ネコミケ 2022-02-19 19:24:46 |
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あは、ばれた。ひとりで抜けたら友だちすげーうるさいんですもん。
(面倒くさそうに払いのけられると思っていたが、肩を跳ねさせそっぽ向いた彼に不意に加虐心煽られてしまい。いつも友人に物事をお願いするときのように、眉をハの字に顰めて困ったような表情浮かべながら、ほろ酔いのせいもあってかこちらに向けられて露わになった刈り上げに人差し指を宛てがって感触楽しむようにサリサリ撫でて。)
一緒に抜け出すだけ。俺を助けると思って、ね?
…おまえなぁ…触るなっ。
( 刈り上げを触られれば、眉間に皺を寄せ相手の方を向き、軽く手を払い除ければ溜息をひとつつき。ともいえ、相手の表情を見れば困ったような顔をしており、どうにも強く拒否することもできず。別に一緒に抜け出すくらい、なんてことは無いと思い、ぶっきらぼうに言い放つ。)
…勝手にしろ。
やった。…はい、全然食べてねーから、どうぞ。
(ツンとした態度は変わらぬまま、しかし許可下りたと捉えても良い返事に嬉しそうに目を細めて。ふと相手が惣菜に手を付けたところを見ていないことに気づくと、ほろ酔い上機嫌で皿の上の惣菜に箸を伸ばし、1つつまみあげて彼の皿に勝手に盛り付け。その後満足気に箸を置くと少し上気した冷やすように頬を掌で覆って彼の顔を真っ直ぐに見つめながら揶揄うような言葉を投げ。)
筋肉つけないとほら、不意に襲われたときとかに返り討ちにできませんよ。
( 相手から渡された惣菜を見れば、確かにここに来てあまり食べ物を口にしていないことに気づき、有難く貰うことにし手皿を受け取る。
惣菜を食べながら、相手から放たれた揶揄うような言葉には眉間に皺を寄せ、誰にものを言ってんだとばかりに、言い返し。少し赤い相手の顔を見れば、酔っているのだろうかと疑問に思う。)
ある程度筋肉はついてるから心配すんな。
お前酔ってんのか?
…そう、俺結構お酒弱くて。
(ほろ酔い状態であるのは確かだが、普通よりも少し皮膚が赤くなりやすい体質を隠してすっかり酔ってしまった風を装い。顔は彼の方に向けたまま冷たい箇所を求めて机にゆっくりと突っ伏すと上目で見つめ、机の下で熱くほんのり色付いた指先をこっそり差し出して。)
触ってみてくださいよ、手。熱いのわかるから。
水、ほら。
( 横に置いてあった水を酔いを覚ませとばかりに相手に差し出す。上目遣いで見てくる相手には、性格はともあれ、顔は好みかもしれないと一瞬でも思った自分に嫌気がさし、机の下の指に気付けば、差し出された指に冷えたおしぼりを当ててやり。誰にでもこんな絡みかたをしているのなら、タチが悪いなど眉間にシワを寄せる。 )
はは、俺のこと意識しすぎ。
(手に触れたのは想定していたよりも一層冷えた無機質なもので、思い通りにいかず悔しい思いをし、それを一切表情には出さないもののつい口から零れたのは生意気な言葉で。その後受け取ったおしぼりに指先を冷やすよう押し付けていたところ、同学部の学生会代表であろう友人から二次会参加の有無を尋ねられ。周囲を警戒してこっそり耳打ちで不参加の旨を伝えるが案の定出席してほしいと何度かごねられてしまい、それでも首横に振って、持ち前の明るさで乗りきって。)
ごめんごめんって、今度計画的してる飲み会あんじゃん?あっちはちゃんと皆満足するまで付き合うからさー…え、朝までとかぜってー潰れる…あっは、うける。…うん、そう。だから今回不参加で…うん、さんきゅー。
おまえ……やっぱなんでもないわ。
( 酔っているのだろうが、相手の態度には「生意気」というより、それよりも何だか計算された物を感じた。一瞬でも相手の顔にときめいた自分を殴りたいと思いながらレモンサワーを飲み干す。酒はそれなりに強いが、先程から空きっ腹に酒だけを飲んでいたため、さすがに酔いが回ってきたのか一度トイレに行こうと立ち上がる。相手も同期の友人らしい人物に絡まれていたのでちょうどいいと思ったので、そのまま何も言わずにトイレがある場所へ向かった。)
(友人と話している最中に無言で立ち上がりどこかへ消えた相手の姿を目で追いかけていたため、話しが終わると2人きりになれるチャンスを求めてその後を追ってトイレへ向かい。目立つ金髪頭を目印に洗面台に立つ相手を確認すると、その背後まで歩み寄って後ろから腹部に腕を回す形で抱きつこうとして。)
蓮司さん、いた。もう、かわいい後輩おいて勝手に帰ったんかと思いました。
っ…!
( 洗面台で手を洗っていたところ、鏡をふと見れば背後に相手の近付いて来る相手姿を捉え、さっきの会話の中に出てきた「不意に襲われる」という状況がまさにこれかと思い、伸びてきた手をとって抱きつかれるのを阻止する。そして鏡の中の相手の顔をキッと睨み、「かわいい後輩」という言葉を微塵も感じさせない先程からの相手の行いに、どうも納得がいかず、すごんだ声で理由を問い。)
あのな…っ、何が目的だ。さっきから。
そんな、目的とかないですよ。蓮司さんのこと最初見たときは顔整ってんなーと思って…。
(抱きつくことを阻止されてしまうと洗面台と自分の間に相手を板挟みにするような形で相手の背面と自分の体をぴったりと密着させ。相手にとっては不審な行動の数々が、己の好奇心と少しの加虐心によって引き出されていることを自覚しながら、それでも白を切り、警戒心を露わにした表情の彼とは対象的に穏やかな薄ら笑い浮かべて。)
今も、仲良くなれたらいいなと思ってて…ってか、やっぱ酒のせいですね。俺飲んじゃうとくっつきたくなる性分で。
だとしても、初対面の相手にくっつきすぎだろ…。
( 抱きつくことは阻止しても、その先のことは全く考えていなかったと思えば、相手の身体が自分に合わさったことでまた心臓がうるさく音を立てる。目的はないというが、会ってまだ間も無い相手にこんなにくっつくのはおかしいだろという考えが抜けず、しかし酔っているからだという相手の言葉に少し警戒を緩めて手を離すと、大きく溜息をついて冷静さを装い。そのままの体制で、呟くように話し。)
これ、俺じゃなかったら、持ち帰りされてんぞ。
人前で酒飲むのほどほどにしとけ。
はは、持ち帰りって…好んで男持ち帰る奴いる?
(ここまで身の危険が及んでもどこか隙のある相手に心が擽られ、通常ならば男性が女性に対して使用する持ち帰りという言葉を己のような男性に対して使用した彼の揚げ足をとって揶揄い。洗面台に手を付いて相手の逃げ場を失くしてしまうと、身体寄せる際にさり気なく薄く赤く染まったうなじに唇を寄せてみて。)
…あ、もしかして先輩、男もいける感じ?
わかんねーだろ、お前みたいにくっついてくる奴、気があると思われてもおかしくねぇと思うけど…っ。
( 「持ち帰る」という言葉は確かに男同士では使わないかもしれないが、相手の整った顔、そしてその気にさせるような行動は男でも勘違いをしてしまうと思う。とりあえず、自分は失言をしてしまったようで、項に近付く相手の唇にはできるだけ反応しまいと、再び鏡越しに相手を睨み退くよう伝える。 男を好きになったことはこれまで一度もない、これからもないと思いたい。 )
ふざけてないで、離れろっ。戻るぞ。
…はーい。
(質問に対して否定も肯定もしない様子に、自分が付け入る隙はありそうだと可能性を見出して心の中でほくそ笑み。回転速度が遅めの脳と首筋から伝わるぬるい熱に一瞬理性がぐらつくのを感じると、単に彼を揶揄っているつもりが自分も意外と深い沼にはまってしまいそうだと感じ、観念した様子を装って洗面台から手を離し相手を開放して。)
ね、一緒に抜ける約束したんですから抜けるタイミングちゃんと教えてくださいよ?蓮司さん、非情だからまじで俺のこと置いていきそう。
…それが人にもの頼む態度かよ…。
マジで置いてくぞ。
( 解放してくれたことに、ほっとすると未だに鳴り止まない胸の高鳴りを何とか押さえつけ、トイレを後にする。自分を非情だという相手には、些か不機嫌な態度を示しながら、元の席に戻ると店員に水を頼む。周りの雰囲気も大分できあがってきており、もう1次会はお開きになりそうな様子だった。盛り上がる中心の人物たちは2次会の店をおさえたようで、次の店に行く人数を確認している。チラッと戻ってきたばかりの横に座る相手を見れば。)
こっち戻ってきたけど、抜けるなら今か…。
(席に戻り、氷が溶けて薄まったサワーを軽く箸でかき混ぜてから一気に煽り、飲み会特有の騒々しい雰囲気に居心地良さそうに目を細め。1次会がお開きになる様子を感じ取った矢先の相手からの合図に、小さく頷いてから立ち上がり、彼と共に人混みに紛れるようにしてテーブルを離れ、そそくさと店外へ。外気の冷たさにぶる、と震えたあと両手をぐっと上へ突き上げて背伸びをしながらひとつ提案を。)
んー…っ、さっむ…!……あ、そうだ。一緒に抜け出してくれたお礼に2人で飲み直しましょうよ、俺んちで。
( なんとか二人で抜け出すことに成功できたことと、特に誰にも見られていたことに安堵しながら、寒空の下白い息を吐き出し。冷たい空気に酔いも覚めてきたが、相手の提案には、少しばかり躊躇いを見せる。嫌ではないのだが、二人きりの状況になるということに、先程のトイレなどでの相手の行動が思い起こされ、どうしたものかと考える。別に相手とどうこうなるつもりはないのだが、自分が流されてしまいそうで怖い。)
いや、中村はもう飲まねぇ方がいいと思うけど。
そうですね。じゃあ俺はジュースで、酒飲むのは蓮司さんだけ。これならどうです?
(先程詰め寄ってしまったことが原因か、警戒心が解けない様子を見て新たな提案を。酒を入れようと入れなかろうと気になっている相手にちょっかいをかけることは変わらないのだが、まるで飲酒さえしなければ飲み会のような言動はしないと言わんばかりの主張を。アウターのボタンを片手でぷちぷち留めながら、口角をきゅっと上げ無邪気に微笑みかけて。)
俺んち酒もつまみもありますし、こっから近いから…ちょっとだけ、ね?せっかくお隣だったんですから、もっと仲良くなってみたいんです。
…少しだけだぞ。
ちょっと飲んだら帰るからな。
( 相手のもう飲まないという主張と、これだけ頼まれるとどうも断れない自分の性分から、仕方ないと了承をしてしまう。自分もそこそこ酔っているし、少しだけお邪魔して帰ろうと心に決め。もっと仲良くなりたいという言葉は本心なのだろうか。こんな自分と仲良くなったところで、いいことなどないのだが。そんなことを思いながら、相手についていくことにして。)
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