洒落をした女の子たちに圧倒されたくらいだ。わざわざ自分を選ばなくても可愛い子なんてたくさんいる。)
…ふふっ、そんな物好きな人がいたら、神崎さんに相談しますね。
( こんな私のことを心配してくれるなんて、どれだけ優しい人なんだと改めて思う。知り合ったばかりのお隣さんにしては優しすぎる。こんな完璧なイケメンと並んで歩けていることが幸せだと思っているうちに大学につき。自分はこのあと大講義室で授業があると言えば、名残おしいがおわかれすることにして。)
えっと、それじゃあ。ここで。
地味、と言うのは服装や化粧の話でしょうか?
それなら違いますよ。確かに目立つ服装や化粧ではありませんが、それは夏月さんの素材がいい事の表れですから。
( 素材が良くなければなっさんのようなシンプルな服装や薄い化粧で勝負できない。確かに濃い化粧や目を引く服装はオシャレなのかもしれないが、素材の良さを前面に出すのもまたオシャレだと、自分は思う。)
はい、いつでも。
( 相談するとの返事。それはある程度心を許してもらった現れだろうか。社交辞令的な返事かもしれないが、それでも自分を頼るという言葉は嬉しくて。
まあ、別に相談されようがされまいが夏月さんに近付く男は確認次第引き剥がしてあげるのだけれど。)
もう大学に着いちゃいましたか。夏月さんと話しているとあっという間でしたね。
それでは僕はあっちの教室なので、また。
( 本当にあっという間だった。このまま大講義室に一緒に入りたいが、さすがにそこまでするとおかしいか。
自分は授業がないのでこのままどこかで暇を潰すことになるが。
次は昼休みか、下校のタイミングか。
夏月さんがよく食堂で何を食べるかは知っているし、下校のタイミングも分かっている。同じ大学なのを明かした以上、これからは色んなタイミングでかち合うことが出来る。
そう考えると嬉しくてまたニヤけてしまいそうだ。)
ありがとうございます…。
( 本当に褒めるのが上手い。こんなこと本当に言われ慣れていないため、反応に困る。そういう風に捉えてもらえるのなら、こちらも派手な化粧や服装は好きでは無いので嬉しい。しかし、男の人に絡まれることなどは自分には経験がないので相談することもないだろう。と心に思う。)
( 手を振ってお別れをすれば、大講義室の後ろの方に座る。すると、横にやってきた友人が先程の登校風景を見ていたのか、興奮した様子で「あのイケメンはだれ」、「どこで知り合ったのか」など質問攻めに合う。苦笑混じりに誤魔化している間に講義が始まったのでほっと安心する。そうやってあっという間に午前の講義が終わり、用事のある友達と別れ、ご飯でも食べに学食へ行こうかと足を運んだが、今日は人が多い。)
わ、人が多いな。座れるかな…。
夏月さん……やっぱりかわいいな。
( 最後の褒められた時の反応など、褒められ慣れてないのがよく分かる初々しさ。確かに夏月さんはあんなに綺麗でかわいいし性格も良いのに、男性にこうして近寄られる経験自体は少なそうだった。
良くも悪くもそれこそ目立たないからなのか、まあでもその方が助かる。こうして褒めた時に出てくる反応がいちいちかわいいのはとても癒しだ。)
( そしてお昼時間時。昼休みはやはり学食は混むもので、大勢の学生や学校関係者で溢れている。その中の二人席を取っておき、時間を見つつそろそろかなと入り口に目をやれば夏月さんの姿。どうやら席を探しているよう、確かに空きは簡単には見つからなさそうだ。)
あ、夏月さん。夏月さんもこれからご飯ですか?
( そしてその夏月さんをたまたま見たように話しかける。
同じ大学で同じ場所でご飯を食べるのであれば、別にこのエンカウントは珍しくもなんともない。
そしてこのまま自然に、こちらの二人席に呼ぶ形にしよう。)
今日はとても混んでいますね……。席は見つけてますか? もし良かったら、僕の向かいが空いているのですが、一緒にどうでしょう?
え?あ、神崎さん。
そうなんです、いまからお昼にしようと思って。
( 席がみつからないので学食は諦めようかなんておもっていたところ、「夏月さん」と呼ばれてそちらを見る。「夏月さん」なんて呼ぶのは思いつく限り一人しかいない。やはり思っていた通りの相手だったことに驚き。同じ大学だとはいえ、こんなに会えるものなのかと思う。更にちょうど席が空いていると誘ってもらえたことには断るのも申し訳ないし、何より席も空いていなさそうなので、甘えることにして。しかし偶然にしても相手の向かいが空いていたことには、もしかして友達と食べる予定だったのでは、と少し心配して。)
すごく、たすかります…。でも誰かと食べる予定だったとかないですか?
いえいえ、僕は普段は一人で食事をしていますから。今日も誰かと食べる予定はありませんでしたよ。
( そう返事をしながら自分の取っておいた席に誘導。カバンで確保しておいた二人席については椅子を引いてあげて夏月さんを先に座らせてあげて。その後に自分もその向かいに座る。
その机の上にはまだ何もなく、何も食べ始めてすらいないということは伺えるだろう。)
今日も本当は一人席を取るつもりだったんですが、あいにくの混み具合でこの席しか見つからず……。それでこの席を取っていたのですが、そのおかげで夏月さんと食事を共に出来ると思うととても幸運ですね。
( 混みあった食堂内を見渡すように視線を回せば、その言い分も納得できるものになるだろう。
実際はここが混むよりも前、早い段階から来ておき、この二人席……それも入り口からすぐ来れるようなところを取っておいたという話ではあるのだが。)
そうだったんですね。
今日すごく混んでますからね。ありがとうございます。
私の方こそ…神崎さんとお供させて貰えて嬉しいです。
…えっと今からご飯取りに行く感じですかね?
私席座ってるので、先にとってきますか?
( 幸運だなんて言われれば、こちらこそ、こんな格好良い人とご飯を共にできるなんて、運がいいとしか言いようがない。有難く向かいの席に座らせてもらえば、相手もまだ何も取ってきていないことがわかり、2人でいくと席に荷物が置きっぱなしになって危ないかと、交互にとりにいくかと提案し。)
そうですね、これからです。
夏月さんが荷物を見ておいてくれるなら、僕が夏月さんの分も買ってきましょうか?
( 荷物が危ないからと交互に取りに行く提案をされると、それでは時間がかかるからと、自分が二人分取ってこようと提案して。
何がいいかと夏月さんに訪ねる。
まあよく食べる数種類は把握しているのだが。今日の気分はどれになるのだろうかと思いつつ。選ばれなかった方の食事を自分は買って話を繋げようかなんて考えながら)
え、いいんですか。
じゃあ、カレーにしようかな。
( 言葉に甘えることにして、悩んだ末よく食べる学食のカレーをお願いして。安くて美味しいので、よく食べるのだ。元々そこまで食も多くないため、昼は少なめで済ますことが多い。カレーはちょうどいい多さなのである。)
分かりました、カレーですね。ここのカレー、美味しいですもんね。
( カレーの気分だったか、と微笑みながら財布を持ち、それ以外の荷物は席に置いたまま立ち上がって、「荷物をお願いしますね」と声をかけてから食券を買いに並ぶ。
少しして、片手にカレー、片手に親子丼を持って帰ってきては、それを丁寧にテーブルの上に置く。
しっかりと水とスプーンもトレーの上に乗せており)
夏月さん、お待たせしました。それではいただきましょう。
( そう言いながら向かいに改めて座り、自分の前に置かれた親子丼に向かって手を合わせ軽く頭を下げてから手を付ける。
夏月さんとこうして向かい合って食事ができるのがどれだけ幸せか……そんなことを考えながら。夏月さんが食べ始めればその様子もしっかり目に焼き付けつつ、今までで一番美味しい食事を味わって。)
わ…大変じゃなかったですか?
すいません、ありがとうございます。
( 相手の荷物を見ていれば、暫くして運ばれてきたその様子を見て、大変だったのではないかと心配をして自分の分を受け取り。改めて礼を言うと、食べ始めた相手に倣って自分も「いただきます」と手を合わせてからカレーを1口食べて。後でお金を渡さなくてはと思いながら、ちらっと相手を見ると、親子丼を食べる姿が目に入り。親子丼はよく食べるメニューの1つ。自分もよく食べることを話題に出せば。それにしてもイケメンが食べる姿というのは、本当に絵になるななんて心の中で感心しつつ。)
…親子丼、美味しいですよね。
私もよく親子丼食べるんですよ。
いえいえ、このくらいどうってことはないですよ。
( 疲れた様子や大変そうだった様子などは微塵も見せず相変わらずの爽やかな表情を見せる。お金も貰う気はなく、そのことは話題に出さない。代わりに親子丼をよく食べるという話を出せば、知っていますよと言いたくなるのを抑えながら。)
そうなんですか? 奇遇ですね。
ここの親子丼は本当に美味しい。でも今日は夏月さんと食べているおかげか、いつも以上に美味しく感じますね。
( きちんと話す時は口の中を無くす。当たり前のようで意外とみんなが出来ないようなことを自然に行いながら、相手がこちらの食べている様子を見てくれているのに興奮しつつ、しかしその興奮は抑えて表に出さないように。)
そ、そうですか?
( 「いつも以上に美味しく」本当かな。自分なんかは、かっこいい相手を前に少し緊張しているせいか、味を楽しんでいる余裕はない。その言葉にはやはりどう返せばいいのか分からず「それならよかったです。」と少し笑って。カレーを食べて誤魔化し。全て平らげると、少し辛い口の中に水を一口流し入れて、一息つき。)
あ、あの。お金いくらでした?
( ふと思いついたように鞄から財布を取り出すと、カレーのお金って500円くらいだったかな。と、考えながら、お金を出そうとする。)
ふふっ。そうですよ。
( 夏月さんの普段よりも食べるスピードが少し早く見える。きっとこの慣れない場で緊張しているのだろう、そう考えるととても愛らしいその食べ具合。
夏月さんが緊張しているのは、単に男の人とこういう経験がほとんどないからなのか、あるいは自分を意識してくれているのか。自惚れかもしれないけど、後者ならどれほど嬉しいことか。
そんなことを考えつつ夏月さんの食べていく姿をしっかりと目におさめていると、食べ終えた夏月さんはお金を払おうとしてくれた。)
お金はいりませんよ。今日は僕に奢らせてください。
( そう言って財布を出す素振りを一切見せない。手でも制しておいて、全く受け取る気がないということをアピールしておき。
学食のカレー代なんて、それで夏月さんとこうして共に食事ができるのなら安いものだ。)
えぇ。でも…。
…じゃあ、これよかったらもらって下さい。
( 財布からお金を出そうとする所を手で制され、受け取る気が微塵もない相手の様子に納得がいかないで。少しうーんと考えた後、なにか思いついたように財布の別のポケットから、ケーキの割引券を引き抜くと相手に渡し。「私、ここでバイトしてて。これ使うとかなりお得なので!ぜひ。」と言い。言ってなんだが店の宣伝をしているようだと、苦笑して。)
これは……。
( おっと。夏月さんのバイト先であるケーキ屋さんの割引券だ。彼女からは今初めて言われた風に……いや実際に彼女の口から聞くのは初めてなのだが、とにかくケーキ屋さんの紹介を受けた。
聞かなくても知っていたし、もう数日以内には偶然を装って伺うつもりだったのだけれど。
まあ少し予定は狂ったけど、これはこれでいいだろう。少なくとも彼女の中で、僕はバイト先に客として呼んでもいいと思ってもらえるくらいには信用を得ているという裏返しでもあるのだから。)
ケーキ……あ、昨日の袋のところですね。嬉しいな、ちょうど僕も気になっていて、近々行きたいなと思っていたんですよ。
実は僕、甘いものに目がなくて。
( そんなことを言いながら、ありがとうございますとその割引券はしっかりと丁寧に受け取る。
そしてそれを嬉しそうに見つめ。
彼女からは、ちょうどケーキ屋さんの割引券を貰って喜ぶケーキ好きの男子大学生に見えているだろう。というより、普通の人はそう見るはずだ。
だが、秀也の考えていることはと言うと。
この割引券、夏月さんに会いに行けるチケットのようだ。
なんて、にんまりと見つめていた。)
そうです!
なんか身内自慢みたいになってしまいますが、本当に美味しいんです。ここのケーキ。
甘い物好きでしたらぜひ!
( 相手が「甘い物が好き」だと嬉しそうに笑ってくれれば、その笑顔に思わずドキッと胸が高鳴る。それを隠すように、このケーキ屋の商品はどれも最高だと伝え、ぜひ来てくださいと笑って。なんなら、今度もし、賄いとしてケーキが貰えたら2つ貰ってひとつ相手に渡そうかな、なんて考えていて。
ふと時計を見るともうすぐ午後の講義が始まる時間帯が近付き、自分はまた講義があるため行かなければと席を立つ。)
私、講義があるのでそろそろ行きますね。
カレーご馳走様でした。
夏月さんが働いてるところですから、さぞかしそうなんでしょうね。
(きっと美味しいのだろう、という意味で、褒め言葉ではあるが、決して褒めてる意識はない。ただ純粋に、夏月さんが目に止めて働いたケーキ屋なんだから美味しいのだろうと、そういう感想で。
早速次の夏月さんのバイトのタイミングで、買いに行こう。そして夏月さんのバイトしている様子を間近に目に焼き付けて、それをおかずにケーキをいただこう。今まで遠目に見た事はあるが、近くでその姿を拝んだことは無い。なのでそれをとても楽しみにして。
そんな話をしていれば時間が経つのはあっという間で、もうすぐ午後の講義らしい。夏月さんが席をたち、午後の講義へ向かうのを見送れば……自分も自習室へ。そして夏月さんの次の授業の教室に仕掛けておいた盗聴器からの音声を届けてくれるイヤホンを耳にしては、“自習”を始め。)
( 午後からの講義は眠くて仕方がない。少人数の講義となると居眠りをするわけにはいかないのだが。眠気を飛ばすように必死でノートをとっていたところ、午後の講義も全て終わり。今日はバイトも休みの日なので久し振りにゆっくりできると、講義室を後にして。
友人はみんな飲み会や合コンだと忙しい様子が伺える。明日の夜珍しく飲み会に誘われているのだが、行こうか悩んでいる。正直酒にも強くはないし、飲み会の場所もなんとなく苦手で。どうしようかな、なんて考えながら帰路につき。)
(/ いつもありがとうございます。素敵な神崎くんにいつもドキドキさせてもらってます!提案なのですが、夏月の友人が神崎さんのことを好きになるという設定を加えてみたいのですがどうですか??それで夏月もモヤモヤするてきな!友人は私がやりますので。)
(/ 今日反応悪くてすみません……! 気圧のせいか体調悪くて。
楽しめていただけてるならよかったです!こちらも夏月さんの行動に癒されております。
提案の方は大丈夫ですよ! するとどうしましょう、この後の展開は少し飛ばします?)
(/ 無理なさらないで下さいね!返信いつでも大丈夫なので!友人ちゃんはもう少し先の登場でも大丈夫です。少し飛ばしてベランダでのお話のところやってみたかったり、飲み会の後に絡まれてるところ助けてもらったり…もやってみたいので。なんかすいません、要望多くて…。何か希望あれば仰って下さいね!とりあえず体調優先してください!)
(/ お気遣いありがとうございます…!
ふむふむ。ではベランダ絡みでもう少し親交度高めて、その後飲み会後助け舟。ここが友人ちゃんも一緒にいて、当然2人とも助けることになってそこで友人ちゃんが意識し始めて夏月さんがモヤモヤ、みたいな流れにしますか?
要望は全然大丈夫です!むしろ此方はあまりそういうの言えない(言語化できない)タイプなので、相手から色々と言ってもらえるのはとても助かります。)
( 大学から無事帰宅し、夜ご飯をさっと済ませ風呂へ入る。風呂上がりには、冷蔵庫から冷えたお茶を取り出し、ベランダへと視線を向ける。今日は天気も良い日だったので外はまだ暖かい。風呂上がりの火照った体を冷ますにはうってつけの場所だと、ベランダへ出て、外を眺めながらお茶を飲み。)
(/ ベランダシーンにとばしました! )
( 大学の授業も終わり、夏月さんの部屋の中に仕掛けた盗聴器と繋がっているイヤホンを耳につけながら課題を片付けていく。
ああ、さすがに大学生の身なので課題などはしなくてはいけないが、早くこんなことをやめて“本業”の方に専念したい。そんなことを考えつつも。
しかし夏月さんの部屋の物音を聞いていると自然と心が落ち着き課題が捗る。やはり夏月さん効果は絶大だな、なんて考えながら。
さっと終わらせれば後はゆっくり何のしがらみもなくオーディエンスになれる。そして物音を聴きながらリラックスしていると、お風呂場の物音がし始めた。時計を見てみても、確かにそろそろお風呂の時間だ。
名残惜しいが、さすがにお風呂場にイヤホンは持っていけないので外しつつ自分もシャワーを浴びに行く。
終わればタオルを首にかけ、待機。すぐに夏月さんは上がってきたようで、また少し物音がしたかと思えばベランダの窓が開く音。それを聞けば自分も冷蔵庫から夏月さんの好みのお茶を取りだし外へ。
気付かないフリをしつつ、外に出て窓を閉めればごくごくとお茶を飲み、ぷは、と。お隣さんに聞こえるように、アピールするように。
これはあくまで偶然同じ習慣を持っていた、そして自分が後に出てきているので、向こうに気がついてもらおう。)
(/ わわ、次自分の番だったのにすみません!)
…!…神崎さん、もしかしてベランダにいます?
( 夜風に当たりのんびりお茶を飲んでいたところ、窓の開く音、足音、そして何か飲み物を飲んでいるであろう音。それらが隣から聞こえてきているということは、そこにいる人物は1人しかいない。そう思いながらも、少し自信が無さげに隣にいる人物に問い掛け。隣とは薄い壁一枚で阻まれているため顔は見えない。違ってはいないと思うが、顔が見えないというのは少し心配になる。)
(/ いえいえ!逆に先に書いてしまってすみません…こちらから書いた方がやりやすいかなぁと思って。)
……もしかして、夏月さんですか?
( ベランダで声がかかるのを待っていると、案の定隣から夏月さんの声。まさかそこに居るの?というような驚いたような声色で、ベランダの壁越しに声を返す。)
実は僕、お風呂上がりにベランダでお茶を飲むのが習慣になっちゃってるんですけど、飲む音とか聞かれちゃいました? 聞かれてたら、少し恥ずかしいな
( 夏月さんの習慣でもある行為を、少し気恥ずかしそうに口にする。まだ壁越しにしか話していないので表情は見えないだろうが、声色で表現するように。
そして、相手もまさかおなじ習慣を持ってはいないだろうというように、実はと口にしつつ、聞かれてたら恥ずかしいな、なんて。思いっきり聞かせるように飲んだのだけど。)
あ、私と同じですね。私も今お風呂上がりでお茶を飲んでたんです。今の時期涼しくて丁度いいですよね。
( 音を聞かれて恥ずかしいという相手には思わず可愛いな、なんて思いながら笑って。しかし、自分と全く同じことをしていたとは、朝の登校時間といい昼の時間といい、自分とすごく行動が似ているな、なんて思いながら。だとすると、いままで大学で出会わなかったのが不思議なくらい。こんなイケメンだったら出会ったら忘れるはずないのだけど。)
夏月さんもですか? それはすごい偶然ですね。
( まさか同じことをしていたとは……と言うように少し驚いた口調で返してみせて。
偶然ということを強調しつつ、生活習慣が似ていると思ってもらう。実際は調べ尽くして合わせているだけなのだけど、こうして親近感を湧かせてもらって、さらには話のタネにもなってくれる。
実際夏月さんは自分の思うように食いついて話しかけてくれるし、微塵もまだ疑っている様子は感じ取れない。)
はい。昼は暖かくなってきてますけど、夜はまだまだ涼しくていいですね。
ところで、その……よかったら少し顔を出してもいいでしょうか?
せっかく隣にいるんだし、顔を見てお話したいな、なんて。
( 電話でもないのに声だけで会話するのは少し不思議ですから、なんて付け足したりしながら、彼女の顔を拝みたくそんな申し出をしてみる。
お風呂上がりなはずだから、きっと少し髪は濡れているかもしれない。夏月さんの部屋着は実際に見るとどんなものだろうか。そんな、今隣に居るであろう夏月さんの姿を想像しながら。)
なんだか凄いですよね。
朝も昼も会いましたし、これまで大学で出会わなかったのが不思議です。
( すごい偶然。確かにその言葉通りだ。ここまでくると、運命?など変なことまで考えてしまい、思わず頬が赤くなる。先程思っていたことを相手に伝えれば。)
あ…確かに。じゃあわたしも少しだけ覗きますね。
( 確かに壁があることで変な感じがしていた。でもいざ顔を合わせるとなると、風呂上がりでスッピンだし髪もかわかしてないしと答えてしまってから恥ずかしくなる。部屋着だって、Tシャツに短パンと、なんとも可愛くないもので。少しドキドキしながら、フェンスに少し身体を預け隣をちらっと覗き。)
本当ですね。引っ越してきて縁が近くなったのかもしれません。
(運命、とまでは言わないものの、縁が近くなったなんて少し意識したような言葉を使ってみる。相手の様子から、自分への好感度は上々の様子に見えるし、これくらいなら言ってみても、なんて考えて。
そして覗いてもいいという返事をもらえば、先にベランダから顔をひょっこりと出す。基本的には乾かしているものの、わずかに湿ったままの髪の毛を外の空気になびかせながら。
待っているとすぐに夏月さんの顔も出てくる。お風呂上がりだからすっぴんなのだろうけど、昼の大学の時と差を感じさせない綺麗な顔立ちだ。
今まで僕は……散々夏月さんを追いかけ回してきたけれど、こればかりは、この家の中のラフな時の夏月さんだけは、こうして拝めたことがない。初めて見る夏月さんの姿に興奮しながら、隣同士ならではの絡みに思わず微笑んで。)
…、あ、お茶同じですね。
( 覗かれた相手のその姿は、朝や昼とは違いどこか色気がある。風呂上がりだからかと、思わず暫く見つめてしまい。本当にイケメンだ。我に返ったところで、相手の持つお茶をに目がいき、またしても被ったことには思わずクスクスと笑って。涼しい夜風が髪を僅かに揺らす。)
神崎さんも、髪乾かしてないですね?ドライヤーかけないんですか?
( ふと濡れたままの相手の髪を見て、自分と違って短髪なのですぐ乾きそうだ、なんて思っていたが。ドライヤーはかけるのだろうか。と疑問に思い尋ね。)
……え? 本当だ。
( お茶が同じと言われて少し驚くような表情で夏月さんの持つお茶を確認。それをしっかり視認するとにっこりと笑って。……まあ、これも合わせているのだけれど。
夏月さんと折り重なる数々の偶然。もしかしたら運命かも、なんて思ってもらえるかもしれないが、全て工作済みの必然。どのメーカーのどのサイズを買うかまでしっかり把握して合わせているだけなのだ。)
いや、いつもはここで少し休憩してからなんですよね。ほら、暑いじゃないですか。
( ドライヤーはかけるにはかけるけど、お風呂上がりで火照った身体に熱いドライヤーは嫌だからとそう言って。
ベランダから顔を出したまま、またお茶を口につければごくっと一口。飲めば口から離してぷはっと気持ちよさそうに息を吐いて。)
また、そろっちゃいましたね。
( お茶のラベルを見て、もうここまでくると驚きを通り越していて。そう言うと、小さく笑い。)
たしかに。私もそうです。
( 相手の言う理由と全くおなじだと伝えてから、此方もお茶を一口飲んで。ちらっと横を見ると相変わらず涼し気な表情の彼にまた胸がドキドキして。心の中では、イケメンだからドキドキしてるだけで、これは恋ではないと言い聞かせて。)
そうですね、でも夏月さんと揃っちゃうのはいいですね。
( そんなことを、少し嬉しそうに微笑みながら言って。
夏月さんの方を見ていると、ついついかわいくてかわいくてにやけてしまいそうになる。それを必死に微笑む程度に抑えながら。
かわいい夏月さん、抱きしめたらどんな感覚なのだろうか。抱きしめたらどれほど幸福なのだろうか。)
いいですね、この時間。いつもの習慣なのに、今日は特別に楽しいです。
…神崎さん、この前も言いましたけど、女性に人気ありますよね、絶対。彼女とかいないんですか?
( ベランダ越しに見える相手の笑顔。これはまた心臓に悪い。イケメンというのは罪深い生き物だ。なんて心の中で思いながら。こんなイケメンだから、彼女がいるはず。それとも逆にモテすぎて選り取りみどりだから選べない?そんなことを考えながら質問をして。)
……まあよくアプローチは貰いますけど、彼女はいないですね。
( どうしても気になるのか、この前にも聞かれたような質問。彼女がいるかどうか、そんなに気にしてくれるのは自分のことを少しでも気にかけているということなのだろうか、なんて邪推をしながらも、前と変わらない返事。
そしてゴクッとお茶を一口飲んで、一息はいて。口元をタオルできゅっと拭くと夏月さんの方へまた視線を向けて。)
でも僕は、色んな人からのたくさんのアプローチよりも、気になる一人からのアプローチが欲しいですね
( そう、夏月さんだと心に決めたあの日から、他の人のアプローチなどひとつも要らないのだ。
オシャレを学び、身体を鍛え、ファッションを学び。あれ以来見た目には特に意識してきたけれど、それは他の女の人達にモテるためじゃない。
今目の前にいる彼女の目に留まりたいから。それだけなのだ。)
(/ 少し忙しくて、お返事遅くてすみません…!)
一人…ということは好きな人はいるんですね。
( なんとなく、アプローチは貰うけど、とくに恋愛事に興味はないのかと思っていたため、「一人」と聞き、好きな人がいるのだと分かればなんとも言えない気持ちになり。その相手が誰かなんて、そこまできくのはできず。)
(/ 大丈夫です!リアル優先で大丈夫ですよ。わたしも返信遅い時あるので…)
……夏月さんは、どうなんですか?
この前は居ないと言っていましたけど、気になる人は居ますか?
( 相手の反応を見ると、自分に好きな人がいるのだと知って少し元気が無くなるような、そんな雰囲気を感じる。さすがに自分が夏月さんに気があると勘づいて元気が無くなることは無い……はずだから、もしかして違う人だと思って、自分のことを少し気にしてくれていた? なんて、そんな邪推をしてしまっては少し気になってくる。
相手の元気が無くなったことでの話題転換という意味でも相手の話へと変えて振り直し。
相手はなんと答えるだろうかと少し不安な意味でドキドキしながら相手の顔をじっと見つめて)
(/ うわーん、ありがとうございます…)
あはは、この前も言いましたけど、恋愛とは無縁の世界で生きてきたので…。気になる人は…いません。
( 此方にも話題が飛んでくれば、先程少し落ち込んでしまった理由も分からないまま空元気を振り絞り、笑ってそう答えて。ただ、気になる人は、と言ったところで、一瞬相手の顔を見てしまって。それから視線を逸らせば、蚊の鳴くような声であとを呟き。出会って数日、優しくしてくれるお隣さんのことが気になるのは当然のことだと、自分に言い聞かせ。)
(/ わたしも平日とか中々返せてなくてごめんなさいね!ゆっくりやりましょう!)
……そうなんですね、やっぱり夏月さんの周りの人達は見る目がない。
( まるで自分なら逃さないのに、とでも言うかのような言い回し。さすがに今そこまでは言わないけれど、実際自分は夏月さんを逃すつもりは無い。ずっとずっと追いかけ回して、誰にも渡さない。僕がずっと夏月さんを一番知る人間になるのだ。
またグビっとお茶を飲み夏月さんの方を見つめる。本当に綺麗で可愛い。今少し彼氏がいないことを思い出したからか不安そうになっている表情も、とてもいい。隣に来れてこんなプライベートな空間で話すことも出来て、本当に幸せだ。)
そんなことないです。私なんて…
あ、それより、明日夕方バイト入ってるんですけど、さっそくケーキ食べにきませんか?
( 相手が見る目がないといってくれるほど、自分に魅力があるとも思えないのだ。自分でもわかってはいるが、私は自己肯定感が低い。褒めてもらえることにも慣れていない。
話題がどんどん暗くなりそうなので、話題を変えようとケーキの話にうつると、明日丁度自分がバイトの日であったことを思い出してお誘いし。勿論予定が入っていれば無理にとは言わないと、補足して。)
お、いいんですか?
近いうちに行こうかな~と考えていたんですが、それならちょうどいいし明日行かせてもらおうかな。
( ケーキを食べに来ないかと誘われたことで嬉しそうにニカッと笑って。その様子はケーキが好きで、明日食べるであろうそれに思いを馳せる少年のよう。
しかしその実は……夏月さんに自分のお店に誘われるという嬉しさでしかなく。)
せっかくの夏月さんのお誘いなんですから、予定があったとしても空けて行きますよ。
( それくらい行きたいという意味合いで言っただけで、実際予定も何も無いと付け加えながらそんなことを言って。
まあ予定は……厳密に言えば夏月さんが働いている様子や、バイトの行き帰りを見守るという予定はあったが、夏月さんに直接堂々と会えるのならばそうしない理由がない。)
ほんとですか!
じゃあ待ってますね?
( 快い返事が返ってきてくれたことにこちらも思わず笑顔になり。余程ケーキが好きなんだな、なんて思いながら彼の笑顔に惹き込まれていたところ、少し風が冷たく感じてきて。そろそろ中に入ろうかな、とチラッと相手を見て、正直もう少しお話していた気持ちに後ろ髪を引かれるもお互い風邪をひいてはいけないと、相手にそう話し。)
…じゃあ、そろそろ中入ります。お話御付き合いありがとうございました!
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