白紙とインク (　〆　)

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最初に幸せになり過ぎちゃうとその後が怖いだろ。
( 後ろをついてきたらしい陽太が、一緒になって冷凍ケースを覗き込んでは予想通りの一言を放つ。それを肯定も否定もしないまま、顎に手を当てて考える。『幸せ過ぎると何か怖い』という感覚が彼にあるのかは定かではないが、ともあれ羽目を外し過ぎると必ず何か不幸なことが起こるのだ。世界はそういう風にバランスを取っている。それがこんな小さな幸せにも適用されるかは一旦脇に置いて、不幸を回避するためには幸せをただ享受するだけにならないことが必要だ。そんな社畜時代の思考回路が今も健在である自分に呆れつつも、ふと閃いたアイデアでアソートパックの購入を即決して )
……よし、買おう。そして動画か写真に収めよう。陽太がアーモンド味、僕がチョコ味を食べているところを。