匿名さん 2022-02-20 20:09:07 |
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「ああ、構わないが…そんなことでいいのか?」
(年頃の女の子といえばここのケーキが食べたいとかこの化粧品が欲しいとか、この服が着てみたいとか言うものかと思っていたが飛んできたのは勉強を教えてくれという頼み。流行に疎い自分にとっては有難いが、と躊躇っていたものの相手の説明を聞き納得した。「それなら力を合わせた方がいいな。僕も次ダメなら飛行術と浮遊魔法は補講確定だ…」全く正反対だな、改めてそう思えばにっと笑って見せて)
「長期休みは家に帰るんだろう?」
(残りのミートローフも大口でぱくりと平らげ、ハンカチーフを口に押し当ててはご馳走様、と小さく呟き。この学園は基本は寮生活だ。長期休みにはほとんどの生徒が家に帰っているので彼女もそのつもりなのだろうと)
(/そうですね、この後は週末まで飛ばしてしまいましょうか!
多分そこで恐怖のあまり正体を現すと思います←
アイリスちゃんもとても素直で明朗ないい子で背後はもう大ファンです…!!!
トッドとしても可愛くて頼れる後輩ができて嬉しいです!
この後も実はとってもビビりな先輩をどうかよろしくお願いします…)
「もちろんです...!お互いに、目指せ!補講回避、ですよ!」
(むん、と両手を握って気合いを入れるように力強くうなづいた。お互いに得意な科目と苦手な科目が正反対だなんて、不思議な縁もあるものだ。プレートの上のミートローフはもう最後の一口というところで、帰省について聞かれると、口の中のものを飲みこみ。)
「そのつもりです。先輩は帰らないんですか?」
(実家の両親も心配しているし、学校にも友達はほとんど残らないから、長期休みはいつも帰省しているのだ。休みは嬉しいけれど、学校の友達とは会えなくなるから、少しだけ寂しくなる。
彼はどうするのかと疑問に思い、何気なくそんなことを質問した。
それから、自分も先輩の後に続いて「ご馳走様でした」と手を合わせる。)
(/ わ...!それは良かったです!
ついに...!ですね!トッドさんの正体がバレるの楽しみです!アイリスもどんな反応するんだろう....と、気が早いですが今から考えてしまいます。
こちらこそ、元気とガッツだけはある後輩をよろしくお願いします...!!)
「そうだな、お互い頑張ろう。…君はまず魔力を安定させる練習から始めようか、」
(先程の授業中に見た彼女の魔法は威力こそあったもののまだ安定しているとは言えない。あの状況では仕方ないだろうが自分との勉強の中でそういったことも身につけて欲しいと告げ。もちろん自分の得意分野も教えるつもりだが、自分が教えるからには学年一位の成績を取ってもらわなければ、と変に気負っているところもある。グッと握られた相手の手に自分の手を重ねて改めて頑張ろうな、と小さく頷き)
「僕は…そうだな、僕も今年は帰ってみようかな。」
(例年は長期休みでも学校に残り勉強をしたり、それこそ飛行術や創造の魔法を練習したりしているが今年は帰ってみようかと心変わりをし、「あ、そろそろ戻らなきゃ。」どこか懐かしげに目を細めてそう呟いては壁に据え付けられた時計を見て焦りを顕にし。ランチタイム終了10分前を示す時刻を指さしては次の授業はなんだったかと急いでプレートに広がった皿をまとめ)
(/トッドは感情が振り切れたり油断したりすると元の姿に戻ってしまうような子なので…完璧な擬態ができる訳では無いのでアイリスちゃんの使い魔としてしっかりお役に立てるように猛特訓させます!←)
「本当だ、もうこんな時間!次の授業に遅れちゃいます」
(自分も慌てて皿をまとめると、返却口に向かう。多くの生徒はもう片付け終わっていたようで、すぐに返却できたし、これなら授業に間に合いそう。
ぱたぱたと駆けながら食道を出ていくと、私は先輩の方へ振り返る。「それじゃ、今週末は楽しみにしててくださいね!」と、笑顔を向けて小さく手を振る。...早く週末にならないかな、なんて浮ついた気持ちで、軽やかに階段をかけ登っていき、自分の日常に戻って行った。
それから数日後。今日は先輩と約束した日だ。制服ではなく、動きやすいショートパンツと白いブラウス、薄いカーディガンを羽織って、学内にある広い訓練場で先輩を待っている。...そういえば、同学年の子とはよく遊ぶけど、先輩と2人で出かける機会って今までなかったな。少し前髪を気にしながら箒を片手に握って、そわそわと辺りを見回した。)
(/その設定本当に本当に可愛くて大好きです!ありがとうございます;;←
アイリスもトッドさんのこと、"憧れの凄い先輩!"って思っているので、トッドさんに恥を欠かせないように立派な魔法使いになるぞ!って意気込んでます...!!)
「じゃあ、また週末に!」
(食器の片付けも済ませ、学食を出れば相手にヒラヒラと手を振り、意気揚々と次の授業へ。廊下を小走りに戻る中あんなことをするキャラじゃなかったな、と段々恥ずかしさが顔を出してきて足を進めるスピードも落ち、耳まで真っ赤に染めて俯きながら教室に入っていき。自分でも気づかなかったけれどとても楽しみで仕方ないのかもしれないとはやる気持ちを抑えつつ授業をこなし。)
「ごめん、遅くなった。…準備万端だね?」
(今日は約束の練習の日。朝からソワソワして休日だと言うのに早朝から目が覚めてしまった。体を動かすのだから制服では行けない、髪型はどうしたらいいだろう、オシャレな服なんて持ってないし、とあたふたしているうちに時間になってしまった。諦めて黒いTシャツと外の授業で使うジャージを着て相手の待つ訓練場へ。もう既に到着している彼女の元へ駆け寄れば声をかけて)
(/いつもは鉄壁というか完璧主義者っぽいのにちょっとした瞬間にそういう素が出る子可愛いですよね…←
とても頼もしい…アイリスちゃんがトカゲ苦手じゃないといいんですけど()
でもそういうの苦手で最初こそ怖がって触れないけどだんだん仲良くなっていくのもいいですね…!!!)
「ふふん、バッチリですよ!私もちょうどさっき来たところですから大丈夫です。」
(先輩の姿を見つけると、パッと表情を明るくして、手を振って合図を送る。こちらも彼の方へ駆け寄り、声をかけられれば得意げな顔でそう言った。箒を改めて両手でしっかりと握ると、「じゃ、早速練習しましょう。」と、練習場の中央の広いスペースの方へと移動し。周囲に十分なスペースがある事を確認してから、彼の方を向く。)
「それじゃ、低い所で大丈夫なので、一旦箒に乗って浮いてみて貰えますか?」
(飛行術の授業の最初は、安定して浮遊する練習からしていたっけ、と思い出しつつ、初歩的な所から確認しようと、そう言った。自分も先輩のそばで、慣れたように呪文を唱えると、ひょいと箒に腰掛けて、地面から少し足が離れるくらいの高さで浮遊する。)
(/う、うわー....!!!それめちゃくちゃナイスアイデアです....!最初は苦手でビビってたのに、だんだん触れるようになって、「先輩だから大丈夫になりました」ってアイリスに言ってほしいな....。
もしそちらさえ良ければ、その方向でいこうかと....!)
「ああ、よろしく。……えっと、」
(相手の後に続き、訓練場の中央へと足を進めればついにこの時が来てしまった、と少し不安げに箒に跨り。目を閉じて1度深呼吸をすると呪文を唱え地面を蹴って。ふわりと浮いた感覚にたじろぎ目を開ければ相手と同じくらいの高さに浮かんでいるのに気づいてしまい慌てて箒にしがみつき。ギュッと目を閉じて箒を握る手にも力が入り「ちょ、ちょっと休憩!」と叫ぶと同時に地面におりてしまい)
「…致命的だろ?今のでもできた方なんだ…。」
(地面にへたり混み、箒も放り出してしまいながらも自分にしては頑張ったと相手を見上げ、1呼吸おいてからもう一度立ち上がって箒を引き寄せ。「今度こそ耐えるから、」まだがくがくと震える脚をひとつ叩いて箒に跨がれば先程同様呪文を唱え手地面を蹴り。ふわっと宙に浮いた瞬間に自己暗示の呪文を唱え、震える指先で箒を握りしめ)
(/あああそういうの大歓迎ですー!!
トッドも最初こそ恥ずかしいけど段々アイリスちゃんが慣れてきてくれるにつれてトカゲの姿でも気を許せるようになったり…好き!!!
「こんなに小さくても君を守る気概だけはあるからな。」とか言わせてみたり…なんて尊いのでしょう←)
「大丈夫です。私が隣でちゃんと見てますし、できるようになりますよ!」
(どうやら私が想像していた以上に、飛行術が苦手らしい。飛ぼうとはしているものの、やっぱり「気持ち」が追いついていないみたいだ。先輩が休憩と言って地面に降りると、自分も同じようにして地面に降り、しゃがむと心配そうに顔を覗き込む。
空中に対する恐怖感があまりにも強そうだったから、「無理をしなくても...」と言いかけたが、それでも頑張ろうとする姿を見て言葉を飲みこんだ。そして、まずは落ち着けるようにするのが必要だと思った私は、先輩が少しでも安心できるようにそんな言葉をかけた。)
「深呼吸してください。私が支えてます...!」
(先輩に続いて、私も箒に腰掛けて浮遊すると、彼の箒のバランスが崩れないように、片手で彼の箒を、もう片方の手で彼の背中を支える。それから、ぽんぽん、と彼の背中を勇気づけるように軽く叩き、様子を伺い。)
(わーーーーん;;
そういうのめちゃくちゃ好きです....;;語彙が追いつかないのが惜しいくらいです...。かわいい....かわいい....。
それでは、最初はトカゲの姿にビビっちゃう方向でいこうと思います!
素敵な提案ありがとうございます;;)
「よし…できる、…出来てる!僕飛んでる!」
(彼女の手がふわりと自分の背中に触れるのを感じ、自己暗示も手伝ってか先程よりも恐怖はなくそっと目を開けてみる。すぐ隣に相手がいて、自分の足は地面から離れている。支えてもらった状態でだがきちんと飛べているのを確認すれば嬉しそうにそう声を上げ。あまりの感激に手を離してガッツポーズをしそうになり慌てて箒に掴まり直せばゆっくりと当たりを見回してみて)
「もう少し上昇しようか、…今ならできる気がする。」
(今なら、と強調しては相手に手を離すように促し。とはいえ上昇の呪文は習ったが唱えたことがない。いつも恐怖に負けて浮いただけで終わってしまう。習った通りに唱えてみるものの箒はビクともせずに、もう一度、今度は大きな声で唱えてみればグイッと引っ張られる感覚と共に一気に上昇してしまい、学園の屋根が見渡せる程の高さでピタリと止まる。卒倒してしまいそうになりふっと箒から手が離れバランスを崩して寸手のところで片手だけ箒に捕まった宙吊り状態に)
「っ…無理!死ぬ!…早く来てくれ!」
(/承知しました!トッドにもあまり怖がらせないよう言い聞かせておきますね!←
そして早くも大ピンチですがこの後ついにトカゲさん登場させようかと思っておりますが大丈夫でしょうか?)
「わ、わかりました。ゆっくり、焦らず、ですよ...!」
(そっと目を開けて嬉しそうに声をあげた様子を見て、自分もつられて笑顔になった。そっと背中から手を離して、あとはちょっとずつ高度をあげたりする練習を...と思っていたところで、手を離すようにと促されて、不安を感じつつも箒を支えていたもうひとつの手も離す。
それから、先輩は上昇の呪文を唱えていたけれど1度目は上手くいかなかったようだ。「落ち着いて」と声をかけようとするのと同時に、もう一度より大きな声で呪文を唱えたのが耳に入る。すると箒はぐんぐんと急上昇し、はるか上空を見上げれば先輩が不安定な体勢になっており。)
「今行きます、手は離さないでくださいね!」
(彼が手を離す前に急がなければ、と反射的に自分も上昇の呪文を唱え、速度を出して先輩の方へ向かう。手が届く範囲まで近づけば、彼を自分の箒の後ろに乗せようとし、「先輩、私の手をつかめますか?」と精一杯手を伸ばす)
(/ アイリスにもあまり怖がらないよう伝えておきますので...!←
了解です。大丈夫です!人助けの為なら体が先に動くので、トカゲになってもしっかりキャッチできます。驚くのは地面についてからですかね...!)
「っ、も…無理…、落ちる!!」
(下から聞こえた今行きます、の声。間に合え、と心の中で何度も叫びつつ相手の声が近くなるのに気がつけば離してしまった方の手を伸ばし彼女の乗る箒を掴もうと。やっと指先に箒の感触が伝われば安心したのか大きなため息をつく。その瞬間ふっと体の力が抜けバチッ、という音と共にトカゲの姿に戻ってしまい。相手の箒の先に捕まり、ちらりとその顔を見上げればここはトッド・レイモンドという男では無い振りをすれば切り抜けられるかもしれないと)
「……や、やあ。」
(小さな前足を上げて挨拶をしてみては尻尾をしっかりと箒に引っ掛け、落ちないように気をつけながらそっと相手の側へ。このまま体勢を崩されたら困る。相手が落ちて自分だけ箒に残されたらどうしようかと小さな声で下降の呪文を唱え。「怖がらないで、僕は…そう、トッドの友達なんだ。彼は今ちょっと遠くにいる、」無理のある言い訳をしながらゆっくりと下降していけば彼女の足が地面に着くのを確認してから自分も箒から飛び降り)
(/これは怖がるなって言うの無理ありますかね…←
その辺の女の子なら悲鳴あげて落っこちていきそうですね…書いててどうなんだと思ってしまいました←
ここからどうなるか楽しみで仕方ないです!!!)
(落下してしまう先輩に合わせて箒をそちらへ向ける。彼が箒を掴んだ瞬間に、バランスをとるために箒の頭の部分をぐい、と上にあげたが、本来あるはずの下に向かう力がなく、バランスをやや崩した。それでも落ち着いて直ぐに体制を整えると、先端に小さなトカゲがいるのに気がつき。
「ひっ......」と、か細い悲鳴をあげて、体を硬直させる。降下呪文を唱えるのも忘れて、ただ小さなトカゲと目を合わせ続けていた。
彼の呪文によってゆっくりと箒は降下していき、無事に地面に足がついたところで、ようやく体の硬直が解ける。)
「っ....と、とも、だち....?とっ、遠くって、先輩は、無事なんですか...?」
(先輩は無事なの?急に現れたこのトカゲって?そもそも私には先輩がトカゲになったように見えたんだけど...?と脳内で疑問が次々と生まれて混乱してしまう。何度か深呼吸をして、ぎゅ、と箒を両手で握ると、たどたどしく言葉をつむぎ出し。)
(/トッドさんのフリをするトカゲになったトッドさん、めちゃくちゃ良いですね...。普段冷静なのに急に隙ができるのかわいい....。
目の前で先輩が変わる所を見ちゃったから、「何者...?もしかして人じゃない...?」とか勘づいたりはするかもですね!!)
「あー、えっと……はは、」
(予期していなかった質問が帰ってきたことに狼狽え誤魔化すような笑いを浮かべて言葉を濁してはその場に小さくうずくまり、放棄の上で彼女があげた小さな悲鳴から爬虫類には慣れていないのだろうと察したのか自分から近づくことはしないと示し。「彼は、ほら、飛ぶのが怖すぎて逃げたって言うか…」そのまま言い訳を続けるも急激に慣れないことをしたからか動悸が治まらずにケホ、と小さく蒸せてしまい。同時に口から紫色の毒霧が発生し相手にかかってはいけないと急いで前足でそれを扇ぎ)
「…さ、サプライズ!実は僕擬態魔法も使えるんだ。」
(さすがに苦しい言い訳だったかとこれも魔法のせいにすれば乗り切れると踏んで半分嘘を言い。驚かせてしまったのが申し訳なくてしゅんとしながらも1歩相手に近づき、「ちょっと待って、今戻るから。」とキュッと目を瞑り。しかし未だ動揺している頭でいくら念じても人間には擬態できずそっと目を開けてはガッカリしてしまいぺたっと地面に顎をつけて)
(/もちろん勘づかれてるのは察してしまっているので苦しい言い訳ばっかり並べさせました←
なかなかにパニック状態ですねふたりとも…あたふたしてるアイリスちゃん可愛い!!!)
「.....へ?.....せん、ぱい...?」
(遠くに行ったと言われたと思ったら、今度は擬態魔法が使えると言われ、余計混乱してしまう。でも、先輩が擬態魔法でトカゲになった、というのが自然かも?...でもそうだとしたら、なんであんな危ないタイミングでトカゲに?と疑問が疑問をよんでいる。ただひとつ確かなのは、目の前にいるトカゲは先輩らしいということだ。トカゲには苦手意識があるため距離をとっていたが、おずおずと距離を縮めると、そっとしゃがんだ)
「...だ、大丈夫、なんですか?...け、怪我とか....」
(人間に戻るのを見守っていたけれど、彼は未だトカゲのままだ。なにか調子が悪いのだろうとは推察するものの、その理由が混乱しているからだとは、自らもその状態であるために気づくことができない。
どんな言葉をかければいいのかわからないけれど、無事であるかどうか心配でそう問いかけ。)
(/お互いにパニックになってるの可愛いですね...。トカゲになった先輩と若干物理的な距離はあるものの、心理的には割と近づいているのでは...!とウキウキしています!
この後の展開は、アイリスが先輩の正体について少しずつ知っていけたらと思います。この内容で大丈夫でしたら、返信は不要です...!)
「はぁ、…ちょっと、今は戻らないみたいだ。」
(ここまで来るともはや冷静というか、どう足掻いたっていつかはバレるんだろうな、と諦めに近いため息をつき大丈夫かと問いかけてくる彼女に答え。怪我はない、とばかりにくるりと1周まわって見せれば「これでも体は頑丈なんだ。」と得意げに。まずトカゲが言葉を話す時点で大丈夫では無いのだろうが今相手は混乱状態だ。無理に人間に戻ってまた混乱を招いたら可哀想だとそばにしゃがんでくれた彼女の足元に座り込み)
「これじゃあ何も出来ないな…せっかく時間撮ってくれたのにごめん、」
(そんなつもりじゃなかったのに、と心底情けないというふうに項垂れつつ、こんな時でも優しく声をかけてくれる相手は周りの人間にとって太陽のような人なんだろうなとも。こんなに暖かい言葉をかけてもらったり、心配されたことはこの学園に来て1度もない。どんな言葉を返すべきか迷った挙句に「それより、僕の箒は無事?壊れたら学園長に叱られる…」と照れ隠しからか話を逸らしてしまい)
(怪我はなく、無事な様子にホッと胸を撫で下ろすと「よかった...」と小さく口にした。...トカゲをこうして近くで見るのって初めてかもしれない。そんなことを思いながらトカゲになった先輩の背を見下ろしている。)
「そんな、気にしないでください。練習はいつでもできますから。」
(表情は分からないけれど、声色からして彼が落ち込んでいることは推察できる。先輩の声をしているけれど、その姿は自分が知っている姿ではないから、なんだか変な気持ちだ。聞きたいことが沢山あるけれど、質問していい内容なのかな、と悩んでしまい。
箒の事を聞かれれば、そういえば、と立ち上がって辺りを見回すと、訓練場の隅の方に、箒と思われる影があった。そちらに手を伸ばすと、呪文を唱えて手元へ呼び寄せる。箒を傾けたりして壊れていないのを確認すると、もういちどしゃがみ)
「ちょっと傷がありますけど...。壊れてはなさそうです。」
(と地面に置いた箒についた小さな傷を示しながら。....前に先輩が言っていた秘密、というのは十中八九この事なのだろう。少しの間逡巡してから、慎重に言葉を選びながら彼に問いかける)
「...あの、先輩。...先輩は本当は人間じゃない...んですか?」
「また付き合ってくれるの?」
(どこまでお人好しなんだろうかと思いつつ嬉しいと思う自分もいてどこに向いているか分からない感情に困惑しつついつもより何倍も大きく見える箒に目をやり。多少の傷は着いたけれど彼女の言うように壊れてはいない。あれだけ高いところから落としたのに、と感心しながら人間では無いのかという問にギクッと身を固め。なんと答えようかと思案するより先に口が動いてしまい、)
「ああ、まあ…そんなとこかな、どっちかって言うと生徒って言うより使い魔試験受けた方がいい種類かも…」
(もちろん自分はそのつもりでこの学園にきた。母からもうすぐ一人前の成体になるのだからいつまでも霧の中に引きこもるなと放り出されたと言った方が近いが、人間に擬態できるのが珍しかったらしく生徒として迎え入れられてしまった。そのプレッシャーから常に完璧でいようとして自分に近づく人はあまりいなくなった今、こうして訓練に付き合ってくれたり楽しくランチをしたりしてくれるのは相手くらいなもので、でも素直に何か言うのは苦手で「も、文句でもある?」と不服そうに)
「もちろんです!補講回避を目指すって約束しましたから。何回だって一緒に練習しますよ!」
(目を細めて、にっと笑うとそう伝える。少しずつ、トカゲの姿である先輩と話すのにも慣れてきたようで、いつものような喋り口になり。
彼が使い魔だということを知れば目を丸くして、何度か瞬きをする。今の様子を見ていれば想像はしていたものの、改めて本人の口からそう告げられると驚いてしまう。
不服そうな彼に、「まさかそんな!」と即座に否定をし)
「改めてすごいなあ…って思って...。初めて会った時の先輩、...ちょっと意地悪でしたけど、魔法を扱うのも上手くて、咄嗟の判断もできて、かっこいいなって思ったんです。それで人間にもなれるなんて、本当にすごくてビックリしちゃいました。」
(自分の素直な気持ちを正直に口にする。この学園で過ごしている中で、きっと彼なりに色々な苦労もあったのだろう。その苦労は私には分からないけれど、彼が努力をしていた事は、彼の振る舞いから理解出来る。自分なんて、ただ魔法を上手く使うだけで精一杯なのに。より一層彼に対する憧れの気持ちは強くなってしまう。
ただ、自分の質問で相手を不快にさせてしまったようだ。それについても、続けて「嫌な気持ちにさせてしまったらすみません。そんなつもりはなかったんです」と詫び)
「…ね、みんなには言わないで。」
(相手の話し方からして全て本心なのだろう。ならばこちらも本心で話さなくてはと少し不安げにそう呟いてはちらりと相手を見上げて。何度でも付き合うと言ってくれた彼女にはこの先もこういった失態を見られてしまうんだろうな、と苦笑しながらも何故か嫌な気持ちなせず、すみません、なんて言われる必要も無いのにどうして謝るのかと言いたげに首を傾げ。現にただ素直になれないだけで嫌な気持ちは無いに等しい。もちろん見られたくない場面をみられてはいるのだが、)
「君が謝ることじゃない。…僕の力不足だ、」
(ふるふると首を横に振っては再び目を閉じて呪文を唱え。じわっと手足の先が痺れるのを感じればそっと目を開けてみる。見慣れた大きさの箒に、自分より幾分も小さい相手。地面が遠くにある。人間に擬態することに成功したと気づけば「ほら、元通りだ。…驚かせて悪かったな。」もごもごとだが詫びを返し眼鏡を押し上げて、崩れてしまっている前髪を乱雑に撫でつけ)
「もちろんですよ。絶対秘密にします。」
(こちらをチラリと見上げて不安そうにつぶやく彼を安心させるように強く頷いた。今まで友達から言われる「秘密ね」は、恋愛話だったり、ちょっと悪い事をした時のものだったけれど、今回の「秘密」は訳が違う。なんだかすごい秘密を知ってしまったな、と胸の中で彼の秘密を反芻し。)
「わ.....いつもの先輩だ...。」
(目をひとつ瞬きすると、足元にトカゲの姿はなくなっていた。視線を上にあげていくと、そこには私を見下ろすようにたっている先輩の姿がある。...ほんとに先輩になってる、と目を丸くして先輩を少しの間じっと見つめてしまう。それからハッとすると、近くにあった2つの箒を手にして立ち上がると、片方を彼に手渡すと、照れたように微笑み)
「気にしないでください!少し...いや、結構ビックリしましたけど、先輩の事を知れてちょっぴり嬉しいです。」
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