虚の巨人 2022-04-03 08:00:59 |
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……………見た目に合わない口調、その2。
(ワダツミが海の中に潜ればその発光した様子も地上から見れた為、綺麗だなと思っていた時に大きな魚?の様な見た目から到底想像出来ないお上品な口調の言葉が聞こえれば、思わず遠い目をして上記を呟けば、小雪の時を思い出したのかそれともこの見た目でその口調なのかと、とにかく現実逃避しており、ひとまず静まった深海様の様子にホッとすれば、ふと深海様は探し物をしている、それは宝物でその宝物は息子。その息子の居場所は知っているのに他にも探し物をしているのか、はたまた息子を迎えに来ていたかのどちらかだと考え出すも「深海様、余計な心配をかけてすみませんでした。私の名前はコスモス、虚の巨人改めてティアを母に持つ人の子です」と自己紹介をして)
あらあら、これはこれはご丁寧にダイダラボッチの娘とは思えないくらい礼儀正しいお姫様だこと・・・
(海から浜辺へ上がってきた深海様のその姿は小さくなった時のティアと同じくらいの大きさの人の姿をしており、着物を着た黒髪和服美人といった感じの姿を露にしたものの、その鋭い眼光はサメの時と変わらずじっとコスモスを値踏みするように見つめると「私、ワダツミの母のムラサメですわ、家出中の坊ちゃんのお友達になってくれたみたいでありがとうございましたわ」とどうやらワダツミは剣の修行といってしょっちゅう住処を抜け出しているらしくワダツミは恥ずかしそうな顔で「母上、家出中ではなく修行の旅です!!」と訂正して)
あぁ、なるほど……。
ムラサメ様はワダツミが大好きなんですね。
こちらこそお友達になってくれて嬉しかったのでお互い様?ってやつです。
(家出同然のように住処から剣の旅にと出ていってしまうなら、心配になって探しに来るのは当たり前だと思ったのか本の中に書いてあった事はこういう事かと納得し。友達になってくれてありがとうとと言われればこちらも楽しかったし凄い剣の技を見せてもらったりしたからお互い様だと笑って、黒髪和装美人と言った見た目になった深海様を見れば、あんなのにも姿形が変わるのが深海様に出来るならティアにも出来ないかなと若干期待しており)
・・・ム?コノ姿駄目カ?
(コスモスがムラサメの姿を見て自分の姿と見比べてみれば確かに美しさでは到底敵わないので少ししょんぼりした顔を見せるティアだったが「コイツハ分類的ニハ魔物ダカラ使イ魔達ミタイニ人型ニナレル」とティアが捕捉すると「ダイダラボッチはどちらかというと人寄りのゴーレムですものね、小さくなれても姿は変えれないのですわ」とムラサメ曰くティアはゴーレムに近い分類になる説明すればバチバチと睨み合えば「母上とコスモスの母上殿ではどちらが強いのだ?」とワダツミが余計な一言を言ってしまい「坊ちゃん!!私がダイダラボッチに負けると思うのですか!?」「コンナサカナモドキニ負ケナイ!!」と喧嘩になりそうな勢いになってしまって)
ううん、駄目って訳じゃないけど、なれないかなぁって思っただけ。
(ティアはティアと理解はしているが海で最強の深海様がなれるなら地上で最強のティアもなれるのではと思っただけと説明し、ワダツミの言葉を聞けば、げっ!!と表情を顰めると慌てた様子で「同じ土俵では戦えないならどっちも1番で良いと思う!!」と言えば海ではティアはきっと負けるし、逆に陸ではムラサメ様が負ける、空では互いに空間を裂く龍に負けるのだからお互いが1番で良いのではと宥めようとしており、正直今ここで喧嘩されてはこちらが吹っ飛ぶなりしてたまったものではなく)
うむ、しかし、拙者は御二方の魔法一発だけの勝負なら見てみたいのだ!!
(慌てて止めるコスモスに対してワダツミはやはり幼くても男の子、圧倒的強者である二人の力比べを見てみたいと駄々をこねると「良いでしょう、魔法一発程度ならこの大陸もどうということはありませんわよね?50年前も特に問題はなかったですし・・・」「・・・ン、ヤッテヤロウジャナイカ、コスモス達ハ防御魔法ヲ・・・」とムラサメは再び沖の方へ移動し始めると人型で泳ぐ時は下半身が魚になり人魚の様な姿となって数キロ離れた位置で振り返り元の姿に戻りこちらは見ると口を開けば巨大な水の球体がみるみる内に圧縮され小さくなるのをみてティアも村人を脅した時の様な光線を撃つべく口を開いて力を溜め始めれば「おお!!何やら凄まじいエネルギー!!凄い!!」と目を輝かせるワダツミに対して『お、お前達、絶対に主人から離れるなよ?』とオルレアを筆頭に使い魔達は一斉にビビりながらもコスモスの前に多重に防御魔法を出していて)
せっかく……止めようとしたのに………
(深海様と虚の巨人と恐れられ、崇拝されている2人が1発のみとは言え本気のぶつかり合いをすれば、周りの村や人がどう思うのかなんて分かりきっており、自分の努力が……と遠い目をするも、ワダツミの手を取り引っ張って自分の近くまで来させると使い魔達の後ろに立ちこちらも使い魔とワダツミを包み込む形で魔力全力を防御魔法を使い、衝撃に耐えようとして)
ム?「あら?」
(二人の巨大な魔法が衝突する瞬間、真っ黒な暗闇の様な渦が魔法の間に現れると互いの魔法はぶつかる事なく黒い渦に呑み込まれてしまえば、数十秒程経つと黒い渦は消えてしまったものの、一瞬だが渦の中に黒い龍のような姿がチラリと見えて「あらら。また邪竜の奴が邪魔をしてこれでは50年前と同じ結果ですわね」「・・・ン、引キ分ケダナ」と二人はやはりかと言わんばかりの表情を見せると「むむむ、結局どちらが強いのか分からなかったが、引き分けなら仕方あるまい」とワダツミもよく分からないが互いに引き分けと認めているのなら引き分けだろうと頷いていれば使い魔達は『た、助かった、あんな高密度のエネルギーがぶつかったら・・・』と疲れた顔で皆、腰を抜かしていて)
ここら一帯消し飛んでてもおかしくなかった……
にしても、さっきの一瞬見えたのが空間を裂く龍かな?
(こちらも使い魔達と同じく危機感はしっかり持っていただけに、空間を裂く龍があの大きなエネルギーを請け負ってくれなかったら、最悪自分達は消し飛んでその命を散らしていてもおかしくなかったと久しぶりに恐怖を感じたが、生きていた事にホッと安心したら、次は先程一瞬見えた黒い龍はおそらくと上記を言えば、あのエネルギーを自分の領域へ持って行けるのだから最強の一角は伊達ではないなと感想を抱けば、自分達なんて足元にも及ぶ所かアリ同然とその高みに畏怖を抱けば)
坊ちゃーん!!母のかっこいいところしっかりと見てくれましたか!?
(沖から浜辺へとムラサメが戻ってくるなりワダツミを抱きしめながら自分の強さを十分に息子に見せれたと誇らしげにしていれば「コスモス、大丈夫カ?」とティアもコスモスを手に乗せると頭を指で撫で始めれば先程までの威厳や恐ろしさなど全く見えないほど互いに親バカっぷりを見せていると「あ、そうだ、母上、コスモス殿達を我が家に招待したいのですがよろしいでしょうか?」とワダツミが海の中にあるムラサメの住処へと招待したいといえば「ええ、構いませんよ?お礼もしたいと思っておりましたし」とムラサメの許可を得ればコスモスの方を見て「コスモス姫、拙者の屋敷にご招待したいのですがよろしいですか?」とタタッとティアの身体を身軽によじ登り手のひらまでやってきたワダツミはコスモスを家へと誘って)
だ、大丈夫だよ……。
こちらこそ良いのですか?なら、お言葉に甘えてお邪魔します。
(ティアとムラサメのお互いの様子を見れば、大切に思われている事はとても嬉しいが、お互いに子煩悩だなとちょっぴり思っては、ワダツミの言葉に少し驚くも断る理由も無いしと、その招待を受ければ「そう言えば、なんで姫なの?呼び捨てで良いよ?」とワダツミに見て首を傾げれば、自分だってワダツミと呼び捨てなのだから遠慮は要らないと言って)
拙者が姫と呼びたいから姫と呼ぶのだ!!
(ワダツミは恥ずかしそうな顔で大きな声を上げるのをみて「あらあら、坊っちゃんったら」とニヤニヤしながら見守るムラサメと「・・・ムムム」と不満そうなティアはさておき、海を潜ってムラサメの住処へ向かうことになれば「コスモス、練習シテイタ風ノ鎧ヲ使イ魔ノ分モネ?」と相手に練習の成果を見せる時が来たと伝えて)
そうなの?
じゃあ、そのままで良いよ。
(そう呼びたいからと言われれば、他の子達と交流なんて無いだろうし、何より親からの教えからかなと思ってはそれならと上記を言えば了承し。ティアの言葉にむんっと意気込んでは風の鎧を魔法を使って纏い、準備出来たよとティアやワダツミ達に伝えては)
あらあら、おたくの姫様は若くして立派な魔女さんだこと、ところでダイダラボッチは50年で泳げる様になったんですかー?
(ムラサメはコスモスの魔法を見て褒めるものの、ティアに肩をくっつけながらとある疑問を投げかければ「・・・ムゥ」ティアは不安そうな顔を見せると実はティアは泳げない事が判明すると「コスモス、違ウンダヨ?水中デ息ハ出来ルケド、今マデオヨイダコトナイカラダヨ?」と巨人である自分が泳ぐにはそれ相応の深い場所が必要な為、足がつくのにわざわざ用も無いのに泳ぐ必要も無いのだ説明というより慌てて言い訳して)
ありがとうございます。
ティアが泳げそうな所って限られそう………あれ?小さくなれば泳ぎの練習出来たんじゃ?
(ムラサメの言葉にお礼を言えば、まさかのティアは泳げない説を聞いて驚いていた時に慌てた様子で言い訳のようなものをし出したティアに本当に泳げないんだと思って上記を言って納得しかけた時に足枷は最近付けられた物だと言うのは知っている為それなら小さくなって練習出来たのではと首を傾げれば、もしかしてムラサメ様の領域である海にあまり来たくなかったのかなと不思議そうにしており)
・・・グヌヌ、小サクナルト疲レル、泳グト更ニ疲レル、ソレニ小サクナッテモ重サ変ワラナイ、浮カナイ
(小さくなる分魔力を消費して疲れる為、さらに泳いで疲れるのは面倒だと割とティアは面倒くさがりな一面があるようでコスモスや使い魔を手に乗せ海中に潜れば泳ぐ素振りは見せずに海底を普通に歩き始めれば「姫様、どうじゃ?海の中は初めてだろ?ほれ、珊瑚礁とか綺麗だぞ?」とワダツミは水の中でピカピカと発光しながらコスモスの周りを遊泳しながら珊瑚礁や見たことない色とりどりの魚達が一斉にムラサメを見て逃げ出し始めて)
そうなんだ。まぁ、泳げなくても大丈夫そうだもんね。
わぁ、綺麗…………ムラサメ様見たら皆逃げちゃった
(ティアなら泳ぐ必要なんて出てこないだろうし、自分達人間とは大きさとかが違うのだから向き不向きみたいなものがあっても良いやと思ったのかそういうものなんだと納得すれば、初めて海の中を見れば風の鎧を纏っている影響で息が出来るため感想を言いかけた時に皆逃げてしまい、ティアが村人達に恐れられるのと同じようにムラサメ様も魚達に恐れられるのだろうと推測して)
姫様、そう落ち込むでないぞ?母上を恐れない魚もいるのだぞ?
(コスモスが逃げる魚を見て落ち込んでると思ったのかワダツミは慌てて辺りを見渡せば深海様より大分小柄に見えるがそれでも人間にとっては十分に大きな鯨を指さして「あれはな、岩クジラと言って弱点である頭を硬い岩の様な殻で覆っているクジラでとても美味として海に住む者にとって有名なのだが、今では世界に数頭しか居ないらしくて大変珍しいものなのだ、絶滅危惧種という奴だな」と説明すれば「・・・ン、タシカニアレハ凄ク美味カッタ」とワダツミの説明を聞いていたティアが頷いていて)
…………ティア、絶滅危惧種は流石に食べたらダメだよ。
(見たことの無い大きな鯨を見れば、本では見たことがあるが岩鯨とはあんなに大きいんだと目を輝かせ、絶滅危惧種と聞いていた時にティアからちょっと聞き逃せないことを耳にすれば、流石にそれはダメで、絶滅危惧種だと知ったら今後は食べては駄目だと注意すれば、以前言っていた大きな湖に居た大きな魚とは鯨の事だったのかと今納得すれば、確かに鯨サイズではないとティアは満腹にならないよなと遠い目をして)
・・・ム、昔ハイッパイ居タノダゾ?
(コスモスにダメ出しされれば岩クジラを食べていたのは最近の話ではなく昔の話で絶滅危惧種になってからは食べてないと言えば「50年前、私が止めなかったら今頃絶滅してたかもしれないですものねー?」とムラサメがくすくす笑いながら呟くと「あ、そうこうしているうちに我が家が見えてきたぞ?」とワダツミは巨大なシャボン玉に包まれた大きな和風建築式の海底神殿を指差して)
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