魔女と巨人の物語(ファンタジー)

御主人様の盾になれたのなら本望ですよ？
(スーちゃんは自分の主人が勝利したことに満足している為、尻尾で巻きつきながらギュッと抱きしめた後で流石に疲れたらしく影の中へ潜ってしまうと「これを見てくれれば分かるよ？」とコスモスの問いかけに対してコクウは困った顔で水晶玉を取り出すとコクウとカノンが映し出されて「師匠、古代文字使わずになんかドカーン！！とかドゴーン！！って感じの破壊力があって強い魔法見せてくれよ」と「ドガーン？ドゴーン？・・・よく分からないけどこんな感じか？」「そうそう！！これ！！よっしゃ！！この魔法覚えるわ！！」とコクウはカノンのよく分からない説明を聞いてティアの姿をカノンに見せると大喜びで練習するカノンの姿が映し出されて)

これは………どっちに怒れば良いのか、分かりません……。
(カノンの戦闘スタイルについてコクウに問いかければその時の様子を映した水晶玉を取り出され、それを見ていれば確かに状況はわかったし、自分のリサーチ不足、答えてくれる状況では無かったが自分も運が悪かったとしか言えない人物指定だった事もわかった、だが、それはそれで自分の母と丸かぶりしてやりにく言ったらありはしない人物を指定してしまった自分に頭を抱え、どちらかの胸元を掴んで揺さぶりたい感情に駆られるもそれはあまりに理不尽とわかっているだけに拳を握るだけで我慢をすると「ティアの持つ特殊な魔法は教えてませんよね?」とコクウを含めムラサメ様もティアもそれぞれが特殊な魔法を使える事は知っている為その辺の守秘義務的なものはどうなのかとコクウに小声で問いかけ)

あいつはあの映像だけ見てほぼ独学で覚えたからな、あれはあいつの努力の成果だし悪気はないと思うから怒らんでやってくれ
(カノンは映像を見ただけでほぼ独学で覚えコクウは暴発したりしないように助言しただけだと説明を加えると「重力魔法の事か？それは俺にも使えないから教えてないぞ？それと深海の奴の波動魔法も俺は使えないから俺が教えることが出来るのは空間魔法くらいだが、まぁこの場にいる魔女は覚えれなかったんだがな」と言えば「ほら、レッテルが作ってくれた魔女連盟の刺繍入りローブだ、レッテルに頼んで俺の魔法を付与して貰ったから使ってみるといい」とコクウはレッテルから手渡された届け物を開くとコスモスにローブを手渡して)

それでは怒るに怒れないじゃありませんか…
(あれは映像のみを見せてカノンが手に入れた成果と聞けば、あれだけ魔力を1箇所に集める技術の大変さがわかるだけにため息を1つつけば、それらを水に流す事にし、空間魔法を含めた特殊な魔法を皆が取得していないと知れば空間魔法はともかく他二つは漏洩していないようで良かったとホッとし、ローブを手渡されれば手触りの良いそれに良さそうな品質の物だなと思いながら早速羽織ると「大きさも大丈夫そうです、加入出来て良かった、皆さんこれからよろしくお願いします」と深くお辞儀をすると「早速なのですが…冒険者との兼用は可能でしょうか?」とコクウに質問をして)

もちろん出来るぞ？魔女連盟ってのは魔女にとってのブランドみたいな物だからな、そこにいるカノンみたいに実力を保証されて冒険者として活躍する者もいればレッテルみたいに商売する時の品質保証にもなる
(魔女連盟に加入しただけでも魔女としての価値は高いことを示していると言えば「あとはここの施設は好きに使ってくれていいぞ？」と先程の教会から地下へ続く階段を通ると研究施設や図書館、訓練場などを利用して魔女同士で魔法の研究や開発、実力を高め合うための場所だと伝えると「そのローブには空間転移の魔法がかけられてるからこの協会へすぐに転移できるぞ？使い魔も影に入れるだけなら一緒に転移できる、他に質問はあるか？無ければ今日はもう遅い、巨人が心配するといけないから送ってやるけど？」とコクウは首を傾げて)

なるほど、魔女としての一定の実力を示している証拠になるって事ね
ローブが盗まれたりしたらどうなるのですか?
(魔女連盟は一種のブランドと聞けば、商品の品質やその魔女本人の実力がその連盟に加入出来る証拠になるのかと納得出来れば、加入したくても出来なかった魔女なんかも居そうと思えば、上記を問いかけ、ローブにかけられている転移魔法の事を聞けばローブ1つでもここまで機能があれば便利と言うかその性能を誰かに知られれば狙われやすそうと思いつつ、機能については了解した後、問いかけの答えを聞き終わったら帰ると言って)

たとえ盗まれたとしても魔力を操作できない者には使うことは出来ないし、この魔女名簿に名前が無い者が使おうとした場合、俺が目の前に空間転移するからな？・・・まぁ後は御察しの通りだな
(ローブに使われてるのはそもそもコクウの魔法の為、自分が認め手渡した魔女以外が使えば感覚的に分かるといえば「師匠容赦しないからなぁ、お前気に入ったからまたやろうぜ？」と氷が溶けて回復されたカノンがバシバシとコスモスの背中を叩いて再戦を申し込む横で「コクウ殿、拙者も姫様とお揃いで似たようなのが欲しいぞ！！」とワダツミが駄々をこねれば「まぁ、お前は魔法も使える魔法剣士だから別に加入しても良いだろう、後で試験に合格したらレッテルに頼んでおいてやるよ」とコクウはワダツミのお願いに対して頷くと「それじゃあ、君は巨人の神殿に帰すぞ？」とコクウが言えば「そこの車椅子の魔女殿に試験相手をお願いするのだ！！」「ええ、構いませんよ？」とコスモスがコクウの空間転移で帰ろうとした時、ワダツミとスズの模擬戦が始まろうとして).

あぁ、なるほど…
でしたら、安心ですね
(魔法を使えない者は転移が不可、魔法が使えても名簿の中に名前が無いものならコクウが目の前に自動転移と聞けば、空間を裂く龍とまで言われる相手が相対するなら勝算はゼロだなとわかるだけにそんな事をいずれする者が居たら、それはそれで自業自得だが、少々同情する気持ちも出てきては、質問も無くなったし帰ろうとした時にワダツミがスズと戦闘すると聞こえ「やっぱりこの戦闘を見てからでも良いですか?」とスズとは戦闘しなかったのもあり、ワダツミとの戦闘を見て少しでも自分の為に勉強できる部分や魔法や属性の使い方を見学したいと思い、そうコクウに見学したいと申し出て)

了解した、観客席で座ってみるといい
(観戦したいというコスモスの申し出にコクウは頷くと先程の訓練場まで再び空間移動すれば「二人ともさっきと同じルールだから分かってると思うけど無理はするなよ？それじゃあ始め！！」とコクウが開始の合図を出せば「ふぉっほっほっほ、坊ちゃんやワシも一緒に戦っても良いかのう？」とワダツミの影から使い魔であるゼッカイが現れるとどうやらワダツミと共闘するようで「別に構わんがいつも通りサポートに徹するだけじゃぞ？お主が本気を出したらつまらぬからな」とワダツミが忠告すればゼッカイはその言葉に頷いていると「・・・それでは先手は頂きますね？」と対するスズは車椅子に座ったまま杖を片手に義手とは思えないほどの高速で古代文字を書き始めれば「おおっ！！なかなか神々しいのう！！お主の属性は光属性か！？」とスズの周りには眩い光と共に全身鎧と剣と盾、そして翼を付け組み合わせることで鎧に身を包んだ天使の様な物が4体ワダツミの前に現れれば「この目で見れないのは残念ですが、この技は天空の聖騎士団とでも呼びましょうか？貴方の相手は彼等に任せます」と4体同時にワダツミに襲いかかってきて)

なるほど、ああ言う使い方もありね
(スズとワダツミとの戦闘を観戦していれば、スズの魔法発動時間の速さと正確性に義手とは思えず、その事に目を丸くして驚けば、その次にスズの属性の1つが光属性なのはわかったが、今まで身に着けると言う事しか自分では思い付か無かった鎧や盾、靴に翼を身につけるのではなく独立させて戦闘要員にする事、それを各々4つ書き上げたその魔力量と発想に再度驚き、今の自分でもあれの真似は出来るだろう、尚且つそれぞれの属性を別々にすれば、これは大いに戦闘を有利にできるとかなり勉強になっており、1つも見逃すことの無いようにその戦闘の様子をつぶさに観察していて)

いつ見ても思うんだけどよぉ・・・目が見えてないのに何で敵の位置が正確に分かるんだろうな？
(観客席で隣に座っていたカノンが盲目であるはずのスズが複数の天使達を操作し４体同時に剣で二刀流のワダツミ相手に斬り合っているのはおかしいと首を傾げていれば「ここの孤児院の子供たち曰くスズさんはかくれんぼの鬼役だと無敗だそうですよ？恐らく微量の魔力でさえ感じ取れるんだと思います」とアンナが呟くと「わっはっはっはっは！！拙者の剣術についてこられる者など久し振りなのだ！！」と楽しそうに笑いながら斬り合っていると天使達の持っていた剣はいつの間にか砕けていれば「拙者の魔法は母上直伝の波動魔法！！ガード不能の剣撃を受け続ければ斬れぬ物なし！！」と大波小波をゆらゆらと波の様に揺らしながら流れる様に天使4体を斬り裂いてしまえば「深海の奴、どんな教育や修行つけたんだ？ありゃ下手したら竜の首も簡単に飛ぶぞ？」とコクウは苦笑いしていて)

あぁ、そういった話は聞いた事があります。
五感の内の1つが目隠しなんかで欠落した状態だと状況を理解しようと他の聴覚なんかが敏感になるとか……スズさんの場合は魔力感知がずば抜けて凄いんでしょうね。
(アンナの呟きを聞き取れば、確かにそれと似たような話は本に書いてあったりそういった人物も居ると又聞きにはなるが聞いた事がある為、スズは聴覚と言った五感の内のどれかではなく魔力感知という部分が盲目を補う為に人よりも頭1つ抜けて鋭いのだろうと観察し、この魔力感知は下手をすればスーちゃんの持つ感知能力にも匹敵するとすら考えており、波動魔力を使ったワダツミに対しては自分も教えをムラサメ様から乞い使える魔法ではあるが、やはりワダツミには少し劣る部分もある為自分も頑張らないとなと鼓舞していた時に聞こえてきたコクウの苦笑いを含んだ言葉に「ムラサメ様が持つ特殊な魔法ですからね…内側から破壊なのでどれだけ表面の防御を高めても無意味なんですよ」と答えながら自分も波動魔法の習得は苦労したなぁと昔を思い返して)

天使達は斬り伏せた残るはお主だけなのだ！！
(4体の天使達を倒したワダツミが無防備なスズに対して峰打ちでとどめを刺そうとして正面から突っ込もうとすると背後からゼッカイが急速に距離を詰め間に割って入ると「あたっ！？」ワダツミの額にでこぴんして尻もちをつかせれば「ふぉっほっほっほ、この勝負、坊ちゃんの負けじゃのう、コクウ殿ワシらの負けじゃ降参するわい」と笑いながら降参すると言えば「ゼッカイ、何故じゃ！！トドメを刺せば拙者の勝ちであったろう！？」とワダツミが抗議しようとすれば「ふふふ、お爺さんにはバレてましたか」とスズは種明かしするように手を叩くと先程ワダツミが向かっていた前方から黒い騎士が4体現れると「なるほど、光魔法で作った4体の騎士達を囮にして闇魔法で作った四体の騎士を伏兵として影に忍ばせていたと・・・このまま気付かず突っ込んでいたらワダツミさんの負けですね」とアンナが呟いていて)

驚きました、まさか2つも属性を……使い魔が関係が?それとも元々?
(光と闇という2つの属性を操るスズを見れば元々3つも属性を持っていた自分が言えたことでは無いが、それでも昔ティアは今のマシラビトは持っていないのが普通であっても1つ位だと言っていたのにと驚きを顕にした後、いや、だが使い魔契約をすればその使い魔にした魔物が使える魔法属性を会得出来る為、元々では無く使い魔が?と考え込むも、光属性の天使による4体の戦闘要員の使い方、そしてそれすらを囮要因として更に闇属性の騎士を4体生成と言う、その着眼点や発想力、それを可能にする魔法発想時間の短さや魔力量に自分もまだまだだなと痛感して)

ぐぬぬぬ・・・悔しいのだー！！
(ワダツミは負けたことに悔しがっていると暴れたりしない様にか観客席からサザナミがワダツミの事をぐるぐる巻きにしてケラケラ笑っているとウズシオと喧嘩する様子が見えるものの「まぁ、能力的には申し分ないから次会った時にはスカーフもしくはローブを用意しておくよ」とコクウは能力的にワダツミは合格であると伝えればスズが車椅子で観客席のコスモスに近付けば「私には使い魔は居ません、神父様曰く私は生まれた時は光属性しかありませんでした、でも良く覚えていないのですがこの身体になった時に闇の魔力が産まれたらしいです」とスズはコスモスの問いに答えると本来そんな事は起こるはずもない為、よっぽど酷い事が過去にあった事だけが分かると「それじゃ約束通り君を送ってくぞ？まぁ聞きたい事があれば水晶玉で連絡も取れる様にしといたからな」と今まで水晶玉で連絡できたのはワダツミだけだったが魔女連盟に所属している魔女とならば水晶玉で連絡が取れると伝えるとコクウはコスモスを神殿前まで空間転移して)

あ、帰ってこれた……
なんというか、濃い1日だったね
(ワダツミが駄々をこねたり、スズの生い立ちの壮絶さを垣間見える後天的な魔法属性の追加等、色々な事や魔法の使い方を学べれたこと、水晶玉を使って皆と連絡が取れるとコクウより聞いた後に送ると言われ、神殿前まで送られれば、影に入っているハク達に出てきても良いよと合図をしつつ、人型を取っていたから影から出ていたオルレアやスーちゃんに上記を苦笑混じりに言うと、神殿まで帰ってきたし、ここ最近ティアが自分が不在の時に神殿に篭っている理由を聞くのと、魔女連盟に加入した事、ワダツミ達が率いている冒険者になる事を報告しないとと神殿の中に入れば「ティア、ただいま」と声をかけ)

・・・ム？おかえり、コスモス、早かったネ？
(コスモスが神殿に帰ってくるとそこには普段より体格の小さいティアの姿があれば今まで小さくなれても3メートル程あった体格が今、コスモスの目の前にある姿は180センチ程しかなく限りなく人間に近い姿をしており、帰ってきた娘の頬に口付けして)

え…た、ただいま……?
え?ティア……その体の大きさは…?
(神殿の中に入れば、自分が予想していたサイズよりも遥かに小さく普通の背の高い女の人位のサイズになっているティアに驚きよりもまず困惑が勝ち、頬に口づけられれば変わらぬ愛情表現を喜ぶ気持ちを抑えてそう質問し)

ムラサメに教えてもらって練習した、コスモス嬉しくないか？
(10年前、コスモスが人型になれるムラサメを見てティアにも出来ないかと言われ、ムラサメから人型になる魔法を聞き小さくなる魔法と組み合わせて試行錯誤し練習した結果が今の姿だと言えば「この姿なら2、３時間ほど居られるけど普通に小さくなるより疲れるからこれ以外の魔法使えない」とコスモスを抱き寄せると「明日の夜、コスモス、お母さんと出かけよう？」と頭を撫でたり頬擦りしたりしながら明日の朝お出かけに誘って)

う、嬉しいわよ!!
嬉しくない訳無いじゃないっ……ただ、初めてのお披露目に困惑しただけよ
(嬉しくないのかと問われれば半ば食い気味に嬉しいと即答しては、ムラサメ様から教わりそれを練習していたと聞けば、だから最近自分が不在の時に神殿に篭っていたのかと納得出来れば、これまで体の大きさ故に街へお出かけといった事を諦めていただけにティアの言葉はとても嬉しく「行く、行くわ!!この大きさなら私でも髪の毛アレンジ出来るわね、それしてから行くわ」と物凄い食い気味に行く、髪も可愛くお洒落して行くと意気込み)