>94 ……ありがとう。 ( 温度のない声色は少し怖くもあり、他意を感じない分安心感もあった。人が何を考えているのか、優しさには裏があるのではないか。すっかりそう考えるようになってしまっていたために、交流することが嫌だった。彼の言葉はすっと心に入り込み、落ち着かせてくれたような気がする。顔を上げて彼の方へと視線向けると、ぽそりと小さくお礼を告げ )