匿名さん 2022-04-12 19:58:28 |
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俺は麦のものになったつもりはない。麦は大事な幼なじみではあるけど…俺はものじゃない。
(相手の言葉に少し強気に否定して。相手が大事という言葉も決して嘘ではないが、それ以上にこの理不尽な状況にまだ理解が追い付いてはいないものの、少し落ち着き。自分の携帯の通知に思わず顔を上げ。相手の先程までの言動と不機嫌そうな表情からなんとなく察しはついたが、見せ付けられたのはやはりつい最近、彼女になった人物からのメールで。心配してくれる相手に無事を伝えたいものの両手を拘束され携帯が相手の手中にある状態ではどうしても無理なのは明らかで。相手の要望に従うつもりはなかったものの次いで告がれた物騒な言葉。普段の相手なら本気にしないが頬から伝わる痛みが先程、叩かれたことを思い出させ、今の相手は何をしでかすかわからなく言葉を詰まらせ)
は…?ちょっと待てよ。俺、別れるつもりは…。──っ!
── は、自分が今どういう状況なのかちゃんと理解してる?俺が世話しない限り憂は生きることも出来ないただの『もの』だよ。
( 強気な態度で歯向かう彼に多少驚きはしたものの、余裕のある冷たい笑顔向け。それと同時に現実を突きつけるような言葉発し、前向きだった心が段々壊れていく様を愉しげに見詰めて。勿論本気で二人を殺すつもりなどなかったが、頭の冴える彼に余計なことをされて折角の計画が台無しになることだけは避けたかったために脅す程度のつもりで告げた。彼の反応を見れば多少その脅しも効いてはいるようだが、まだ心のどこかで希望を探している姿にあと一押し必要だと思い次いで脅し文句を告げる。 )
やっぱりやーめた、憂を殺すなんて出来ないや。……憂以外は俺に必要ないし、変な真似したらこの彼女も大好きな妹も全部滅茶苦茶にしてあげる。
──っ…!それ、は…。
(認めたくはないものの、拘束されているこの状態では相手の言う通りで。自分をもの扱いする相手は本当に自分の幼なじみかと疑いたくなり。かいま見える自分の知っている幼なじみの姿と冷酷な相手のどちらが本当なのかと悩み。現状、出来るのは手錠を揺らしたり相手を悔しげに睨んだりと、意味をなさない行動ばかりで。手錠は少し強く揺らしても外れる気配は一切なく、自分の手首が擦れるばかり、相手を睨んでも主導権は完全に相手にあり。そんな中、告げられた妹という一言に今まで以上に過剰に反応して)
妹は関係ないだろ…!妹に少しでも変な真似したらお前のこと許さないからな…!
─── ふ、ちゃんと上手くやれよ。
( 計画通り憂の弱味を握れたことに、満足気に口許綻ばせながらポチポチと携帯操作。彼の前へ携帯差し出せば、そこには彼女の名前が載った通話画面で。ワンコールで繋がった電話の向こうには『憂くん!?』と呼び掛ける慌てふためく女性の声で。睨むような眼光を向けながら、何か指示するように憂の顔の前に携帯出し。 )
──心配掛けて、ごめん。ちょっと体調崩して。大したことないんだけど、移すと悪いと思って。それ、で…大事な話があるんだけど…。
(相手の慌てるような声に落ち着かせるように声を掛け。これだけ心配してくれる相手にこれから別れ話をするのを考えると、心が痛くなるが妹のためだと自分に言い聞かせ。流石に幼なじみに監禁されているとは言えず、体調を崩していたと嘘をつき。付き合ってまだ間もない相手を振るのは罪悪感も沸き上がりなかなか口に出せないが、相手をチラリと見て、妹のことを思い出せば強く拳を握り締め)
本当に申し訳ないんだけど…ごめん。やっぱり君とは付き合えない。
( 電話の向こうでは涙声で納得のいかないような台詞を幾つも吐きながらも心配する声掛けあり。それを聞きながら苦しそうな表情を浮かべる憂に、思い描いていた理想の展開に嬉しそうにニコニコと表情緩めて。満足したのか話の途中などお構い無しに電話切り、追い討ちをかけるように『もう連絡すんな』というメッセージと共にブロックし連絡遮断して。用の済んだ携帯は憂の手の届かない所へ置くと、宥めるように優しく頭撫でて。 )
ばっちりだよ、良く出来ました。
…これでいいんだろ。これで妹には手を出さないんだよな?
(やはり今の自分にとって一番大切なのは妹で。幼なじみである相手のことも自分を好きになってくれた彼女のことも大切ではあるが、家族仲が不仲なため、主に自分が面倒を見てきた妹は殊更大切で。携帯は結局、手の届かないところに置かれ彼女に弁解する機会も得られないことを再認識して。家に来てくれたところで幼なじみの家に監禁されているのでは会うことも叶わず。せめて大切な妹には会いたいが、今は妹に害が及ばないで納得して。頭を撫でる手も今では恐怖しか生まず)
はいはい、ちゃんと上手くやってくれたし今は出さないよ。
( 服従してくれたことに快感を覚えながらも、態とらしく『今は』の部分強調させて伝え。恐怖で震えている憂の姿も今では全て快感や愉楽にしかならず。これで外部からの連絡も暫くは来ないだろうと安心した様子でその場を離れると、机の上に数分放置していた温くなったペットボトルの水を一飲み。そのまま憂の元へ向かえばひとつ提案し。 )
─── 水飲む?
はぁ…なんでこんなことに…。
(彼女が出来たことを告げなければ今の状況にはなっていないかもしれないが、何れ知られることで、遅かれ早かれこのような状態になっていただろうことに項垂れ。この先も、妹を交渉材料に持ち出されてしまえば、ある程度は相手の要求を飲むことになってしまうことは容易に想像でき。確かに緊張等で喉は乾いているが拘束されている以上、相手に飲ませてもらうしかなく、それは相手のものとなるのを認めてしまうようで悩み)
え…っと…。
─── っん。
( なかなか返ってこない答えに痺れを切らし、口いっぱいに水入れ。親指と食指で彼の顎を掴めば見下ろすような形で半ば強引に上向かせ、口内に含んだ水を彼の口の中へ流し込むように口付けて。全て入り切らず口の端から溢れてしまった水滴を指先で拭いながらも、ゆっくりと丁寧に口移しにて水飲ませ。 )
ちょ、麦?何す…んんっ!?
(急に顎を掴まれ上を向かされ困惑するも、口付けに目を見開き。流れ込んでくる水を反射的に飲み込んでしまいながらも飲みきれなかった水が口許を伝い。本来なら突き飛ばすなり押し返すなりしているところだが、拘束されているため、それも叶わず、相手に口移しされるままになるも、途中で息苦しくなったのか顔を背け咳き込み)
げほっ…ごほっごほっ!い、いきなり何する…げほっ。
あーあ、溢れちゃった。──大丈夫?
( ポタポタと口端から滴る水を指の腹で拭いながら、心配そうに見詰め。唐突な口付けに困惑することは想定内だった為、苦しそうに咳込む彼の背中を擦りながら落ち着くまで様子伺い。ふと水滴で光る彼の唇へと視線移せば、更なる欲望が溢れ出てきてしまい。それを今更掻き消すことも出来ず意のままに尋ねてみて。 )
俺は憂のことが好きだからキスもハグもしたいって思うけど、憂は男の俺からそういうことされんの嫌?気持ち悪い?
げほっ!…大丈夫に見えるか?
(暫く咳き込み、相手に背中を擦られたことで何とか咳が止まりながらも、息を乱し。喉の乾きはなくなったもののそれ以上の出来事が頭の中でぐるぐると回り。やはり自分の知っている幼なじみの姿が垣間見え。相手の思いがけない問いに視線を泳がせながらボソボソと消え入りそうな声で答え)
気持ち悪くは…なかった、けど…。
ふは、ごめんって。一応丁寧にしたつもりだったんだけど。
( 苦しむ彼を横目に愉しげな笑い声を上げながらも、水入れすぎちゃったかなと頭の中で反省して。投げ掛けた問いに返ってきた答えが思っていたものとは違い、驚愕したようにパチパチと双眸瞬かせ。その反面、自身の気持ちを無下にせず少しでも受け入れてくれようとする姿勢に嬉しさ込み上げてきて。相手を困らせることも嫌がらせることも承知の上だが、ここまできたら聞かずにはいられなくなり。 )
── 俺が今、憂にキスしたら怒る?
口にペットボトル近付けるとかいくらでも方法あっただろ…。
(先程の結果は自分が返事を濁したからなのだが、結果的に飲めたため、そこは追及せず。暴れ疲れたのか話し疲れたのか、最初よりは少し大人しくなり。これが腕さえ拘束されていなければいつもの幼なじみとの他愛ない日常なのに、等とぼんやりと考えているところに問い掛けられた問いに、今度はこちらが目を瞬かせ。何と答えたもものかと悩んだ末、口を開き)
怒ると言うよりは困る、んだが…。
えー、普通に飲ませてもつまんないじゃん。
( 当たり前のようにそう言い放つと、大人しくなってきた彼に此方も穏やかな表情で見詰め。困るという彼の発言に対しては特に気に留めることもなく、ゆっくりと顔近付けて。寸前の所で止めれば、そっと指先で彼の唇に触れると艶やかな視線送りつつ再度許可求めて。 )
憂が好き、だからキスしたい。── いい?
水を飲むのに面白さは求めてない…。
(当たり前のように言ってのける彼に、何度目かもわからない溜め息を付き。ちらりと視線を向けた相手は穏やかな表情で、その姿は今まで知る幼なじみそのもので。なんて考えていれば、ゆっくりと近付く顔に思わずびくりと身体を強張らせ。唇に触れる指先も問い掛け方も優しくはあるが、有無を言わせない圧があり、視線を反らしながら恐る恐る問い掛け)
もしもだけど…嫌だって言ったら…?
── 困る、だってもう何言われても止められねえもん。
( どんな答えが返ってきたとしても抑々止める気すらなく、彼の柔らかく艶やかな唇を一瞥。そのまま当てるだけの軽い口付けを交わせば、ふと穏やかに笑って見せ。本来ならもっと強引に奪ってしまいたいところではあるが、好きな相手にこれ以上嫌われるのは心底辛くダメージが大きい。更に求めてしまいたくなる欲望を抑えるようにふうと小さく息吐いて。 )
今日はこれで我慢するよ。
んっ…!
(軽い口付けで済んだことに安心したような拍子抜けしたような、複雑な感情を抱き。相手は幼なじみで同性であるもののやはり嫌かどうかはともかく、気持ち悪さは感じず。まだ唇に相手の体温が残っている感覚がして少し落ち着かず。しかし遠くに置かれた携帯をちらりと見遣り。先程から考えていたのはやはり妹のこと。たまに遣り取りをしているため、一言でも連絡したいと相手に訴え)
聞いた意味無いだろ…。なぁ、麦。せめて妹にメールだけ。連絡取れないと心配するだろうし…。
─── は?
( 家族といえど自分以外のことが彼の頭の中心にいることに腹立ち、あからさまに不機嫌になり。付近の椅子へと腰掛け、腕組み貧乏揺すりをしながらはあと深い溜息吐き。目の前にいる自分よりも遠くにいる妹のことが心配で心配で堪らない様子に屈辱だと感じ。どうしたら自分を一番に考えてくれるのだろうと答えの出ない疑問を只管考えながら、彼の訴えに返答して。 )
じゃあ俺から連絡しといてやるよ。
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