虚の巨人 2022-04-03 08:00:59 |
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空間転移魔法ってこうなるの!?
………空間を裂く龍だけが使える特殊な魔法とか…?
(自分の体が末端から消えていけばこちらも流石に狼狽えるも、ムラサメの言葉を聞けば空間を裂くというのだからそういう特殊な魔法があるのだろうと納得は出来たものの、どこに転移されるのか分からない不安はどうしてもついてまわり「失敗とかしたら体バラけたりするの?」と徐々に消えゆく中、ついいつものように質問をして)
・・・下等なサルモドキの魔女見習いならまだしも空間を裂く龍と呼ばれる俺が失敗するとでも言いたいのか?
(コスモスの質問はコクウに対して失言だったらしく明らかに敵意を剥き出しにしながら答えるとティアがコスモスを庇うようにコスモスを手で覆えば「コスモス、アイツ、凶暴ナドラゴン、スグキレル、挑発、ダメ」と言いながらも空間転移は終わってしまって気が付けばコスモスだけコクウの前に立っていると周りにティアとワダツミ、ムラサメの姿は無くテーブルと椅子だけのある白い空間で二人っきりになれば「先程の失言は見逃してやる、別に取って食ったりしないから取り敢えず座りな、お嬢ちゃんと巨人について話がしたいだけだ」とコクウは椅子に座りながら先程の魔力を抑えて)
ご、ごめんなさい。
言葉足らずでした……普通の人が使って失敗した時の事を聞きたかったんです。
(こちらは普通の人が空間魔法を覚えて、それを無闇矢鱈と使って失敗した時の事を聞きたかったのだが、こちらの言葉足らずで相手を怒らせたと自分の失言に気づけば、空間を司っていると言っても過言ではない相手が失敗するなんて鼻から考えておらず、そういう意図で聞いたのではないと説明して謝罪すれば、2人きりの空間に周りを見渡すも、これ以上相手を待たせたりしてまた怒らせれば誰の手助けも出来ない今得策では無いこと位容易に想像出来るため大人しく椅子に座り「お話って何でしょうか?」と首を傾げて)
君はこの世界の歴史について何処まで知ってる?
(素直に謝る相手に対してにかっと笑ったあとで真剣な顔で相手を見つめながらこの世界の歴史について尋ねた後で「君は虚の巨人の事を母親の様に慕っているようだが、巨人が悪い魔法にかかっている事は知っているかね?」とコクウはコスモスに質問しながら小さい黒い空間に手を伸ばすとお茶の入ったポットとティーカップを用意するとお茶菓子と共に相手の前に出して)
いえ、正直な所……普通の人と同じ位でしか知りません。あと、足枷があった時は魔法の制約があったくらいしか……。
(突然目の前にティーセットとお茶菓子が出てくれば目を丸くするも、もてなしてくれていると感じればそれを無下にするのは失礼だし何より美味しそうなそれを見れば「頂きます」と一言言った後にまずは紅茶をと紅茶を1口飲んでいた時にされた質問に、あまり聞かなかったというか疑問にも思わなかった事だった為正直に自分の知っている範囲内の知識を答えると「ティアにはどんな悪い魔法が…?」と母のように慕っている相手に悪い魔法がかけられていると知れば、なぜ教えてくれなかったのかと悲しく思うも、まずはどんな魔法なのかと食い気味に質問して)
・・・ふむ、話せば長くなるんだけど、巨人には永眠する呪いがかけられていたんだが、巨人は身体がデカくて魔法が効きづらかったらしいんだ、だから冬の間だけ眠ってしまうらしい。それと一部の記憶喪失になる悪い魔法も重ねてかけられているから巨人本人が悪い魔法にかかっている自覚がないんだ
(コクウがコスモスにティアにかけられている悪い魔法の内容について説明すると「ちなみに巨人に悪い魔法をかけた犯人は俺の主人で古代人の魔法使いで、全ての魔法を扱うことが出来た凄く偉大な魔法使いだ」とコクウはティアに悪い魔法をかけた犯人についてもコスモスに教えるとその犯人が以前、ティアが教えてくれた全ての魔法を使う事が出来るたった一人の古代人の魔法使いだといえば、今、目の前にいる空間を裂く龍がティアやムラサメの二人とは違い大きさも姿も人間に近い姿なのはコスモスの使い魔達と同じでその魔法使いに使役されているからだと伝えて)
だから、冬眠が必要で言おうにも本人にも自覚が無いから言えなかった……
でも、どうしてティアにそんな魔法を……?
(以前ティアが話してくれた全ての魔法を使えた古代人が犯人で尚且つ、空間を裂くとまで言われている相手が使役されている事に驚きが隠せず、何故、どうしてと考えた所で、前に1度戦ったなんて事を確かティアは言っていたと思い出せば「ティアがその人と戦ったから悪い魔法をかけられたって事で合っていますか?解呪してくれる事は?」と矢継ぎ早に質問をしては身を乗り出しその答えを待って)
まぁ待て待て・・・先ず、その犯人、つまり俺の主人はもう死んでるから解呪に必要な血が取れない
(身を乗り出して質問してくるコスモスに落ち着かせながらもうその古代人はすでに亡くなっていると伝えれば「君は何で俺の主人が巨人と戦ったと思う?ましてや悪い魔法をかけなきゃいけないか分かるかい?・・・君は先程、浮島から滅んだ世界を見ただろ?あれはあの巨人の力のせいだよ」と先程見た滅んだ地上はティアのせいだと教えればコクウは立ち上がりコスモスの前へ先程の水晶玉を置けば「今からこの水晶玉に遠い昔、過去に何があったか映しだす。君に見る覚悟はあるかい?」とコクウはコスモスに尋ねて)
そうですか……。
見ます、ティアがどんな事をして今の状況になったのか知りたいのもありますが……何があっても嫌わない為に見たいです
(滅んだ地上の原因は自分が母と慕うティアのせいで、かけられた魔法からして、きっと凄惨な何かが昔あったのだろうと容易に想像は出来たが、ここで見ないを選択すればあの時見ておけばと後悔しないためにも、あとティアが忘れさせられる必要があるそれを知っても、今は今、昔は昔と自分が割り切ってこれまでのようにティアと接する為に見ると即決して)
了解した、これは昔々の話なんだが君たちの先祖は激しい戦争をしていた
(水晶玉にはかつての地上であったミミナガ族とマシラビト族の先祖達の激しい戦争風景が映し出されると今度はティアが前に描いた古代人らしき姿の人々が映り、何か巨大な人型の兵器を作っている様子が映し出されれば「ミミナガとマシラビトの戦争を止めようとした古代人達は巨神兵と呼ばれる巨大な兵器を作った、これが君の知る巨人の最初の姿だな」と今のティアは付けていないが、鋼鉄製のヘルメットのような物を被ったティアの姿が映し出されると「この時点ではまだ君の知る巨人とは違って未完成の不完全な状態だったらしく話したり考える知恵はあっても感情は無くこの仮面のような物によって古代人達の命令に従うしか出来ない操り人形と代わりはないな」と言えばそこからは巨人が戦争に参加し強大な力を持って暴れて破壊の限りを尽くす姿が映し出されて)
……ティアが誰かに何かの目的として造られた事は想定していました。
言うならゴーレムの亜種、もしくは上位互換じゃないかなとも思った事があります
(水晶の中に映るティアの姿は今とは程遠いほど無感情で殺戮を繰り出す姿に、理由や造った人達まではわからなかったが、以前自分の為に村を破壊しようとしたあのビームらしき威力や大気が震える程の魔力量を考えれば、戦争兵器として創り出されたというのは逆に納得のいくもので、以前ゴーレム作成を教えてもらった時に考えたティアがゴーレムの亜種、上位互換では無いかと考えた自分のあの疑問は間違いではなかったのだと答えを得られたからか取り乱す様な事はなく)
そうだな、その認識で間違いないと思うぞ?それで巨人を戦争に参加させたのまでは良かったんだが、暴走してしまい更に戦争が激化、古代人達はなす術なくミミナガとマシラビトを地上に残して空を飛ぶ船を作り出して移動してしまったんだ
(相手が巨人に対する認識は間違っていない為コクウは頷きながら次の映像を見せると古代人達が巨大な方舟に乗って空へ飛ぶ様子を見ると「しかし、古代人の中で一人だけ地上に残った者がいる、それが俺の主人の偉大な魔法使い、否、アイツはどちらかと言えば女性寄りの姿をしていたから魔女の方が正しいだろうか?」と黒髪黒目をしたコスモスに良く似た姿を見せるものの、魔法使いも古代人の血を引くワダツミと同じで無性別だったと説明するとティアに悪い魔法をかけた人物にしては優しそうな顔立ちをしていて)
この人が……私と同じ黒髪、黒目に……
まさかとは思いますが、私の先祖がこの人?って事はありますか?
(地上が滅んだ原因は確かにティアにあるだろうが、そのティアを造った古代人は制御しきれないと知るや否や自分達だけ安全な天へと行った様子に、なんて無責任なと憤りを感じるも、唯一残ったと言う偉大な魔女の姿を初めて見ればこの人が…となるが、自分と同じ黒髪黒目に似た顔立ち、そして以前エルフや自分達人類にも古代人の血を引くものがいるとティアから説明を受けていたのもあり、自分の普通なら有り得ないほどの魔法の才能と言い、まさかと思いそう問いかけて)
・・・そうかもしれないな、可能性はゼロではないだろう
(コクウはコスモスの先祖が自分の主人であるかという問いに対して一瞬、固まり黙ってしまうものの、可能性としてはなくはない為、否定はせず「もしそうなら君は俺の主人が遺した遺産のような物だな」と少し悲しそうな顔を見せつつ話を戻し水晶玉に次の映像を流すとコクウの本当の姿らしき巨大な黒い龍と魔法使いが巨人と戦いコクウの爪や牙によってティアの仮面を必死に壊そうとするが火炎放射で反撃しコクウの顔の右半分を燃やす姿が映し出されると「このままでは世界が崩壊すると考えた俺の主人は悪い魔法で巨人を眠らせる事にしたんだが、この顔の火傷はこの時の受けたものなんだ。あと巨人には弱点があって睡眠系の魔法は抵抗できないらしいが、巨人の仮面が魔鋼製でな、魔法を反射させる作りになっていて壊さないといけなかったんだ」と説明して)
………今のティアとは全然違う感じがしますね
…未完全で未完成だったティアがどうして今になって感情の芽生えや意思の疎通をし始めたんだろう…悪い魔法にそれらも含めてかけたとか…?
(人ならざるもの達が絡み合うように戦うさまは正に人智を超えた戦いで、そしてかつ凄惨な映像に僅かに表情を曇らせるが、先程ティアは未完成の未完全だと言っていたのに今はどちらかと言うと感情も芽生え自分に対しての愛情やエルフ達との交流も最近しだしたと聞いた事があるため、そのまま未完全状態なら普通はならない筈の現象に首を傾げるも、古代人が掛けたという悪い魔法が原因とか?と自分ではわからず「またこの状態に戻る事はあるんですか?」と悪い魔法にかかっているなら無いとは思うが、昔の殺戮兵器に戻る事はあるのかと問いかけ)
悪い魔法を解呪したら冬眠はしなくなるけど記憶は戻るかもしれないな、しかし、今の感情は悪い魔法とは関係無いから大丈夫だと思うぞ?
(コスモスの質問に答えると水晶玉は先程の戦いが終わり、眠ってしまったティアの様子が映し出されると「本来なら解呪するまで眠りにつくはずだったんだが、先程にも言った通り巨人の巨体だった為か不完全な状態で悪い魔法にかかったのか、この後、暫く巨人は眠ったままなんだが冬が過ぎた辺りからまた目覚めるんだ、それと一部の記憶喪失にしたのは主人なりの巨人への配慮だろうね、命令とはいえやりたくもない破壊の限りを尽くしてしまったからな」とティアが冬まで眠っていた間に魔法使いとコクウは巨人の活動を止めたものの世界崩壊は免れないと悟った為、まだ無事な島を空間ごと切り取り浮かせる事にしたり、海を支配していたムラサメを説得して海に住む生き物の移動も始めている様子が見えて)
なるほど、なら良かったです。
記憶が戻らない事を祈ります…
(今持つ感情と魔法は無関係と聞けば、なら長い時間をかけて自我や感情が芽生えたのかと知れれば納得した様子を見せ、記憶が戻ったらしたくなかった事をしてしまった自己嫌悪や罪悪感に押しつぶされてまた暴れてしまう可能性もある為、記憶は戻らない事を祈り、そうして浮島が出来た理由やムラサメ達の移動する場面を見れば、だから世界はあんな風になったのかと思う反面で全ての元凶はティアでは無く不完全、未完成と知りながら戦争へ繰り出した古代人と自分達の先祖に当たるマシラビトとエルフにあると考えれば、ティアは何も悪くないとそれだけははっきりと言える気持ちでおり)
・・・巨人の感情については恐らくこれが原因だと思う
(コクウは少し早送りにして相手が巨人の感情が芽生えた原因について詳しく見せる事にすると眠っているティアの近くで赤色と茶色の光がいくつもふよふよと浮いているのが見えると「これはおそらくなんだが、火の精霊や土の精霊達だろうな、かれらにとって強力な火炎放射を放ったり岩を操る巨人の身体は素敵な依代に見えたのだろう、複数の精霊が同時に巨人の精神を乗っ取った事によって精神は混ざり君が良く知る巨人の精神や感情になったと思われる」と説明すれば以前、小雪を乗っ取った雪の精霊の様に巨人も複数の精霊に精神を乗っ取られ混ざり合った結果が今のティアだと言えば「まぁ、精霊に乗っ取られて目が覚めた時はよく暴れたぞ?おそらく精霊たちも自分の新しい身体を制御するのに時間がかかったのだろう、君達が今住む大陸を作ってしまうわ、手を焼いた主人は俺だけではなくドライアドの長老などに協力を頼んだりしたからな」と以前、ドライアドの長老が暴れるティアを止めたという話はこれの事だったらしく、コクウは懐かしむように笑っていて)
なるほど……?
とりあえず、大変だった事はわかりました。
その複数の精霊は完全に溶け込んだと考えて良いのですか?
(感情や意思の芽生えは複数の精霊による意思の獲得とわかれば、精霊と聞けばある程度の負傷で体から出ていくとは聞いているが、その事実を知っても知らなくてもティア相手に傷を負わそうなんて考えていないし、普通の人なら不可能なのも知っているが、勝手に出て行ったりしないかとか出ていったら感情なんかは消えてしまうのだろうかとか不安がついてまわり、その辺の心配はいらないのかと問いかけて)
おそらく大丈夫だ、もうあいつの精神は完全に混ざり合ってるからちょっとやそっとの傷じゃ感情は消えたりしないだろうが、致命傷だったら分からんがな
(あの巨人と本気で戦って致命傷を負わせれる者など現在ではコクウとムラサメくらいであろうと考えれば「少し巻き戻すが、君に見せないといけないのはこれかな」と水晶玉にはティアのその後ではなくベッドに横たわる魔法使いとコクウの姿が映し出されると巨人が再び暴れた時は近隣の村人にこの足枷を使うように言いなさいと遺言を遺していると「まぁ、君と出会う前に精神がまだ不安定な状態で暴れてしまった巨人に近隣の村人達に足枷をはめるように指示したのは俺の主人だったんだがこれも巨人に対しての配慮だったんだ、許してほしい」と亡くなった主人に代わりコクウが謝ると「そろそろアイツが来るころだな、そろそろ君との話を終えようと思うのだがまだ他に聞きたい事はあるか?俺が知ってる事なら答えるよ?」と揺れる机のティーカップを見ながら何かを察したかのような顔を見せつつ首を傾げて)
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