人魚の恋の行く末は 〆

…！
( 純粋な人魚にお目にかかれた自分は本当にすごいことなのだと改めて自覚する。相手の言うようにこれからの仕事に良いことがありそうだ。

自分が立ち上がった為にバランスを崩した相手を視界に捉えれば、考えるよりも先に身体が動き相手の頭の下へと咄嗟に腕を回し頭に衝撃がないようにすると、自然と相手に被さるような形になってしまう。そこまではよかったのだが、反動で相手の唇に自分のそれが重なってしまったことには、此方も想定外のことで驚きを隠せず。咄嗟に顔を離して。)

…っすまない。



(/ ありがとうございました！会話も1本にまとめました。わたしも引っ込みますー！)

………今、口当たった?
零と………………ッ!!
(相手が上に覆いかぶさった状態で唇同士がぶつかればムードとやらは何も無い状態だったが、その行為は番とやるもので人魚でも口付けとは特別なものとして認識があったのか、始めは呆然とした様子だったが、事を理解すれば顔を真っ赤にさせて上記を言い。それよりも嫌ではなかった自分自身の状態に、会って1日だが嫌ではなかったりするあたりと相手の事を意識してしまって)

っ、悪かった。
( 唇が当たったことに対しての相手の反応を見れば、やってしまったとばかりに後悔の念に駆られる一方、こちらも平静を装ってはいるが、心臓は早鐘を打っており。先程恋人は作らないだのと言っていた手前でなんだが、相手を意識せずにはいられず。やり場のないこの気持ちに焦りを感じる。とりあえずもう一度謝って、相手の上から退けば、気まずい空気を破るように相手に怪我はないだろうかと尋ねて。)

…怪我はなかったか？

嫌じゃ、無かったから大丈夫…。
怪我は無いよ、ありがとう。ちょっとドキドキした。こんな感じ初めて。
(悪かったと再度謝られれば嫌ではなかったとどこか照れたような様子で顔を赤くしながら答えれば、怪我は無いがこれまでに無い心臓のドキドキ感とトキメキにこんな感じは初めて、これは何だと自分に問いかけても答えは出ず、自分だけなのかなとちょっとした好奇心が疼いたのか、そっと相手に擦り寄る形で近付き、胸元に耳をやれば相手の心臓も自分と同じくらいに早くなっているのを聞き取り「零も私と同じになってる」と呟き、相手のその心臓の反応にどこか照れたような安心した様なそんな感情を抱いて)

怪我がなくて良かった。
…、こんなことになって平気でいる男なんていないさ。
( とにかく、相手に怪我がないことを確認すれば、ほっと安心して。自分のドキドキを隠そうと離れたのに、再び相手が自分の胸元に身体を預ける形になれば、更に心臓は速くなり。｢同じ｣だと言われれば、確かに相手の身体から僅かに伝わる鼓動は少し速い感じがして。思わず、相手の身体に腕を回して抱き締めたい衝動に駆られるも、ぐっと我慢して。今はとりあえず相手と離れなければと、相手の名前を呼び、再び相手を気遣いながら立てるかどうか問いかけ。)

ルナ…、立てるか？

ん?ん、立てるよ
………そういうものなの?そうなんだ…。
私と同じ感情抱いたのかと思ったのに。
(こんな状況で平気な男は居ないと聞けばそういうものなのかと首を傾げるも、自分と同じトキメキやドキドキ感ではなく状況のせいで相手の心臓は早いのだと勘違いすれば、少し残念のような寂しい感情を抱き、少しシュンとなりながらも立てると答えれば、少し時間が掛かったが1人で立てれば相手から離れ)

…、さっきのことは、忘れてほしい。
( きっと相手のいうドキドキやトキメキと同じ種類のものであることは間違いはないが、ここでそれを認めてしまえば、相手のことをいよいよ本気で好きになったと肯定してしまうことになり、何にせよ今は己の頭を冷やすべきだと考えて、相手の言うことには肯定も否定もせず、上記のように述べる。シュンとした表情の相手には、少し心が痛む。思わず、相手に近づき慰めるようにそっと相手を抱き締めると、相手の耳元で｢今は同じ気持ちだと言えないことを許してくれ｣と囁き。相手の手を引くと、水槽の方へ誘導して。)

…1人で、水槽に入ることはできるか？
服を脱がないといけないだろうし、僕が手伝えるのはここまでなんだが。

嫌、忘れない。
始めてのキスに始めて抱いた感情だから、絶対に忘れない。
(忘れてくれと言われれば、嫌とそれを拒否しフイと顔を逸らして拒絶すれば、相手の立ち位置の危うさや仕事内容、生い立ちなんかも何もかもが分からない自分に悔しさのようなものを感じていた時に、そっと抱き締められればまた心臓が早くなり、頬もほんのりと赤くなる自分にこの感情が何かは分からないが、こうして触れ合う事でどこか心地好いものを感じていた時に言われた言葉に、ギュッと心臓が締め付けられるような悲しみと切なさを抱くも、それを言ったら困らせると考え、わかったと頷き。水槽まで案内されれば「あとは私だけで大丈夫。零はお風呂?だっけ入って大丈夫だよ」と答えれば、このワンピースを脱がなくては行けない為相手がお風呂に行ったのを見送った後、ワンピースを脱ぎ胸部を隠す人魚装束に着替えれば、水槽の中に入り下半身が鰭になれば、鱗が剥げた所が痛いのかそれとも胸が苦しいのか、水中でポロポロと涙を流すも、それは水に消えて隠れてしまい)

わかった。…おやすみ。

( 相手に酷いことを言っていることも、していることも分かっているが、切なそうな表情の相手を見てまた胸が痛む。相手が1人でも大丈夫だというので、｢何かあったら呼んでくれ｣と言うと、静かに部屋を出て風呂場へ向かい。壁にかかったシャワーからお湯を出せばそのまま頭を濡らし、しばらくそのままシャワーを浴びている内に少し落ち着いたのか、髪や身体を洗い終えると、脱衣所で体を拭き着替えを済ませる。思っていたより長く風呂場にいたこともあり、相手はどうしているだろうかとリビングへ戻れば、水槽にちゃんと戻っている姿をドアの隙間から確認して。部屋の電気を薄暗くして、自分は寝室へ行くと、すぐさまベッドに横になって小さく溜息をつく。)

…ほんと、ひどい男だ。



( 会ってまだ間もないが、彼女に惹かれてしまったのはどうしようもない事実だ。先程のキスが事故であったことが悔やまれる。とにかく、自分は何も無かったように接しようと決め。それから暫くして眠りにつく。

いつの間にかカーテンの隙間から朝日が差し、その眩しさに自然と目が開く。今日もポアロのバイトはないし、組織の仕事もない。昨日の夜の彼女との一件があり、なんとなく気まずく思うも、とりあえず朝食を作ろうとリビングへ向かう。)

おはよう、零。
今日は何かお仕事あるの?何作るの?
(昨日は散々泣いたがそれらは跡として残らず、昨日と何も変わらない顔で、リビングにやって来た相手を見れば、水面から顔を出し挨拶をすれば、相手が昨日の事を含めてどのような接し方をするのか観察しており、散々泣いたのもあり恐る恐るとだが昨日より少しぎこち無い雰囲気を出しながら相手の出方を伺い)

おはよう。ルナ。今から朝ご飯を作るから、少し待っててくれ。
今日は仕事はないんだが、昨日言っていた通り事件で気になることがあるから、ちょっと出かけようと思う。
( 既に起きていた相手に少し驚けば、此方も何も無かったように振る舞い。ぎこちない雰囲気は何となく感じているものの、ここで此方もそうなってしまっては相手も話しにくいだろうと、できるだけスラスラ言葉を話しながら、キッチンへ向かい。袖を捲ると手を洗って、まな板の上で野菜を切ると、コンソメと共に鍋で茹でて火を通しスープを作り。その傍らトースターでパンを2枚焼くと、取り出したパンの上に炒り卵とレタスをのせ味付けをするとともう1枚のパンで挟みサンドイッチを作る。皿に盛りつけ、相手を見れば。)

ルナ、人間の姿になるか？そのままだと食べづらいかな。

……そうなの?
じゃあ、待ってる間テレビ見てる。
(何ともないといった様子の相手を見れば【あぁ、零の中で昨日の事は事故であって、自分と同じ気持ちでは無かった】と心の中で呟き感じてしまえば、そんな風に割り切れない自分と割り切れてしまった相手への悲しみや苛立ちを感じるも、それを言っても表に出しても相手が困るだけだと思えば、必死にそれが出ないように飲み込みつつ上記を言えば、相手の作るサンドイッチの作る過程をまじまじと見ていれば、不意に声をかけられれ、その声にドキドキ感がまたするもそれを隠して)

じゃあ、人間の姿になる。
少し後ろ向いてて欲しい。
(人魚から人間になると言うと水槽のそばに置いてあったタオルを手に取り、相手が後ろを向いたのを見てから下半部の水分を拭き取り、昨日短時間だけ着ていたデニムワンピースを着ればもう大丈夫だよと声をかければ、流石にまだ1人では歩けないのか補助が欲しいと片手を出して)

ん、わかった。
( 相手が傍で着替えているということを意識してしまっている時点で、最早自分の感情を抑えることに失敗しているのだが。平静さを装えているだろうか。大丈夫だという声に、再びドキッとすれば、後ろを振り返ると昨日の可愛らしいワンピースに身を包んだ相手の姿を見てまた胸が高鳴り。傍へ行けば、手を差し伸べ椅子へと移動して。テーブルの上にリモコンを置けば、｢好きな番組観ていいから｣と言い。テーブルの上に野菜スープ、卵レタスサンドを並べて置く。コップには牛乳を入れたが、相手は飲めるだろうかと、とりあえず置いてみる。)

この白い飲み物は牛乳といって、牛という動物のミルクから作られている。ただ好き嫌いがあるかもしれないから、飲めなかったら違う飲み物用意するから。サンドイッチは、そのまま手で持って食べられる。

………初めて見る食べ物ばかり、美味しそう。
牛乳………言い難い。でも、始めて見た。
(こちらを見る表情も顔色も何一つとして変わらない相手に、何か言葉をぶつけたくなる衝動と抱きつきたくなる衝動の2つの衝動に駆られるも、こちらも無駄に長生きしていないからか、我慢が得意になってしまい、それらに対して何にも反応が出来ずにいて。リモコンを傍に置かれればまたピコピコと番組を変えれば結局ニュース番組に行き着き。並べられた食事内容人間好奇心が疼いたのか目を輝かせれば、ソワソワした様子で居ながらも相手と一緒に食事を取れば、その美味しさにパァと表情が明るくなり、美味しそうにモグモグと食べていて)

口にあったようでよかった。
さっきの話だが、ルナはどうする？ここに居てもらっても勿論いいが、僕と一緒に来てもらっても構わない。
( 反応がかえって来ないときはどうしようかと思ったが、サンドイッチを美味しそうに食べる姿にはほっとして。その様子を暫く頬杖をつきながら眺めていて。先程の話に戻れば、別に今日は事件に足を突っ込むわけでもないので、危険はないと踏めば、まだ上手く歩けない相手だが、基本的に移動は自分の車だし、怪我をしたという設定で補助することもできると、提案し。)

良いの?
それならお外、行ってみたい。
海には無いもの見てみたい。
(モグモグとサンドイッチ等を頬張って居た時に、声をかけられらばキョトンとした表情を見せるも、ひとまず口の中にあるものを飲み込み。待っていようと思っていただけに相手の提案には心踊ろされ良いのかと、期待の眼差しで相手を見れば、行きたいとキラキラした目で答えて。その時に家のポストに何か入れられたようなカタンと言う音がすれば、相手の携帯にまるで見たようなタイミングで風見から『ルナさんの戸籍、経歴等を記載した身分証明書等を先程ポストに入れましたのでご確認をお願いします。』と朝なのを考慮してのメールが届き)

あぁ。ただし、約束してほしいことが2つある。
1つ目は、僕から離れないこと。
2つ目は、外では僕のことは｢安室 透｣と呼ぶこと。
( 外に出られるとわかった途端、キラキラした瞳が此方を向けば、思わず此方も笑顔になり。しかし、外に出る上で守ってほしい注意点を2点相手に告げる。とくに、2つ目については、外では自分は降谷零という名前を使ってはいけないことになっているんだと話し。透でも、安室でもどちらでもいいと付け加えて。)

おっと、もうできたのか。
( ポストから音が聞こえてくれば、玄関へ行き。証明書などを確認する。風見へとメールで｢確認した。朝早くにありがとう。｣と一言返信をすると、相手の元へと戻り。)

ん、零から離れない。約束する
……安室透?……んん、なら透にする。
(2つの約束事を言われれば、離れない理由は何となくわかるものの名前が違う事に関してはとても不思議そうな顔を見せるも、聞かない方が良いのかなと察しては透と呼ぶとこちらも了承すれば。国を守る仕事は名前をいくつも変えるのだなと少し勘違いを起こしているものの、咄嗟に出ないように気をつけると頷いて。)

身分証明書の内容
名前 ルナ=セレスティア
国籍 不明だが恐らくギリシャ出身
年齢 21
性別 女
備考 赤子の頃、人攫いの手により捕虜の状態に。年齢が適齢期になり、その美貌故に日本で行われるオークションへの輸送途中に安室がその現場を確認し、警察へ連絡後、その主催組織の関係からその事件は公安持ちへと変更。
本人は何も知らず、長時間人と接せず怪我もしている為、歩行がやや困難。命の恩人である安室の傍から離れたがらない事を理由に、現在安室が保護をしている。
その為知識等が欠如しており、現在勉強中

上記内容の経歴とルナ=セレスティアの身分証明書、パスポートが中に入っており

風見
(メールの内容を確認すれば『朝早くに失礼しました。不備があれば訂正致しますのでご連絡下さい。失礼します。』と堅苦しいと言う文面が似合う真面目な性格が垣間見える文面を返せば、警視庁へと戻り仕事をこなして)

…ちなみに、今部下がルナの身分証明書を持ってきてくれた。
内容を読むから聞いていてくれ。
( とりあえず、相手は約束を理解してくれたようで安心し。先程ポストに入っていた相手の身分証明書を見れば相手にも確認してほしいと、その内容を読み上げる。読み終わると、ルナを見て、一応この通りの設定で演技をしてもらわねばならない場面があるかもしれないと伝え。)

僕とルナの関係はその内容の通り。何か聞かれて困ったときは、言葉が分からないことを理由にしてもらえればいい。

その文面通りの関係……。
わかった、何かあったら分からないふりするとか零に助け求める。
(先程相手の部下が送ってくれた経歴とやらの中身の内容が読み込まれれば、大まかな経歴はきちんと理解したらしく、基本的にはこのままの状態で良さそうだなと考えつつも、演技ってどうやってと思う所もありはしたが、その辺はいざとなったら相手に助けを求めて辻褄を合わせる事にすると納得し。ただ１箇所だけ不満なのか保護した人間と保護されただけの人間と言う関係の内容にはどこか不満げにポツリと呟くも、ここで我儘は言えないし、これが1番嘘をつきやすい関係なのだろうとわかっていても、モヤモヤとした感情を抱き、相手は何も思ってないんだろうなと予想しながらチラリと相手の顔色なんかを伺い)