白紙とインク (　〆　)

＞111

決めた。もう一度……ちゃんと、生きてみる。
( ただ、静かな時間が流れる。それからどれくらいの時間が経ったのだろう。わからないけれど、その間に決意が固まった。急かされず、勧められもしない状態だからこそ、紛うことのない自分の考えだ。どちらに行くのも怖いけれど、揺蕩うだけではただの逃げ。彼に頼ったままではいられない。膝へと手を乗せて、丁寧に言葉を紡ぐ。これからまた、生の世界へ。やがて何度も戻ってくることになるとは知らずに、今はただ純粋に前を向いていて )