2022-03-27 15:34:30 |
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男を狂わせる"魔性の女"をよくFemme fatale(ファム・ファタル)というけれど、その逆で"魔性の男"の場合はHomme fatal(オム・ファタル)っていうらしい。今回観てきた『ヘルドッグス』は、男を狂わせる男が主人公な物語でした。
元警官でありながら復讐殺人に手を染めた狂犬・兼高は、警察に目をつけられヤクザ組織への潜入を命じられる。そして与えられたミッションを達成するため、組織のサイコボーイ・室岡とバディを組み、やがて組織の若き会長・十朱の護衛に就くことに──そこからなんやかんやあって「俺と世界を獲らないか?(十朱)」「俺とこの女とどっちが大事なんだよ!!!!(室岡)」に発展していく話。岡田准一さん演じる兼高がビジュのいい男たちからクソデカ感情をぶつけられてるのを目の当たりにして「商業BLかな…?」ってなったの俺だけじゃないはず。
MIYAVIさんのインタビュー記事に「愛と疑いのアンビバレンスな感情の推移」って書いてあったけど、十朱が兼高を疑ってたのなんて最初の10%くらいで、彼の技量を認めてからは完全にデレてた気がする。兼高が高級クラブのキャストの中から女暗殺者を炙り出したのうれしすぎて羽目を外す十朱会長の図とか、もうね…めちゃくちゃ兼高のこと気に入ってるじゃんってほっこりしちゃったもん。まあ、それが発端で敵襲に遭った末、腹心の秘書であるクマさんがお亡くなりになってしまうわけですが…
クマさんほんといい人だったなぁ…カラオケでめっちゃ美声なオペラを歌ったり、まるで子供みたいな下ネタを連発したり。物語が重厚でシリアスなムードで進むなか、クマさんが箸休め的な存在になっててくれたことがほんとにありがたかった(合掌)
自分の気の緩みがもとでクマさんを死に至らしめたことのケジメとして部下に自分を殴るよう指示した件もそうなんだけど、回し蹴り(兼高&室岡への威嚇)で割った瓶の破片を部下にやらせず自分で拾ったりするところとか、筋が通ってて組織のトップとして担ぎ上げられるだけのことはあるな~って好感度マシマシでした。思い返せば十朱会長がスマートじゃないシーンが1ミリもなかった気がする。ヤクザのトップでありながら、どこか神聖ささえ覚える十朱という人物にMIYAVIさんをキャスティングした方、控えめに言って神では?なんかもう米一俵送りたい(真顔)
それにしても、キレた室岡が三神を階段から突き落とす際に冥土の土産(?)にキスしたのなんだったんですかね。Cパートで「Kiss of death」って三神が言ってたのと何か関係あるのかな。原作読んだひとがレビューで言及してくれることを祈っておこう(他力本願)
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