渡し守 2022-02-26 16:13:29 ID:1f2238e3b |
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お優しい南の羊飼いは、生贄を選ぶのが難しいんだろ?だからだよ。手伝ってあげるって言っているんだ。(緩んだ隙に距離詰め鞄覗きこめば、蠢く羊たちの1匹1匹を品定め始め)それで、誰への供物なの。ミスラ?ブラッドリー?
いや、悩んでいたのは昨晩から羊が一匹足りないからだ。( 返答に頭振り反論しながら鞄ごと羊を抱き寄せては、やや見下ろす形で視線送り ) ……そういえば、オーエンは動物と会話ができると聞いているが、本当ならば頼みたいことがある。聞いてくれないか?
なんだ、つまらない。(笑み消すとがっかりしたことを隠そうともせずに言葉吐き、次ぐ相手の疑問に冷ややかな目向け)嫌。どうせ羊の行方を探すのに協力しろって言うんだろ。本当におまえが昨晩から探しても見つけられないなら、とうの昔に誰かが食べたに決まってる。今更探したって見つかるのは骨だけさ。
本当にそうだったなら、困るな。( 小さな羊を指で撫ぜ顔に影を落としては苦笑溢し、一匹取り出せば相手の眼前へ持っていき ) オーエン、一緒に探してくれないか? ……ほら、おまえも一緒に頼んでくれ。
その羊にどんな力があるっていうの。獣一匹差し出せば僕の気が変わるとでも?(刺々しい口調で続けるも、鞄から取り出されても鳴かず、ぼやっとしている羊に片眉あげては呆れたと言いたげに溜息吐いて、)羊選ミスだね。そいつ、自分が何故取り出されたかも分かってなさそうだ。もしかしたら仲間が減った事にも気づいてないんじゃない。
そうなのか? …………そうみたいだな。( 羊の顔を此方に向け相手の言う通りどこか抜けている様子に納得と共に鞄へ戻し、少し悩む素振り見せれば鞄の口を広げながら相手へ向け ) じゃあ、どの子なら気付いてそうか分かるか?
…獣なんてそんなものだろうけど。自分が生き延びるのが1番で、他のやつのことなんて、どうでもいいんだ。(鞄覗き込み戻された羊を見つけて無機質に話すと、あらためて視線を他の羊に向け。すぐに一匹を片手ですくい上げるように取り出せば、相手の胸元に押し付け渡そうとし、)…こいつかな。すぐに目が合ったし、そわそわ落ち着かない。いなくなった奴といつも一緒にいたのかも。
助かった、オーエン。……《フォーセタオ・メユーヴァ》( 押し付けられた羊受け取れば地面へと降ろしながら魔法で元の大きさに戻し。鼻を動かしながらのったり移動する様子を暫し眺め、 ) …………あっちは、食堂だな。ラムステーキにされてないといいんだが。
ぐちゃぐちゃにすり潰されてラムジュースになっているかもね。(助かったという言葉に眉顰めるも、その後に続く言葉に意地悪く笑み付け足しては、元の大きさに戻った羊の背に横向きで座り頭を撫でやりながら相手の方見て首傾げ)ねえ。こいつは歌を歌える?
( ラムジュースを想像して顔曇らせるが問いかけに表情戻し、背中の荷物をもろともせず心地良さそうに撫でられる羊、撫でる手、色違いの瞳、と視線を移して ) 鳴いているのはよく聞くが、それが歌かどうかは俺にはわからないな。おまえならわかるんだろうが……歌がどうしたんだ?
別に。賢者様の世界には乗ると歌を歌いながら歩き出す動物がいるって聞いたから、魔法使いの羊はどうなのか気になっただけ。(羊の耳の後ろを指で擦り撫でながら、態とらしく目を瞑りにこにこ笑い)のろまな羊の代わりに、おまえが歌ってもいいよ。食堂に並ぶ羊のフルコースに相応しい、暗くて、じめじめしていて、気が滅入るような曲。
賢者様の世界には不思議な動物がいるんだな……。( 想像の及ばぬ生態に感心し、続く言葉に暫し思考すれば ) お前の望むような歌を俺は持ち合わせていないが、羊の歌なら賢者様に教わったな。メリーという少女と羊の歌なんだが……聞いたことあるだろうか?
メリー…聞いたことある気がする。なんだっけ…(遠く見るように視線を宙へ投げたのも束の間、ああ、と短く合点得た満足感表すと、今度は心底楽しそう笑い羊の首周りを指でなぞって、)くくります、だ。メリーくくります。そいつの歌があるんだ?どんな歌?
クリスマスと少女のメリーは無関係だと思うが……。( 確証は持てずそれ以上の言及はせず、足を止めその場で撫でられるがままでいる羊に視線落とせば ) 学校行くメリーに羊がついていく童謡らしい。ルチルが気に入ったようで、よく歌っていたな。( 思い出せば鼻歌でリズムを口ずさみはじめ、 )
とんまなメロディ。いかにも平和**した感じ。(鼻歌聞くとそう漏らしつつも、羊撫でる手は指揮を取るようにリズムに合わせて首元往復させ)…でもさ、もしメリーがくくりますと同じ奴なら、きっと羊はついてきたんじゃなくてメリーが盗んだんだよ。その歌を気に入ったルチルも、羊が勝手についてきたと言って日に日におまえから羊を奪うつもりなんじゃない。
…とんまはよくて**はダメなのか。中途半端な規制だな。(む、)わざわざ言い直さないし規制される言葉ってことだけ分かればいいよ。特に重要な事じゃないから。こっちへの返事も要らない。
ルチルは羊が欲しいなら素直に言える子だ、そんなことはしないだろう。……それに、クリスマスのサンタさんは物を盗むのではなく、こどもに与えるのではなかったか? ( 異を唱えながら羊を軽く叩き、相手を背に乗せたまま歩くよう催促し ) ……落ちないように気をつけてくれ。
メリーとサンタって同一人物なんだ?もしそうならミスラみたいに気まぐれな奴。その時の気分で盗みも与えもする。ルチルがその歌を気に入ったのも、ミスラを思い出してかもね…っ。(揚々と話すも突如動き出す羊に一瞬体強ばらせ、直ぐ様取り繕うように相手睨み)…落ちるわけないだろ。でも、もし落とそうとしたら羊共々ケルベロスのおやつにしてあげるよ。
( バランスを崩しやしないかと見守っていたが、いつもの調子で悪態を口にする様子に安堵し、ふと浮かんだ疑問をそのまま口にして ) そういえば、オーエンのケルベロスは羊を食べるのか? 三つ首があるが、それぞれに味の好みなどあるのか?
ある。左の首は羊が好き。右の首は魔法使いが好き。真ん中の首はどっちも好き。おまえたちをおやつにしたら喜んで頭からばりばり食べるだろうね。(言い終わるや羊の頭を鷲掴むと、話も相まって驚いたのか、羊は、めえ!と甲高く鳴き、頭も体もぶるぶる震わせ乗っている己を落とそうとして。反射的に下りて距離取るも、すっかり興奮した羊はめえめえ鳴きながら一目散に食堂へと続く廊下を駆けて行こうと)
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