正々堂々宣戦布告〆

…なんだ？保健室の先生は今いないのか？仕方ねェ、俺がやるか。
（保健室の前に着くと目の前のドアを勢いよく開けた。しかし中には誰もおらず、このまま待っているわけにもいかないためとりあえず自分が相手の傷の治療をすることにし）

は？何する気だよ
(幸か不幸か部屋の中には先生も生徒も誰一人としておらず、今保健室には自分と担任二人きりのようだ。主語のない意味深な言葉を呟いて何か始めるらしい相手に対し警戒心丸出しで)

何って怪我の手当てに決まってるだろうが。そこに座れ。
（警戒心丸出しの相手に対して逆に何を言っているんだというような目で相手を見ると椅子に座るように促し。）

手当てくらい自分で出来る。お前の助けとかいらねーし。
(促された椅子へ渋々座るも言いなりになるのが気に食わないらしい。他人の力なんか借りてたまるかと、あからさまに不服そうな表情で視線を逸らし)

お前に拒否権はないぞ？じっとしてろ。
（相手が椅子に座ると消毒液を綿に含ませ、相手の頬の傷を消毒しようとし）

い"っ……！もっと丁寧にやれよ下手くそ……
(問答無用で押し付けられた消毒液は傷口に染み渡り、ヒリヒリとした痛みに思わず顔を歪ませる。折角手当てして貰っているのにも関わらず、出てくるのは感謝の言葉でなく嫌味ばかりで)

うるせェ。丁寧なんて言葉は俺の辞書にはないんだ。我慢しろ。
（嫌味を言われてもどこ吹く風といった感じで丁寧になんてできる訳がないと遠回しに言い。口では丁寧にやる気はないようだが先ほどより優しく手当てをするように心がけ）

ならさっさと終わらせろ。
(心なしか傷口に触れる際の力が弱くなった気がしないでもないが、痛いことには変わりない。短く一言反論した後、早く終わらせてくれとこれ以上口を挿むことはやめ)

お前普段喧嘩とかしてる癖に痛みに弱いんだな。意外だ。ほらよ、できたぞ。
（早く終わらせろと言われると先ほどから思っていたことを口にして。消毒を終えると絆創膏を傷口に貼り）

弱くねぇ、お前のやり方が悪いんだろ。そもそも普段こんくらいの怪我で手当てなんてしねーし。
(今回が特別なだけ、そう強調して言い返す。相手から傷の処置が済んだことを伝えられるや否や、じゃあもう用は済んだ筈だろうと立ち去ろうとし)

……おい待て。まだ説教が残ってるぞ。
（言い返されても特に何も言わなかったが、相手が立ち去ろうとするとまた腕を掴み説教がまだだと告げ）

あ"？なんでお前に怒られなきゃなんねーんだよ。
(やっと解放されると思ったのに…。捕まれた腕はそのままに顔だけ相手の方に向けるが、納得がいかないとガンを飛ばし)

当たり前だろ。嫌ならもう二度と喧嘩なんて馬鹿な真似はしないことだな。
（ガンを飛ばされてもどこ吹く風といった感じで怯むことなく相手の目を見てそう言い放ち）

俺から手ェ出した訳じゃねぇ。これは俺の問題だし、学校にも迷惑掛けてねーだろ。
(あくまでも先に突っ掛かってきたのは相手、自分はそれにやり返しただけだと言い張って。今回の喧嘩の相手は他校の生徒。校内で喧嘩した訳ではなく、直接的に学校と関わってもいないのだから叱られる義理はないとの言い分で)

そういう問題じゃねェ。喧嘩すること自体が駄目なんだよ、わかるか？そもそもなんでお前は喧嘩するんだ？
（呆れた、といった様子で小さくため息を吐くととりあえずなぜ喧嘩をするのかを知ろうとし）

やられたからやり返しただけっつっただろ。理由とか知らねぇ。
(殴られたから殴り返した、喧嘩の根本的な理由なんて知らないの一点張りで。実際、普段の喧嘩も相手側から吹っ掛けてくることが多く、自分はそれに乗っかているだけと主張して)

理由が無いならやらなくてもいいだろ。殴ってくるような輩なんて相手にすんな。
（理由が無いならわざわざ喧嘩する必要もないだろうと諭すようにゆったりとした口調で話し、殴ってくるような人は相手にしてはいけないと教え込むように述べ）

んなのテメェに言われる義理ねーよ。素人が首突っ込むんじゃねぇ。
(何も知らないくせに余計な口を挟むなと、相手の諭しなんて一切心に届いていないような口調で言い返し。ごちゃごちゃ五月蝿いの一言でその説教を一蹴し)

じゃあ突っ込まれないように生活しろ。俺が教師である限り、何度でも首突っ込むからな。覚悟しとけ。
（突っ込まれたくなければ生活態度を改めろと言いながら自分が教師である限り何度でも説教すると宣言し、覚悟しておけとニヤリと一瞬笑い）

あっそ……好きにしろ馬鹿。
(どう足掻いてもこの教師からは逃げられないことを察したのか、鬱陶しげに吐き捨てると相手の方を一瞥して)