渡し守 2022-02-26 16:13:29 ID:1f2238e3b |
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細かいことは気にせず思うままにやればいい…と言わても困るか。(手を離しては一歩後ろに下がり相手との距離を空け、)今の俺たちは普段履きの靴だからタップダンス専用の靴みたいに音の違いは分かりにくいかもしれないが、床を靴の前部分や踵、爪先、全体を使って叩いたり、体重を乗せたりして音を鳴らすんだ。例えば……(右足の膝曲げ上げては、やや前方に蹴り出すような所作で床を掠めるように踵を当てカッと短音鳴らし、次いで蹴り出した足を戻す際には床を靴の前部で掠めさせるようにタッと短く軽い音打ち鳴らして、最後に足全体を使って体重乗せて着地すればダンッと重い音が響き、)……こんな感じだな。音の違い、分かったか?
( 耳澄まし3つの動作と共に鳴る3つの音に感嘆の息を漏らしては頷きを繰り返し、 ) わかった、わかり易かった。凄いな、足一本だけでこんなに音が出せるのか。……カッコいい、絶対に習得してやる。( 意気込み相手を真似し足を振り出したり戻したりするものの、聞こえるタンタンと幼稚な音に首傾げ、 )
シノは筋がいいな!初めてだと1つの音を鳴らそうとしても、他の部分もあててしまってバラバラとした音を出すやつが結構いるんだ。その点おまえは一音一音がしっかりと個別に鳴っている。あとは音を出そうと意識しすぎずに力を抜いたら、いい音が鳴ると思うぜ。(不思議そうな相手に微笑むと相手の左隣へと移動し、先のダンスをゆっくりと行って見せて)
ふふん。良い手本のお陰で、すぐ習得できそうだ。( 満足気に口元緩め、助言を胸に相手の動きを観察し真似て何度も繰り返し、漸くそれっぽい音が踵から鳴れば ) ……聞いたか? 「カッ」って鳴った!おまえの音には劣るが、鳴ったぞ!
ああ、はっきり聞こえたぜ!やったな!(今までよりも明らかに軽快な音を聞けば、自身のことのように嬉しそうに笑い、喜びそのまま表すように相手の腕を叩いて)もう一度、地を叩く雨粒のように軽やかな音を聞かせてくれよ。そして疲れているなら少し休憩しよう。
いくらでも聞かせてやる。( 相手の催促に自信満々、意気揚々と蹴り出すも鈍い音が響き、ムッと口を尖らせ、 ) ……そういうと少し疲れたかもしれない、カインの言う通り休憩にしようぜ。おやつを探しにキッチンへ行くのもありだな。
よし、それならキッチンへ行こう。ネロがリケやミチル辺りに作ったお菓子の残りがあるかもしれない。…さて、誰かが部屋に入って驚かないように、一応此処は整えておくか。(魔法で家具を元の場所に戻せば、労うように相手の肩に手を置き、談話室の出口へと己が一歩踏み出すと共に優しく誘うように押して)
無ければネロにねだればいい。部屋に押しかければなにか作ってくれる筈だ。( 菓子に思い馳せながらすっかり元通りの談話室を一瞥し、共にキッチンへ。雨音の響く道中、ふと思い出して相手を振り返れば、 ) そういえば、随分と慣れているようだったが、タップダンスはよくやっているのか?
本格的なタップダンスは稀だが、気分が上がった時にやることはある。新品の靴を買った時とか、おまえがダンスに興味を持ってくれた時とか。音楽や楽器が無くても踊ることは出来るが、音があったほうが楽しく踊れるんだ。(振り返る相手に笑いかけると、その場で小刻みなリズムを足で刻み、最後に大きく相手の隣へと跳躍し両つま先でトンっと着地し、そのままくるっと回って相手の方向いて一礼して)…シノはあまり踊る機会が無いと言っていたが、気分が上がった時はどうしているんだ?
カインの出身地、栄光の街は舞踊が有名と聞いたが本当らしいな。楽しそうだし、見聞きしてるこっちも混ざりたくなる気質がある。( 軽やかで胸躍るステップに自然と表情弾ませ、一連の動作を見届ければ小さな拍手とともに溢し、暫し考えてから ) オレはそうだな……口笛を吹いたり、森に行って少し体を動かす。だが、これからはお前に教えてもらったタップダンスをやるかもしれない。
はは、随分と嬉しいことを言ってくれるんだな!おかげで次にシノの気分が上がる時が、俄然楽しみになった。(からりと笑い無遠慮に大型犬可愛がるような手つきで相手の頭を撫でようと手を伸ばして)
( 不意打ちで数秒撫で回されるも軽く払い除けては眉を寄せ、 ) あまり頭に触るな、縮んだらどうする。……だが、すぐに見れるかもしれないぞ。キッチンから甘い匂いがする。( すんすんと鼻を動かせば目的地であるキッチンを親指で差し、にんまり笑み )
縮まない縮まない。仮に縮んだとしても、おまえは変わらず素敵だと思うぜ。(除けられた手をそのまま己の胸前に持って行き拳固め力込め話すと、相手の指す方向から漂ってきた匂いが自然と鼻腔を擽って、)…本当だ。甘いもの好きの魔法使いが集まりそうな匂いだな。もしかしたら既に誰かが嗅ぎつけて食べ始めているかも?
オーエンあたりか? あいつは甘いものに目敏いからな。……全て食われる前に急ぐぞ!匂いだけしか楽しめないのは癪だ。( 相手と肩を組もうと腕上げるも届かずに急かすように軽く肩を叩く程度で終わり、我先にと駆け出して、 )
今のは冗談…って、もうあんな所まで行ったのか。さすが早いな。誰かとぶつからないように気をつけろよー!(先駆ける背中に感嘆と共に小さく苦笑零しては、大声で注意喚起しつつ自身も急いで後を追い)
( 背中に注意受ければ片手上げ了承の合図送り、入口付近で足を止め警戒しつつ中を伺い、 ) ……何かが居る気配がする。様子を見るか、突入するか。どうする?
(追いつき相手に倣い足止めては、入口横の壁に耳あてて中の様子を探るも眉寄せ、)…中から物音が微かにするが、何の音かは検討がつかない。金属音のようにも、何かが擦れる音のようにも聞こえる。中にいるのは他の魔法使いだと思いたいが、侵入者だとしたら早急に対処した方がいい。(壁から離れれば、相手の肩を掴み強い眼差しで)突入しよう。何かあった時のためにシノは後ろで援護してくれないか?
……わかった、おまえが見えない分オレが見てやる。だが、手柄はオレが貰うからな。( 視線向け頷くと同時に魔道具の大鎌を出現させ、少し後ろに下がり構えては準備万端だと態度で示し、 ) 突入のタイミングはおまえに任せる。
了解だ。頼りにしてるぜ。(すらり剣を抜き入口の手前まで進めば、目を閉じ神経研ぎ澄ませるように深く一呼吸した後、)…いくぞ!(小さく鋭い合図と共に大きく室内へと踏み出し気配の感じられる方向へと剣を向け)
( 緊迫した空気纏わせ合図と共に室内へ向かった相手に続くも、気配のする方に人影はなく、注意深く視界に留めながら相手に耳打ち ) ……人の姿は見えない。獣が迷い込んだか? ( 獣という単語を放つと同時にふと思い出し、緊張を解きながらぽつり、 ) ……昨晩、レノックスの羊が一匹で彷徨ってるのを見たから、そいつかもしれない。
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