煌めく絆〆

大丈夫だよ、アルダンの走りはどのウマ娘よりもすごいと思うよ、まぁ俺も走り見る前否定してた人だけどね……それにさ、負けた時のこと話すのあれだけど俺が残るよ、アルダンのためにトレーナー人生かけるって決めたから…アルダンにはさっき救われたから恩返ししないとだしね、というか単純にそばにいたい…だけだけど…あはは…
(手を重ねられて震えていることを知れば両手で彼女の手を包み込んで、にこやかに安心感を与える笑みをすれば彼女の走りをべた褒めして担当トレーナーのつもりだけでなく、ずっとそばにいると告白紛いの発言をしてアルダンを自分に出来る全力の言葉で励まして)

ありがとうございます…それでも今のは聞かなかったことにさせてください。…トレーナーさんのお気持ちは嬉しいですが逃げ道があると考えてしまうと覚悟が鈍ってしまいますから
(仮に負けてしまった場合のことまで考えてくれる相手の気持ちを純粋に嬉しく思いながらも、それに甘えるようなことになってしまいたくなく、今は何も聞かなかったことにさせて欲しいと深々お辞儀して)

うん、分かったよ…アルダンは偉いね。同い年くらいなのに…本当に尊敬するよ。
(自分の作った逃げ道にも甘えず、覚悟を決めているアルダンを本当にすごいと思いとても同年代には見えないなと思いながら震えの納まったアルダンの手を両手で強く握って)

私はこのような身体ですが、それでも心までも弱くなければならない道理はないでしょう？…気持ちだけは迷わず前を向いていたい…そのための勇気を貴方からいただいたからこそ改めてこうして覚悟を決めることが出来たのです。今の私の決意を固めた姿が立派に見えるのだとしたらそれは貴方のお陰でもあるんですよ
(尊敬の念のこもった言葉を投げかけてくる相手に対して、確かに自分の中に譲れない信念があることは間違いないが、その信念を貫き通す為に改めて背中を押してれたのは相手の想いだったと口にし、こちらももう片方の手を伸ばせば手を取り合うように握って)

えっ！？……俺はそんな大層な人間じゃないのに……あ、すみませんうるさくして…ありがとうございます。
(手を取り合いながら自分のおかげだと言う彼女にびっくりして思わず手を離すと、看護師さんがアルダンの病院食を運んできて)

ありがとうございます……もうお食事の時間なんですね、トレーナーさんとお話しをしているとあっという間に時間が過ぎてしまいます
(話の途中で食事が運ばれてくると看護師さんにお礼を述べて、それから相手へと向き直れば一人の時に比べて相手と一緒にいる時間は充実していて過ぎるのも早いと楽しげに微笑んで)

トレーナーさんはお腹は空きませんか？
(さすがに相手の分の食事はないため、もし何か食べるのなら売店などで買ってくるなり外で食べてこなければいけないことになるため気になって尋ねて)

俺はいいよ、今はお腹空いて………うぅ、なんでこういう時に格好つかないのかな…
(ある程度お腹は空いていたが何となくアルダンと一緒にいたい気持ちもあり我慢していたがお腹の音が鳴り、恥ずかしそうにして)

ふふ、私はどこにも逃げませんからどうぞお食事へ行ってきてください
(相手のお腹が鳴ったのを聞けばクスッと口元に手を当てて笑い、自分はこのベッドの上からは動かないのだからと少しばかり揶揄うようにそう言ってのけては、相手にも食事へ行ってくるよう勧めて)

じゃあご飯食べてくるね…絶対どこにも行かないでね、絶対だよ？
(さすがに食べてくるかと立ち上がってドアの前に行くも子供のように何回も振り返って確認してやっと退室して)

(食事を終えると敢えてベッド上から離れて隠れたまま戻ってきた相手の反応を見る、などという無茶はいくら軽度だったとはいえ足の怪我をしている以上はせず、大人しくベッドの上で先程持ってきてもらった本を読みながら相手の戻りを待っていて)

…ただいま。良かった、ちゃんとアルダンいて。
(しばらくするとアルダンの部屋へ戻ってきて、いなくなっているのではと不安だったが彼女の顔を見て嬉しそうに微笑んで)

おかえりなさいませ、ですから私はどこにも行かないと言ったではありませんか。…この状況でなければどこかに隠れてちょっと困らせてみようと思わなくもなかったのですが
(本から顔を上げると、なんとも心配性な相手の言葉にクスクス笑いが漏れて、とはいえ、実はちょっとした企みが無かった訳ではないと悪戯っぽく笑ってみせて)

俺そんなことされたら泣く自信しかないなー…なんてね。そうだ、お土産買ってきたんだ。甘いの大丈夫かな？
(冗談言いながらもこの短時間でアルダンにべったりになってしまったと心の中で苦笑いし、手に提げていたコンビニ袋からプリンを取り出して食べられるか聞き)

まあ、お心遣いありがとうございます。…トレーナーさんのご厚意ありがたく頂戴いたしますね
(甘いものが好きかどうかの問いに答える代わりに、プリンを見て嬉しそうに微笑みながら胸元で手を合わせると、お礼を述べ、是非ともいただきたいという意思を示して)

お見舞いとかだと甘いものがいいってどっかで聞いたからさ……俺は入院なんてした事ないから変じゃないか少しヒヤヒヤしたけどね。
(入院した事がなく一般常識に少しかけていると苦笑いしながらも、喜んでプリンの蓋開けるアルダン見てほっとして)

確かに甘いお菓子やフルーツなどは定番ですね、ですが気持ちのこもった贈り物ならばなんでも嬉しいものですよ？…もっともお見舞いの品をいただくようなことにならないに越したことはありませんが
(一般的にお見舞いといえば確かに甘い物は鉄板だと自らの経験則から頷くが、結局はどういったものでも貰えば嬉しいとしつつも、そもそもお見舞いの品を貰わなくてもいいように常に健康体でいたいものだと最終的にそう結論づけてはプリンを口へと運び)

まぁでもさ、言い方はめちゃくちゃアレだけど今日入院したおかげでアルダンとゆっくり会話できて仲良くなれたしさ……そんなマイナスに考えないでさ
(先程励ましてくれたので次は自分がとアルダンを元気づけるように微笑みながら話しかけてながら優しく頭撫でて)

いえ、いいんですよ。私もちょうど同じように考えていましたから…トレーナーさんとは考え方や気が合うのかもしれませんね
(そうは言いつつも今の状況をそこまで悲観していない自分がいて、というのもやはり相手と同じように、この入院がきっかけでお互いをよく理解出来たと感じているからだと好意的に口にすれば撫でる手を受け入れていて)

だね、アルダンとは話してて楽しいし嬉しいよ……ところで入院中ってお風呂どうするの？
(自分も彼女とは気が合い永遠に話してられそうだなと嬉しく思うと、ついそんな疑問が思い浮かんで入院生活が長いアルダンにふと聞いてみて)

お風呂はありませんが…シャワーでしたら希望すれば浴びることが出来ますよ。当然病状などにもよりますが…でも、何故いきなりそのようなことを？
(入浴に関する質問にはそう答えを返しつつ、相手の質問の意図をはかりかねて不思議そうな表情で首を傾げて)