賢者の魔法使い

( 同意得られればさらに笑み深め、じゃん！ と脇に抱えていたスケッチブックを顔の横に見せながら ) ティーセットも素敵だけれど、クロエのプレゼントを早速使ってみたくて。だから、ティコ湖にスケッチに行きたいなって。少し遠いけれど箒で飛べばすぐだし、夜には満天の星空が湖に写ってとっても素敵だからクロエにも見て欲しいんだ。

ぜひ！さっそく使ってくれるなんて嬉しいな。もしよかったらカバーは俺がつけてもいい？(顔横に構えられたスケッチブックに、はっとしては相手の方へと両手伸ばし、)それにしても、どこに行くのでも楽しみだったけれど、ルチルの話を聞いてティコ湖に行くのが俄然楽しみになったよ。確か南の国にある湖だよね？俺、湖ってそんなに見たことが無いんだ。この服装で大丈夫かな。

ええ、もちろん！ クロエがつけてくれたら私も、このスケッチブックも嬉しいな。( 伸ばされた両手に丁寧にスケッチブック手渡しながら相手の不安に耳を傾け、目的地となるティコ湖の風景を思い浮かべては ) そうだね、南の国の中でも自然が多い場所だから、練習着みたいな動きやすくて汚れてもいい服装だと安心かな。着慣れている普段の服装でも問題はないと思うけれど、うっかり足を滑らせて湖に落ちたりなんかして濡れちゃうと大変なことになっちゃうから、着替えもあった方が良いかもしれないね。

そう言ってもらえて俺も嬉しい！それじゃあ早速、真心を込めてつけさせてもらうね。〈スイスピシーポ・ヴォイティンゴーク〉(証書授与される時のように腰を低くして受け取ると、呪文を唱えてカバーを浮かせつつ受け取ったスケッチブックの表紙を開き。相手の話を聞きながら、浮かせたカバーの差し込み口に表紙の角が必要以上に擦れないよう注意を払い入れ、裏表紙もほぼ同様の手順で仕上げ)練習着を訓練以外で着る機会って中々ないから、そういう意味でも面白そう。それだったら道中は普段着で、向こうに着いたら着替えることにしようっと。(低速で宙に浮かぶスケッチブックを回しては納得のいく仕上がりに笑み深め、相手に差し出し)これで完成！はい、どうぞ。

( 己が話している間に、相手の魔法によってスケッチブックは素敵な衣装を身に纏い、新品の衣装の喜びでゆっくり回りながら着飾った自分を存分に楽しんでいるように見え。ぽかぽかと胸が温かくなるのを感じながら差し出されたスケッチブックを受け取り、思い出深い絵本にするようにカバーを優しく撫ぜ、 ) ありがとう、クロエ。私のスケッチブックがこんなに素敵になるなんて、夢にも思わなくて……本当に、素敵なプレゼントをありがとう！ ふふ、あとでミチルやリケにもお披露目しなくっちゃ。( 己が着飾ったような高揚感のまま肩紐に腕を通し、準備万端と意気込めば ) それじゃあ、ティコ湖へ行こう！ 南の国まではエレベーターを使うけれど、そこからは箒での移動になります。クロエはラスティカさんと旅をしていたって聞くし、箒での長距離移動も慣れてると思うから大丈夫だとは思うけれど、疲れたらすぐ言ってね。

(羽と刺繍に彩られたカバーへ柔らかく触れる白い指先と向けられる慈しむような視線に、自然な嘆息と共に、綺麗、と言葉が口をつき出でては眩しそうに目を細め、)似合ってる。…なんて、作った俺が言うのはおかしいかもしれないけれど。ルチルのために作ったものがルチルの手元で輝いている。夢じゃなくて本当に。そんな光景を見せてくれて、俺の方こそ感謝したいくらい。ミチル達も喜んでくれるといいな。(その光景を思い描くよりも前に相手の言葉でこれからの目的に思考を現実へ引き戻し、腰に手を当て自信有げに笑い)気遣ってくれてありがとう。でも、たぶん大丈夫！長時間の移動はよくあったからね。ルチルのスピードに合わせるよ。


ルチルの綴る言葉が魅力的で、ついつい前部分を返してしまったけれど、返さなくてもいいからね。返すと長くなるだろうし、君と過ごすティコ湖の時間を早く楽しみたくて。実は話題に出てからずーっと楽しみにしているんだ。でも俺の返事が遅くて伝わっていないかも…そう思ったら居てもたっても居られなくて此処で付け足し！

( 嬉しい言葉に目を緩く細め感謝の念で笑顔浮かべて。続く相手の自信たっぷりな笑顔が頼もしく、エレベーターのある塔へと足を向けながら小さな呪文を呟き箒を召喚しては、己も自信有りげに微笑み浮かべ ) 私の箒はとびっきり早いって評判だけど、追いつけるかな？


まあ……！ ふふ、ありがとうクロエ。長くなっても困っちゃうから、言葉に甘えて前部分は蹴らせてもらうね。クロエとティコ湖に行くのがとっても楽しみで、少し急いちゃったかな？ って不安に思っていたんだけれど、そう言ってもらえてすごく嬉しい。私も返信が遅くなっちゃうから、お互い様で気負わずにできたら嬉しいな。

あっ…。確かにルチルの箒は早いけれど、一緒に早く飛べたら楽しいだろうな…。俺、頑張ってみるね……！(己の失言にぽかんと口開けて発言を訂正しようとするも逡巡の後に辞めて、意を決したように目に力いれ、拳固めて胸前に掲げて自身を鼓舞するように強く言うと、固めた拳とは反対の手に箒を召喚し)


そう言ってくれて、ありがとう。気づいたら姿を変えて1ヶ月経っていたから、内心すごく焦っていたんだ。今までの流れで行くと姿を変えている時期だし、もう飽きちゃってるんじゃないかな、とか。逆に俺が飽きてるって思われてないかな、とか考えちゃって。君が言ってくれたように、今後は気負わないようにするね。(ぐ)
君の気持ちが聞けてよかった！もし何も無ければ、こっちは返さなくても大丈夫だよ。引き続きよろしくね。

ええ、きっと楽しくてティコ湖へ辿り着く前からはしゃいじゃいそう！ ( 相手の言葉と共に召喚された箒に決意の高さが窺い知れ、共に飛ぶ期待感に胸を膨らませながらエレベーターの前までやってくると、マナ石を装置へ。扉が開くのを待ちながら、 ) あ！ でも、南の国は中央の国のような賑やかさや、西の国のような華やかさはないのだけれど、その分自然はたくさんあるから、今日はのんびり飛ぶのはどうかな？

自然の中をのんびり……めちゃくちゃ癒されそう……。それもいいなぁ……。(漠然と大自然の中を相手と箒で飛ぶ己の姿を思い浮かべては、力込めた拳解いて悩ましそうに眉寄せ、)どちらも捨て難いから、交互にやるのはどう？最初はルチルのスピードに合わせて、俺がついていけなくなったらゆっくりにするとか。でも俺に好都合すぎるか。…うーん。(己の唸りを見かねたようにエレベーターがチーンと悩む時間に終わりを告げ、ガラガラ音を立てて開いていき。ともすれば習慣から自然と足はエレベーターの中へと己を運んで、相手が入るのを待つため内部の開くボタンを親指で押して)

……交互に？ ふふ、とっても楽しそう！ ( 相手の言葉に目を瞬かせるも、互いの望みを叶え得る提案にパッと顔綻ばせ、共に行く旅路への期待感を箒と一緒にギュッと抱きしめれば、浮足立つ歩調で相手から一歩遅れてエレベーター内へ乗り込み ) それじゃあクロエが提案してくれた、最初は駆け抜けて、次はのんびり景色を楽しんで交代しながら行こうか。どっちも楽しめるなんて、嬉しいな。

いいの？よかった～。空を駆るルチルの姿はいつにも増してかっこいいから、間近で見られるのが楽しみ！（心軽くボタンから手を離し扉を閉めては、動き始めるエレベーターの揺れが舞台のせりが上がる様を彷彿とさせ。高まる気分と近づく本番に、箒と共に汗も握るも、瞳は輝かせて相手を映し）この扉が開いたら、何があってもルチルについていく。だから自分のペースで飛んでね。

それじゃあ、お言葉に甘えて思いっきり飛んじゃおうかな。( 緊張と期待が混じった瞳にまっすぐ見つめられ、こんなに楽しみにしてくれている相手の期待に沿えるにはまずは己が楽しもう、と意気込むと同時にエレベーターは静かになり南の国への到着を告げる合図が鳴って。プレゼントのカバーを振り落とさぬようしっかりと抱え込み、扉が開くと共に懐かしい故郷の風を感じれば深く深呼吸をし、 ) ──── よし、しゅっぱーつ！ ( 言うが早いかトンッと軽く地面を蹴って箒に飛び乗り、瞬く間にエレベーターから空へと移動して )

！…お、おーっ！(開いた扉から覗く景色に目を奪われていれば掛け声とともに視界の横を滑り出すように飛び立つ相手が通り過ぎ、すぐさま自身も箒に跨り箱から南の空へと飛び上がって)……っ、(相手を追うべく風の抵抗を避けようと前傾姿勢になり速度を上げると、風が前髪を靡かせ額を掻き煩わしく、ポケットから髪留めのピンを取り出し片手で留めようとするも上手くいかず、仕方なしに大雑把に横へ流し留め。顕になった額を風が撫でる、というよりも押されている、そう感じる程の速度で相手を追うも、2人の距離は縮まらず、むしろ徐々に開いているようで)

( 背中の方で相槌が聞こえた気もしたのだが風を切る音で掻き消され、相手の反応を知るよりも早く雲を割き、空を飛ぶ鳥を追い越し、息もできない程の速度で風そのものになりながら自由飛行を思いっきり楽しんで。塔から随分と離れ生活色が薄くなった風景を見下ろしながら徐々に速度を緩め、風で冷め切った頬が自由飛行の興奮で赤みを取り戻していくのを感じながら、後続に居る予定の相手を振り返り、 ) はあ～っ、楽しかった！ ふふ、久し振りに我も忘れて思いっきり飛んじゃった。付き合ってくれてありがとう。

(風の抵抗に目を細めつつ狭まる視界に遥か前方へと翔び駆ける相手の背中に焦点定め必死に追い。不意に相手が振り向き何事かを話すように口元が動いているのが見て取れるも耳に入るのは割いた空気の歪みと波打つ鼓動、微かに相手の言葉が聞こえる気がするも、この距離ならそのようなことは無いと思い直しては、疲労が滲む声を張り上げ、)待ってて、今行く！！(人差し指だけ辛うじて先まで力が入るも、重力に従い垂れる左手を振り振り駆け寄って)

( 振り返った其処に相手の姿は見当たらず、さらに後方からの声に目を向ければ、青空に赤髪を揺らしながら手を振り駆け寄る相手の姿見つけ。留めてあるものの乱れた様子の髪と、やや疲労が見られる声色に、その場に留まり相手との合流を待ちながら呪文を唱え、シュガーをいくつか作っては声を上げ ) ごめんね、クロエ！ ちょっとはしゃいじゃった。

(相手の元へと若干ふらつきながらも衝突しないようスピード緩めつつ俯き気味で相手の横へ止まると共に大きく振っていた手を小さく振り直し、相手を制するため掌前へと突き出し止めては、速い息が鎮まるよう呼吸繰り返し。徐々に呼気が小さく落ち着いてくると、パッと顔上げ。額に汗を浮かべつつ紅潮した頬と活力のある瞳は、疲労よりもむしろ興奮冷めやらぬ様を呈していて早口で)…ルチル！めちゃくちゃすごかった！追いつこうと思ってスピードを上げても、ちっとも追いつけないんだもん。すごいなぁ、俺がもっと早かったら、もっとルチルの飛ぶ姿が見れたんだよね。飛行術も練習しないと！

ふふ、ありがとう！ いつもはこんなに早く飛べないのだけれど、クロエにかっこいいところを見せたくて、ちょっと張り切っちゃった。( 矢継ぎ早に放たれた言葉に驚きつつも、キラキラした瞳で語られる嬉しい言葉の数々に誇らしくなり、ニコニコした調子で。ふと、興奮した様相の相手から疲労が少し見て取れ、掌のシュガーを差し出せば、 ) はい。ティコ湖までまだまだ距離があるから、シュガーをどうぞ。

ありがとう。(差し出されたシュガーを少し震える指先で摘み舌の上に乗せると、熱に溶かされたシュガーが雪解けのようにじんわりと口内に広がり、緊張した頬も体も弛緩させていくようで、腿に力込め箒をしかと挟めば、両手を柄から離し手をグーパーして震えが止まり力が入る指先を確かめ笑顔見せ、)ルチルの優しさもシュガーもめっちゃ染み入る…。さっきまでへとへとだった身体が嘘みたい。これなら、さっきまでのスピードは難しいけれど、のんびり飛ばなくても大丈夫そうだよ。引き続き、ルチル先生についていくね。

( どういたしまして、と述べると同時に笑顔を向けてくれた相手を観察し、活力取り戻した様子に安心しながら箒の柄を握り直して、 ) それじゃあ、のんびりよりちょっぴり速く、さっきよりは全然ゆったり行こう。私は飛ぶのが好きだからついついスピードを出してしまうのだけれど、速すぎたら教えてね。クロエが疲れないペースで行けたら、私も嬉しいな。( 故郷で生徒を引率したことはあれど空の上での経験はなく、少しの緊張を抱えながら走る速度よりやや速めの速度で目的地方面へ移動し始め )

それならさ、(飛ぶ体制に戻っては少し先を行く相手の横に並び速度を合わせ、相手の緊張を解すように笑いかけ、)こうして並んで飛ぶのはどう？話もしやすいし、俺が遅れて待たせることも無くなるんじゃないかな。…代わりに速度を落とさせることがあるかもしれないし、単純に俺がルチルと隣合って飛んでみたいっていうのもあるんだけどね。


すっごくどうでもいい話だから返さなくていいんだけど、並んで走るのは併走で、並んで飛ぶことは二人でも編隊なんだね。…どことなく編隊と言う表現に抵抗があって、上の返事では同じような言葉を繰り返しちゃった。読みづらくてごめん。
…併走していい？って言葉は偶に聞くけれど、編隊していい？って聞くのかな…(うーん)

まあ、とっても素敵……！ ( 隣に並んだことで相手の表情がはっきり目に映り、微笑みにつられて笑顔溢せば自然と緊張も和らいでいて。穏やかな気分と共に己から距離を詰めれば、真っ直ぐ相手の瞳を見つめ、 ) ありがとうクロエ。箒で飛ぶのは好きだけれど、移動時間はちょっとだけ退屈だから、併走してお話しできるなんて嬉しい。( 嬉しさを声色に乗せ告げれば、視線を相手の背中の奥へと移動し、 ) 向こうに見えるお花畑みたいな南の国の素敵なところを、いっぱい紹介させてね。


ちょっと気になっちゃったから返させてもらうね。長くなっちゃったし、なにもなければ蹴ってほしいな。
ふふ、いっぱい考えてくれてありがとう。あなたと同じように私も編隊って言葉に少しだけ抵抗があるかな。なんていうか、軍隊みたいな気がしてそわそわしちゃう。魔法使いたちは走るのと同じくらい箒で飛ぶのが当たり前の移動手段だと思うから、空を共に駈ける、走るってことで併走でもいいかもしれないなって思うよ。
ってことで、私は併走を使っちゃいました！ ( じゃーん！ ) 気になるようだったら次からは控えるから、教えてくれたら嬉しいな。

お花畑？…わ、本当だ！向こう一面に広がって、そこだけ華やかに着飾っているみたい！こんなに綺麗な景色なのに、どうして気づかなかったんだろう…(視線を追って振り向けば、はきと分かる花畑の鮮やかさと先まで気にとめていなかった自身に驚き目を丸くして、まじまじと遠くに広がる景色を眺め)こんな風に素敵な場所が他にもあるなんて、南の国って凄いなぁ。


特別何かある訳では無いけれどお話するね。
やっぱり変？なかなか使わない表現だよね。逆に併走っていう表現は、すっと胸に落ちてくるというか、しっくり来る感じがして俺は好き。というよりも、きみの表現は豊かできらきらしていて好きだよ。これからもきみの言葉で紡がれる世界で、一緒に旅をするのを楽しみにしているね。
言いたい事は言ったからこっちの返信は無くて大丈夫！(ぐー)

実は私も飛ぶのに夢中でさっき気がついたのだけれど……ええ、本当に！ クロエの言う通り、着飾っているみたいで素敵だよね。( 相手が花畑の鮮やかさに負けないくらい ころころと表情を変えていく様子に目を奪われ、自然と相手の方に詰め寄ってしまっていて。間を抜ける風と共に視線と姿勢を前方へ戻しながら、ふと浮かんだ疑問を口に、 ) クロエが旅していたときは、どんなところに行ったことあるのかな？ 私は南の国から出たことがなかったから、ちょっと気になって。


便乗する形だけれど、私も言いたい事を言っちゃおうかな。
ふふ、照れくさいけれど褒めてもらえて嬉しいな。だって、私もあなたの言葉が、あなたの言葉で綴られる景色が大好きだから。あなたが彩る世界に、私の言葉を飾らせてくれてありがとう。これからもあなたの色で、私と一緒に様々な景色を描けたらいいなって。
さてと、長くなっちゃったし、ここは返信しなくて大丈夫だよ。ここまで見てくれてありがとう、これからもよろしくね。( ふふ、 )

うん。それに気づかずに、俺たち二人とも飛ぶことに夢中だった…っはは、なんだかおっかしい！もしかしたら脇目もふらずに飛ぶ俺たちを見て、南の妖精たちが「私を見て」って語りかけてきたのかもしれないね。俺はルチルばかり見て、ルチルは風と一緒になるのに真剣だったから拗ねていたりして！（冗談交じりに話しながら相手へ視線向ければ、存外近くにある相手の顔。下の緑々とはまた違う、太陽の光をいっぱい含んだ若葉のように生き生きとした瞳。喉が震えて言葉を発しそうになるも、逸らされれば言葉も元の喉奥へと戻り唾と一緒に飲み込んで、意識を昔に向けながら）俺が行ったところ、は、そうだなぁ。ラスティカの花嫁を探していたから、街々の移動が多かったよ。だから、こういう自然的な景色よりも人工的な景色を目にすることが多かった気がする。それこそ着飾るのは花畑じゃなくて、人間だったり、街だったり。そういえば、西の国の南の方にある街には、年に一度のお祭りの時、花びらを道に敷き詰める街があったかな。服にも花をあしらって、人も街も彩られて。

( 有り得るかもしれない例え話に思わず笑み溢しながら納得し、次いで語られた思い出の景色に誘われれば胸を踊らせ、今度は自発的に距離を詰めては遠くへ意識を向けている輝く菫色の瞳を見つめ ) 景色が華やかなだけじゃなく、行き交う人々もだなんてとっても素敵！ クロエは仕立て屋さんとして、飾られた景色と同じようにみんなを彩るお手伝いをしていたのでしょう？ 凄いね、自分の得意なことで人を喜ばせることができるなんて、憧れちゃうな。……いつか、クロエが話してくれたお花をあしらったお祭りに行くことがあったら、クロエに私の服を作ってもらいたいな。

(近づいた緑に意識が現実に引き戻されると先によぎった考えが思い出されるようで、隠すように少し大袈裟に笑い声あげ頬を掻き、)えへへ、ありがとう。その時がきたら喜んで服を作らせてもらうね！俺もルチルに憧れているから、それを詰め込んだ服にしたいな。さっきまでの箒で飛ぶ姿もそうだけれど、普段、穏やかに優しくミチルたちに文字を教えている姿とか。あとは、意外と大胆なところも憧れちゃうな。賢者の魔法使いになって初めてのパーティーでヴィンセント殿下に立ち向かう姿、とってもかっこよくて今でも思い出せるよ。だから清楚な衣装も似合うだろうけれど…(徐に相手の前横頭へと手を伸ばしては軽く触れ、)それ一辺倒にならないように、ここに大胆な髪飾りをつけてアクセントにして。あの花畑のようにハッとして振り返ってしまうような、鮮やかなコーディネートにしたいな。…んー、考え始めたらスケッチしたくなってきた。あとで湖に着いたら1枚紙を貰ってもいい？

( 無邪気に笑う姿を見せたと思えば一転、真剣な表情と共に伸ばされた指に驚きながらも、相手は想像の中で己を着飾ることに夢中なようで。褒められたこともあり少し面映さを感じて逃げるように遠くに視線をやれば特徴的な山脈を目にし、逃した視線を戻しながら相手の要求に頷き返し、 ) ええ、もちろん！ あの遠くに見える放射線状に伸びる山脈のところにティコ湖があるから、そこに着いたら渡すね。いっぱい描こうと思って新品のスケッチブックを持ってきたから、1枚でも2枚でも、たっくさん使って、クロエの満足いくまで考えて欲しいな。

そんなに使っていいの？嬉しいなあ…、ありがとう。さすがにそんなには貰えないけれど、気に入って貰えるような服を作れるように、じゃんじゃんデザインを描くね！(予想以上の答えを聞いては、髪に触れていた手を離した流れで相手の手をとり感謝の意を伝えるように握り。すぐに放しては箒の柄先を相手の視線が指した方へ向け、気が逸るのか気持ち前へ前へと進み出て、)凄い山脈……壁みたい。あの近くが目的地なんだ？距離がありそうだから、着くまでの間に南の国の新しい一面がまた見れるかな。

( 篤い感謝を真っ向から受け取っては楽しみにしていると頷き返し、期待してくれている相手に紹介できそうな景色がないか記憶を辿っていれば、ふと思い出し、少し前を行く相手の隣へ進み ) そういえば、レノさんのお友達の羊飼いさんがいらっしゃるかも。ティコ湖は少し変わった生態系をしているんだけれど、珍しい草を羊に食べさせるために ここら辺に来る羊飼いもいるって、前にレノさんが教えてくれて……時期的に、移動したかもしれないけれどね。

羊飼いって他にもいるんだ…って、それもそうだよね。あまり聞き慣れない職業だからレノックスだけかな、なんて思っていたけれど、南の国はこんなに広いんだもの。羊飼いの1人や2人…いや、1000人いたっておかしくなさそう。(肩並べて歩くような速さで箒を進めつつ、相手へ驚いた顔向けたかと思えば神妙に頷いて)ティコ湖に来る羊飼い。会ってみたいなぁ。どんな感じなんだろう。レノックスみたいにがっしりとしているのかな。ルチルは他の羊飼いも見たことがある？

ふふ、羊飼いが1000人もいたら、連れている羊さんたちで大地が埋め尽くされちゃいそう！ ちょっと見てみたいかも。( 素直に考える相手が可愛らしく、且つ想像した光景に思わずにこやかな気持ちになり。相手の言葉で過去を辿るようにゆったり流れる地表へ視線を落とし、そのまま羊飼いを探しながら ) レノさんが教えてくれた方には会ったことはないけれど、他の羊飼いさんにならあるよ。羊が嵐で迷子になっちゃったから、箒に乗って空から探して欲しいって頼まれたことがあって。お礼にチーズを頂いたのだけれど、とっても美味しかったからクロエにも食べて欲しいな。……あ、レノさんに頼んだら作ってもらえないかな？


ちょっと伝えたいことがあるから、こっちから失礼しちゃいます。私、実は長期間同じ姿でいることに慣れてなくて。クロエとお話しするのも、一緒に景色を眺めるのも物凄く楽しくて幸せで、ティコ湖へ行ったらどんな顔を見せてくれるかいつも楽しみにしているのだけれど……それと同時に、私が私でいることに飽きちゃったんだ。だから、姿を変えたいなって思って。わがままでごめんね。
多分、近いうちに変えると思うけれど、あなたはあなたの好きにして欲しいな。そのままでも、一緒に姿を変えるでも！

羊のチーズって珍しくない？帰ったら頼んでみようかな。手ぶらで頼むのは申し訳ないからティコ湖で何かお土産ができるといいんだけれど。それか、ルチルのために作るお祭りの衣装を、レノックスのものも考えて作ってみるか。(目を閉じ瞼の裏で今日体験した事事を思い浮かべると、まだそう長くは無い時間の間のはずが何ヶ月も過ごしたかのように様々な事が思い出され、考える2人分の衣装も装飾がどんどん施されゴテゴテとしていき。瞼を開けて隣の相手を見ては、想像の衣装とのアンバランスさに、やりすぎたと苦笑い、)ルチルのおかげで南の国の素敵な所をどんどん知れるから、2人の衣装だけじゃ収まりそうにないや。


伝えたいことへのお返事失礼します…って感じでいいかな。ここの書き出しは毎回なんて書けばいいか、いつも迷っちゃう。(あは)
話を戻して…、君の気持ちを聞かせてくれて、ありがとう。前は短期間で姿を変えていたから、その辺りは俺も気になっていたんだ。大分この姿は長いよね。ルチルの誕生日の時に変えたから3ヶ月くらい？
それなのに俺の返信が遅いし、話は脱線するしで進まなくて。せっかくティコ湖に連れて行ってくれるというのに行けなくてごめん。でも、本当にどれも楽しくて、ついつい話したくなっちゃったんだよなぁ。(うう)
いい機会だから、俺も一緒に姿を変えるつもり。また新鮮な気持ちで話すのも楽しそうだよね。上の返事を中途半端な所で止めているから、ここで切ってもらってもいいし、繋げてもいい。ルチルが変えたら俺も変えるから、タイミングはお任せするね！
姿を変える前に一つだけ。ここは１ヶ月で姿を変えていいっていう決まりだから、あんたのことワガママだなんて思わないよ。むしろ断りを入れてくれる辺り、律儀だし、気遣い屋だし、他に言いたくても言えないことを抱えていないかな、大丈夫かなって思ってる。だから、ワガママになるなら、思っている倍以上になっていいから。思う所があれば、どんどん聞かせてね。

それじゃあ、お祭りに行きたい人を集めてその人達の分も作っちゃうのはどうかな？ その時は私も衣装作りを手伝わせて欲しいな。勿論、クロエもお揃いの衣装を着て、一緒にお祭りに行こうね。( 相手のデザインする衣装が、共に駆けた長い距離のうちのどこを切り取り、どんな模様を描くのか楽しみで、期待感に胸を高鳴らせながら箒の柄を握り直し、 ) そうと決まれば、早くティコ湖に足を降ろして、スケッチしないと。よーし、ちょっとだけ飛ばしちゃおう！ ( 意気込み告げれば我先にへと加速し、目的地に向かっていって )


お返事ありがとう。ふふ、私もいつもここの書き出しに迷っちゃうなあ。( うんうん )
こちらこそ色々バタバタして遅くなっちゃったし、まだまだクロエと一緒に旅をしたくて、沢山お話をしたくて、ついつい脱線してしまっていたから、私の方こそごめんなさい。……んー、お互い様ってことで、どうかな？
気遣ってくれてありがとう。それじゃあ、最近思っていた事をひとつ。ここの所、待たせてしまうことが多いのだけれど、いつも待ってくれてありがとう。あなたのその優しさに甘えてしまっているけれど、助かっています。本当にありがとう。( ふふっ )
さてと、あなたと沢山お話ししたくて長くなっちゃったし、上のもここのも蹴っても大丈夫だから楽にしてね。それと、姿被り……じゃないな、えーっと、過去に私がとった姿と同じ姿でも私は気にしないから、あなたの好きな姿を選んでくれたら嬉しいかな。
変え時を見失いそうだからこのまま変わるけれど、次の私とも仲良くしてね！ ( 箒かっ飛ばし )

────────

( 誰も居ない上空を眺め ) …………もう姿が見えねえ。しかし、すっかり秋の空だな。この時期は食材が格別に美味くて、料理人としても嬉しい時期だが……急に寒くなったからな。風邪とか引いてねえか？

心配してくれて、ありがとうございます。でも、この位の寒さはへっちゃらですよ。少し足元が寒いけれど、上は結構着込んでいますし、動いたらすぐに温かくなりますから。ネロさんこそ、その格好は寒くないですか？(明るく答えては左手で上着の襟元を正すような素振りをし。そのまま、手は下ろされることなく近くに位置する留め具を弄り、瞳は緩く左右に揺れ、どうにも落ち着かない様子で)

どうたしまして。俺は……まあ、寒さには慣れてるから平気だよ。そっちこそ、心配してくれてありがとな。( 寒いのか緊張しているのか真意は分からないが、どうにも落ち着きのない様子の相手に笑いかけながら、どうしたものかと腕を組み ) ……体を動かして体を温めるのも良いが、あったかいスープで体を温めるっていうのはどうだ？ コーンスープ、好きだっただろ？

はい！覚えていてくれたんですね。(喜色を浮かべ相手を見たのも束の間、眉を下げ小さく言葉としての意味をなさない唸り声をあげ。思案の後やや期待こもった目で相手を下から伺うように見ては)…それは、これから作るんでしょうか？それとも、もう作り終わっていますか？

( やはり煮え切らない様子にどうしたものかと頭を掻くも、打って変わって期待感を隠さぬ瞳に見上げられれば、なんだか照れ臭く誤魔化すように笑い ) 事前に用意もなにもしてないんで、今から作るつもり。少しだけ待たせるが、パパッと作ってくるよ。それで大丈夫か？

作ってくれるのはとっても嬉しいんですけれど、簡単なものでもいいので、何かお手伝いできませんか？本当に些細なことでいいんです。邪魔にならないように端っこで大人しくしていますし、迷惑をかけないようにしますから。(相手の答えに更に期待が上がったようで、両手を胸前で握りこみ、少し前のめり気味に声うわずらせ)

えっ、あ？ ……お手伝い？ ( 随分と意欲的な相手に目を瞬かせるも、少し雑に栗毛の頭を撫でながら機嫌良く笑み、 ) 手伝ってくれんなら助かるよ、俺だけで作るとどうしても時間がかかっちまうしさ。……ああ、そうだ。賢者さんはコーンスープに玉ねぎを入れるらしいんだが、ミチルのにも入れてみていいか？ 試作って形になるんだが、よければ感想を聞かせてくれねえかな。

(相手の許可と撫でられる行為に、気恥しさと安堵からか唇も、力込めていた手も緩み破顔し。続く相手の言葉にも忌憚なくはきとした声で、とん、と己の胸を叩いて)任せてください！いつもと違うコーンスープを食べられるのも楽しみですし、賢者様のために頑張るネロさんの力になれるのも嬉しいです。

そんな大層なもんじゃねえけど、まあ、ありがとさん。それじゃあ、ミチルには玉ねぎの皮むきをやってもらおうかな。( やる気十分と意気込む姿を微笑ましく思いながら、コーンを探す過程で小ぶりの玉ねぎを見つければ相手に投げ渡し )

わ、っとと。(投げられた球体を両手で受け止めようとするも、つるつるとした表面が手を滑って落としそうになり息をつまらせ、慌ただしく掌の受け皿を重ねては崩し、崩しては重ねて捕まえては、ほっと一息吐き出して。きょろり当たり見回し包丁を見つけて手に取れば、真っ二つにして両端を落とし、手際が良いとまではいかないが、割にさらさらと剥き終わり)できました！これは、どう切ればいいんでしょうか？


ネロさん、変なことを言いますが、ボクはボクの料理スキルがどのくらいか分かりません…。だから、もし何か知っていたり、気になることがあったりしたら言ってくださいね！

( 食材に遊ばれている微笑ましい相手の姿を横目に、寒がりコーンの皮を剥き震える実を削ぎ落としていれば、丁寧に皮が剥かれた玉ねぎと共に指示を待つ相手の声がして ) おっ、早いな。それじゃあそれは、端から薄めに切ってもらえるか？ 目に沁みるだろうから気を付けて、指、切らねえようにな。


この姿で言うのもなんだが、俺もそう詳しいわけじゃねえしな……。今のところおかしく思う所はないから、大丈夫じゃねえかな。俺も変なことを言い出してたら、こっそり教えてくれると助かるよ。

はーい！…あっ！(早いと褒められれば調子に乗り、最初の一切りは注意散漫に、さくっ、と厚く切り落として。しまった、と口開くも時既に遅し。ぱっくり離れた片割れを戻りはしないのに切り口同士合わせて抑え、失敗を取り繕うように端から薄く切ろうとカッと目を開き慎重に包丁進め)薄く、うすーく…うぅ、目に染みる…(包丁を進めていくにつれ、ぼろぼろ涙こぼして目は充血していき、堪らず玉ねぎ抑えていた手で目を擦ろうとして)


わかりました！ネロさんはいつも隙がないから、変な事を言う所は少し見てみたいかも…(ぼそ)
とりあえず確認できてよかったです。いつも親切に答えてくれて、ありがとうございます！こっちは返信しなくて大丈夫ですよ。(にこ)

( 短く上がった声に何かあったのかと急いで視線を移せば、指を切った等の惨事ではなく修正可能な簡単なミスのようで。何事もなかった事に安堵しながら暫し作業を止め様子を見守っていれば、涙を溢し目を拭おうとする姿を見受け、とっさに腕を掴んで止めればその手にハンカチを握らせ、片膝付き相手と目線の高さを揃え ) 目をこするとよけい痛くなるぞ、ほら、ハンカチ。……大丈夫か？ ミチル。

…っはい、大丈夫です。ありがとうございます…。(すっかり気落ちした声で答えると、手の中のハンカチ使い、相手の注意に従って目を擦らぬよう、やんわりと抑えるように止まらぬ涙を幾度も布に染み込ませ。水分を含んだ箇所の色がすっかり周りよりも濃くなると未だ赤みのある目で、同じ高さにある相手を見つめるもすぐに伏せ、)ごめんなさい。ネロさんのお手伝いをするつもりが、手を止めさせてしまって。こんなことだからリケに……。(口真一文字に結び)

遅くなりましたが、三周年おめでとうございます！
ネロさんと祝えたらもっと楽しかっただろうけれど、忙しそうだから無理を言ったらいけませんよね。そんな中で相談事をしようとして悪いことしちゃったな…。(眉下げ)
優しくて気遣い屋のネロさんの努力が報われますように。ささやかですけれどお祈りしています。
また機会があれば、お話しましょう！お元気で！(にこ)

3周年おめでとう。えーっと、随分と日を空けちまったけれど、元気そうでよかったよ……なんて、今更出てきてなに言ってんだかって感じだよな。( はは、 ) 長いこと留守にして悪かった。自分が楽になりたいだけなんで、許す許さないは脇へ置いて謝罪は受け取ってくれると助かるよ。
正直まだまだあんたと話してたいが、魔法使いの姿が保てないっていうか、宙ぶらりんの状態でさ、ネロとしての言葉が出てこないんだよ。今だってあやふやだし。……もっと早くに言うべきだったよな、本当に悪かった。ミチルには迷惑しかかけてねえな、俺。まあ、こんな状態で続けるのも格好悪いんで、このまま去ることにするよ。
ミチルと過ごした日々は、本当に楽しくて毎日が色付いてた。おまえと出会えてよかった、おまえと話せてよかった。またどこかで会えたら、笑っていてくれると嬉しいよ。風邪ひかねえように気を付けて。……おまえの幸運を願ってる( ニッ )

お返事をどうしようか考えていたら大分経ってしまいました。きっと見ていないだろうし、ネロさんはあまり掘り起こされたくないかなと思ったんですけど、ボクの中で区切りをつけるためにも言いますね。
貴方は宙ぶらりんな姿と言いますが、ボクにとっては最初から最後まで変わらず、大好きな魔法舎の魔法使いの姿でした。かけがえの無い時間をありがとう。(鼻ずび、)…っ、いけない。涙でお別れなんて嫌ですから。(己の両頬ばちーん叩き、にこり笑い、)どうか、お幸せに！