匿名さん 2022-03-26 23:39:33 |
通報 |
( 窓辺から夕陽が差して、部屋を茜色で満たす。お互いの息遣いだけが聞こえる寮の一室で、窓の外をぼんやりと見つめていた。やがて陽が落ちかけ、茜色と群青色が入り混じる、黄昏時。誰そ彼時とも書き表すこの時間は、二人だけの秘密を隠してしまうのにうってつけだ。視線を右側にある窓から、目の前の彼女に移す。夕焼けに照らされる彼女の表情は、強すぎる光のせいでよく見えない。自身のベッドの縁に座ったまま、彼女の方へと真っ直ぐ手を差し出して )
……薫子さん、こちらへいらっしゃいな。
トピック検索 |