白紙とインク (　〆　)

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視聴者は僕らに上手い写真なんか求めてないだろ。
( 上手い写真が見たければ写真家のものを見るだろう。視聴者が自分達に求めるのは、エンターテイメントや個性だ。陽太の撮った写真を確認すると、自信なさげに首を傾げる彼に大きく頷くことでOKサインを出す。画角は微妙、画質は良好、ピントは手ブレのせいでまるで合っていない。それなりに撮る機会は与えているにも関わらず、何故か写真の技術だけは一向に上達しない陽太。それでも彼にカメラを持たせ続けるのは、彼の写真に需要があるからで。以前にアップした写真の愛と棘に溢れたリプライ欄を思い返すと、小さく思い出し笑いをしながら )
……それに、結構人気だよ、陽太の写真。