賢者の魔法使い

情に関しては分かりませんが、提案自体はいいですね。ちょうど、難しい話が続いて腹が減っていたところです。(口角あげ満足そうに頷いては、早々扉開け手で押え)どうぞ。

ありがとう、ミスラ。我とそなたでのお茶会は初めてになるかの？ どんなお茶会になるのか、とても楽しみじゃ！( はしゃぎながら相手が開けた扉から一人先に中へ侵入し、最上階に続く階段に足をかけながら手招いて、 ) 一番上に行くぞ。綺麗な景色と静寂は、朝のお茶会にぴったりじゃからのう！

作った当人がそう言うなら。(不意に呪文唱えると、ヒトの頭蓋骨を模した(？)ランタンをふよふよと浮かせ、相手と自身の足元を照らして歩み寄り)夜明け前の暗さに、うっかり足を取られて転ばないでくださいよ。

では、転ばぬように手を繋ぐとするかのう。( 悪趣味なランタンだが此方を気遣うさまに微笑み溢し、どっちの手を取られても良いように両手を広げてみせ、 ) 我、ミスラお兄ちゃまとおてて繋ぎた～い！

両方？欲張りな人だな…(のっそり相手の両方の手を握っては持ち上げて。自身の目前にて、ぶらーんと宙吊りにし)これなら転びませんし、話が早いです。さっさと行きましょう。此処で長居をしていたら茶をしばきに行く前に夜が明けそうです。(言えば上へと続く階段を長い足でするする登っていき)

キャッキャ！！そなたは力持ちじゃのう！( 宙ぶらりんのまま抵抗せずに身を任せ、自分で登るよりも幾分も速いペースで近づいてきた最上階を見上げ、 ) 夜明けに間に合いそうじゃ。ほほほ、良かった良かった。

(目前でのはしゃぎ様と視界の悪さに眉寄せるも最上階が目に入り)良かったですね。これで存分に俺の事をもてなせますよ。準備もあるでしょうし、ひと足お先にどうぞ。(言うや、高い高いの要領で相手を最上階へぽーんと投げようとして)

( 不意打ちで軽々と放り出されれば驚愕しつつ猫のようにくるりと体勢を整え着地し、 ) 我だから良かったものの、子供たち……特にミチルにはやっちゃだめじゃぞ？ 下手したら死んじゃうからね？ ( ため息交じりに注意しながら軽く呪文を唱え、塔と揃いのステンドグラス製のテーブルを出現させて )

しませんよ。弱いですからね、あの人たち。それなのに危険な所に行きたがるんだから、ワガママもいい加減にして欲しいです。(口調に僅かな呆れを含ませながら自身も最上階へとたどり着けば、あつらわれた空間を見て、へえ、と感想よりも感嘆めいた声あげて)ここは中々いいですね。暗さも相まって、あの机の下なら眠れるかもしれません。

そなたが寝たらお茶会はどうするのじゃ……ひとりは寂しいんじゃが……。( ため息混じりに呟き、ラスティカに貰った香りの良い茶葉、ネロに作らせた色とりどりのお菓子、アーサーに貰った可愛い形をしたお菓子、四人分はあるそれらをテーブルへ並べて自慢げに胸を張り ) まあ、準備も整った。ほれ、適当に座るが良い。

確かに、食べた後の方がよく眠れるとも言いますね。それならひとまず失礼します。(テラスが見える位置取りにかけては机上に並べられた物物に目を細め、近い位置にある可愛らしい菓子をひとつまみ)これ、中央のなんたらって所のやつですか。

よく知っておるのう、中央の雑貨店メリトロの砂糖菓子じゃ。( 魔法で湯を沸かし茶葉を入れれば相手の向かいに腰掛け、揃いのティーセットに注ぎながら相手が手にした菓子を一瞥し紅茶を差し出して ) 日頃の感謝にとアーサーから貰ったのじゃ。ほほほ、実に愛らしくて食べるのがもったいないじゃろ？

(どうも、と小さく礼を言い紅茶を受け取れば、机に両肘つき前傾姿勢で、左手のお菓子、右手のカッブを交互に見遣り)不思議な事を言いますね。菓子は食べるためにあるのに。カップに入るほど小さいものなんか一口で食べられるし、ここには食べる物がたくさんある。勿体ないことなんてありませんよ。

…………そなたは大雑把じゃのう。もっとこう、風情とか感じたりせんのか。( 行儀が悪い事には目を瞑り、双子人形を模した砂糖菓子を手に取り眺めれば微笑み溢し ) まあ、マドレーヌと貝殻を見分けられんおぬしに言っても意味はないか。

はあ。なんだか似たようなことを以前誰かにも言われた気がするな……(左手の菓子を見飽きたのか口の中に放り込んで咀嚼しつつ何事か考えるように空見て。かと思えば徐に呪文唱え、)…何か忘れていたと思えば、これを思い出しました。(現れたのは花瓶と、そこに活けられた一輪のエーデルワイス。それを机上の中心に置いて)

…………ほう、綺麗な花じゃな。色鮮やかなステンドグラスに囲まれ、白が良く映えておる。( 現れた花に驚きつつ、手元の砂糖菓子を紅茶に沈め、身を乗り出して香りを嗅いでみては花弁に軽く触れ観察し ) 誰かに貰ったのかのう？ そなたが自主的に持ってくるなんて、ちと考えられんのでな。

ミチルから。もし塔に行くことがあれば持っていって欲しいと言って渡されたんですよね。(一仕事終えたかのように清々しい顔しては手元の紅茶を呷り。先の相手の飲み方が気になったのか砂糖菓子に目を向けては、一つ一つをつぶさに見ていき)

なるほど、後でミチルに礼を言わねばじゃな。( 花の宛先に見当が付き輝くステンドグラス横目に微笑み溢し。柔くなった砂糖菓子を紅茶ごと一口含み舌で溶かしながら視線を前に戻し ) ……ミスラにも礼をせねば示しがつかんかの。欲しい物とかあるか？ 可能な限り我が応えてやろうぞ。

(ぱちりぱちり、と、相手からの聞き慣れない言葉を自身に順応させるかのように遅々とした瞬きをしては、砂糖菓子の群列、湯気の立ちのぼるポット、ステンドグラスの机、菓子、相手の持つカップ、花と共に見える相手の顔へと目を向け、)……それなら、この場所をください。

この場所を？ ( 周りのものを見渡しては己と目が合うと同時に溢された答えに、大きな目を瞬かせ反復する。口元に指を添えながら思案し、 ) 可愛くて頼りになるミスラお兄ちゃまのお願いなら、どーぞ！と言いたいところじゃが……思い入れのある塔じゃし、なによりスノウに聞かねば無理じゃな。代わりに、この塔を模したティーカップなんてどうじゃ？

流行ってるんですか、塔を模した物を贈るの。賢者様も貰ったと言ってましたけど。ああ…でも、あの人のはティーカップじゃなかったな。(右手の人差し指でティーカップの持ち手上部を奥から手前、手前から奥へと往復させるようになぞりながら話し)

我らの間では大流行じゃ！賢者ちゃんにはキャンドルスタンドを贈ったのじゃが、めちゃめちゃ喜んでくれたしのう( キャッキャと上機嫌にウィンクしながら返せば、両手で頬杖をついて相手の指遊びを眺めた後、軽く呪文を唱えれば紙とペンを出現させ、 ) なんなら、そなたのお気に入りの景色とかでも大歓迎じゃ。ほれ、もうすぐ夜も明けるし、あの景色でもいいんじゃよ？

じゃあ、それでいいです。(立ち上がり相手が出した紙とペンをとれば「夜明けの塔」と記入、だけに留まらず、その下に「流行りの塔を模したティーセット」と付け加え相手側の机上に置き、外へと目を向けては紫がかった空際にぽつり)明けますね。

( 書かれたメモでティーカップがティーセットになっていることに、欲張りだと微笑みながら軽く指を動かし紙をしまって、相手にならい色が増えていく空を眺めては ) ほほほ、ここからの景色は綺麗じゃろ？ ……我らは夜明けが好きじゃ。窮屈な絵から漸く抜けれるからのう！

あ。(相手の言葉聞くや口をぽかんと開けて短く言葉発し、)……そういえば、さっき言おうと思ってたんですけど、下に置いてきてたんですよね、あの人。(テラスへ向けて手を伸ばすと外から中へと黒くて四角い物体、基スノウの眠る額縁が飛んできて、相手の座る椅子に寄り添うように立てかかり)

そういうのは先に言おう、ミスラちゃん！？ ( 相手の言葉と同時に飛んできたモノに気付けばぎょっとして声荒げ、立てかけられた額縁に抱きつく為に床に膝を立て腕を伸ばせば、頬膨らませ相手を見上げ ) 相変わらず我らの扱いが雑じゃない？ こんな可愛い我らを無下に扱い過ぎじゃない？ …………そろそろ、仕置が必要かのう？

いりません。貰うのはここにあるものと、さっき紙に書いたものだけでいいです。(苦い顔しては中和させるように机の上の菓子を掴み口に入れ、続けて小ぶりなものを摘み相手の口元に運んで、)美味いですよ、普通に食べるのも。紅茶に沈めるのは見ていて面白かったですけど。

あーん。……んー！そなたの言う通りおいしいのう！( 口元に出された菓子を猫かぶりながら迎え入れ咀嚼すれば満足気に笑み浮かべ、更に甘えた声で口を開けて ) まるで仲の良い兄弟のようじゃ。ミスラお兄ちゃま、我、そこにあるクッキーも食べたーい！

これですか？(向かいに置いてある皿からひとつ取っては自身の口に放り、もぐもぐごくんと、あっという間に胃の中へ)ふーん、これも悪くないですね。(と再度同じ皿から摘むも運ばれる先は己の口で、)

そうそう、それじゃ！それ、なん……じゃが…………うーん？ ( 一枚、二枚と皿からクッキーは減っているのに、己の口に運ばれることはなく目の前で相手の口へ吸い込まれていく様子に首を傾げ、 ) そなたに頼った我が悪かった、自分で取るとしよう。( 溜息と共に呪文を述べ、大人へと姿を変えれば皿に手を伸ばして )

ああ、あなたが食べたがったんでしたっけ。それなら、もう一度言えばいいのに。(下から上へと指を振っては先程額縁を飛ばしたように今正に手が伸ばされているクッキーを相手の口内目掛けて弾丸のように飛ばして)

ちょっ、むぐっ！？ ( 豪速球で向かってきたクッキーに為す術なく着弾され、物理的にも感情的にも頬を膨らませ頭上から相手見下ろし ) これっ、ミスラ！食べ物を粗末にするでない！！我でなければ吐き出しておったぞ？

粗末？あなたが早く食べたそうにしてたから食べさせただけですけど。魔法で食べさせたのがいけなかったんですかね。手から食べさせた方がいいですか？(眉間にしわ寄せ怪訝そうにしては、クッキーの皿から新たに1枚とり、手首のスナップきかせて相手の口目掛けて投げて)

こらーーーーっ！！( 放られたクッキーを魔法で受け止め怪訝そうな相手睨みつけるも、溜息溢し ) まあ、渡し方に問題はあるのじゃが、ちゃんと渡してくれてありがとうミスラ。……ルチルが居ればそなたにマナーを教えられただろうにのう。

どうしてそこでルチルの名前が出て…ああ、もしかして他の魔法使いに会いたいんですか。(相手の態度もなんのその、何処吹く風の澄ました表情で応えては、大分白んだ外光により床から天井まで彩られた塔内に視線走らせ)

そなたを躾けられるのはチレッタ、フローレスの血でないと無理そうだと思っただけじゃ。ミチルには大役過ぎて務まらんしのう。( 溜息溢し子供に戻れば腰を落ち着け、砂糖が沈んだままのティーカップをくるりと回し ) ……まあメタい話じゃが、我の姿に飽きた所もあるが。メタい話って、してよかったかの？

姿を変えて話すことしか目的にしていないので構いません。色々と最初の掲示板に書きましたが、全体の規約とマナーを守っていれば、あとのことは参加している当人達の采配で好きにやればいいと思います。(指ぱちんと鳴らしては空間の扉を出し、)…この塔も大分楽しんだので移動もします？眠れるか試すのは今度でもいいですし。

ほほほ、なら良かった。……我が粗相をしてしまったら遠慮なく言ってくれると助かる、はしゃいでしまう時があるからのう。( 現れた扉見遣れば、柏手と同時に茶会のテーブルや椅子を霧散させ、 ) そうじゃな。我のお茶会に付き合ってくれてありがとう、ミスラ。お陰で楽しい時を過ごせたのじゃ！

《アルシム》(先よりがらんとした塔の、隅々にまで自然と行き渡るような響きと共に結界と祝福を巡らせて、)また過ごせますよ。茶会でも、お泊まり会でも、妖怪でも。あなたがころっとやられなければ。

…と、長々と引き止めるものでもないので姿も場所も、お好きにどうぞ。空間の扉は特別仕様なので、くぐればあなたの好きな所に繋がります。細かい事が面倒なら急に変えてもらっても構いません。心の匙加減でいくらでも変化する場所なので、心の赴くままにやってください。(ぐぐ、と伸びして様子見の体、)

結界のついでに祝福もだなんて、さすがミスラちゃんじゃ！我が簡単に死ぬみたいに言われるのは腑に落ちんが……優しくて楽しいそなたとまた会える時を楽しみにしておるぞ。( にんまり笑み浮かべ、するりと扉をくぐれば幽霊が如く姿消し )

────

おまえの好みが分からなかったので、オレだ。ふふん、驚いたか？ ( 談話室の扉勢いよく開け放ち、胸を張り ) おまえの望みがあるならアシストロイドなり妖怪なり形を変えたり、別のやつに変わってもいいが……一ヶ月後の話になる。なにかあるか？

(相手が姿消す様見ると、どこか薄ら寒さ感じて腕をさすりつつ辺りを見回し。ふと残された相手の片割れに目を止めれば引き寄せて湯たんぽのように抱きしめて、相手の後続くべく扉の奥へと消え)

_______________


……ああ、驚いた！その威勢のいい声はシノだな。(豪快に開け放たれた扉の音に、すかさず剣の柄へと伸ばした手を上にあげてハイタッチ待ち)姿を変えるのは面白そうだが、俺からは特にこれといった希望はない。姿や設定よりも、こうしておまえと話せることが嬉しいからな。
でも、どうしても候補をあげろと言うなら、その時はガチャで決めよう。(何故か談話室のすみっこに置いてあるカプセルトイの機械を指差し)

さすがカインだな、正解だ。( 相手と手を重ね音鳴らし、色違いの瞳見つめながら満足気に笑み浮かべ ) オレもお前と話せて嬉しいが、どうせならもっと喜んでもらいたいだろ。まあオレからの希望もないから、好きに呼んで好きに語らおうぜ。
……だが、ガチャに命運を預けるのも面白そうだ。誰が持ってきたかわからないが、機会があれば遠慮なく使わせてもらう。( 差された先の機械一瞥し、笑み深めて )

(小気味よい音と共に現れた相手の姿に屈託ない笑顔向けて)ぜひ使ってくれ。最近の俺たちはガチャに縁がないからな。任務も、季節の催しも参加できなくて……と、シノはこの間誕生日だったから縁はあるか。

そろそろおまえの出番なんじゃないか？ 次の専門店、ファンタジアは中央だと思うぜ。( 根拠のない自信と共に腰に手を添えウィンクひとつ、 ) 俺の誕生日姿はかっこいいだろ？ 賢者もみんなも褒めてくれたし、毎日が誕生日でもいいくらいだ。カインの誕生日姿も楽しみだが……8月か、長いな。

はは！おまえが言うと本当にそうなりそうな気がしてきた。確か東の魔法使い達ももう一度ファンタジアがあるだろ？もしかしたら一緒に任務をすることになるかもしれないぜ。その時はよろしくな！(言い切る姿にからり笑っては、相手の肩に手を置いてぽんぽん、と2度叩いて)あの衣装、とても似合っていたな。髪飾りも映えていて綺麗だった。(こくこく、)8月と思えば長いが、あと3ヶ月程だと思えばそうでもないさ。おまえと出会ってもうすぐ2ヶ月だが、来てくれた時の喜びは今でも昨日の事のように思い出せるからな！

…っと、つい前の話までして長くなったが飛ばせそうなところは飛ばしてくれると助かる。実の所、長い話は敬語と同じくらい得意じゃないんだ。(頬かき苦笑い)

( 相手の笑顔に、功績を挙げるのも綺麗なのも当然だ、と口角上げ誇らしげに笑み ) もうすぐ2ヶ月か……早いな。ふふん、ただおまえと話してみたい好奇心で近付いたが、喜んでくれたなら光栄だ。それならお礼にレモンパイを作ってくれ。それか実技をしたい。ネロは居ないし、ファウストは座学ばっかりでつまらないからな。……談話室は狭いから無理か。( ため息と共に呟き )

わかった、おまえが苦手なら善処しよう。だが、オレはなにもかも拾いたくなったり、言いたいことが溢れて長くなる傾向がある。今回もそうだしな……。そんな時はおまえも飛ばしたり蹴ったりしてくれるとありがたい。( 色違いの双眸見つめ頷き ) ちなみに、ここへの返信も蹴って構わないぜ。同意と受け取るからな。

実技をしたいなら移動してもいい…(と話しながら外に目を向けると、ちょうど窓硝子にぽつぽつと水滴がつくのが目に入り、)……今日は雨だったのか。空の色は暗いし雲も厚い。これから外に出たら本降りと鉢合わせそうだな。そうなったらヒースが心配しそうだし、残念だが、また別の機会にしよう。

オレは雨くらいどうって事ないが……分かった、実技はまた別の機会に頼む。( 主人を引き合いに出されれば不服げに了承し、空いているソファーに無造作に腰下ろしぽつり、 ) …………雨は退屈だ。自由に動けないし、森も静かで暇になる。だが、ヒースは雨の音を気に入っていた。……おまえはどうだ？ カインは、雨は好きか？

そうだな…自由に動ける晴れの日も好きだが、雨の日も好きだぞ。昔から雨の音を聞くと心が弾んだが、子供の頃に聞いた「雨と唄う男の話」でますます好きになった。男が雨の中歌う場面があるんだが、途中でわざと持っていた傘を閉じて、雨粒と共にタップダンスで地を叩き鳴らしながら舞うんだ。その話を聞いて以来、雨の日は自然とその場面が思い浮かんで、あの男のように踊り出したくなる。(段々と雨が窓硝子を打つ音が強く早く鳴り響けば、ステップを踏むような軽やかな足取りで相手の近くのソファへと移動し、背もたれへと手を軽く置いて相手に向き直り)

「雨と唄う男の話」……？ 奥様やヒースに聞いたことがある気がするが、詳しくは知らないな。それに、自分から濡れにいくなんて物好きだな、そいつは。( 怪訝そうにしつつ軽快な足取りに視線奪われ、動きを止めた相手見上げれば立ち上がり、掌差し出し ) だが、楽しそうなおまえを見るとオレも踊り出したくなる。一曲、オレと踊ってくださいますか、騎士団長さま？

(誘い聞くや忽ち表情に喜色を纏わせ目前まで歩み寄り、一礼するように右手を上から大きく円を描くように下ろし胸に当て)もちろん、喜んでお受け致しましょう。(言い終わるや魔法で談話室の家具を壁へと追いやり、差し出された掌を取り)未来の英雄に誘われる機会なんて、めったに無いしな！

雨音に合わせて踊るのは初めてだ。たまに社交界でヒースが無理やり付き合わされて踊る様子を見ているだけだしな。( 騎士然とした所作にいつか真似してやろうと思いつつ、重なった手を手繰り距離を詰め、動きやすくなった談話室見渡し ) ……タップダンスってどうやるんだ？

細かいことは気にせず思うままにやればいい…と言わても困るか。(手を離しては一歩後ろに下がり相手との距離を空け、)今の俺たちは普段履きの靴だからタップダンス専用の靴みたいに音の違いは分かりにくいかもしれないが、床を靴の前部分や踵、爪先、全体を使って叩いたり、体重を乗せたりして音を鳴らすんだ。例えば……(右足の膝曲げ上げては、やや前方に蹴り出すような所作で床を掠めるように踵を当てカッと短音鳴らし、次いで蹴り出した足を戻す際には床を靴の前部で掠めさせるようにタッと短く軽い音打ち鳴らして、最後に足全体を使って体重乗せて着地すればダンッと重い音が響き、)……こんな感じだな。音の違い、分かったか？

( 耳澄まし３つの動作と共に鳴る３つの音に感嘆の息を漏らしては頷きを繰り返し、 ) わかった、わかり易かった。凄いな、足一本だけでこんなに音が出せるのか。……カッコいい、絶対に習得してやる。( 意気込み相手を真似し足を振り出したり戻したりするものの、聞こえるタンタンと幼稚な音に首傾げ、 )

シノは筋がいいな！初めてだと1つの音を鳴らそうとしても、他の部分もあててしまってバラバラとした音を出すやつが結構いるんだ。その点おまえは一音一音がしっかりと個別に鳴っている。あとは音を出そうと意識しすぎずに力を抜いたら、いい音が鳴ると思うぜ。(不思議そうな相手に微笑むと相手の左隣へと移動し、先のダンスをゆっくりと行って見せて)

ふふん。良い手本のお陰で、すぐ習得できそうだ。( 満足気に口元緩め、助言を胸に相手の動きを観察し真似て何度も繰り返し、漸くそれっぽい音が踵から鳴れば ) ……聞いたか？ 「カッ」って鳴った！おまえの音には劣るが、鳴ったぞ！

ああ、はっきり聞こえたぜ！やったな！(今までよりも明らかに軽快な音を聞けば、自身のことのように嬉しそうに笑い、喜びそのまま表すように相手の腕を叩いて)もう一度、地を叩く雨粒のように軽やかな音を聞かせてくれよ。そして疲れているなら少し休憩しよう。

いくらでも聞かせてやる。( 相手の催促に自信満々、意気揚々と蹴り出すも鈍い音が響き、ムッと口を尖らせ、 ) ……そういうと少し疲れたかもしれない、カインの言う通り休憩にしようぜ。おやつを探しにキッチンへ行くのもありだな。

よし、それならキッチンへ行こう。ネロがリケやミチル辺りに作ったお菓子の残りがあるかもしれない。…さて、誰かが部屋に入って驚かないように、一応此処は整えておくか。(魔法で家具を元の場所に戻せば、労うように相手の肩に手を置き、談話室の出口へと己が一歩踏み出すと共に優しく誘うように押して)

無ければネロにねだればいい。部屋に押しかければなにか作ってくれる筈だ。( 菓子に思い馳せながらすっかり元通りの談話室を一瞥し、共にキッチンへ。雨音の響く道中、ふと思い出して相手を振り返れば、 ) そういえば、随分と慣れているようだったが、タップダンスはよくやっているのか？

本格的なタップダンスは稀だが、気分が上がった時にやることはある。新品の靴を買った時とか、おまえがダンスに興味を持ってくれた時とか。音楽や楽器が無くても踊ることは出来るが、音があったほうが楽しく踊れるんだ。(振り返る相手に笑いかけると、その場で小刻みなリズムを足で刻み、最後に大きく相手の隣へと跳躍し両つま先でトンっと着地し、そのままくるっと回って相手の方向いて一礼して)…シノはあまり踊る機会が無いと言っていたが、気分が上がった時はどうしているんだ？

カインの出身地、栄光の街は舞踊が有名と聞いたが本当らしいな。楽しそうだし、見聞きしてるこっちも混ざりたくなる気質がある。( 軽やかで胸躍るステップに自然と表情弾ませ、一連の動作を見届ければ小さな拍手とともに溢し、暫し考えてから ) オレはそうだな……口笛を吹いたり、森に行って少し体を動かす。だが、これからはお前に教えてもらったタップダンスをやるかもしれない。

はは、随分と嬉しいことを言ってくれるんだな！おかげで次にシノの気分が上がる時が、俄然楽しみになった。(からりと笑い無遠慮に大型犬可愛がるような手つきで相手の頭を撫でようと手を伸ばして)

( 不意打ちで数秒撫で回されるも軽く払い除けては眉を寄せ、 ) あまり頭に触るな、縮んだらどうする。……だが、すぐに見れるかもしれないぞ。キッチンから甘い匂いがする。( すんすんと鼻を動かせば目的地であるキッチンを親指で差し、にんまり笑み )

縮まない縮まない。仮に縮んだとしても、おまえは変わらず素敵だと思うぜ。(除けられた手をそのまま己の胸前に持って行き拳固め力込め話すと、相手の指す方向から漂ってきた匂いが自然と鼻腔を擽って、)…本当だ。甘いもの好きの魔法使いが集まりそうな匂いだな。もしかしたら既に誰かが嗅ぎつけて食べ始めているかも？

オーエンあたりか？ あいつは甘いものに目敏いからな。……全て食われる前に急ぐぞ！匂いだけしか楽しめないのは癪だ。( 相手と肩を組もうと腕上げるも届かずに急かすように軽く肩を叩く程度で終わり、我先にと駆け出して、 )

今のは冗談…って、もうあんな所まで行ったのか。さすが早いな。誰かとぶつからないように気をつけろよー！(先駆ける背中に感嘆と共に小さく苦笑零しては、大声で注意喚起しつつ自身も急いで後を追い)

( 背中に注意受ければ片手上げ了承の合図送り、入口付近で足を止め警戒しつつ中を伺い、 ) ……何かが居る気配がする。様子を見るか、突入するか。どうする？

(追いつき相手に倣い足止めては、入口横の壁に耳あてて中の様子を探るも眉寄せ、)…中から物音が微かにするが、何の音かは検討がつかない。金属音のようにも、何かが擦れる音のようにも聞こえる。中にいるのは他の魔法使いだと思いたいが、侵入者だとしたら早急に対処した方がいい。(壁から離れれば、相手の肩を掴み強い眼差しで)突入しよう。何かあった時のためにシノは後ろで援護してくれないか？

……わかった、おまえが見えない分オレが見てやる。だが、手柄はオレが貰うからな。( 視線向け頷くと同時に魔道具の大鎌を出現させ、少し後ろに下がり構えては準備万端だと態度で示し、 ) 突入のタイミングはおまえに任せる。

了解だ。頼りにしてるぜ。(すらり剣を抜き入口の手前まで進めば、目を閉じ神経研ぎ澄ませるように深く一呼吸した後、)…いくぞ！(小さく鋭い合図と共に大きく室内へと踏み出し気配の感じられる方向へと剣を向け)

( 緊迫した空気纏わせ合図と共に室内へ向かった相手に続くも、気配のする方に人影はなく、注意深く視界に留めながら相手に耳打ち ) ……人の姿は見えない。獣が迷い込んだか？ ( 獣という単語を放つと同時にふと思い出し、緊張を解きながらぽつり、 ) ……昨晩、レノックスの羊が一匹で彷徨ってるのを見たから、そいつかもしれない。

ひつじ…羊か…(思いがけない言葉に瞬き拍子抜けした表情するも、小さく首を横に振り今一度引き締めて得物握り直し、)確かめてみよう。おまえから見えないとなると、あの物陰の辺りが怪しいな。(死角になっている机の下に視線やってから相手に目配せして)

あそこか、見てくる。( 相手の視線追えば頷き返し、緩まってしまっていた緊張を張り直しながら机の下が見える場所へ静かに移動するも、笑みを溢すと同時に相手を手招きし ) ふっ、見ろよカイン。羊がボウルに入った花を食べてるぞ。( 前足で器用にボウルを何度も傾け装飾用と思われる食用花を食む羊の姿を顎で指して )

(招かれるまま相手の元へと向い、見知った動物に目を留めると表情和らげて警戒を解き、静かに刃を鞘へおさめ、)可愛いな。…昨晩シノが見た羊と同じなら、昨日から何も食べていなくてお腹が減っているのかもしれない。俺達のことには目もくれず、ひたすらに食んでいる。(その場に片膝ついては、ボウルの中から羊の歯型が残る花と二、三個新しい花を取り出して羊の傍らに置き、)この食べっぷりを見ていると、こっちまでお腹が空いてきそうだ。

かわいいが人騒がせなやつだ。……おやつを食べた後でレノックスに届けるか？ ( 相手の言葉でキッチンへ来た目的を思い出し、提案しながら辺りを見回しお菓子を探すも見当たらず、 ) だが、おやつが見当たらない。もしかして、作った時の匂いが残ってただけか？

それか、こいつが食べたのかもしれない。食いしん坊万歳みたいだからな。(羊の背中を柔くぽんぽん叩き可愛がってから、食用花の入ったボウルを掴み、よし、と短く気合い入れて立ち上がり、)無いなら作ろう。そういえば最初にレモンバイが食べたいって言っていたよな？(ボウル机上に置くと食材保管されていると思わしき棚を手当たり次第開け物色し始め)

言った。奥様のレモンパイが一番いいが、おまえの作るレモンパイも食べてみたい。作ってくれるのか？ ( 大好物の名前が聞こえれば、菓子を食べつくしたかもしれない容疑者を睨むのを止め、物色を始める相手の後ろを目を輝かせながらついて回り、 ) オレは食べるの専門だが、手伝いが必要なら遠慮なく言え。新鮮なレモンが必要なら市場で買ってくるか？

ああ、作ろうかと思っていたんだが、……どうも材料を切らしているみたいだ。パイ生地もクリームも見当たらない。(棚中に綺麗に陳列された食材、調味料を掻き分け探すも見当たらず、配置崩したそれらを成る可く元通りになるように並び戻しながら、)こうなるとレモンだけじゃなく他のものも買わないといけない。一緒に行ってくれるか？

そうか、わかった。買い出しの手伝いは慣れてるからな、何処へだって付き合ってやる。( 胸を張り自信満々に答えながら窓を見遣り、未だ止まぬ雨に先程の話を思い出し ) ……タップダンスは無理だが、「雨と唄う男」のように歌って踊って濡れながら行くか？ 楽しそうだ。

それいいな！道中が賑やかになりそうだ。(相手に向き直り弾んだ声で頷き、)ただ、濡れ鼠で市場まで行くと人々を驚かせるだろうから、行きは傘を使って、帰りは好きなように踊ってみるのはどうだろう？シノの大鎌捌きは見事だから、傘を使ったダンスも上手そうだし見てみたい。

それもそうだな、濡れたままだと物を売ってくれないだろうしな。( 納得と共にしまい忘れていた大鎌を消せば、腰に手を当て胸を張り、 ) 大鎌と踊ったことはないが、傘と踊るカッコいいオレの姿を見せてやる。おまえのダンスも楽しみだ。カインは背も高くて見目も良い、絶対にカッコいいからな。

ありがとう。男前なあんたに褒められると照れるな。(照れ臭さよりも喜びを前に出すように声たてて笑いながら相手の肩をばしばし叩き、)その言葉を裏切らないように、栄光の町街出身の騎士として精一杯のダンスを披露しよう！…この羊を送り届けた後で。(足元の羊抱えあげると食べるものを無くした彼から、めえ、と批難の声が上がり)


この姿を取ってからもうすぐ1ヶ月が経つが、姿を変えなくても平気か？もし変えたいようなら今が節目かと思って声をかけさせてもらった。あんたに何か変え時の考えがあったり、特段まだ変えなくてもよかったりするなら、こっちは蹴ってくれて構わない。

放って置くとどこに行くかわからないし、かわいいコイツが夕飯に出てくるのは見たくないからな。( 鳴き声挙げた羊を指で撫で )


もう一ヶ月か、早いな。( ほう、 ) どうせならカインが持ってきた……わけじゃないが、なぜだかあった談話室のガチャも使ってみたいし、変身したい。……どうやって使えばいい？ フレンドポイントガチャか？

(撫でられると先までの機嫌が治るどころか、うっとりとした表情に変わり、もっと撫でられようと相手の方へ身を乗り出す羊を抱え直して、)っと…、どうやら俺よりシノの方がいいみたいだ。代わってもらってもいいか？(相手が取りやすいようにやや膝曲げて羊近づけ)

なるほど、フレポか！賢者様がよく貯めて困っているから、それにしよう。単発で相手と被ったら引き直しでいいか？

カインに懐かないのはさっき食べ物を取ったからじゃないか？ ( 羊を受け取れば小脇に抱え、やや雑に撫でながら ) 届け先はレノックスの部屋か、直接レノックスへ渡すか、だな。あいつがどこに居るか知ってるか？


貯めて困るほどだなんて、おまえの賢者は勤勉なんだな。──単発で被ったら引き直し、それでいいぜ。……さっき引いてきたらレノックスだったが、カインはどうだ？

確かに。食事中に突然抱えられたら誰だって嫌だよな。悪かった、食事の邪魔をして。(謝罪と共にボウルから一欠片食用花摘んで羊の口元へと運び)今の時間だと南の魔法使い達の授業を受けていると思う。今朝、ミチルがリケに一緒に授業を受けないかと話しているのを聞いたからな。だが、どこでやっているかまでは分からない。

あはは、あの人に限っては催し事が好きだから、ついやりすぎるだけだと思うな。シノの賢者様はあの人と違って、物事を効率的に行うのが得意そうなイメージがある。
レノックス！すごい引きの強さだな！丁度俺たちが探しているし、あっ、そういえばこの間は誕生日だったよな？おめでとう！(顔ぱあ、)さて俺の次の姿は……………、オーエンか…。

( 口元に運ばれた食用花に鼻を近付け無心で食むも、一欠片なんてすぐに終わり不満そうにメェメェ声をあげる羊に呆れながら ) おまえの主人は授業中らしいぞ。……晴れてれば中庭で授業をやってそうだが、雨だったしな。屋内修行場に居そうだ。リケも一緒なら図書室かもしれないが……二手に別れて探すか？


あいつがそんな立派に見えてるなら、見栄を張らせた甲斐があったな。
ふふん、ありがとう。( にっ、 ) オレ宛じゃなくても祝いの言葉は嬉しい。レノックスにも伝えといてやる。
カインにとって因縁深い相手を引くなんて、持ってるな。お菓子を独り占めしたかもしれない容疑はまだ晴れてないしな。傷であろうと問い詰めてやる！ ……異論なければ次あたりで変わるか？ それともなにかあれば聞くぞ。

そうしよう。早くレノックスに返さないと、こいつだけ丸々とした羊になりそうだ。たくさん食べられるということは元気だということだから悪いことじゃないけどな。(ついつい追加の花を与えるも、一向に満たされそうにない生き物に苦笑いこぼして)俺は修行場に行こうかと思う。シノには図書館を頼んでもいいか？

見栄を張っていたのなら、いつか自然な賢者様も見てみたい。(ふ)
まだレノックスじゃなかったのに先走った…。言伝ありがとう。頼んだぞ！
おまえの引きを分けてもらったんだろう。普段は滅多に出て来ないからな。……姿の変更に関しては、少し驚いただけだから次回の変更で大丈夫だ。気遣いをありがとう！今までのあんたと話すのが楽しかったから、新しい姿のあんたと、どんな話をしようか今から楽しみだな。(わく、)

カインが修行場、オレが図書館だな、わかった。( まん丸羊も見てみたいと思いつつ抱え直し、相手と正反対の目的地に数歩進んだ先で顔だけ振り返りながら ) 羊を届け終わったらレモンパイを作るぞ、ヒースが驚くくらいうまいパイを作ってやる！

俺もおまえと話すのも楽しかったし、次の姿のおまえからの言葉が楽しみだ。（ ふ、 ） そういえば、おまえと話している時にオレ達がガチャで登場したのも嬉しかったな。……これからもよろしく頼む。

────────

……どうしたものか。( 授業終わり、昨晩から一匹少ない鞄の中の羊たちを眺めながら顔を曇らせ ) 腹を空かせてないといいんだが。

もちろん！ついでに歌と踊りもつけて盛大なサプライズにしよう！(片手をメガホンのように口元に添え、もう片手を大きく振って見送れば、自身も向かうべき途へと向き直り、急ぎつつも陽気な足取りで「本日のーおーやつはー♪レモンーパーイ♪レモンーパーイ♪」とやや字余りな歌を口ずさみながら廊下の角に姿を消した)

ガチャ凄かったよな！まさか話し始めてすぐに来るとは思わなかったから、偶然を通り越して運命かと思った！(こくこく、)こちらこそ、よろしくな！あまり意地悪しすぎないようにオーエンに言っておくが、もし困ったら呼んでくれ。必ず駆けつける。(に)…こんなところで、こっちはまるっと蹴っていいぜ。

________________


選べないなら、選んであげようか？(唐突に相手の前方射程圏外より平素の食えない笑みを浮かべながら現れ出ては、赤いカバンから覗く生き物に狙いを定めるように、距離を保ちつつ、しなやかな足取りで相手の左側へと回りこみ)

……オーエンか。( 急に掛けられた声に不意をつかれ視線上げ相手を確認し警戒、優々とした足取りで左に陣取られても鞄の羊に怯えた様子は見えないことから警戒を緩めては ) 選ぶ……オーエンが？

お優しい南の羊飼いは、生贄を選ぶのが難しいんだろ？だからだよ。手伝ってあげるって言っているんだ。(緩んだ隙に距離詰め鞄覗きこめば、蠢く羊たちの1匹1匹を品定め始め)それで、誰への供物なの。ミスラ？ブラッドリー？

いや、悩んでいたのは昨晩から羊が一匹足りないからだ。( 返答に頭振り反論しながら鞄ごと羊を抱き寄せては、やや見下ろす形で視線送り ) ……そういえば、オーエンは動物と会話ができると聞いているが、本当ならば頼みたいことがある。聞いてくれないか？

なんだ、つまらない。(笑み消すとがっかりしたことを隠そうともせずに言葉吐き、次ぐ相手の疑問に冷ややかな目向け)嫌。どうせ羊の行方を探すのに協力しろって言うんだろ。本当におまえが昨晩から探しても見つけられないなら、とうの昔に誰かが食べたに決まってる。今更探したって見つかるのは骨だけさ。

本当にそうだったなら、困るな。( 小さな羊を指で撫ぜ顔に影を落としては苦笑溢し、一匹取り出せば相手の眼前へ持っていき ) オーエン、一緒に探してくれないか？ ……ほら、おまえも一緒に頼んでくれ。

その羊にどんな力があるっていうの。獣一匹差し出せば僕の気が変わるとでも？(刺々しい口調で続けるも、鞄から取り出されても鳴かず、ぼやっとしている羊に片眉あげては呆れたと言いたげに溜息吐いて、)羊選ミスだね。そいつ、自分が何故取り出されたかも分かってなさそうだ。もしかしたら仲間が減った事にも気づいてないんじゃない。

そうなのか？ …………そうみたいだな。( 羊の顔を此方に向け相手の言う通りどこか抜けている様子に納得と共に鞄へ戻し、少し悩む素振り見せれば鞄の口を広げながら相手へ向け ) じゃあ、どの子なら気付いてそうか分かるか？

…獣なんてそんなものだろうけど。自分が生き延びるのが1番で、他のやつのことなんて、どうでもいいんだ。(鞄覗き込み戻された羊を見つけて無機質に話すと、あらためて視線を他の羊に向け。すぐに一匹を片手ですくい上げるように取り出せば、相手の胸元に押し付け渡そうとし、)…こいつかな。すぐに目が合ったし、そわそわ落ち着かない。いなくなった奴といつも一緒にいたのかも。

助かった、オーエン。……《フォーセタオ・メユーヴァ》( 押し付けられた羊受け取れば地面へと降ろしながら魔法で元の大きさに戻し。鼻を動かしながらのったり移動する様子を暫し眺め、 ) …………あっちは、食堂だな。ラムステーキにされてないといいんだが。

ぐちゃぐちゃにすり潰されてラムジュースになっているかもね。(助かったという言葉に眉顰めるも、その後に続く言葉に意地悪く笑み付け足しては、元の大きさに戻った羊の背に横向きで座り頭を撫でやりながら相手の方見て首傾げ)ねえ。こいつは歌を歌える？

( ラムジュースを想像して顔曇らせるが問いかけに表情戻し、背中の荷物をもろともせず心地良さそうに撫でられる羊、撫でる手、色違いの瞳、と視線を移して ) 鳴いているのはよく聞くが、それが歌かどうかは俺にはわからないな。おまえならわかるんだろうが……歌がどうしたんだ？

別に。賢者様の世界には乗ると歌を歌いながら歩き出す動物がいるって聞いたから、魔法使いの羊はどうなのか気になっただけ。(羊の耳の後ろを指で擦り撫でながら、態とらしく目を瞑りにこにこ笑い)のろまな羊の代わりに、おまえが歌ってもいいよ。食堂に並ぶ羊のフルコースに相応しい、暗くて、じめじめしていて、気が滅入るような曲。

賢者様の世界には不思議な動物がいるんだな……。( 想像の及ばぬ生態に感心し、続く言葉に暫し思考すれば ) お前の望むような歌を俺は持ち合わせていないが、羊の歌なら賢者様に教わったな。メリーという少女と羊の歌なんだが……聞いたことあるだろうか？

メリー…聞いたことある気がする。なんだっけ…(遠く見るように視線を宙へ投げたのも束の間、ああ、と短く合点得た満足感表すと、今度は心底楽しそう笑い羊の首周りを指でなぞって、)くくります、だ。メリーくくります。そいつの歌があるんだ？どんな歌？

クリスマスと少女のメリーは無関係だと思うが……。( 確証は持てずそれ以上の言及はせず、足を止めその場で撫でられるがままでいる羊に視線落とせば ) 学校行くメリーに羊がついていく童謡らしい。ルチルが気に入ったようで、よく歌っていたな。( 思い出せば鼻歌でリズムを口ずさみはじめ、 )

とんまなメロディ。いかにも平和＊＊した感じ。(鼻歌聞くとそう漏らしつつも、羊撫でる手は指揮を取るようにリズムに合わせて首元往復させ)…でもさ、もしメリーがくくりますと同じ奴なら、きっと羊はついてきたんじゃなくてメリーが盗んだんだよ。その歌を気に入ったルチルも、羊が勝手についてきたと言って日に日におまえから羊を奪うつもりなんじゃない。

…とんまはよくて＊＊はダメなのか。中途半端な規制だな。(む、)わざわざ言い直さないし規制される言葉ってことだけ分かればいいよ。特に重要な事じゃないから。こっちへの返事も要らない。

ルチルは羊が欲しいなら素直に言える子だ、そんなことはしないだろう。……それに、クリスマスのサンタさんは物を盗むのではなく、こどもに与えるのではなかったか？ ( 異を唱えながら羊を軽く叩き、相手を背に乗せたまま歩くよう催促し ) ……落ちないように気をつけてくれ。

メリーとサンタって同一人物なんだ？もしそうならミスラみたいに気まぐれな奴。その時の気分で盗みも与えもする。ルチルがその歌を気に入ったのも、ミスラを思い出してかもね…っ。(揚々と話すも突如動き出す羊に一瞬体強ばらせ、直ぐ様取り繕うように相手睨み)…落ちるわけないだろ。でも、もし落とそうとしたら羊共々ケルベロスのおやつにしてあげるよ。

( バランスを崩しやしないかと見守っていたが、いつもの調子で悪態を口にする様子に安堵し、ふと浮かんだ疑問をそのまま口にして ) そういえば、オーエンのケルベロスは羊を食べるのか？ 三つ首があるが、それぞれに味の好みなどあるのか？

ある。左の首は羊が好き。右の首は魔法使いが好き。真ん中の首はどっちも好き。おまえたちをおやつにしたら喜んで頭からばりばり食べるだろうね。(言い終わるや羊の頭を鷲掴むと、話も相まって驚いたのか、羊は、めえ！と甲高く鳴き、頭も体もぶるぶる震わせ乗っている己を落とそうとして。反射的に下りて距離取るも、すっかり興奮した羊はめえめえ鳴きながら一目散に食堂へと続く廊下を駆けて行こうと)

( 食堂近くまで駆け出した羊を捕まえると同時に魔法で普段よりさらに小さくし、手のひらに収め宥めてやれば幾分か落ち着きを取り戻した様子に安堵し、 ) ……うちの羊がすまない、怪我はしていないか？ だが、オーエンもあまり怯えさせるようなことは言わないでくれると助かるのだが。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

それくらいで怪我なんかしないし、おまえの羊が何に怯えるかなんて知らないよ。怯えないように特訓させたら？(羊宥める相手の様子を見つめるも言葉かけられては顔逸らしてすまし顔で食堂へと歩を進め、仄かに鼻腔をくすぐる匂いにぽつりと)…甘い匂い…。

( 相手の呟きで食堂へ意識を向ければ鼻腔に甘いかおりが届き自然と顔を綻ばせ、すっかり落ち着いた羊を鞄へ仕舞いながら、はぐれた羊は後回しに ) 確かに、おいしそうな匂いだ。小腹も空いてきたし、少し覗いてみるか。

(相手の提案に答えを返さないものの食堂の敷居を跨ぎ入ると、奥のテーブルに三段重ねの白クリームに花弁や果実の乗ったケーキが鎮座しているのを目ざとく見つけ。それなりに高さのあるケーキへと足早に近づくも、それが上から見るとハートの形をしている事に気がつくと眉寄せて)なにこれ。


ケーキも意味がわからないけれど前回の連投も謎だね。…嫌な気持ちになった？それなら僕が態とやった。(にこ)賢者様は後ろで額を床に擦り付けた滑稽な姿をしているけれど、何か言いたいことがあったら言いなよ。何も無ければ、こっちは蹴って。

ケーキ、だな。( 気侭に動く相手の後へついて行き、見慣れぬ形状のケーキを視界に入れては誰が作ったか分からぬそれを見下ろし一考、 ) 珍しい形をしているな。たぶん結婚式用だと思うが……誰のだ？ オーエン、心当たりはあるか？


嫌ではないが、なにかあったのではと……賢者様は無事だろうか？ 何事もないならそれでいいんだが。……この機会に便乗してしまうが、俺も昔、連投してしまっていた。この場を借りて謝罪させてほしい、すまなかった。……しゃしゃり出て申し訳ない、こっちは蹴ってくれ。

さあ？結婚なんていう約束になりかねない事をするのは、イカれた魔法使いか賢者様位だろうけれど。(何か手がかりは無いかケーキ周りを歩いて観察しながら、)そういうおまえも何か思い当たらないわけ？このあいだ東の魔法使い達の任務についていって、罵詈雑言を浴びながら花嫁を探したんだろ。

罵詈雑言……積極的に協力してくれる家は少なかったが、そこまでひどい仕打ちは受けてないさ。もしかして、心配してくれたのか？ ……ありがとう。( ゆるく目尻下げながら感謝述べ心当たりを探るも思い当たらず、 ) クックロビン夫妻が一番しっくりくるが、記念の節目はまだだっただろう。誰のか分からない以上、下手に手出しをしないほうがいいか。

……意味がわからない。(何か言いたげに口を薄く開き、迷子のように所在なさげな視線漂わせ言葉探すも諦めたのか小さく首を横に振って呟くように言っては、どこからかフォーク引き寄せて上段のハートの先端を切り崩し、ぱくりと頬張り)…甘い。

あ。( 頬張る様に一拍置いて気付き、反射的に止めに伸ばした手を顎に添え欠けたハートを眺めては、 ) ……西の国にある、不思議な洋菓子店のものじゃなければいいんだが。平気か、オーエン。

不思議な？(相手の言葉受け次の欠片切り分けようとした手を止めようとするも、その手は自身の意思に反して小刻みに震え。反対の手で震える手首を掴み抑えようとするもその手も震え始め、ついには体全体が漣を打つように震え始めて)

ムルが買ってくることがあるのだが、声が高くなったり背が大きくなったり、不思議なお菓子を売っている店が……オーエン？ ( 説明しながら相手の様子がおかしい事に気付き、毒や魔法の類を疑うも、ひとつ思い当たるものを思い出し ) ぶるぶるローズ……オーエン、体が震える以外に不調はあるだろうか？

こんなものに引っかかる時点で不調だよ。それに、あのローズは大量に食べないと震えないはずだ。このケーキ自体、何かがおかしい。(体の震えと共に声も震わせ苛立たしげに言えば、持っていたフォーク手放しすぐに魔法で操り、雑にケーキを切り分け一刺しすると相手の口腔めがけて飛ばして)

それもそうだが、……え？ ( 放られた一片に驚くと同時に口内に侵入され、そのまま咀嚼し嚥下。残ったフォークを右手で持ち直し、震え始めた体に深呼吸して落ち着かせようもうまくいかず、声も震わせたまま ) フォークが喉に刺さったら危ないだろう。それに、巻き込まないでほしかったのだが。

酷いな。僕はただ、羊味じゃない、甘くて美味しいケーキを分けてあげようと思ったんだよ。(震える相手と言葉に苛立ちを潜ませ薄笑いを浮かべ)ねえ、その震えを止めて欲しい？お願いするなら止めてあげてもいいよ。

( 相手の言葉の裏を読み警戒しようとするも体の震えが思考の邪魔をして、ここは甘んじておこうと溜息交じりに鞄を後ろに回しながら距離を詰め、 ) ……すまない、頼めるか？

…おまえ、どう止めるのか知らないの？(存外あっさりとしたお願いに片眉あげては訝しげな視線送り、いつもの癖で腕を組もうとするも体の震えがより強調されるようですぐに解いて)

誰かに抱き締められれば、止まると聞いたことがあるんだが……。( 怪訝な視線向けられれば首を傾げながら返し、招くように軽く腕を広げ ) ……ひとまず試してみるのも手だが、どうする？

平和＊＊した南の魔法使いには考えられないのかもしれないけれど、僕は抱きしめるふりをして、おまえを潰れたトマトみたいにぺちゃんこにするかもしれないよ。(やや早い口調で言っては苛立たしげにつま先で床を打ち)

性懲りも無く規制語句を使う頭の悪い賢者様は、そろそろこの姿が限界だってさ。おまえは変えなくてもいいけど、こっちは3回以内に変えると思う。一応、伝えておく。

( 不機嫌な相手から視線逸らし手持ち無沙汰の震える両腕を腰に添え、 ) それは困るな……。だが、良かったのか？ 言ってしまえば俺は警戒する、ぺちゃんこにするのは難しいと思うぞ。


そうか。名残惜しいが、伝えてくれてありがとう。おまえの次の姿も楽しみだな。……俺も変えたいと思うが、先程ポイントガチャを引いたらまた俺が出たからな、どうしようか。

……〈クーレ・メミニ〉(相手の言葉聞き終わり暫し沈黙したまま足元の音だけ響かせるも、その音を徐々に小さくし、やがて鳴り止ませては、据わった目で相手捉えては明瞭に呪文唱え―――――瞬間、先ほど後ろへとまわされた相手の鞄から二匹の羊を綿毛のようにふわりと飛び出させ、相手の死角から呪文唱えた己の元へ引き寄せようとして)



清々する、の間違いだろ。(目線ふい、)それじゃあお互いに変えてまっさらな状態で始める感じだね。まさか姿を決めるのに、律儀にガチャをするとは思っていなかったけれど。今の姿が天命だと思うなら続けてもいいし、あんなガチャに振り回されず好きなものになってもいい。好きにして。

…………！ ( 緊張感を感じながら挙動を見守っていれば相手の呪文が聞こえ、警戒感を強めるとふいに鞄が軽くなり、急ぎ引き戻すと同時に数を把握。行方不明の1匹を含め3匹足りない鞄を支えては拳を構え ) ……オーエン、羊たちをどこへやった。



そうだな、また新しくよろしく頼む。はは、誰をするか決めかねている時はガチャをするべきだとシノ……シノ先生に聞いたからな。まあ、好きなようにさせてもらおう。
……ああ。今更になるんだが、ルールに半也と記載があるけれど、俺が不慣れなせいで完也になってしまっているような気がする。( うむ、 ) 新しくするこの機会に、それも一新するのもありかと思うが……おまえの望むようにやってくれ。

毛を逆立てた猫みたいに構えなくてもいいだろ。おまえのお願いを叶えようとしているんだからさ。(右手を前に差し出し掌を上向ければ、相手の鞄から取り出した1匹が磁石に引き寄せられるように素早くその上に乗り)お礼はこいつでいいよ。飽きたら野放しにするだろうけれど。(話しながら相手に気づかれないよう、もう1匹を相手の遥か頭上へ浮かし、大きさを元よりも少し大きめのサイズにすれば準備万端と1人ほくそ笑み)


ここが半也なのは作ったやつが面倒くさがりの一人ぼっちだからだよ。完也と書くと敷居が高そうなのと、管理も大変そうだから半がいいって。でも、おまえはお行儀がいいし、2人しかいないから半でも完でも平気。やりたいならやりたいって言ったら？おまえの言うことなら変えると思うよ。

お礼には別のものを用意する。だから、その子を離してくれ。( 勢いよく掌に乗せられた驚きで呆けたままの羊に、構えた拳を下ろし交渉に出てみるも不敵な笑みを浮かべる相手に不信感は拭えず、いつでも駆け出せるように軽く足を広げては、ふと疑問が浮かび ) ……もう一匹をどこへやった？


そうか、俺のせいでおまえに無理強いしてないかと不安だったのだが、平気ならばよかった。俺に合わせてくれてありがとう。そうだな……俺としてはこのまま完の方が楽だが、たまにこうして緩く話してもらえるとありがたい。おまえの気が向けばで構わないし、強要するつもりはないから、好きにしてくれたら、と思っている。

望めば手の届く場所。その望みも叶えてあげる。2つも叶えてあげるんだ。安い代償でしょ？(瞬間「めぇ！」と相手の頭上に浮いていた羊が恐れおののくように鳴くと、それが合図かのように重力に従い真っ直ぐ落下し。その羊が救いを求めて相手に抱きつこうと手足をばたつかせるのを尻目に、己は踵返して機嫌よく笑いながら掌の羊と共にどこかへと姿眩ませ)


それじゃあ今までと変わらないね。話したければ話すし、何も無ければ話さない。おまえも我慢しないでシノ先生に教えてもらった事を披露していっていいんだよ。本番前の練習として。
…そんなことを話してモタモタしていると姿の変え時を失うから先に変えておく。(さっと衣翻し)


_____________________



(衣翻し姿が現れたかと思えば、その姿は先までとは全く異なるもので。胸に手を当て緊張からか目をぱちぱちさせて、)はぁ～すっごくドキドキした。なりきり遊びって難しいな。

大事な一匹だ、安い訳が──ッ！？ ( 羊を離す気のない相手に食って掛かろうとするも、頭上からの鳴き声にハッと視線上げれば迫る白に視界は占拠され、それが羊と理解するより早く抱き留めるも、普段よりやや大振り故か重心が後方に。姿勢を立て直している内に姿眩ませた相手を追うため、急ぎ羊を鞄にしまいながら食堂を後にして )


はは、それもそうだな。これからも変わらずよろしく頼む。( 唇に指を添え軽いリップ音と共に離すも、すぐに姿勢を戻し ) ……やはり慣れないな。
オーエンと話すのは新鮮で楽しかった、ありがとう。せっかくだし、俺も姿を変えようか。( 羊を煙幕に見立て姿隠し )


────────


( スケッチブックを閉じる音と共に羊の煙幕は跡形もなく消え失せ、現れた異なる姿で楽しげに笑み溢しながら ) ふふ、なりきり遊びって難しいけれど、とっても楽しくて色んな意味でどきどきしちゃうね。クロエ、私とも仲良くしてくれるかな？

あっ、ルチル！もちろん！俺も君と仲良くなりたいな。(相手見るや瞳輝かせ、胸に当てていた手とは反対の、何かを持っていた手を背中に隠し駆け寄りながら話すも、いざ相手の目の前に立つと罪を恥入るように縮こまれば、同じ身長のはずの相手よりも小さくなったようで)それなのに挨拶も、大切なお祝いも遅くなってごめんね。プレゼントを仕上げるのに思いのほか時間がかかって…うーん、言い訳になるな。とにかく、俺の都合で遅れてごめん。

きっとクロエのことだから、時間がかかったのは私のためを思ってでしょう？ いっぱい私のことを考えて、私が喜ぶようにたくさんの時間をかけてくれてくれたんだよね。ありがとう、クロエ。その気持だけでも嬉しいのに、プレゼントもあるだなんて……！ ふふ、とっても嬉しい！ ( 不安に揺らぐ菫色の瞳をまっすぐ見つめながら言葉をかける表情は嬉しさで緩んでいて、小脇にスケッチブックを抱えては期待感を隠さぬ踊る声色で ) どんなものか見せてもらってもいいかな？

…うん！(相手の言葉を聞く内に体の強ばりは徐々に解かれ、表情は笑みを浮かべ。後ろ手に隠したものを求めのままに前へと出せば、それは羽や刺繍で彩られ、大小長短さまざまなポケットの付いた少し大きい布製のショルダーバッグのようなものであり、)ルチルには沢山の趣味があるから何を作ろうか凄く迷ったんだけれど、なんとなく最近絵を描く機会が多いのかなって思って。だから今年はスケッチブックカバーを作ってみたんだ。この肩紐は両端の金具で取り外せるよ。(説明しながらカバーの背表紙部分の上下についている金具を摘み、肩紐に指滑らせ掌に乗せて)

まあ、素敵……！ ( 綺麗な羽や丁寧な刺繍で飾られた、己の為に作られた世界に一つだけのプレゼントを目にすれば、思わず感嘆の声を漏らし無邪気に瞳を輝かせ。相手の説明でどれほど己を思ってくれたのかがありありと分かり、嬉しさで胸をいっぱいにしながら ) とっても素敵なプレゼントをありがとう。刺繍も羽飾りもすごくおしゃれで、思わず見入っちゃった。ポケットもいっぱいで、たくさんの画材を一緒に持ち歩けちゃうだなんて嬉しい。肩掛けだからお弁当を持ってピクニックもできちゃうね。ふふ、これからのスケッチが楽しみ！ ……そうだ、クロエ。このあと一緒にお散歩へ行かない？

喜んでくれてよかった。(安堵からか少しばかり涙目になりつつ相手の目に見えて嬉々とした姿に此方からも満面の笑みを返し、誘いにも首を大きく二度、こく、こく、と縦に振って)うん、うん！喜んで！目的のある散歩でも、気ままにする散歩でも、そのどちらでなくてもルチルと一緒にしてみたいな。今回はどんな散歩？必要なら日傘も、ラスティカに頼んでティーセットも持ってくるよ！

( 同意得られればさらに笑み深め、じゃん！ と脇に抱えていたスケッチブックを顔の横に見せながら ) ティーセットも素敵だけれど、クロエのプレゼントを早速使ってみたくて。だから、ティコ湖にスケッチに行きたいなって。少し遠いけれど箒で飛べばすぐだし、夜には満天の星空が湖に写ってとっても素敵だからクロエにも見て欲しいんだ。

ぜひ！さっそく使ってくれるなんて嬉しいな。もしよかったらカバーは俺がつけてもいい？(顔横に構えられたスケッチブックに、はっとしては相手の方へと両手伸ばし、)それにしても、どこに行くのでも楽しみだったけれど、ルチルの話を聞いてティコ湖に行くのが俄然楽しみになったよ。確か南の国にある湖だよね？俺、湖ってそんなに見たことが無いんだ。この服装で大丈夫かな。

ええ、もちろん！ クロエがつけてくれたら私も、このスケッチブックも嬉しいな。( 伸ばされた両手に丁寧にスケッチブック手渡しながら相手の不安に耳を傾け、目的地となるティコ湖の風景を思い浮かべては ) そうだね、南の国の中でも自然が多い場所だから、練習着みたいな動きやすくて汚れてもいい服装だと安心かな。着慣れている普段の服装でも問題はないと思うけれど、うっかり足を滑らせて湖に落ちたりなんかして濡れちゃうと大変なことになっちゃうから、着替えもあった方が良いかもしれないね。

そう言ってもらえて俺も嬉しい！それじゃあ早速、真心を込めてつけさせてもらうね。〈スイスピシーポ・ヴォイティンゴーク〉(証書授与される時のように腰を低くして受け取ると、呪文を唱えてカバーを浮かせつつ受け取ったスケッチブックの表紙を開き。相手の話を聞きながら、浮かせたカバーの差し込み口に表紙の角が必要以上に擦れないよう注意を払い入れ、裏表紙もほぼ同様の手順で仕上げ)練習着を訓練以外で着る機会って中々ないから、そういう意味でも面白そう。それだったら道中は普段着で、向こうに着いたら着替えることにしようっと。(低速で宙に浮かぶスケッチブックを回しては納得のいく仕上がりに笑み深め、相手に差し出し)これで完成！はい、どうぞ。

( 己が話している間に、相手の魔法によってスケッチブックは素敵な衣装を身に纏い、新品の衣装の喜びでゆっくり回りながら着飾った自分を存分に楽しんでいるように見え。ぽかぽかと胸が温かくなるのを感じながら差し出されたスケッチブックを受け取り、思い出深い絵本にするようにカバーを優しく撫ぜ、 ) ありがとう、クロエ。私のスケッチブックがこんなに素敵になるなんて、夢にも思わなくて……本当に、素敵なプレゼントをありがとう！ ふふ、あとでミチルやリケにもお披露目しなくっちゃ。( 己が着飾ったような高揚感のまま肩紐に腕を通し、準備万端と意気込めば ) それじゃあ、ティコ湖へ行こう！ 南の国まではエレベーターを使うけれど、そこからは箒での移動になります。クロエはラスティカさんと旅をしていたって聞くし、箒での長距離移動も慣れてると思うから大丈夫だとは思うけれど、疲れたらすぐ言ってね。

(羽と刺繍に彩られたカバーへ柔らかく触れる白い指先と向けられる慈しむような視線に、自然な嘆息と共に、綺麗、と言葉が口をつき出でては眩しそうに目を細め、)似合ってる。…なんて、作った俺が言うのはおかしいかもしれないけれど。ルチルのために作ったものがルチルの手元で輝いている。夢じゃなくて本当に。そんな光景を見せてくれて、俺の方こそ感謝したいくらい。ミチル達も喜んでくれるといいな。(その光景を思い描くよりも前に相手の言葉でこれからの目的に思考を現実へ引き戻し、腰に手を当て自信有げに笑い)気遣ってくれてありがとう。でも、たぶん大丈夫！長時間の移動はよくあったからね。ルチルのスピードに合わせるよ。


ルチルの綴る言葉が魅力的で、ついつい前部分を返してしまったけれど、返さなくてもいいからね。返すと長くなるだろうし、君と過ごすティコ湖の時間を早く楽しみたくて。実は話題に出てからずーっと楽しみにしているんだ。でも俺の返事が遅くて伝わっていないかも…そう思ったら居てもたっても居られなくて此処で付け足し！

( 嬉しい言葉に目を緩く細め感謝の念で笑顔浮かべて。続く相手の自信たっぷりな笑顔が頼もしく、エレベーターのある塔へと足を向けながら小さな呪文を呟き箒を召喚しては、己も自信有りげに微笑み浮かべ ) 私の箒はとびっきり早いって評判だけど、追いつけるかな？


まあ……！ ふふ、ありがとうクロエ。長くなっても困っちゃうから、言葉に甘えて前部分は蹴らせてもらうね。クロエとティコ湖に行くのがとっても楽しみで、少し急いちゃったかな？ って不安に思っていたんだけれど、そう言ってもらえてすごく嬉しい。私も返信が遅くなっちゃうから、お互い様で気負わずにできたら嬉しいな。

あっ…。確かにルチルの箒は早いけれど、一緒に早く飛べたら楽しいだろうな…。俺、頑張ってみるね……！(己の失言にぽかんと口開けて発言を訂正しようとするも逡巡の後に辞めて、意を決したように目に力いれ、拳固めて胸前に掲げて自身を鼓舞するように強く言うと、固めた拳とは反対の手に箒を召喚し)


そう言ってくれて、ありがとう。気づいたら姿を変えて1ヶ月経っていたから、内心すごく焦っていたんだ。今までの流れで行くと姿を変えている時期だし、もう飽きちゃってるんじゃないかな、とか。逆に俺が飽きてるって思われてないかな、とか考えちゃって。君が言ってくれたように、今後は気負わないようにするね。(ぐ)
君の気持ちが聞けてよかった！もし何も無ければ、こっちは返さなくても大丈夫だよ。引き続きよろしくね。

ええ、きっと楽しくてティコ湖へ辿り着く前からはしゃいじゃいそう！ ( 相手の言葉と共に召喚された箒に決意の高さが窺い知れ、共に飛ぶ期待感に胸を膨らませながらエレベーターの前までやってくると、マナ石を装置へ。扉が開くのを待ちながら、 ) あ！ でも、南の国は中央の国のような賑やかさや、西の国のような華やかさはないのだけれど、その分自然はたくさんあるから、今日はのんびり飛ぶのはどうかな？

自然の中をのんびり……めちゃくちゃ癒されそう……。それもいいなぁ……。(漠然と大自然の中を相手と箒で飛ぶ己の姿を思い浮かべては、力込めた拳解いて悩ましそうに眉寄せ、)どちらも捨て難いから、交互にやるのはどう？最初はルチルのスピードに合わせて、俺がついていけなくなったらゆっくりにするとか。でも俺に好都合すぎるか。…うーん。(己の唸りを見かねたようにエレベーターがチーンと悩む時間に終わりを告げ、ガラガラ音を立てて開いていき。ともすれば習慣から自然と足はエレベーターの中へと己を運んで、相手が入るのを待つため内部の開くボタンを親指で押して)

……交互に？ ふふ、とっても楽しそう！ ( 相手の言葉に目を瞬かせるも、互いの望みを叶え得る提案にパッと顔綻ばせ、共に行く旅路への期待感を箒と一緒にギュッと抱きしめれば、浮足立つ歩調で相手から一歩遅れてエレベーター内へ乗り込み ) それじゃあクロエが提案してくれた、最初は駆け抜けて、次はのんびり景色を楽しんで交代しながら行こうか。どっちも楽しめるなんて、嬉しいな。

いいの？よかった～。空を駆るルチルの姿はいつにも増してかっこいいから、間近で見られるのが楽しみ！（心軽くボタンから手を離し扉を閉めては、動き始めるエレベーターの揺れが舞台のせりが上がる様を彷彿とさせ。高まる気分と近づく本番に、箒と共に汗も握るも、瞳は輝かせて相手を映し）この扉が開いたら、何があってもルチルについていく。だから自分のペースで飛んでね。

それじゃあ、お言葉に甘えて思いっきり飛んじゃおうかな。( 緊張と期待が混じった瞳にまっすぐ見つめられ、こんなに楽しみにしてくれている相手の期待に沿えるにはまずは己が楽しもう、と意気込むと同時にエレベーターは静かになり南の国への到着を告げる合図が鳴って。プレゼントのカバーを振り落とさぬようしっかりと抱え込み、扉が開くと共に懐かしい故郷の風を感じれば深く深呼吸をし、 ) ──── よし、しゅっぱーつ！ ( 言うが早いかトンッと軽く地面を蹴って箒に飛び乗り、瞬く間にエレベーターから空へと移動して )

！…お、おーっ！(開いた扉から覗く景色に目を奪われていれば掛け声とともに視界の横を滑り出すように飛び立つ相手が通り過ぎ、すぐさま自身も箒に跨り箱から南の空へと飛び上がって)……っ、(相手を追うべく風の抵抗を避けようと前傾姿勢になり速度を上げると、風が前髪を靡かせ額を掻き煩わしく、ポケットから髪留めのピンを取り出し片手で留めようとするも上手くいかず、仕方なしに大雑把に横へ流し留め。顕になった額を風が撫でる、というよりも押されている、そう感じる程の速度で相手を追うも、2人の距離は縮まらず、むしろ徐々に開いているようで)

( 背中の方で相槌が聞こえた気もしたのだが風を切る音で掻き消され、相手の反応を知るよりも早く雲を割き、空を飛ぶ鳥を追い越し、息もできない程の速度で風そのものになりながら自由飛行を思いっきり楽しんで。塔から随分と離れ生活色が薄くなった風景を見下ろしながら徐々に速度を緩め、風で冷め切った頬が自由飛行の興奮で赤みを取り戻していくのを感じながら、後続に居る予定の相手を振り返り、 ) はあ～っ、楽しかった！ ふふ、久し振りに我も忘れて思いっきり飛んじゃった。付き合ってくれてありがとう。

(風の抵抗に目を細めつつ狭まる視界に遥か前方へと翔び駆ける相手の背中に焦点定め必死に追い。不意に相手が振り向き何事かを話すように口元が動いているのが見て取れるも耳に入るのは割いた空気の歪みと波打つ鼓動、微かに相手の言葉が聞こえる気がするも、この距離ならそのようなことは無いと思い直しては、疲労が滲む声を張り上げ、)待ってて、今行く！！(人差し指だけ辛うじて先まで力が入るも、重力に従い垂れる左手を振り振り駆け寄って)

( 振り返った其処に相手の姿は見当たらず、さらに後方からの声に目を向ければ、青空に赤髪を揺らしながら手を振り駆け寄る相手の姿見つけ。留めてあるものの乱れた様子の髪と、やや疲労が見られる声色に、その場に留まり相手との合流を待ちながら呪文を唱え、シュガーをいくつか作っては声を上げ ) ごめんね、クロエ！ ちょっとはしゃいじゃった。

(相手の元へと若干ふらつきながらも衝突しないようスピード緩めつつ俯き気味で相手の横へ止まると共に大きく振っていた手を小さく振り直し、相手を制するため掌前へと突き出し止めては、速い息が鎮まるよう呼吸繰り返し。徐々に呼気が小さく落ち着いてくると、パッと顔上げ。額に汗を浮かべつつ紅潮した頬と活力のある瞳は、疲労よりもむしろ興奮冷めやらぬ様を呈していて早口で)…ルチル！めちゃくちゃすごかった！追いつこうと思ってスピードを上げても、ちっとも追いつけないんだもん。すごいなぁ、俺がもっと早かったら、もっとルチルの飛ぶ姿が見れたんだよね。飛行術も練習しないと！

ふふ、ありがとう！ いつもはこんなに早く飛べないのだけれど、クロエにかっこいいところを見せたくて、ちょっと張り切っちゃった。( 矢継ぎ早に放たれた言葉に驚きつつも、キラキラした瞳で語られる嬉しい言葉の数々に誇らしくなり、ニコニコした調子で。ふと、興奮した様相の相手から疲労が少し見て取れ、掌のシュガーを差し出せば、 ) はい。ティコ湖までまだまだ距離があるから、シュガーをどうぞ。

ありがとう。(差し出されたシュガーを少し震える指先で摘み舌の上に乗せると、熱に溶かされたシュガーが雪解けのようにじんわりと口内に広がり、緊張した頬も体も弛緩させていくようで、腿に力込め箒をしかと挟めば、両手を柄から離し手をグーパーして震えが止まり力が入る指先を確かめ笑顔見せ、)ルチルの優しさもシュガーもめっちゃ染み入る…。さっきまでへとへとだった身体が嘘みたい。これなら、さっきまでのスピードは難しいけれど、のんびり飛ばなくても大丈夫そうだよ。引き続き、ルチル先生についていくね。

( どういたしまして、と述べると同時に笑顔を向けてくれた相手を観察し、活力取り戻した様子に安心しながら箒の柄を握り直して、 ) それじゃあ、のんびりよりちょっぴり速く、さっきよりは全然ゆったり行こう。私は飛ぶのが好きだからついついスピードを出してしまうのだけれど、速すぎたら教えてね。クロエが疲れないペースで行けたら、私も嬉しいな。( 故郷で生徒を引率したことはあれど空の上での経験はなく、少しの緊張を抱えながら走る速度よりやや速めの速度で目的地方面へ移動し始め )

それならさ、(飛ぶ体制に戻っては少し先を行く相手の横に並び速度を合わせ、相手の緊張を解すように笑いかけ、)こうして並んで飛ぶのはどう？話もしやすいし、俺が遅れて待たせることも無くなるんじゃないかな。…代わりに速度を落とさせることがあるかもしれないし、単純に俺がルチルと隣合って飛んでみたいっていうのもあるんだけどね。


すっごくどうでもいい話だから返さなくていいんだけど、並んで走るのは併走で、並んで飛ぶことは二人でも編隊なんだね。…どことなく編隊と言う表現に抵抗があって、上の返事では同じような言葉を繰り返しちゃった。読みづらくてごめん。
…併走していい？って言葉は偶に聞くけれど、編隊していい？って聞くのかな…(うーん)

まあ、とっても素敵……！ ( 隣に並んだことで相手の表情がはっきり目に映り、微笑みにつられて笑顔溢せば自然と緊張も和らいでいて。穏やかな気分と共に己から距離を詰めれば、真っ直ぐ相手の瞳を見つめ、 ) ありがとうクロエ。箒で飛ぶのは好きだけれど、移動時間はちょっとだけ退屈だから、併走してお話しできるなんて嬉しい。( 嬉しさを声色に乗せ告げれば、視線を相手の背中の奥へと移動し、 ) 向こうに見えるお花畑みたいな南の国の素敵なところを、いっぱい紹介させてね。


ちょっと気になっちゃったから返させてもらうね。長くなっちゃったし、なにもなければ蹴ってほしいな。
ふふ、いっぱい考えてくれてありがとう。あなたと同じように私も編隊って言葉に少しだけ抵抗があるかな。なんていうか、軍隊みたいな気がしてそわそわしちゃう。魔法使いたちは走るのと同じくらい箒で飛ぶのが当たり前の移動手段だと思うから、空を共に駈ける、走るってことで併走でもいいかもしれないなって思うよ。
ってことで、私は併走を使っちゃいました！ ( じゃーん！ ) 気になるようだったら次からは控えるから、教えてくれたら嬉しいな。

お花畑？…わ、本当だ！向こう一面に広がって、そこだけ華やかに着飾っているみたい！こんなに綺麗な景色なのに、どうして気づかなかったんだろう…(視線を追って振り向けば、はきと分かる花畑の鮮やかさと先まで気にとめていなかった自身に驚き目を丸くして、まじまじと遠くに広がる景色を眺め)こんな風に素敵な場所が他にもあるなんて、南の国って凄いなぁ。


特別何かある訳では無いけれどお話するね。
やっぱり変？なかなか使わない表現だよね。逆に併走っていう表現は、すっと胸に落ちてくるというか、しっくり来る感じがして俺は好き。というよりも、きみの表現は豊かできらきらしていて好きだよ。これからもきみの言葉で紡がれる世界で、一緒に旅をするのを楽しみにしているね。
言いたい事は言ったからこっちの返信は無くて大丈夫！(ぐー)

実は私も飛ぶのに夢中でさっき気がついたのだけれど……ええ、本当に！ クロエの言う通り、着飾っているみたいで素敵だよね。( 相手が花畑の鮮やかさに負けないくらい ころころと表情を変えていく様子に目を奪われ、自然と相手の方に詰め寄ってしまっていて。間を抜ける風と共に視線と姿勢を前方へ戻しながら、ふと浮かんだ疑問を口に、 ) クロエが旅していたときは、どんなところに行ったことあるのかな？ 私は南の国から出たことがなかったから、ちょっと気になって。


便乗する形だけれど、私も言いたい事を言っちゃおうかな。
ふふ、照れくさいけれど褒めてもらえて嬉しいな。だって、私もあなたの言葉が、あなたの言葉で綴られる景色が大好きだから。あなたが彩る世界に、私の言葉を飾らせてくれてありがとう。これからもあなたの色で、私と一緒に様々な景色を描けたらいいなって。
さてと、長くなっちゃったし、ここは返信しなくて大丈夫だよ。ここまで見てくれてありがとう、これからもよろしくね。( ふふ、 )

うん。それに気づかずに、俺たち二人とも飛ぶことに夢中だった…っはは、なんだかおっかしい！もしかしたら脇目もふらずに飛ぶ俺たちを見て、南の妖精たちが「私を見て」って語りかけてきたのかもしれないね。俺はルチルばかり見て、ルチルは風と一緒になるのに真剣だったから拗ねていたりして！（冗談交じりに話しながら相手へ視線向ければ、存外近くにある相手の顔。下の緑々とはまた違う、太陽の光をいっぱい含んだ若葉のように生き生きとした瞳。喉が震えて言葉を発しそうになるも、逸らされれば言葉も元の喉奥へと戻り唾と一緒に飲み込んで、意識を昔に向けながら）俺が行ったところ、は、そうだなぁ。ラスティカの花嫁を探していたから、街々の移動が多かったよ。だから、こういう自然的な景色よりも人工的な景色を目にすることが多かった気がする。それこそ着飾るのは花畑じゃなくて、人間だったり、街だったり。そういえば、西の国の南の方にある街には、年に一度のお祭りの時、花びらを道に敷き詰める街があったかな。服にも花をあしらって、人も街も彩られて。

( 有り得るかもしれない例え話に思わず笑み溢しながら納得し、次いで語られた思い出の景色に誘われれば胸を踊らせ、今度は自発的に距離を詰めては遠くへ意識を向けている輝く菫色の瞳を見つめ ) 景色が華やかなだけじゃなく、行き交う人々もだなんてとっても素敵！ クロエは仕立て屋さんとして、飾られた景色と同じようにみんなを彩るお手伝いをしていたのでしょう？ 凄いね、自分の得意なことで人を喜ばせることができるなんて、憧れちゃうな。……いつか、クロエが話してくれたお花をあしらったお祭りに行くことがあったら、クロエに私の服を作ってもらいたいな。

(近づいた緑に意識が現実に引き戻されると先によぎった考えが思い出されるようで、隠すように少し大袈裟に笑い声あげ頬を掻き、)えへへ、ありがとう。その時がきたら喜んで服を作らせてもらうね！俺もルチルに憧れているから、それを詰め込んだ服にしたいな。さっきまでの箒で飛ぶ姿もそうだけれど、普段、穏やかに優しくミチルたちに文字を教えている姿とか。あとは、意外と大胆なところも憧れちゃうな。賢者の魔法使いになって初めてのパーティーでヴィンセント殿下に立ち向かう姿、とってもかっこよくて今でも思い出せるよ。だから清楚な衣装も似合うだろうけれど…(徐に相手の前横頭へと手を伸ばしては軽く触れ、)それ一辺倒にならないように、ここに大胆な髪飾りをつけてアクセントにして。あの花畑のようにハッとして振り返ってしまうような、鮮やかなコーディネートにしたいな。…んー、考え始めたらスケッチしたくなってきた。あとで湖に着いたら1枚紙を貰ってもいい？

( 無邪気に笑う姿を見せたと思えば一転、真剣な表情と共に伸ばされた指に驚きながらも、相手は想像の中で己を着飾ることに夢中なようで。褒められたこともあり少し面映さを感じて逃げるように遠くに視線をやれば特徴的な山脈を目にし、逃した視線を戻しながら相手の要求に頷き返し、 ) ええ、もちろん！ あの遠くに見える放射線状に伸びる山脈のところにティコ湖があるから、そこに着いたら渡すね。いっぱい描こうと思って新品のスケッチブックを持ってきたから、1枚でも2枚でも、たっくさん使って、クロエの満足いくまで考えて欲しいな。

そんなに使っていいの？嬉しいなあ…、ありがとう。さすがにそんなには貰えないけれど、気に入って貰えるような服を作れるように、じゃんじゃんデザインを描くね！(予想以上の答えを聞いては、髪に触れていた手を離した流れで相手の手をとり感謝の意を伝えるように握り。すぐに放しては箒の柄先を相手の視線が指した方へ向け、気が逸るのか気持ち前へ前へと進み出て、)凄い山脈……壁みたい。あの近くが目的地なんだ？距離がありそうだから、着くまでの間に南の国の新しい一面がまた見れるかな。

( 篤い感謝を真っ向から受け取っては楽しみにしていると頷き返し、期待してくれている相手に紹介できそうな景色がないか記憶を辿っていれば、ふと思い出し、少し前を行く相手の隣へ進み ) そういえば、レノさんのお友達の羊飼いさんがいらっしゃるかも。ティコ湖は少し変わった生態系をしているんだけれど、珍しい草を羊に食べさせるために ここら辺に来る羊飼いもいるって、前にレノさんが教えてくれて……時期的に、移動したかもしれないけれどね。

羊飼いって他にもいるんだ…って、それもそうだよね。あまり聞き慣れない職業だからレノックスだけかな、なんて思っていたけれど、南の国はこんなに広いんだもの。羊飼いの1人や2人…いや、1000人いたっておかしくなさそう。(肩並べて歩くような速さで箒を進めつつ、相手へ驚いた顔向けたかと思えば神妙に頷いて)ティコ湖に来る羊飼い。会ってみたいなぁ。どんな感じなんだろう。レノックスみたいにがっしりとしているのかな。ルチルは他の羊飼いも見たことがある？

ふふ、羊飼いが1000人もいたら、連れている羊さんたちで大地が埋め尽くされちゃいそう！ ちょっと見てみたいかも。( 素直に考える相手が可愛らしく、且つ想像した光景に思わずにこやかな気持ちになり。相手の言葉で過去を辿るようにゆったり流れる地表へ視線を落とし、そのまま羊飼いを探しながら ) レノさんが教えてくれた方には会ったことはないけれど、他の羊飼いさんにならあるよ。羊が嵐で迷子になっちゃったから、箒に乗って空から探して欲しいって頼まれたことがあって。お礼にチーズを頂いたのだけれど、とっても美味しかったからクロエにも食べて欲しいな。……あ、レノさんに頼んだら作ってもらえないかな？


ちょっと伝えたいことがあるから、こっちから失礼しちゃいます。私、実は長期間同じ姿でいることに慣れてなくて。クロエとお話しするのも、一緒に景色を眺めるのも物凄く楽しくて幸せで、ティコ湖へ行ったらどんな顔を見せてくれるかいつも楽しみにしているのだけれど……それと同時に、私が私でいることに飽きちゃったんだ。だから、姿を変えたいなって思って。わがままでごめんね。
多分、近いうちに変えると思うけれど、あなたはあなたの好きにして欲しいな。そのままでも、一緒に姿を変えるでも！

羊のチーズって珍しくない？帰ったら頼んでみようかな。手ぶらで頼むのは申し訳ないからティコ湖で何かお土産ができるといいんだけれど。それか、ルチルのために作るお祭りの衣装を、レノックスのものも考えて作ってみるか。(目を閉じ瞼の裏で今日体験した事事を思い浮かべると、まだそう長くは無い時間の間のはずが何ヶ月も過ごしたかのように様々な事が思い出され、考える2人分の衣装も装飾がどんどん施されゴテゴテとしていき。瞼を開けて隣の相手を見ては、想像の衣装とのアンバランスさに、やりすぎたと苦笑い、)ルチルのおかげで南の国の素敵な所をどんどん知れるから、2人の衣装だけじゃ収まりそうにないや。


伝えたいことへのお返事失礼します…って感じでいいかな。ここの書き出しは毎回なんて書けばいいか、いつも迷っちゃう。(あは)
話を戻して…、君の気持ちを聞かせてくれて、ありがとう。前は短期間で姿を変えていたから、その辺りは俺も気になっていたんだ。大分この姿は長いよね。ルチルの誕生日の時に変えたから3ヶ月くらい？
それなのに俺の返信が遅いし、話は脱線するしで進まなくて。せっかくティコ湖に連れて行ってくれるというのに行けなくてごめん。でも、本当にどれも楽しくて、ついつい話したくなっちゃったんだよなぁ。(うう)
いい機会だから、俺も一緒に姿を変えるつもり。また新鮮な気持ちで話すのも楽しそうだよね。上の返事を中途半端な所で止めているから、ここで切ってもらってもいいし、繋げてもいい。ルチルが変えたら俺も変えるから、タイミングはお任せするね！
姿を変える前に一つだけ。ここは１ヶ月で姿を変えていいっていう決まりだから、あんたのことワガママだなんて思わないよ。むしろ断りを入れてくれる辺り、律儀だし、気遣い屋だし、他に言いたくても言えないことを抱えていないかな、大丈夫かなって思ってる。だから、ワガママになるなら、思っている倍以上になっていいから。思う所があれば、どんどん聞かせてね。

それじゃあ、お祭りに行きたい人を集めてその人達の分も作っちゃうのはどうかな？ その時は私も衣装作りを手伝わせて欲しいな。勿論、クロエもお揃いの衣装を着て、一緒にお祭りに行こうね。( 相手のデザインする衣装が、共に駆けた長い距離のうちのどこを切り取り、どんな模様を描くのか楽しみで、期待感に胸を高鳴らせながら箒の柄を握り直し、 ) そうと決まれば、早くティコ湖に足を降ろして、スケッチしないと。よーし、ちょっとだけ飛ばしちゃおう！ ( 意気込み告げれば我先にへと加速し、目的地に向かっていって )


お返事ありがとう。ふふ、私もいつもここの書き出しに迷っちゃうなあ。( うんうん )
こちらこそ色々バタバタして遅くなっちゃったし、まだまだクロエと一緒に旅をしたくて、沢山お話をしたくて、ついつい脱線してしまっていたから、私の方こそごめんなさい。……んー、お互い様ってことで、どうかな？
気遣ってくれてありがとう。それじゃあ、最近思っていた事をひとつ。ここの所、待たせてしまうことが多いのだけれど、いつも待ってくれてありがとう。あなたのその優しさに甘えてしまっているけれど、助かっています。本当にありがとう。( ふふっ )
さてと、あなたと沢山お話ししたくて長くなっちゃったし、上のもここのも蹴っても大丈夫だから楽にしてね。それと、姿被り……じゃないな、えーっと、過去に私がとった姿と同じ姿でも私は気にしないから、あなたの好きな姿を選んでくれたら嬉しいかな。
変え時を見失いそうだからこのまま変わるけれど、次の私とも仲良くしてね！ ( 箒かっ飛ばし )

────────

( 誰も居ない上空を眺め ) …………もう姿が見えねえ。しかし、すっかり秋の空だな。この時期は食材が格別に美味くて、料理人としても嬉しい時期だが……急に寒くなったからな。風邪とか引いてねえか？

心配してくれて、ありがとうございます。でも、この位の寒さはへっちゃらですよ。少し足元が寒いけれど、上は結構着込んでいますし、動いたらすぐに温かくなりますから。ネロさんこそ、その格好は寒くないですか？(明るく答えては左手で上着の襟元を正すような素振りをし。そのまま、手は下ろされることなく近くに位置する留め具を弄り、瞳は緩く左右に揺れ、どうにも落ち着かない様子で)

どうたしまして。俺は……まあ、寒さには慣れてるから平気だよ。そっちこそ、心配してくれてありがとな。( 寒いのか緊張しているのか真意は分からないが、どうにも落ち着きのない様子の相手に笑いかけながら、どうしたものかと腕を組み ) ……体を動かして体を温めるのも良いが、あったかいスープで体を温めるっていうのはどうだ？ コーンスープ、好きだっただろ？

はい！覚えていてくれたんですね。(喜色を浮かべ相手を見たのも束の間、眉を下げ小さく言葉としての意味をなさない唸り声をあげ。思案の後やや期待こもった目で相手を下から伺うように見ては)…それは、これから作るんでしょうか？それとも、もう作り終わっていますか？

( やはり煮え切らない様子にどうしたものかと頭を掻くも、打って変わって期待感を隠さぬ瞳に見上げられれば、なんだか照れ臭く誤魔化すように笑い ) 事前に用意もなにもしてないんで、今から作るつもり。少しだけ待たせるが、パパッと作ってくるよ。それで大丈夫か？

作ってくれるのはとっても嬉しいんですけれど、簡単なものでもいいので、何かお手伝いできませんか？本当に些細なことでいいんです。邪魔にならないように端っこで大人しくしていますし、迷惑をかけないようにしますから。(相手の答えに更に期待が上がったようで、両手を胸前で握りこみ、少し前のめり気味に声うわずらせ)

えっ、あ？ ……お手伝い？ ( 随分と意欲的な相手に目を瞬かせるも、少し雑に栗毛の頭を撫でながら機嫌良く笑み、 ) 手伝ってくれんなら助かるよ、俺だけで作るとどうしても時間がかかっちまうしさ。……ああ、そうだ。賢者さんはコーンスープに玉ねぎを入れるらしいんだが、ミチルのにも入れてみていいか？ 試作って形になるんだが、よければ感想を聞かせてくれねえかな。

(相手の許可と撫でられる行為に、気恥しさと安堵からか唇も、力込めていた手も緩み破顔し。続く相手の言葉にも忌憚なくはきとした声で、とん、と己の胸を叩いて)任せてください！いつもと違うコーンスープを食べられるのも楽しみですし、賢者様のために頑張るネロさんの力になれるのも嬉しいです。

そんな大層なもんじゃねえけど、まあ、ありがとさん。それじゃあ、ミチルには玉ねぎの皮むきをやってもらおうかな。( やる気十分と意気込む姿を微笑ましく思いながら、コーンを探す過程で小ぶりの玉ねぎを見つければ相手に投げ渡し )

わ、っとと。(投げられた球体を両手で受け止めようとするも、つるつるとした表面が手を滑って落としそうになり息をつまらせ、慌ただしく掌の受け皿を重ねては崩し、崩しては重ねて捕まえては、ほっと一息吐き出して。きょろり当たり見回し包丁を見つけて手に取れば、真っ二つにして両端を落とし、手際が良いとまではいかないが、割にさらさらと剥き終わり)できました！これは、どう切ればいいんでしょうか？


ネロさん、変なことを言いますが、ボクはボクの料理スキルがどのくらいか分かりません…。だから、もし何か知っていたり、気になることがあったりしたら言ってくださいね！

( 食材に遊ばれている微笑ましい相手の姿を横目に、寒がりコーンの皮を剥き震える実を削ぎ落としていれば、丁寧に皮が剥かれた玉ねぎと共に指示を待つ相手の声がして ) おっ、早いな。それじゃあそれは、端から薄めに切ってもらえるか？ 目に沁みるだろうから気を付けて、指、切らねえようにな。


この姿で言うのもなんだが、俺もそう詳しいわけじゃねえしな……。今のところおかしく思う所はないから、大丈夫じゃねえかな。俺も変なことを言い出してたら、こっそり教えてくれると助かるよ。

はーい！…あっ！(早いと褒められれば調子に乗り、最初の一切りは注意散漫に、さくっ、と厚く切り落として。しまった、と口開くも時既に遅し。ぱっくり離れた片割れを戻りはしないのに切り口同士合わせて抑え、失敗を取り繕うように端から薄く切ろうとカッと目を開き慎重に包丁進め)薄く、うすーく…うぅ、目に染みる…(包丁を進めていくにつれ、ぼろぼろ涙こぼして目は充血していき、堪らず玉ねぎ抑えていた手で目を擦ろうとして)


わかりました！ネロさんはいつも隙がないから、変な事を言う所は少し見てみたいかも…(ぼそ)
とりあえず確認できてよかったです。いつも親切に答えてくれて、ありがとうございます！こっちは返信しなくて大丈夫ですよ。(にこ)

( 短く上がった声に何かあったのかと急いで視線を移せば、指を切った等の惨事ではなく修正可能な簡単なミスのようで。何事もなかった事に安堵しながら暫し作業を止め様子を見守っていれば、涙を溢し目を拭おうとする姿を見受け、とっさに腕を掴んで止めればその手にハンカチを握らせ、片膝付き相手と目線の高さを揃え ) 目をこするとよけい痛くなるぞ、ほら、ハンカチ。……大丈夫か？ ミチル。

…っはい、大丈夫です。ありがとうございます…。(すっかり気落ちした声で答えると、手の中のハンカチ使い、相手の注意に従って目を擦らぬよう、やんわりと抑えるように止まらぬ涙を幾度も布に染み込ませ。水分を含んだ箇所の色がすっかり周りよりも濃くなると未だ赤みのある目で、同じ高さにある相手を見つめるもすぐに伏せ、)ごめんなさい。ネロさんのお手伝いをするつもりが、手を止めさせてしまって。こんなことだからリケに……。(口真一文字に結び)

遅くなりましたが、三周年おめでとうございます！
ネロさんと祝えたらもっと楽しかっただろうけれど、忙しそうだから無理を言ったらいけませんよね。そんな中で相談事をしようとして悪いことしちゃったな…。(眉下げ)
優しくて気遣い屋のネロさんの努力が報われますように。ささやかですけれどお祈りしています。
また機会があれば、お話しましょう！お元気で！(にこ)

3周年おめでとう。えーっと、随分と日を空けちまったけれど、元気そうでよかったよ……なんて、今更出てきてなに言ってんだかって感じだよな。( はは、 ) 長いこと留守にして悪かった。自分が楽になりたいだけなんで、許す許さないは脇へ置いて謝罪は受け取ってくれると助かるよ。
正直まだまだあんたと話してたいが、魔法使いの姿が保てないっていうか、宙ぶらりんの状態でさ、ネロとしての言葉が出てこないんだよ。今だってあやふやだし。……もっと早くに言うべきだったよな、本当に悪かった。ミチルには迷惑しかかけてねえな、俺。まあ、こんな状態で続けるのも格好悪いんで、このまま去ることにするよ。
ミチルと過ごした日々は、本当に楽しくて毎日が色付いてた。おまえと出会えてよかった、おまえと話せてよかった。またどこかで会えたら、笑っていてくれると嬉しいよ。風邪ひかねえように気を付けて。……おまえの幸運を願ってる( ニッ )

お返事をどうしようか考えていたら大分経ってしまいました。きっと見ていないだろうし、ネロさんはあまり掘り起こされたくないかなと思ったんですけど、ボクの中で区切りをつけるためにも言いますね。
貴方は宙ぶらりんな姿と言いますが、ボクにとっては最初から最後まで変わらず、大好きな魔法舎の魔法使いの姿でした。かけがえの無い時間をありがとう。(鼻ずび、)…っ、いけない。涙でお別れなんて嫌ですから。(己の両頬ばちーん叩き、にこり笑い、)どうか、お幸せに！