れいちゃ 2022-03-02 16:55:05 |
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晴) ……
(夕暮れ時,何時も通り机の横にかかった鞄を手に取り下駄箱へ向かおうと教室の扉に手をかける。ふと誰もいない教室を振り返れば,自分に良くしてくれたどうしようもない教師の事を思い出すも,顔を小さく横に振って下校しようとすれば)
零)うぅ……久しぶり我が母校よ……
(呻き声にも似た声で独り言を呟けば、身体を引き摺る様にして廊下を歩き。何時も何だかんだ慕ってくれていた彼は居るだろうかとふと考えるが、何せ今は夕方、無理だろうと諦めて顔を上げれば目の前に貴方が居て)
……晴?
晴)うわッ……
(ぼんやりと考え事をしている最中に名前を呼ばれ,驚いた様に肩を跳ねさせれば,聞き覚えのある声がした方向にパッと顔を向ける。
「……嗚呼……どうも……。貴方でしたか,先生。」
驚いた表情を小さく浮かべれば,言葉を1つずつ選ぶように口を開けば普段通りの素っ気なさを見せ)
零)あぁ、幻じゃなかった
(正直幻か何かと思っていたので言葉を返されたことに心底驚いてはは、と情けなさそうに笑うが、直ぐに元の表情に戻り。
「久しぶり。元気だったか?」
素っ気ない素振りの相手を見る限り元気では有りそうだが、自分の居ないときに何か無かったかと心配になって、何気ない調子を装いながらそう尋ね)
晴)ん……まあ…普通ですよ。
(目を横に逸らし,貴方の質問に答えれば,手に持った鞄を床に降ろす。小さな溜息を1つ点けば肩を落とし,貴方の方へと歩み寄れば,自分より少し背の高い貴方の胸ぐらをぐいと軽く掴み,顔を無理やり近付ける。
「…お帰りなさい」
なんて怒っているのか喜んでいるのか分からない声色で囁けば,足りない身長を補うようにクイと背伸びして貴方に少しだけ深く口付けをし)
零)あそう、良かった。……え、何
(今度こそ安堵の表情を浮かべて返せば、貴方が鞄を降ろしたことを不思議に思って見ていると急に胸ぐらを掴まれて戸惑い。抵抗した方が良いのか判らず貴方に再び尋ねようとするが。
「……ただい、」
お帰りなさいと言われ、殆ど反射的にただいまと言いかけた口を急に塞がれて肩を微かに跳ね上がらせる。されるが儘になっていたが、ふいに矢っ張り幻ではなかろうかと思って確かめる様に貴方の肩の辺りに指を添わせ)
晴) ッは……,
(貴方の手が肩に触れた直後,息継ぎをするようにパッと顔と手を離して貴方を解放する。暫く貴方の目を真っ直ぐ見つめれば
「…苦…煙草ですか…?」
なんていつもの調子で呟く。よくこんなん吸えますね,なんて表情は崩さず淡々と)
零)……は、
(胸元から手が離された反動で半歩後ろに下がり、驚いた顔で貴方を見詰め直す。自分の耳が赤くなっていくのを感じつつ
「嫌なら、止めようか」
何を言い出すのかと思っていたが予想以上に辛辣な言葉が返って来て苦笑を。嗚呼こんな感じだった、と思い出して少し嬉しくなるが、同時に苦いと言われたことへのショックも感じて途端に気不味そうに。禁煙は前から少し考えて居たのだが、尚更今迄止めていないことが貴方に対して申し訳なく)
晴)…好きにして下さい。
(ふいと横を向きつつ顔にかかった横髪を耳にかければ,其方に目線だけ送り上記告げる。戸惑いを見せる貴方に肩を小さく竦めれば
「貴方の事をずっと待っていた,まだ正式に付き合ってない貴方の大事な生徒からの校舎内での初めてはどうでした,?」
珍しくハキ〃とした口調で,皮肉るように言葉を連ねる。自分の耳や首筋が少し火照っている事に気が付けば,それを隠す様に目線を其方から外して)
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