留守電 2022-03-10 06:08:05 |
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はいはい、壱弥クンかわいいね。( 生意気な発言を受け流し立ち上がると絆創膏を取ろうとぐっと腕を伸ばし )うん、よく作る。友だちに作ってやったりすることもあるし。まあ美味しいかどうかは保証できんけど、壱弥の口に合うかどうか。( 包丁とまな板を取り出し、肉を均一の厚さに切り分けつつ時折視線を其方へ向け )
はァ~~~?歳上に向かって何だその態度は、よ…ッ!( 咄嗟に屈んで相手の腕下潜り抜け、くるりと振り返り )ふーん。他人に作る機会あんなら上手い方なんじゃね、完成まで期待膨らませとくわ。( 切り分けられていく肉の断面を数秒眺めたあと冷蔵庫を開けて )照り焼きの味付けって何使うんだっけ。醤油?
お、っと…あぶね。…すげー身軽だな、俺より年上なのに。あ、身長ちっちゃいから?( よろけて寸の所で踏み止まり、含み笑いを浮かべて )そ。醤油と、みりんと…酒。砂糖も使う。( フライパンは軽く熱してから油を投入し、肉に片栗粉をまぶしながら )お手伝いしてくれんのー?
身軽に年関係ねーだろ、上つったって大差ある訳でもねえし。……あ゙ーん?俺がチビなんじゃなくてお前がデケェんだっての。ンま、タッパある方が動き難そうではあるよな。足元にガムあっても気付かず踏んじまいそー。( 背が低いという聞き慣れない言葉に思わず眉間皺寄せては、湧き出る対抗心を抑えて余裕の笑み浮かべ )ほー…料理全然詳しくねぇから酒入ってんの初耳。( 名前が挙がった調味料を冷蔵庫から順に取り出し、まな板の近くへ並べて )別に手伝わねェよ、出してやっただけ。あくまで俺は味見係だかんな。
ほーら、そんなムキんなったら図星みてェで恥ずかしいよ。さっさと絆創膏寄越しなー。( 振り返って一歩詰め寄り、ピクと引き攣った相手の口の端を指の腹で擽るように撫で )さんきゅ。味見係くん早速出番だぞ。( 鶏肉を熱しながら片手まで調味料混ぜ合わせ、小さなスプーンに少量のタレを掬って差し出し )照り焼きのタレ、味見してみて。もっと甘いほうがイイ?
…ったく、ほらよ( これ以上粘る意味も無いだろうと諦め、口端触れる手を押し退けるように絆創膏渡し )お、早いな任せろ。( スプーン受け取り咥えると暫し味わって )…ドンピシャに俺好みでムカつく。こんくらいで丁度良い、早く食いてえ。
さーんきゅーう。( にんまり笑いながら絆創膏を受取り器用に指の根元に巻きつけて )…よかった。もうちょっと待ってな、すぐ出来っから。( 相手の感想聞いて嬉しそうにはにかみ、表面をカリカリに焼いた鶏肉にタレを絡ませ )壱弥、食器用意してくれる?
お前と居ると調子狂う、寝込み狙って指喰いちぎってやろ。( 相手の笑顔に不服そうな態度見せつつ半ば本気の冗談を )ここ数日まともに飯食ってねェからマジで楽しみ。食器なぁ…食器食器、( まな板端へスプーン置いて立ち上がり、中身の数に見合わない大きめの棚から丸い皿を二枚取り出し )
寝込み襲うとかこっわ~。動けんように丸め込んで一緒に寝よーね。( 頭一つ分程小さい相手を抱き締めようと勢い良く手を広げ )おっし。( タレが上手く絡んだ鶏肉を箸で摘むと各々の皿へ盛り付けて、調理器具をシンクへ移動させ水に晒したあと皿を持って机上へ )おまたせ、一緒に食べよ。
丸め込まれるほど小さくねぇよ、あと俺ん家のベッド狭いからどっちか床な。( 素早く躱して片手伸ばすと強めにデコピン )おー美味そ。( 箸を2膳持ちながらリビングへ移動し席へ着けば、相手の分を差し出して )ん、コレお前の。
いって…、えーじゃあ俺床でいいわ。家主はちゃんとベッドで寝な。( 赤くなった箇所押さえながら体を気遣い頬緩め )あんがと、いただきまーす。( 箸受取ったあと合掌し、早速料理を一口摘んでは相手の反応確認するため、ちらりと視線向けて )……ん!即席にしては結構イケる。
は、俺が床で寝る。…風邪引かれて看病する方が面倒くせェ。( 素直な反応見せる相手に自身の後ろ髪わしゃりと掻いて目逸らし )いただきます。( 合掌はせず口頭のみ済ませ、肉を一摘みすれば片頬膨らませて咀嚼 )……あ゙~~~俺の求めてたモンが全部詰まってて幾らでも食える、毎日これで良い。飯係任せた宜しく。
俺は壱弥のお世話係も兼ねてっから気ィ遣わんくていいのに。…やっぱぎゅうぎゅう詰めで一緒に寝るのが妥協案じゃん。ほら、俺あったかいし。( 思わぬ気遣いに嬉しそうに笑い、懲りずに温かい掌を相手の頬へ宛てがってみて )ッふ、はは…めっちゃ美味そうに食ってる。作りがいあるわー。( 小動物のように膨らんた頬を見つめ己も箸を伸ばして咀嚼しながら )飯係任せな。胃袋が~っちり掴んでやっから。
気ィ遣ってる訳じゃねえ、看病すんのヤなだけだわ。…お前って他の奴にもそういうスキンシップしてんの?( 今度は拒否しないものの、頬へ宛てがう其の手首を掴み問い掛け )食生活は偏ってっけど好き嫌いあんまねぇから匡のお陰で色んな料理食えんの期待しとく。( 次々と口内へ運んでいき、ちらりと相手に視線向けて )そういや誕生日聞きてーんだけど。
ん?あー…あんま意識したことねーな。悪い、やだった?( 暫し考える素振り見せたあと申し訳無さそうに眉を垂らして掴まれた手首を引こうと )え、誕生日?めっちゃタイムリーじゃん。( 皿に付いたタレを肉に絡め、驚いて目を丸めながら返答し )3月の、19。
そうじゃない。大型犬みたいで可愛いなァと思っただけ、( パッと手首解放したかと思えば相手の髪を雑に撫でやり )マジ?何か仕掛けてやろうかと思ったけど考える時間もねぇな。( 箸を持った手で頬杖つきながら思考巡らせ )
うお、…ンだよ、犬扱いかよ。( 驚き肩を竦めるがすぐに気持ち良さそうに双眸細めて )何か、ってパイとか投げられそうで怖ェわ…。あ、じゃあ仕掛けられねー代わりに、壱弥がなんでもする券プレゼントしてくれるとかー…弱味教えてくれるとか、どう?( 自身の誕生日にも関わらず心躍らせ含み笑いを浮かべながら幾つかの提案を )
ンな事言っても嫌じゃねえ癖に。よーしよしよし、壱弥お兄サンに甘やかされてな( 満更でも無い顔に思わず釣られて頬緩め、短い毛束に指絡ませて )パイは勿体無いから却下、投げんなら水風船。はー…?究極の選択過ぎんだろ。なんでもする券は変なこと押し付けられんの嫌だし、弱味とか知らねえ。匡は何がイイんだよ。( 箸の先端でビシッと其方を差し )
…もっと下の方も撫でろ。( 観念して首を前に傾けとりわけ短く切り揃えられた襟足を晒して )あーー、俺が爆誕した記念日なンに全部却下された。( 眉吊り上げ間延びした声でぎゃいぎゃい抗議 )何…って、食べもんならチョコとか…アイスケーキも好き。あとは…あ、今度買い物付き合ってくれるとかどうよ。
ふは、気持ち良い?かーわいいねえ匡クン。( するりと手を移動させ猫の首を撫でるよう指先で襟足に触れ )誕プレで弱味教えんのはリスクでけェ、そん時はお前からも弱味聞き出すかんな。( 騒ぐ姿に犬を重ねつつ箸進ませ、残り少ない皿の肉を咀嚼し )アイスケーキ食った事ねぇんだけど美味そう、んじゃ今度買い物がてらそれ食いに行こうぜ。
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