匿名さん 2022-03-09 13:14:54 |
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「そ。どこか隙を見つけなきゃいけないってこと。」
(薄く笑みを浮かべて頷くと、端末を取り出して目的の人物に連絡をし、今から向かう事を伝えると、彼女の後に続いて外に出る。差し出されたヘルメットを受け取れば、「君の仰せのままに。」と芝居かかった動作でお辞儀をし。大まかな方向を伝えると、バイクの後部に乗り)
ふざけてないで、振り落とされても知らないわよ。…またおかしな方角ね。
(大仰な仕草も既に慣れた反応で軽く眉を潜めるに留め、自分もヘルメットを被ってバイクに跨がると示された方向へと公的な舗装整備などされない道を走っていく。酒や恐らく合法でない薬に浸る連中、退廃的な雰囲気を纏わせて明るい内から客引きを行う女、いつとも分からないゴミを漁るカラスの群れ、見慣れてしまったそれらを通り過ぎて)
「...あ、そこ曲がってくれる?あの角のところ。」
(街の営みは極めていつも通り。時折自分のことをよく知っている住民に手をあげて挨拶をしては、街の奥まった所へ行くように指示をし。狭い路地でバイクを降りれば、「迷子にならないでね?」と軽口を叩くと、時折そちらを気にしながら目的の場所まで向かう。路地裏の中でも特に薄暗く澱んだ通りを行けば、地下に続く階段を下がっていき。)
ここね。そんなに心配するなら、貴方を抱えて歩く?
(さらりと流しながら辿り着いた先でバイクを止め、警戒を怠らずに路地から地下通路を控えめな足音を立てて歩く。まともな照明などほとんどなく些か長い地下の階段を降りた先、ドアノブと上部にブラインド付きの細い覗き部分がある扉まで辿り着き、僅かな気配に油断無くもなるべく不自然にならないよう腰下に手を遣り)
「あはは、いいね。歩かなくていいし楽になりそうだ。」
(扉の前でちらりと目線のみを向け、相棒が警戒しているのを確認すると、ドアを軽くノックする。しばらくしてから小窓が静かに空き、「やあ。俺の事、覚えてる?」とひらりと手を振って挨拶をし。しばらくして内側からガタイのいい男が扉を開き、彼がそちらを一瞥した後に低い声で話し)
『...。知らない顔だ。中に入るのは遠慮頂こうか』
振られたわね。……壁際に寄ってなさい、怪我したくないでしょう。
(感覚を研ぎ澄ませてドアの向こうの気配の数を確認し、そっと片手で相手を制止しつつ一歩だけ踏み出して開いたドアの隙間に足を差し込んで閉め出そうとするのを遮りながら、腰から小型のナイフを取り出すとこちらを覗き込む男の目の前に突き付けて)
「ねえ、俺たちは何も争いに来たわけじゃない。あくまで穏便に交渉をしたいだけなんだけど?」
(一瞬にして緊迫した空気に変化したのを感じ取ると、ここは自分の出る幕ではないと身を引いてから、奥にいるであろう目当ての人物にも聞こえるように、扉を開けた案内役の男に話しかける。
...どうも何かがおかしい。自分が今から頼ろうとしている相手は、見知らぬ人物に対して余裕のない対応をする人物ではないはずだ。
現状に対してなにか違和感を感じていた矢先、ドアの暗闇の奥から何かが煌めいたのを目にし。...あれは銃口か? そう推察するのと同時に叫び)
「伏せろ、ユリシィ!」
――ッ!
(こちらも同じく銃口を視認すると咄嗟にドアを止めていた脚を跳ね上げて義肢で銃弾を弾き、伸び切った脚をそのまま叩き付けるようにしてドアを物理的に蹴り破る。更に勢いを付けて再び地面へ脚を下ろし叩き付けると蹴破ったドアの下から何か呻き声が聞こえた気がしたが恐らく気のせいだろう。そこから目測はロクに行わず、ただ純粋な牽制のために手に持ったナイフを向けながら暗い室内に縁取る人影を見据え)
ねぇ、イーサン。アレが貴方の知り合い?
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