匿名さん 2022-05-04 19:01:27 |
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( 大学の授業も終わり、夏月さんの部屋の中に仕掛けた盗聴器と繋がっているイヤホンを耳につけながら課題を片付けていく。
ああ、さすがに大学生の身なので課題などはしなくてはいけないが、早くこんなことをやめて“本業”の方に専念したい。そんなことを考えつつも。
しかし夏月さんの部屋の物音を聞いていると自然と心が落ち着き課題が捗る。やはり夏月さん効果は絶大だな、なんて考えながら。
さっと終わらせれば後はゆっくり何のしがらみもなくオーディエンスになれる。そして物音を聴きながらリラックスしていると、お風呂場の物音がし始めた。時計を見てみても、確かにそろそろお風呂の時間だ。
名残惜しいが、さすがにお風呂場にイヤホンは持っていけないので外しつつ自分もシャワーを浴びに行く。
終わればタオルを首にかけ、待機。すぐに夏月さんは上がってきたようで、また少し物音がしたかと思えばベランダの窓が開く音。それを聞けば自分も冷蔵庫から夏月さんの好みのお茶を取りだし外へ。
気付かないフリをしつつ、外に出て窓を閉めればごくごくとお茶を飲み、ぷは、と。お隣さんに聞こえるように、アピールするように。
これはあくまで偶然同じ習慣を持っていた、そして自分が後に出てきているので、向こうに気がついてもらおう。)
(/ わわ、次自分の番だったのにすみません!)
…!…神崎さん、もしかしてベランダにいます?
( 夜風に当たりのんびりお茶を飲んでいたところ、窓の開く音、足音、そして何か飲み物を飲んでいるであろう音。それらが隣から聞こえてきているということは、そこにいる人物は1人しかいない。そう思いながらも、少し自信が無さげに隣にいる人物に問い掛け。隣とは薄い壁一枚で阻まれているため顔は見えない。違ってはいないと思うが、顔が見えないというのは少し心配になる。)
(/ いえいえ!逆に先に書いてしまってすみません…こちらから書いた方がやりやすいかなぁと思って。)
……もしかして、夏月さんですか?
( ベランダで声がかかるのを待っていると、案の定隣から夏月さんの声。まさかそこに居るの?というような驚いたような声色で、ベランダの壁越しに声を返す。)
実は僕、お風呂上がりにベランダでお茶を飲むのが習慣になっちゃってるんですけど、飲む音とか聞かれちゃいました? 聞かれてたら、少し恥ずかしいな
( 夏月さんの習慣でもある行為を、少し気恥ずかしそうに口にする。まだ壁越しにしか話していないので表情は見えないだろうが、声色で表現するように。
そして、相手もまさかおなじ習慣を持ってはいないだろうというように、実はと口にしつつ、聞かれてたら恥ずかしいな、なんて。思いっきり聞かせるように飲んだのだけど。)
あ、私と同じですね。私も今お風呂上がりでお茶を飲んでたんです。今の時期涼しくて丁度いいですよね。
( 音を聞かれて恥ずかしいという相手には思わず可愛いな、なんて思いながら笑って。しかし、自分と全く同じことをしていたとは、朝の登校時間といい昼の時間といい、自分とすごく行動が似ているな、なんて思いながら。だとすると、いままで大学で出会わなかったのが不思議なくらい。こんなイケメンだったら出会ったら忘れるはずないのだけど。)
夏月さんもですか? それはすごい偶然ですね。
( まさか同じことをしていたとは……と言うように少し驚いた口調で返してみせて。
偶然ということを強調しつつ、生活習慣が似ていると思ってもらう。実際は調べ尽くして合わせているだけなのだけど、こうして親近感を湧かせてもらって、さらには話のタネにもなってくれる。
実際夏月さんは自分の思うように食いついて話しかけてくれるし、微塵もまだ疑っている様子は感じ取れない。)
はい。昼は暖かくなってきてますけど、夜はまだまだ涼しくていいですね。
ところで、その……よかったら少し顔を出してもいいでしょうか?
せっかく隣にいるんだし、顔を見てお話したいな、なんて。
( 電話でもないのに声だけで会話するのは少し不思議ですから、なんて付け足したりしながら、彼女の顔を拝みたくそんな申し出をしてみる。
お風呂上がりなはずだから、きっと少し髪は濡れているかもしれない。夏月さんの部屋着は実際に見るとどんなものだろうか。そんな、今隣に居るであろう夏月さんの姿を想像しながら。)
なんだか凄いですよね。
朝も昼も会いましたし、これまで大学で出会わなかったのが不思議です。
( すごい偶然。確かにその言葉通りだ。ここまでくると、運命?など変なことまで考えてしまい、思わず頬が赤くなる。先程思っていたことを相手に伝えれば。)
あ…確かに。じゃあわたしも少しだけ覗きますね。
( 確かに壁があることで変な感じがしていた。でもいざ顔を合わせるとなると、風呂上がりでスッピンだし髪もかわかしてないしと答えてしまってから恥ずかしくなる。部屋着だって、Tシャツに短パンと、なんとも可愛くないもので。少しドキドキしながら、フェンスに少し身体を預け隣をちらっと覗き。)
本当ですね。引っ越してきて縁が近くなったのかもしれません。
(運命、とまでは言わないものの、縁が近くなったなんて少し意識したような言葉を使ってみる。相手の様子から、自分への好感度は上々の様子に見えるし、これくらいなら言ってみても、なんて考えて。
そして覗いてもいいという返事をもらえば、先にベランダから顔をひょっこりと出す。基本的には乾かしているものの、わずかに湿ったままの髪の毛を外の空気になびかせながら。
待っているとすぐに夏月さんの顔も出てくる。お風呂上がりだからすっぴんなのだろうけど、昼の大学の時と差を感じさせない綺麗な顔立ちだ。
今まで僕は……散々夏月さんを追いかけ回してきたけれど、こればかりは、この家の中のラフな時の夏月さんだけは、こうして拝めたことがない。初めて見る夏月さんの姿に興奮しながら、隣同士ならではの絡みに思わず微笑んで。)
…、あ、お茶同じですね。
( 覗かれた相手のその姿は、朝や昼とは違いどこか色気がある。風呂上がりだからかと、思わず暫く見つめてしまい。本当にイケメンだ。我に返ったところで、相手の持つお茶をに目がいき、またしても被ったことには思わずクスクスと笑って。涼しい夜風が髪を僅かに揺らす。)
神崎さんも、髪乾かしてないですね?ドライヤーかけないんですか?
( ふと濡れたままの相手の髪を見て、自分と違って短髪なのですぐ乾きそうだ、なんて思っていたが。ドライヤーはかけるのだろうか。と疑問に思い尋ね。)
……え? 本当だ。
( お茶が同じと言われて少し驚くような表情で夏月さんの持つお茶を確認。それをしっかり視認するとにっこりと笑って。……まあ、これも合わせているのだけれど。
夏月さんと折り重なる数々の偶然。もしかしたら運命かも、なんて思ってもらえるかもしれないが、全て工作済みの必然。どのメーカーのどのサイズを買うかまでしっかり把握して合わせているだけなのだ。)
いや、いつもはここで少し休憩してからなんですよね。ほら、暑いじゃないですか。
( ドライヤーはかけるにはかけるけど、お風呂上がりで火照った身体に熱いドライヤーは嫌だからとそう言って。
ベランダから顔を出したまま、またお茶を口につければごくっと一口。飲めば口から離してぷはっと気持ちよさそうに息を吐いて。)
また、そろっちゃいましたね。
( お茶のラベルを見て、もうここまでくると驚きを通り越していて。そう言うと、小さく笑い。)
たしかに。私もそうです。
( 相手の言う理由と全くおなじだと伝えてから、此方もお茶を一口飲んで。ちらっと横を見ると相変わらず涼し気な表情の彼にまた胸がドキドキして。心の中では、イケメンだからドキドキしてるだけで、これは恋ではないと言い聞かせて。)
そうですね、でも夏月さんと揃っちゃうのはいいですね。
( そんなことを、少し嬉しそうに微笑みながら言って。
夏月さんの方を見ていると、ついついかわいくてかわいくてにやけてしまいそうになる。それを必死に微笑む程度に抑えながら。
かわいい夏月さん、抱きしめたらどんな感覚なのだろうか。抱きしめたらどれほど幸福なのだろうか。)
いいですね、この時間。いつもの習慣なのに、今日は特別に楽しいです。
…神崎さん、この前も言いましたけど、女性に人気ありますよね、絶対。彼女とかいないんですか?
( ベランダ越しに見える相手の笑顔。これはまた心臓に悪い。イケメンというのは罪深い生き物だ。なんて心の中で思いながら。こんなイケメンだから、彼女がいるはず。それとも逆にモテすぎて選り取りみどりだから選べない?そんなことを考えながら質問をして。)
……まあよくアプローチは貰いますけど、彼女はいないですね。
( どうしても気になるのか、この前にも聞かれたような質問。彼女がいるかどうか、そんなに気にしてくれるのは自分のことを少しでも気にかけているということなのだろうか、なんて邪推をしながらも、前と変わらない返事。
そしてゴクッとお茶を一口飲んで、一息はいて。口元をタオルできゅっと拭くと夏月さんの方へまた視線を向けて。)
でも僕は、色んな人からのたくさんのアプローチよりも、気になる一人からのアプローチが欲しいですね
( そう、夏月さんだと心に決めたあの日から、他の人のアプローチなどひとつも要らないのだ。
オシャレを学び、身体を鍛え、ファッションを学び。あれ以来見た目には特に意識してきたけれど、それは他の女の人達にモテるためじゃない。
今目の前にいる彼女の目に留まりたいから。それだけなのだ。)
(/ 少し忙しくて、お返事遅くてすみません…!)
一人…ということは好きな人はいるんですね。
( なんとなく、アプローチは貰うけど、とくに恋愛事に興味はないのかと思っていたため、「一人」と聞き、好きな人がいるのだと分かればなんとも言えない気持ちになり。その相手が誰かなんて、そこまできくのはできず。)
(/ 大丈夫です!リアル優先で大丈夫ですよ。わたしも返信遅い時あるので…)
……夏月さんは、どうなんですか?
この前は居ないと言っていましたけど、気になる人は居ますか?
( 相手の反応を見ると、自分に好きな人がいるのだと知って少し元気が無くなるような、そんな雰囲気を感じる。さすがに自分が夏月さんに気があると勘づいて元気が無くなることは無い……はずだから、もしかして違う人だと思って、自分のことを少し気にしてくれていた? なんて、そんな邪推をしてしまっては少し気になってくる。
相手の元気が無くなったことでの話題転換という意味でも相手の話へと変えて振り直し。
相手はなんと答えるだろうかと少し不安な意味でドキドキしながら相手の顔をじっと見つめて)
(/ うわーん、ありがとうございます…)
あはは、この前も言いましたけど、恋愛とは無縁の世界で生きてきたので…。気になる人は…いません。
( 此方にも話題が飛んでくれば、先程少し落ち込んでしまった理由も分からないまま空元気を振り絞り、笑ってそう答えて。ただ、気になる人は、と言ったところで、一瞬相手の顔を見てしまって。それから視線を逸らせば、蚊の鳴くような声であとを呟き。出会って数日、優しくしてくれるお隣さんのことが気になるのは当然のことだと、自分に言い聞かせ。)
(/ わたしも平日とか中々返せてなくてごめんなさいね!ゆっくりやりましょう!)
……そうなんですね、やっぱり夏月さんの周りの人達は見る目がない。
( まるで自分なら逃さないのに、とでも言うかのような言い回し。さすがに今そこまでは言わないけれど、実際自分は夏月さんを逃すつもりは無い。ずっとずっと追いかけ回して、誰にも渡さない。僕がずっと夏月さんを一番知る人間になるのだ。
またグビっとお茶を飲み夏月さんの方を見つめる。本当に綺麗で可愛い。今少し彼氏がいないことを思い出したからか不安そうになっている表情も、とてもいい。隣に来れてこんなプライベートな空間で話すことも出来て、本当に幸せだ。)
そんなことないです。私なんて…
あ、それより、明日夕方バイト入ってるんですけど、さっそくケーキ食べにきませんか?
( 相手が見る目がないといってくれるほど、自分に魅力があるとも思えないのだ。自分でもわかってはいるが、私は自己肯定感が低い。褒めてもらえることにも慣れていない。
話題がどんどん暗くなりそうなので、話題を変えようとケーキの話にうつると、明日丁度自分がバイトの日であったことを思い出してお誘いし。勿論予定が入っていれば無理にとは言わないと、補足して。)
お、いいんですか?
近いうちに行こうかな~と考えていたんですが、それならちょうどいいし明日行かせてもらおうかな。
( ケーキを食べに来ないかと誘われたことで嬉しそうにニカッと笑って。その様子はケーキが好きで、明日食べるであろうそれに思いを馳せる少年のよう。
しかしその実は……夏月さんに自分のお店に誘われるという嬉しさでしかなく。)
せっかくの夏月さんのお誘いなんですから、予定があったとしても空けて行きますよ。
( それくらい行きたいという意味合いで言っただけで、実際予定も何も無いと付け加えながらそんなことを言って。
まあ予定は……厳密に言えば夏月さんが働いている様子や、バイトの行き帰りを見守るという予定はあったが、夏月さんに直接堂々と会えるのならばそうしない理由がない。)
ほんとですか!
じゃあ待ってますね?
( 快い返事が返ってきてくれたことにこちらも思わず笑顔になり。余程ケーキが好きなんだな、なんて思いながら彼の笑顔に惹き込まれていたところ、少し風が冷たく感じてきて。そろそろ中に入ろうかな、とチラッと相手を見て、正直もう少しお話していた気持ちに後ろ髪を引かれるもお互い風邪をひいてはいけないと、相手にそう話し。)
…じゃあ、そろそろ中入ります。お話御付き合いありがとうございました!
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