魔女と巨人の物語(ファンタジー)

………寝ちゃった
…これからどうしよう
(お肉をある程度食べればお腹が膨れ、ふと静かだなと思い、貴女の方を見れば、寝てしまったのかと判断し、寝てしまった貴女を見れば、つい先程まで寝ていたのもあり、こちらは眠くなく、仕方なく神殿の隅で膝を抱えて座ると、巨人の生贄にされたんだと今更ながら実感がわき、胸に穴が空いたような寂しさと捨てられた悔しさに目の前の景色が滲み、固く口を閉ざして起こしちゃわないようにと声は出さず静かにポロポロと泣き出しては、捨てられたくないと小さく弱音を吐き)

・・・・コスモス？
(眠っている間に相手が泣いているなど思いもよらず数時間後に目が覚めると相手を探すようにきょろきょろと周りを見回すと隅っこで座る相手を見つければ指で頭を撫でた後、顔を近付け愛おしそうに頬擦りし、母性本能の様な素振りを見せて)


・虚構の神殿・
虚の巨人が住む神殿。数百年前に雨風を凌ぐ為に虚の巨人が自分で作ったとされる巨大な建造物。
神殿にいる間は巨人はエネルギーを回復する為、眠っているか何かを食べてエネルギーに変換させる必要がある為じっとしている事が多く、この隙をついて虚の巨人に怯える者達は足枷をはめられたらしい。
また虚の巨人を信仰する者達からの供物が定期的に入り口に置かれる為、虚の巨人がエネルギー補給の為に狩りに行く頻度は少なくなった。供物の中には食糧品の他に女性の衣服や本など人間が使う道具なども混ざってる事が多い。コスモスのような生贄は初めてである。

ティア………
うっ……っ
(グズグズと泣いていたが、声がして頭を撫でられ頬擦りされれば、こんな事母親にも父親にもされた記憶が無く、しばらく驚いたように固まっていれば、母親のような仕草をティアにしてもらっているのに実の親にはされた事がないと虚しくなり、ティアの前では捨てられないように笑顔で居なきゃと思っていたのに我慢が出来なくなり、声を出して大号泣して、寂しい、悔しいとエグエグ言いながら理解されないとわかっていても言葉にして)

・・・？？？？
(泣き出す相手にどうしたら良いのか分からず戸惑いながらも何となく察して、相手を掌の上に乗せて神殿の外に出れば入り口から見えるコスモスが住んでいたであろう近隣の村を指差し、口を開けばキュインキュインという力を溜め込む様な音を立て始めればコスモスの選択次第ではこのまま村を焼き払い消滅させようとしていて)

え……外出られるの?
(掌に乗せられ、神殿の外に出たティアにびっくりしているうちに自分の故郷を指さした後何やら不穏な音を聞き取れば、これ以上無いほど思考を巡らせ、ティアが何をしようとしているのか気付き、あまりの事に涙が止まれば「だ、駄目っ…ティアが悪者になっちゃう」と何とか止めようと自分が乗っている掌をペチペチ叩き意思表示をして)

フシューフシュー…
(相手に止められると口から煙を出るものの、力を発射する事をやめれば善悪の区別がない為、ティアはコスモスの敵になる者は排除する味方であるという考えを伝えたかったのか泣き止んだ相手を見て微笑むと再び指で相手の頭を撫でて愛でれば再び神殿内に戻ろうとして)

巨人を封印する技術はこの世界にはありません。
足枷はあくまで巨人の移動を遅くする為の物です。
神殿を離れることも可能です。

………ありがとう、大丈夫だよ
(自分の為にしてくれようとした事は理解しており、やり方はともかく味方だと言うのは伝わった為ありがとうとお礼を言えば、大人しく神殿の中に戻るのを見ながら、とりあえず、ティアの前で泣くのはこれきりにしようと心の中で拳を握り、なんやかんやで泣いてスッキリした意識を切り替えて)


ｰｰｰｰｰ
詳細説明ありがとうございます

ティア、コスモス、マホー、オシエル
(ティアとコスモスが出会ってから数日が経過し、コスモスとの生活が少しは慣れてきた頃、ティアはコスモスからヒトの言葉を教わり、ある程度の会話なら出来る様になっており、コスモスに魔法を教えようとしていて)

魔法?
………うん、教えて欲しい
(魔法を教えると言われれば、田舎の町でしかも半引きこもり生活をしていたのもあり、魔法と聞けば、???ととても不思議そうな表情を見せるが、ティアが教えてくれるのだから悪いものでは無いかと思えるくらいには信用も信頼もしている為、わかったと頷いて)

コスモス、カラダヨワイ、デモ、マリョク、タカイ
(コスモスの身体は弱いかも知れないがその分人より魔力が多い為、魔法を使う事に素質があるとカタコトで説明すれば「ヒト、コダイモジ、オボエテナイ、マホウ、ツカエナイ」と人間が魔法を使う為に必要なのは魔力と古代文字であると説明していくつかの古代文字を神殿の床に彫る様に指で削って書いて見せて)

古代文字(要するに漢字)
ティアが産まれる前からヒトが扱っていたとされる古代文字。属性を表す文字と形を表す文字を組み合わせる事で魔法が使える様になる。
例『火』＋『球』＝火の球を撃つ
例『土』＋『壁』＝土の壁を作る
また属性には適性が必要の為、人によっては使える属性の数と種類が違う。コスモスの場合は3種類の属性が使えます。使いたい魔法の属性を選んでね。

そうなんだ
……魔法ってどうやって使うの?
(本にも書いてない古代文字に興味津々な様子で床に書かれた文字を見つめては、魔力と古代文字が必要なのは理解したがどのように魔法は使えるのかとキラキラとした目で質問し)

ｰｰｰｰｰ
でしたら、水、球、風の3種類でいこうと思います

ヒト、ツエ、コダイモジ、カク？
(人間が魔法を使うには杖を使って使いたい方向に文字を書く必要があると伝えれば「コスモス、コダイモジ、オボエル 、ティア、ツエ、ツクル」と相手が古代文字を覚える事ができたら森へ杖の材料を取りに行くと伝えて)

(/球や壁は形を表す文字なので水と風以外でもう一つ好きな属性良いですよ？火、土、光、闇、木、氷とかなんでも)

杖……なんだか御伽噺の魔法使いみたい
頑張って覚える!!
(本で読んだ魔女や魔法使いのようだと好奇心が溢れて止まらず、さらに覚えれば杖まで作ってもらえるとなれば、やる気しか起こらず、ぴょんぴょん飛ぶようにやる!!と意気込んで、教えて欲しいと頼み)


ｰｰｰｰｰ
なるほど
でしたら、水、風、氷の3つにします

マズハ、マリョク、ナガレ、カンジトル
(相手を掌に乗せて自分胸元まで運ぶと「コア、サワル、ゾクセイ、イメージ、ウマレル」胸の中心にある核に触れる事で魔力の流れを感じ取る練習から始めると伝えれば魔力を感じることができれば頭の中に火や風といった自分に適した属性が自然と分かると説明して)

思ってたよりも簡単に流れがわかるんだ……
(色んな属性を試しに使ってみて不発とかで自分の属性を調べるのかと思っていたのか、ティアの中心の核を触るだけと聞き、思っていたより簡単と少し拍子抜けするも、ティアの胸の中心にあるコアにｿｯと触れて目を閉じれば、脳内に水、風、氷の3種類が思い浮かび、それをティアに伝えて)

ホンライハゼンブタメスハズ？
(魔力の源である核を持つ巨人が自分しか存在を確認していない為、本来この練習方法ではなく相手が考えている様にひたすら全属性を試すだけである「ゾクセイ、ミッツ、ヒトニシテハ、スゴイ」属性が３つ使えるのはヒトとして凄いことだと褒めつつ頬擦りすれば「ミズ、カゼ、コオリ、コダイモジ、コウカク」と水と風と氷の古代文字の他に球、壁、刃の形を表す三つの文字の書き方を教えてあげて)

あ、そうなんだ
……普通の人は属性いくつ持ってるの?
(本来のやり方を聞けば、やっぱりそんな感じなんだと納得し、3つも持ってて凄いと褒められればえへへと照れたようにはにかんだ笑みを浮かべれば、ふと他の人は何種類属性を持っていたのか聞きつつ更に書かれた古代文字を見れば、周りを見渡して見つけた尖った石で真似して書いてみるも、書きなれない文字のためかなり歪な文字となり、むむむ…と難しさと書けない悔しさにガリガリと文字の練習を始めて)

ゼロかイチ？
(数百年前までならまだしもこの時代で魔法を使える者こそ少なくなっている事を伝えると「キレイ、カク、コウカ、ナイ」と古代文字を綺麗に書かないと効果が発生しないと伝えて暫く練習すると「ウン、キレイ、カケタ、エライ、エライ」と相手が綺麗に古代文字を書けるようになってきたので頭を指で撫でて「アシタ、ツエツクル、ソト、デル？」と今日はもう遅いから明日杖を作る為の材料を取りに外に出るので付いてくるかと尋ねれば入り口からまた食糧を運んできて)

0か1……
昔の人は?
(無いか1つと聞けば、確かに今の時代なら多い方だと自分の知らなかった魔法の才能に心躍らせており、今は使えない人が多いなら昔ならやっぱり全部使える人とかも居たのかと首を傾げては、明日のお出掛けに行くと嬉しそうな表情で同行する事を言うと「杖の材料の木ってどんなの?」と質問し、持ってきてくれた食料にありがとうとお礼を言うと、また兎のお肉と思われるお肉を持って「お肉焼いて」とお願いし)

・・・・・・コダイノヒト、イッパイ？
(コスモスの質問に対して少し沈黙し考えた後で両手の指を全て折り曲げて見せると「イッパイ、ツカウ、コダイノヒト、ヒトリ、シラナイ」それでも全ての魔法を使う古代人は一人しか居なかったらしく頷きながらぼそりと小声で「…アレ、ツヨカッタ」とどうやらそのすごい魔法使いと戦った経験があるらしく「コダイノヒト、ティア、コワガラナイ、タタカウ、コスモス、タタカウ、ダメ？」と魔法を覚えてもコスモスに自分に襲いかからない様に注意した後「アシタ、オタノシミ？」と杖の材料については秘密にすると肉を焼いて手渡して)