匿名さん 2022-02-11 21:29:14 |
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バイト自体は1年生の頃からしてた。
酒つくるようになったのは二十歳なってからだけど、楽しいからよく練習してんだよね。
( うまい、と言われればしっぽの生えた子犬のようによかった、と笑みを浮かべ、続けて、相手の質問に答えると、「 意外とすぐできるもんだぜ」なんていって見せる。酒の種類なんかを覚えるは少し面倒だったが、上手くできるようになると楽しいものだ。
使い終わったシェイカーなど、洗ったり片すものがあるものの、静かに此方の返答を聞き、ゆっくりと酒を飲む相手を尚もしつこく見つめてしまう。
同時に、ため息まじりについつい本音が漏れる。)
はぁ、マジ、あんたかっこいい…。
バイトでもこんな上手く酒が作れるようになるには、練習かなりしたんじゃないか?
(練習が楽しいというのも才能だと、正直に相手に尊敬の言葉をかければ、自分もこのように続けられることを見つけられたら、もう少し人生楽しいのかもしれないと思う。
相手の視線に気付かない程、鈍くはないが、漏れた相手の言葉とその視線の意味を考え、何と返していいものか少し戸惑い。これまで、地味な見た目からそのような言葉を言われた経験もなく悩んだ末、口を開くと。)
そんなこと言われたの初めてだ。
えー、一目惚れしちゃうくらいかっこいいのに。
俺の理想のダーリンって感じ。
確かに、たくさん練習したけど、練習しててよかったよ。
それ、俺のおごりね。
( 初めて言われた、と言う相手に、カウンターに頬杖を付きながら、恥ずかしげもなく上記を述べて微笑んでみせる。これは率直で正直な自分の気持ちだが、つい癖であたかも軽く聞こえてしまうのが我ながら残念だ。
そして、酒作りの腕を褒められれば、美味しいと相手に喜んで貰えるなら練習してきたかいがあったと嬉しそうに続けた。
思わず、今がバイト中だと言うことを忘れ、ナンパしているような気分になる。よくよく考えれば、慣れているように見えて、男性相手にこんな気分になるのも初めてのような気がする。 )
…ありがとうとだけ言っておく。
奢られるのはちょっと申し訳ない気もするが…
じゃあ、その代わりこれからもここ飲みに来ることにするよ。結構店の雰囲気も気に入ったし。
(相手から出てきた「ダーリン」の言葉にはどんな表情をしていいのかわからず、しかしこんな地味な男でも褒めてくれれば悪い気はしないので、一応一言お礼を述べる。初対面の相手にこのように絡まれれば普段の自分なら、絶対反応したり返事をしたりしないだろうが、何故だか相手にはそれができず、不思議に思う。
本当は奢られるのは申し訳ないと思うし、これだけ美味しい物にお金を払わないのは失礼だとも思うが、せっかくの相手の申し出を無下にも出来ず。代わりに、これからはいつも適当に選んでいた酒場ではなく、ここに来ることを約束し、残っている酒をゆっくり飲み干す。
ふと、相手を見て奢ってもらったこともが、これからここに来ようとしているのに、名前を知らないことに気付き、改めて自己紹介をして。)
そういえば名前言ってなかった。
俺、経済3年の宮城 悟だ。
え、マジで?やった!
俺がバイトの時に来てくれると嬉しいな。
俺は、心理学部3年の清峰 輪。
( 奢られることに対しては少々申し訳なさそうにしていたが、代わりに店へ来てくれると聞いてこれまた嬉しそうに反応する。なにより、相手のようなタイプには普段煙たがられるか無視されることが大半だが、彼はきちんと返してくれし、その分此方も舞い上がる。
ちゃっかり、自分のバイト時に来てくれるように言葉を続ければ、後でシフトを教えようかな、なんて考えて。
そして、相手の名を聞けばその名をしっかりと記憶に刻み、此方も名乗っていないことに気付いて、片手を差し出した。笑顔で名を名乗れば「 好きなように呼んでよ 」と最後に付け加えて。 )
それならいつシフト入ってるか教えてくれ。
後ででいい。
清峰か。よろしく。
(嬉しそうな反応に、何故だかこちらも提案してよかったという気持ちになり。人付き合いがあまり得意ではないが、酒好きなこともあり彼とはなんだか上手く付き合えそうな気がして、シフトも後で聞いておこうと相手に頼む。
差し出された手を見て、それを握り返せば、距離感も掴めないためとりあえず名字で呼ぶことにして、相手同様「 俺も好きなように呼んでくれ 」と伝え。
特に用事はないが、明日も朝から大学があるため今日はこの辺で出るかと席を立てば、シフトのことは大学で聞けばいいかとも思うが、会えるか確証もない。何より大学では地味な自分に話しかけにくいし、もしかしたら話しかけられても迷惑かもしれないと思うと、胸ポケットに入っていた適当な紙にペンで電話番号を書き、最初のハイボール代と共に相手に手渡して。)
まだ、飲みたいとこだか、今日はもう帰る。明日早いから。
…それ、俺の電話番号。
( 握手を返してくれた相手に、両手で応えながら「 こちらこそ よろしく 」と満面の笑みで述べる。続けて、胸の内で名を呼んでくれたことに感激していれば、席を立つ相手を見て、今度は少しばかり寂しげな顔をする。 )
…え、あ、ありがとう!
シフトも、なんでも教える、てか、電話する、絶対!
じゃあ、次、大学で会おうな。
( 帰る、という相手に、仕方ないという気持ちと残念な気持ちで項垂れていれば、ふと、電話番号を手渡され、瞬きを幾つかしては相手の顔を見つめる。確かに、シフトも後でとは言っていたが、まさか番号をくれるとは思っておらず、慌てて上記を述べれば、その紙を大事そうにポケットへしまう。
朝が早いのであれば、今夜ではなく、明日大学に行く時にでも電話しようかな、と考えながら、再度満面の笑みを浮かべれば、店を後にする相手の背を見送った。 )
(連絡先を渡せば喜ぶ相手に何だか昔飼っていた愛犬を思い出し、口元だけではあるが小さく笑みを漏らすと、相手の言葉を後ろで聞きながら軽く手を挙げて返事をし店を出た。
来た時より更に寒さが増し、アルコールで少しは温まっていた身体でさえも寒さに少し震える。早足で歩いて15分ほどのアパートに辿り着くと、部屋に入ったなり窮屈なスーツや眼鏡を脱ぎ捨てベッドに横になる。
今日は何だか分からないが、いい気分のままこのまま寝てしまいたいと思い、ゆっくり瞼を閉じて眠りにつくことにした。)
( _何時もは憂鬱な朝も、今日ばかりは自然と早く目覚め、何時もよりゆとりを持って身支度を済ませて家を出る。
昨日はあの後も上機嫌でバイトをこなし、どちらかといえば興奮してなかなか寝れず、寝るのに苦労した。
相手は朝早いといっていたので、一限の授業終わりの時刻である今、もう既に大学に居るのだろうか。おまけに、今日は共通講義のある曜日だし、気分は上がる一方だ。)
……出てくれるかな。
( アパートから数分、大学の敷地内に入れば、昨日貰ったメモと携帯を取り出し、緊張気味にも番号を押す。)
( 今日はいつもよりよく眠れたお陰かすんなりと起きることができた。シャワーを浴び、ウォークインクローゼットの中にあるいつもの黒を基調としたシンプル(地味)な服に袖を通すと、一限の講義に出るため早く家を出た。朝食はいつも面倒で食べていない。大学までの間のコンビニで、飲み物だけを買えば大学へ向かい、一限の講義をいつもの場所で受ける。
二限は空きのためいつも大学の図書館で過ごすことが多い。今日もいつも通りそちらに向けて歩を進めていると、ポケットの中のスマホが鳴っていることに気付く。電話をかけてくる相手など自分の親ぐらいしかいないが、画面にうつる見たことの無い番号に、昨日の夜のやり取りが思い出され、すぐ通話ボタンを押すと耳にそれを当てる。)
もしもし?宮城ですが。
あ、俺、清峰だけど!
…あのさ、3限共通だろ?
だから、それまで空いてたらまた話でもしてたいなって。
今いる場所教えてくれたら、俺、そっちいくし
( ドキドキしながら発信音を聞いていれば、通話が繋がり、相手の声が聞こえて来て一度深呼吸をする。
まずは自分の名を名乗り、その後、授業終わり?なんて他愛もないやりとりも数回繰り返せば本題へとはいる。
どのみち午後から同じ講義に出向くとなれば、それまでの間に一緒にいれないかと考えたのだ。
ブラブラと学内を歩きながらすれ違う友達に挨拶はするものの、相手の返答に意識を集中させる。)
あぁ、別に構わない。
…今図書館に向かっていたところなんだが、図書館近くのカフェスペースでもいいか?
(予想通りの相手の声を聞けば、歩みを止め通話に集中する。昨日の夜シフトのことを教えて貰う約束をしていたと思い出せば、電話で済ませればいいとは思うのだが、会うことに特に断る理由もないため、二つ返事で了承の意を示し。図書館近くまで来ているため、そこの前に学生が利用するカフェスペースがあることを伝えれば、急がなくてもいいとだけ告げ電話を切る。
先に着いたため、適当な場所に座り、借りていた本の続きを読んで相手を待つことにし。)
( 相手の返答に、分かった、と告げれば、通話を切って早々にカフェスペースへと走って行く。急がなくてもいいとは言われたが、此方が急ぎたいのだから仕方ない。
カフェスペースの前にたどり着けば、走って乱れた髪をかきあげつつ、中へ入って相手を探す。
暫く辺りを見渡すと、何やら本を読み込んでいる相手を見つけた。)
よ、ダーリン。
( 後ろからそろりと近づけば、覆い被さるようにして声を掛ける。今はバイト中でもない為か、昨夜よりも更に距離感やノリが軽くなっている事だろう。
おまけに、好きに呼んでいいと言われたことを良いことに、昨日知り合ったばかりの相手にあろう事か“ ダーリン ”呼びを決め込んだようだ。)
(本に一度目を落とせば中々本の世界から抜け出せないのはいつもの癖で、まったく周囲の雑踏など聞こえなくなるため相手が急いでこちらに来ていたことなど覆い被さられるまで気付きもできず。少し驚きの表情を浮かべ後ろを見遣れば、その呼び名にまさか自分のことなのかと眉間に皺を寄せる。たしかに、何でもいいとは言ったが、普通名前だろうと思う。間近にある相手の顔を見れば、端正な顔立ちでさぞモテるだろうと思うと共に、この人物には距離感という言葉が存在しないのだろうか?誰にでもこうなのか?と疑問に思いつつ。)
…、その呼び方はやめろ…。
たしかに何でもいいって言ったが…。
えー、いいじゃん、減るもんじゃないし。
俺のこと、ハニーって呼んでくれてもいいよ?
( 此方を振り返り、眉間に皺を寄せた相手の顔を見れば、へへ、と軽く笑って覆い被さっていた身体を離した。
思いのほか相手の顔が近く、心臓は爆発寸前だが、顔には出ていないことだろう。
呼ば方が気に入らないらしい相手に、上記を述べながら向かい側の席へと腰を落とせば、代わりに自分のことはハニーでも良いと冗談混じりに告げる。
まぁ、呼び名はそもそも変える気は無さそうだが、早速嫌われるのも不本意なので、相手が手にしている本に視線を落とし、話題を変えるようにそれについて尋ねてみる。)
何読んでたの?面白い?
( 呼び名については、彼のジョークなのだろうかというところに思考を留まらせ、この感じだと呼び方は変える気はなさそうだと思うも、自分はどうでもいいのだが、その呼び方では相手が変人扱いされないかと若干不安に思う。
手に持っていた本の話になれば、向かい側に座る相手に本を見せる。今日持ち歩いていたのは、推理小説であった。適当に返事をすれば、すこしばかり息があがっている相手を見て急いで来たのが見て取れ、席にあるメニュー表を相手に差し出し。)
…推理小説だ。
何か飲み物でも頼むか?
へぇ…。あ、ありがとう。
じゃあ、アイスコーヒー頼んでくるわ。
( メニュー表を受け取れば、すぐに礼を述べて、ちょうど喉が乾いていた為に先に注文と会計を済ませてしまおうと、席を立った。「 ちょっと待っててね 」と語尾を機嫌よく跳ねさせれば、軽い足取りで会計へ。その道中でも、同じ学科の友人に声を掛けられれば、明るく挨拶を交わす。いつも派手めな服を着ているため、友人側からしたらすぐに分かるのだろう。)
推理小説かぁ、俺、あんまり本は読まないけど、たまに読むの推理小説が多かったよ。全然、犯人当てらんないけど。
( 暫くすれば、アイスコーヒーを片手に戻ってきて、再度席に座れば、もう一度本について言及する。といっても、見ての通り普段から本を読むような人種ではないため、上記のように当たり障りのない会話しか出来ないが。)
まぁ、犯人が誰かわからないまま読むのも楽しみの一つだ。
…さっき友達と会ったみたいだが、そっち行かなくていいのか??
( コーヒーを購入しに行く後ろ姿を見れば、自分とはまるで正反対で、お洒落な服装がとても良く似合うなどと、じっと観察する。BARにいたときは、向こうも制服だったし、こちらもスーツだったため、こう普段着で会うとその印象とはだいぶ違っているのだと改めて思う。
おそらくは小説などあまり読まないタイプであろうと予測していただけに、話を聞くと予想通りだと思ったが口には出さず、人それぞれの楽しみ方があるとだけ伝える。
それよりもアイスコーヒーを注文する傍ら友人らしき人に挨拶をする様子を遠目から見ていたため、自分よりそちらを優先してもいいのだが、ということを述べながら本を鞄に片付けて。 )
え?だって、ダーリンに会いに来たんだし。
一緒にいたいと思った人といる、それが俺のルール。
( 相手の言葉に「 それもそうだね 」なんて言って笑い、アイスコーヒーを1口飲めば、続けて他の友人達の話題に肩を竦めた。
確かに挨拶はしたが、だからといってその後も行動を共にしたいかと言われれば話は別である。
何より、今日は相手と一緒にこうして話もしたかったし、他の友人の元へ行く気はさらさらないようだ。
何気なく問題の呼び名を呼んで、不思議な見解を述べれば「だから平気だよ」と続ける。
しかし、自分は平気でも相手に何か不快な思いでもさせたのかと心配そうに告げた。)
ごめんね。もしかして、気にさせちゃった?
…いや、それならいい。
大体わかると思うが、…人付き合いが得意な方ではないから、俺といてもあまり楽しくないかもしれない。
( 呼び名には特に突っ込むことなく、相手の思いには、半分納得して言葉を飲み込み。しかしながら見た目も性格もこうも正反対な相手である。自分は、口数も多くないし、気の利いた会話もできない、大体自分と関わろうとしてきた人間は自分の態度に辟易し、離れていくものばかりだった。特にそのことに関しては気にも留めていないが、なぜだか自分気に入ってくれている素振りを見せる相手に正直に自分のことを伝える。
普通ならこんなことを相手に伝えるような性格ではないのだが、何故だろうと自分の中で疑問が生まれるも、きっと相手によく思われなくなったら、あのバーに行けなくなるからだと都合のいいように自分の中で解決し。 )
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