眠子(ネコ) 2022-04-11 02:44:27 ID:3f5fcabb1 |
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ブラック本丸とは、手入れの拒否、重傷での出陣、夜伽その他諸々など刀剣男士に対して審神者が越権行為を行うことで本丸としての機能が著しく低下した場所のことである。
ある日そこに、一人の男がこんのすけを伴って訪れた。
その手の手錠が外され、男が顔を上げる。
「汚いな。…………いや、見えないけどね」
盲目なのか、そんなふうに呟いた男がこんのすけに話しかける。汚い、というのは穢れのことを言っているのだろう。刀剣たちの苦痛や嘆きが、こうして澱んだ空間を作り出しているのだとすぐに理解した。
「では、主さま」
「まだ違うけどね」
男が懐から取り出した呪具を粉砕すると同時、空間が揺らぐ。男がゆっくりと口角を上げた。
「死んだ。この空間を作り出したクソ野郎はもう何処にもいない。一生空虚を彷徨うといい」
「ありがとうございます。引き続き、活動をお願いします。…………今度は、呪殺者ではなく審神者として」
前任の審神者を今しがた殺した男は「多分この目じゃすぐ死んでしまうよ」と笑いながら中へと入っていく。こんのすけにはそうは思えなかったが。
審神者の後ろを漂う黒い靄。会話をしたり、姿を見ることができるのは御神刀たち位だろうか。
彼が蘇らせようとし、そして失敗した成れの果て。
かつて彼の妹だったものが、未だ彼を守るように、そして彼に怒りをぶつけるようにそこに張り付いていた。
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