白紙とインク (　〆　)

＞107

淳也らしいってことだよ。
( 特に気にする様子もなく、笑いながらさらりと受け流し。いつも通りのこの感じが心地よいということは、さすがに照れくさいから言わないことにする。珈琲ができあがるのを待つ間、彼が溢した一言には多幸感が滲んでいるように思えた。しかし、己にとっては当たり前になっているもの。毎日のように手に入るそれに特別さなど感じられず、感動や幸せをぶち壊しにするようなことを平然と言ってのけ。そんなことを言ったからだろうか、メーカーから取り出してすぐ飲んだ珈琲はかなり熱くて、危うく火傷するところだった )
贅沢って。コンビニの珈琲なんてそんなに高くもないだろ？……あっつ。