ネコミケ 2022-02-19 19:24:46 |
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…わかんない、確かめてみないと。
(予想通り自分とは反対方向へ後退る相手をゆっくりとした動作で追い、今度は己が覆い被さる形になるようにそちらへ身を乗り出し。恋愛対象に男性が含まれていることは自覚しているものの、相手にはわざとそれを隠すことに。男性を初めて好きになってしまった自分に戸惑っている風を装って、眉垂れ下げ子犬のような表情を浮かべ。)
確かめるって…
( 離れたのも束の間、いつの間にか此方に迫り先程とは反対の立場になれば、また相手の顔が近くにあり、心の中で「勘弁してくれ…」と嘆くも、距離は縮まる一方で。先程の自分の質問に対して、まるで今まで一度も男とこういう状況になったことがないという言いぶりには、嘘だと思いながらも、その表情を見ればどちらか分からなくなり、どうしていいのかこちらも困る一方で。男が恋愛対象がどうか「確かめる」というが、どうやって確かめるのか、何にせよいい予感はしない。むしろ早く逃げた方がいいと、頭の中では分かってはいるものの、身体は硬直してしまい。)
…可哀想。
(硬い表情のまま動かなくなってしまった相手に対して微塵も思ってもいない空虚な言葉を投げかけたあとに片手を引き攣った頬に添えて、軽く唇を触れ合わせ。理性を取っ払ってかぶりつきたい衝動を懸命に抑えながら、まずは相手の反応を窺って。)
なっ…!!!
( 憐れみなのか、馬鹿にしているのかよく分からない言葉が上から降ってくれば、少しイラッとしたのも一瞬で、違う事に思考を持っていかれる。相手のきれいな顔がグッと近づいたかと思えば唇に何かの感触を感じる。それがキスされたのだとわかるまでにどれくらい時間がかかっただろうか。自分には相当長い時間のようだが、実際はほんの数秒なのだろう。「確かめる」というのはそういうことか、と自分の口元を片方の手で覆い、相手を少し睨む。といっても、今の自分は相当間抜けな顔をしているだろう。自分の鼓動の音が鳴り止まず、相手にまで聞こえていそうだ。)
ー…、なんで、こんなこと…っ。
ん、お持ち帰りされた分際で軽いキスくらいで喚いちゃだめですよ。力強くて体もでっかいのに、お子さまのちゅーでギブアップですか?
(経験上、大抵の人はこの時点で絆されているだろうに、口付けられても尚、此方を恨めしそうに睨んでいる反抗的な態度に支配欲が刺激され。口を覆っている手の甲にふにふにと柔らかい唇を何度も押し当てながら、わざと相手を煽るような言葉を選んで。)
くそっ…腹立つ。
( 正直相手の言葉に怒りが込み上げて来る反面、恋愛事にはこれまで首を突っ込んでこなかったため、たかが触れるだけのキスでも免疫がない。だからといって、ここでこれ以上弱みを握らせるわけにいかないとばかり、態度と言葉だけは強気な姿勢でいるしかないと理性をギリギリ保ちながら、自分の手の甲にキスをする相手を押しのけたかと思えば、自ら上体をわずかに起こし、強引に相手の唇に自分のそれを重ねれば、反抗的な目で相手を見て。 )
…、ほら、これで満足しただろ…もう、退けよ。
ん、…!…まだ、…あと1回だけしたら…満足しますから。
(挑発するような物言いをしたのは相手の悔しげな表情を見つめたかったためで、まさか返り討ちに合うとは考えておらず、驚いて目を丸め。口付けに関して何とも思っていない素振りで退くよう言葉を吐き捨てられると、あまりの興奮に一気に鼓動が速まっていくのを感じつつ、今度は唇が触れるか触れないかの距離でじっと静止して彼を焦らして。)
…ね、キスしてもいいですか?
あと、1回だけだからな…!
( どうにかしてる。その一言につきる。男同士で、こんなことをするなんて想像もしてなかった。しかし、何故だか嫌という気持ちではなく、何とも例えがたい気持ちだけが胸を締め付け、これが恋だの恋愛だの、そんなものではないはずだと頭の中では否定するが相反して鼓動だけはうるさく鳴り止まず。至近距離にある相手の顔に、今にも理性は崩れ落ちそうで、「あと1回」という言葉を信じて何とか耐えようと、拳を握りしめる。そして同意の合図だと言わんばかりに、目をぎゅっと閉じ、相手の行動を待つ。)
そ、1回だーけ。
(了承されるや否や、待てから解放された犬のような勢いで唇を重ね、最初は柔らかい感触を楽しむように己の両唇で相手のそれを食み。頬に添えていた手はゆっくりと上方へ移動させ、力強く閉じている瞼の力を緩めさせるよう目尻を指先で撫でて。)
っ…。
( さっき2度ほど相手と唇を重ねたわけだが、どうもこの行為は慣れない。キスをしている間に頬や瞼に相手の手の感触を感じれば少し力を抜く。薄ら目を開けて相手の顔を見ると、相手の睫毛や、綺麗な肌が間近にある分かるや否や、さらにドキドキと胸の音は最高潮に高鳴り、これ以上やったら心臓が持たないと言うばかりに耳にうるさく響く。脈打つ鼓動が先程まで飲んでいた酒を全身に巡らせ、酔いが今になって回ってきているのか、頭がクラクラしてきて。もういいだろとばかりに相手の胸を力の入らない手で押す。)
…ん、
(唇の合間から苦しそうに息を漏らす様子に気づいてはいるものの、相手にペースを合わせるといった気遣いは一切せず、羞恥心を煽るべくわざとぢゅ、と大きな音立てて下唇に吸い付き、自分勝手に乱暴な口付けを。胸を押し返す弱々しい手を握ろうかと、指先を横に移動させたところでこつん、とピアスに当たってしまうと、自分の感覚を頼りに彼の耳まで指先を這わせて、耳の淵をなぞり、指先で無機質なアクセサリーの感触を楽しんで。)
…っは、
( 押し返す手の抵抗も虚しく、中々離れてくれないどころか、段々とエスカレートしていく荒々しい口付けに、合間あいまに苦しげに息が漏れる。それと同時にわざと鳴らしているのであろう音には恥ずかしさのあまり、眉間に皺を寄せる。ふと耳元に幾つかつけているピアスを障られれば、何ともいえない感覚に襲われ、もう限界だと言わんばかりに、もう一度相手の身体を押し返そうと試みるが、どうにも力が入らない。自然と相手の口付けから逃げるように顔を横に背けようとして。)
っ…あは、逃げた。
(ちょうど唇を離したタイミングでふい、と顔を背けられてしまうと、驚いたようにぴたりと動きを止めて。口付けを強引に中断されてしまい、残念がって文句を垂れようとしたところ、酔いか興奮か、真っ赤に染まった耳と首筋が目に入り。誘われる様に下から上へ、首の筋に沿って唇滑らせながら相手を責め立てるような声音で囁き掛けて。)
なんで逃げちゃうんですか、ねえ。
っはぁ…、くっ、おい、退くって約束だろーが!
( やっと解放されてからは新鮮な空気を取り入れようと息をたくさん吸い込み、なんとか息を整えようとするも、首筋に這う感触に思わず身体を揺らしてしまう。なぜ逃げるのかという質問には、はぐらかすように先程の約束を持ち出し、これ以上相手のペースに飲み込まれたら不味いことになると本能が訴えているので、何とかこの状況を脱しようと懸命に思考を巡らせる。)
えー…俺、キス無理やり中断させられた被害者だから退けなーい。
(頭上でキャンキャン吠える相手を一瞥した後、約束云々以前に口付けをやめる気がなかったのに、無理やり顔を背けてしまったのは彼だと被害者面して困ったように眉垂らし。耳へ唇移動させると耳たぶに付いているピアスごと柔らかい唇で食み、時折金属を歯で優しく挟んでカチカチと音鳴らして遊びながら誘惑するよういつもより低い声で囁き。)
…強がるより諦めたほうが楽だよ、蓮司さん。もういいやって諦めちゃおうよ。
…っ、悪魔の囁きかよ。
諦めたらどうなるっつーんだ。
( 約束にそんな決まりはなかったはずだと抗議をしたくもなる。なぜ相手が被害者面をしているのか理解できない。耳元のピアスと相手の歯が噛み合う金属音に、眉間に皺を寄せて。くすぐったそうに身をよじる。相手の囁きを悪魔の囁きと表現するも我ながらピッタリだと思う。「諦めろ」と言われれば、果たしてここで相手に従って為すがままになったところで楽になるのか疑問に思いそう言い返す。 )
頭ふわふわんなっちゃうよ。蓮司さん今よりもっと馬鹿になっちゃうね、はは。
(投げかけられた疑問に対して、曖昧で抽象的な答えを返す中で親しくなって時間もそれほど経っていない相手に無礼を働き、楽しそうに喉でくっくっと笑い。返答終えるや否や怒り出しそうな彼の気を逸らすために耳を食むのをやめて、耳の付け根へ唇を寄せ、そこへ強く吸い付き、白い肌には目立つ赤い痕を残し。)
んー…綺麗に痕付いた、…俺が手出した印。
( 相手のこの見た目に騙される女や男は多いだろ、しかしこの数時間で相手に関してわかったことは、中々いい性格をしているということだ。挑発するような相手の言葉に、怒りが込み上げてくるも、その後の行動に、やはりビクッと肩を揺らし。跡をつけられたと知ると、再び顔に熱が集中するのを感じて、気を逸らすために相手を見ながら呟くように吐き捨て。)
ほんっと、性格わりぃな。お前。
性格悪いとか、初めて言われた。…てか、俺のこと恭典って名前で呼んでよ。
(こちらを見下ろす視線に気づき、首元にうずめていた顔をゆっくりと上げると性格に関して自覚なしといった様子で首を傾け。そんなことよりもお前呼びされたことが気に食わなかったらしく、再び口付けをする素振り見せて相手を脅し。)
わかったわかった!!
…恭典。…これでいいか?
( 性格に関しては特にそれ以上何も言わないことにし。不意に相手の機嫌が悪くなったことに気付けば、そういえば先程から相手のことを名前で呼んでいなかったと思い。普段から人の名前を呼ぶことはあまりないため、「お前」ですませることに慣れているのだ。再び顔が近付いてきたことに、名前を呼べという意味だということにきづくと、相手の名前を呼び。これで満足しただろうかと確認し。 )
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