二人の行く末　／　〆　

良い子ね。
（　ともすれば不躾に聞こえる返しも、彼にして見れば他意はなく＿＿寧ろ素直に返事をしている部類なのだろう。不思議と凪いだ心持ちで此方を向いて返答する彼を見遣ると、零れる様に奥底から込み上げる小さな微笑みと共に彼を褒めて。出していた顔を引っ込めると、早速調理へと取り掛かる。まな板を取り出して軽くアルコールを吹き掛けた後、先ずはじゃがいもとにんじんを取り出した。何方も水洗いを済ませて皮を剥き、一口大に切る。次いで取り出した玉葱に眉を顰めた。玉葱を切るの、苦手なのよねぇ。緩々と溜息を零しながら包丁を差し込んでゆく、じわじわと痛みを感じる瞳に涙が溜まり始め、鼻を啜りだし　）
これだから玉葱は嫌いなのよ……！


（／　そうだったんですね！お仕事お疲れ様でした。作る過程の描写はこの様な感じで宜しかったでしょうか？どのタイミングで行動を起こすのか分からない為少し細かく区切ってありますが、区切り位置が絡み辛い場所であった場合はお気兼ねなくご教示ください！　）

そうですかね。
（　聞こえようによっては不快さも感じさせてしまうものな気もするが、素直に返事をしていると云う点では聞こえが良いだろうか。こんな些細な事でさえ褒めの言葉を欠かさず掛けてくれる先生に、今までの俺を補い覆すようむくむくと承認欲求が育まれる。調理音を何処か遠くのよう耳にしつつ、課題に励んでいればふと聞こえた言葉、玉葱は嫌いだとの嘆きに思わずくす、と苦笑にも似た笑みを零すように＿。　）
玉葱は確か繊維に沿って切る、や丸ごと電子レンジでチン、したらだとか目に滲みにくいって聞きますよ。

（／　三潴先生背後様こそ、いつもご苦労様です。はいっ、そのまま煮込んでいるところまで進めて頂いて大丈夫です！　）

水につけ置くってのもあるわね。……面倒くさくって。
（　教師としては有るまじき姿かも知れないが、何かと面倒事が嫌いなのだ。主に前半の思いが強く出てしまい小声で呟く様になった後半部分は、どうか聞こえません様にと願い。他愛無い独り言を聞かれていた事に一寸恥じらいを覚えるも、珍しく零れた彼の笑いに代えてみれば安いものか。釣られる様に口許に浮かんだ笑み、未だ滲む視界の儘玉葱と鶏肉を切り終えると、其れらを全て油の引いたフライパンの上に転がし入れて。炒める時でさえ目に染みる玉葱へ心の中で幾許もの不満を漏らしながら、適当な所で一度火を止める。 水を加えて再び火を入れ煮込み始めると、手持ち無沙汰になった様に鍋の前でぼんやりと佇みながら、次の授業の事を考える様にぶつぶつと。　）
……漢文の訓読文を…ノート提出させて……。


（／　お心遣い有難う御座います！平日が仕事であまり返信できないため、いつも待たせてしまい申し訳ないです…。煮込む所まで飛ばしておきました！ルーを入れる前に煮込むのですが、仮に香りに関する行動であればルーを入れた後として行動していただいても大丈夫です。此方の背後会話については、問題が無い場合は返信には及びません！　）

御夕飯の匂い…。もう直ぐ、出来ますか？
（　先生の新たな一面を知れたような気がしつつも、後半は特に反応示さず聞かなかった事にした。時間経過し課題を閉じらせ、ルーは入れられたのか自身が座る此方まで香りは漂い始め。思い立ったように立ち上がれば匂いに釣られ其方へと向かいひし、と貴方の背後から腕を回し呟くよう口にした言葉は御夕飯、となんとも大きく括られるもので。シチューへ期待、胸膨らませる其れに表情変化の乏しさを悔やむ。身長差から丁度、彼女の肩口へ顎を落ち着かせるよう埋めてみせぴとりくっ付き鍋を覗く其の仕草は、よくある子が親に抱き付くような、似たものであり。　）

へ、ぁッ……つ…。
（　くつくつと煮込まれる音、白濁した鍋の中から鼻腔を擽るシチューの香りが漂うと更にお腹が減ってくる。次の授業についてはまた後で考えようとお玉を手に取り、お鍋の中をかき混ぜようとしたその時。匂いに誘われるが如く此方へやって来た少年の気配に気付かなかったと言えば嘘になる。お腹の空いた子供が耐えられぬ様に近付いてくるシーンを想像して、思わず頬が緩む気にさえなった。だからこそ、彼の腕がするりと腹へ回された時に動揺してしまったのは仕方ない事だろう。普段では感じ様もない距離感、耳の直ぐそばで聞こえる男の声。驚きと共に、行く末のない手が鍋へぶつかると思わず苦悶の声を漏らして。熱された鍋に僅かながらぶつかった指先は、反射的に鍋から遠のく。熱さを堪える様に唇を食んで暫しのち、安心させるにも己を偽るにも似た声色にて　）
……大丈夫、もう出来るからね。大人しく待っていられるかしら。

！嘘、熱って言いましたよね。先生ごめん、俺が邪魔した様なものだから。
（　真顔で見詰める先、如何したのと言おうとした言葉は呑み込み、焦ったような声音にて真剣な眼差しを送り、するり回す腕を解き遠のいていた彼女の手を取る。俺に振る舞ってくれようとしている手料理、と云うだけで如何程か、心待ちにする他、意図はなかったものの驚かせ鍋へぶつけるとは思わず、如何しようも無く焦燥感が募り詫びを口に出せば、兎に角冷やせようと気持ちが急いて。　）

大丈夫よ、此れぐらい先生たまにやっちゃうもの。
（　痛みに僅かに顰めたかんばせを直様笑顔に塗り替える。焦った様子で掌を掴み取る彼からは悪意は疎か他意すら見て取れず、此処は叱るべき場面でも無いかと声を和らげて。大丈夫だからと落ち着かせる様に幾度か言葉にして、じわりと赤く染まり出した指先を見つめつ思案。彼が取った行動は子供らしく、＿＿逆に言えば高校二年の男子生徒とは思い難い。恋人同士の戯れでも無いこの触れ合いは、きっと彼が心の底で母親や家庭を求めているのだろうと理解してしまった。彼の求める通りに母親然と優しさを振り撒くのは簡単だが、それを彼に与えてしまったとして、それは彼にとって最善なのか。然し、家に来ることを拒みきれずこうして料理までして、中途半端な優しさを振り撒いている自分が今更最善などと、笑われてしまうかも知れない。ともすれば?き消える程の声量で、諭す様に。　）
……氷室くん、先生相手でもそうやって抱き着いたりしちゃダメよ。

…大丈夫なら。先生、結構ドジでしょ？
（　幾度か言葉にされる大丈夫、に自身をも落ち着くよう息を吐かせる。冷静さを取り戻してくれば、純粋に篭る期待からいつの間にかやってしまっていた失態に気付かされ、申し訳なさが押し寄せてくる。幾らなんでも母親と先生を違えてはいけない、と彼女の取っていた手も解放す。暖かな家庭を知らず知らずのうちに求める其れが垣間見える中で、黒歴史に成り得ようか。遅れてやってくる気恥ずかしさらしきものを感じては行き場の無い視線を暫し彷徨わせ、頬を掻けば立てた人差し指を神妙性の滲む顔色で、口唇へ宛てがい。　）
驚かせてしまい申し訳ありません。らしくない事しちゃいましたね、もうしませんからこの事は御内密で。

な。…そんなことありませーん、先生は品行方正で才色兼備なんだから。
（　漸く落ち着いた様子の彼にほっと息を漏らすも刹那のこと、形良い唇から飛び出て来た軽口に思わず一音。開いてしまった口を閉ざし、軽く唇を突き出しては、軽口に応ずるが如くわざとらしい不満のかんばせにて思っても居ない自画自賛の言葉をあげ連ね。人肌の温もりがふと消え去った掌をシンクに伸ばし、蛇口から少量の水を捻り出すと、火傷した指先に垂れ流し。内密の事ばかりが増えていくこの時間に思わず込み上げてくる微笑みは微かに意地悪な色を滲ませる。此処であった事など誰かに話せる筈も無いと言うに、何方にしようかと迷う素振りにて　）
あら、如何しようかなぁ。先生、口が滑って同僚とかに話しちゃうかも。氷室くんってば凄い甘えたがりなんですうって。

…其れ、本当に思ってます？
（　品行方正で才色兼備、此の言葉が出でては真意を測り兼ね。冷やされる指先を見遣り眺めつつ、少しばかりか不満な面持ちでぴしゃりと諫める事に。うむむ、と困惑するは真に受けても物言いは至極冷静で。秘め事を増やしていくこの頃、自然と口角の上がる口許は抑えられず其の儘に、提案を。　）
うわ、絶対にやめて下さい。言いふらさないで下さいよー？甘えたな俺は先生にしか見せない姿であり招いてくれた特権、て事でどうでしょ？

あら、私はいつだって本気よ。…なあんて。
（　飄々といって退けた矢先に耐えられず真面目ぶった顔を破顔させ。流水に晒した指先を適当な所で切り上げて水を止める。先程から手にしていたお玉にて漸くシチューを掻き混ぜながら、鍋の中へ視線を落とし。もう十分に煮込まれた様子のそれを皿に盛ろうと一旦火を止め、余りにも自然に笑みを浮かべる彼へ双眸を向け。私はこの子に甘い。最初から分かりきっていた事を改めて己の中で反芻し、悪戯子の様に提案する可愛らしい姿に軽く肩を竦め。此の儘では今後も彼の望む通り家に招いてしまいそうだ。それはいけない事だとせめてもの理性が働くうちに止めなければ。曖昧な笑みのまま二つの瞳をゆるうりと細め、彼の額を指先で軽く小突くと　）
はいはい。言わないから安心しなさい。生徒を家に招くのは今日が最初で最後よ。だから…寧ろ甘えられるのは今日だけなのよ。ふふ。

ウソですよね、顔が物語ってますもん。
（　束の間破顔された様にウソだぁ、とでも言うかのように軽やかな口振りで返し。今日が最初で最後、抑手伝いの代わりに願い事な訳だから理解はしているが、改めて聞かされると何となく残念な思いできゅ、と何処かが痛んだ、ような気がした。これ以上迷惑を掛けられない、と云う事もあり封じ込め。軽く小突かれた額へ指先を持っていけば、小突かれた事が腑に落ちなさげでありつつ、苦し紛れのくしゃと眉を潜めた笑みを作ってみせ。　）
じゃあ…生徒でなければ招けるって事になりますけど？なんて、冗談です。分かってますよ、今日だけって事は。

（／　ご連絡が遅れてしまいすみません…！お返事もう少しお待ちいただいても大丈夫でしょうか？ 　）

（／　態々ご連絡下さり有り難う御座います！いつもお勤めご苦労様です、余裕がある時で構いませんので、体調等ご自愛下さいませ。　）

もうバレちゃった。ま、才色兼備くらいは名乗っても良いと思ってるかな。
（　台所に併設された棚の扉を開くと、来客用にと念の為に2枚揃えた平皿を取り出した。湯気と共に芳しい香りを漂わすシチューを平皿へよそいながら、軽口の応酬に頬を緩めたまま。多少の自尊心からか、はたまた此れもまた軽口の延長戦か、何方とも付かない声色にて言葉を紡ぐ。横目に滑らせた視線で、何処となく不満気にも見えるかんばせで額を抑える少年を捉えては、次いで歪む様に笑った顔から視線を逸らし。冗談を冗談のまま、素知らぬ振りをしておけば良い事は分かっていた。もし、将来＿＿許されるのならば。そんな事が頭を過って居ないと誰が否定し得ようか。脳内を覗くことも出来ない他人は元より、自分の感情を最も知り得る私自身が。逸らしたはずの視線を、次は顔ごと確り彼に向けて冗談を肯定し。斯くてシチューをよそい終えた平皿を差し出すと、　）
……そうよ。生徒じゃない人とどんな関係になっても、それは個人の自由だもの。＿＿とは言っても、世間は簡単には許してくれないかもしれないわね。…さ、出来上がり。向こうに持っていってくれる？パンも買ってきたから、…付けて食べるでしょ？



（／　かなり遅くなってしまい申し訳ございません！お優しい言葉まで…有難うございますっ。因みにこの後の展開について、氷室くん背後様は何かお考えなどございますでしょうか？　）

先生、分析するには容易い人種ですもん。…まぁ、そうですね…確かに才知は優れ顔貌も美しいと思いますし、否定はしませんよ。其れに貴方に関しちゃ俺は感情を押し殺してる様な人は何考えてるか分からなくて苦手意識持ってしまいますし、好感は持てますね。取り繕う事なく感情を誤魔化さずに、其の儘この先もずっとありのままで居て下さい。
（　人の思考を的確に分析するが理解し得ない感情も多い。今は雨からの帰りで多少崩れているのを鑑みても、己は容姿に対して派手過ぎだ地味過ぎだの何だの、然程口煩くなる事はないが、見苦しくない程度に普段身なりの整えられている彼女を一瞥し、感情の読み辛い人よりかは比較的に好ましさを感じれると思い軽口の延長戦にか続く応酬を其の儘に、思ってもない事を言うこともあれど恥ずかし気もなく何食わぬ顔で嘘偽りのない称賛を淡々とし会話を繋げ。冗談を肯定され何を考えているのか、相手の深層心理や脳裏を掠る事柄までもを簡単には測り知れないが、其れってつまり将来は有り得る事もあるんだ、と云う言葉は告げず苦し紛れの面影はなくなり凪いだ顔付きで同調する。
湯気がたつ食欲を唆られる香の漂うシチューがよそられた平皿を捉え思わず敬語が抜けている事を気にしない程には、感慨深そうに呟く。シチューにパン。其れは一工夫を加える事の無かった、食べ済ませるだけの俺には憧れだったかもしれない。想像したら美味しいに決まってる、此方に差し出し投げ掛けられる言葉で、パンも付けて良いの？と言いたげに、様子を窺う様な瞳を向け、自覚せぬまま口元を綻ばせ湛えた笑みで応答すれば皿を受け取り、運ぼうと背を向け歩き出して。　）
…其れはそうですね。赦されるか否かは世間体次第ってところでしょうか。お、美味しそうっ…分かりました。付けても良いなら、そうしたいです。

（／　返信有難う御座います！大変毎度の如く、質の高い文通をして下さるので感慨深く目を通させて貰っています。今のところ此方の炉留は大丈夫でしょうか？返し辛いと感じましたらお伝え下さいね。お忙しいところ申し訳ないのですが別軸短編としてside storyに、間に合わず過ぎちゃいましたがバレンタインをしてみませんかっ？今後も取り入れられる行事とかありましたらやってみたいなー、と云う願望が…。
メインの展開は帰宅したら珍しく両親が先に帰ってて湊が大体帰る時間とか把握してないから其の儘待っているも遅い湊の帰りに怒りつつ離婚話を聞かされ、卒業までの諸々援助は為されるが此れからの一人暮らし先は如何しようかと悩み、其の結果助言を仰ごうと相談を持ち掛ける、とかこの展開はまだ先で良いと感じましたら乾かすまでに時間が掛かった事で体を冷やし、何方かが体調を崩して自宅訪問だったり先生だと不器用ながらに側へ寄り添わせる事も出来たりします、湊なら家庭訪問も兼ねて写真とか一っつも飾られてなかったり殺伐とした家の雰囲気を感じて下されば、とか思い何方が具合悪くなっても良さそうで捨て難いです。何なら若しお見送りしてくれるようでしたら明かりのついてない家に不審感を抱き後日家庭訪問をする事にし、先生の看病をさせていただかせて貰っても勿論良く。湊は頭痛持ちですしまたどっかの機会にでも出来ると思いますので。兎に角お互いの内情を知れる展開とかあれば良いなと思います。学校生活ですしクラスメイトと雑談しているところなんかも良ければ。ご縁を長く続かせていただければ何れ卒業後なんかも。強制ではないので先生背後様の何か希望展開とかもあれば、遠慮なく綴って下さい！元担任との過去エピソードも知れたら良いなぁと思いつつ。
要約すれば、背後様の進展速度の希望にもよると思いまして一番手っ取り早いのが１遅い帰宅後に離婚話を聞かされ悩みに悩んだ結果、先生へ相談を持ち掛ける(親からの微暴力描写は有り無しを聞かせていただければ。途中、相談を持ち掛けるまでの流れに心配していただいても良。）２何方かの看病ネタを加え、追々離婚話へ。３看病ネタを加えず、クラスメイトとの雑談にて家庭環境を探りに自宅訪問。が今考えてある展開の流れですかね。離婚話にまでは入れなくても良い要望であればその旨を綴って下されば、と。無しにも出来ますし湊の家庭環境を知っていただける何かしらの切っ掛けがあれば良いと思っていますので。三潴先生の本心はお好きにしていただき途中まで保護者面されてたりだとか、何れ遊園地出掛けたり、アクセ贈りあったりなんかも良いですねぇ。何方からとか告白するしないか受け応えは云々、卒業後に迎えに行くとか諸々は流れに任す、と云う感じにお考えでしょうか？
因みに現状の好感度は異性としてはまだ意識していないけれど人間性としては傾慕している方、だと思って下されば。今後未だ嘗てない本気の恋心が芽生え発覚させてみたいと思っています。此方に関しても何か要望があれば。
大変長々と失礼しました。　）

＿＿あら。珍しく氷室くんは先生に素直ね。昔からこうだもの、きっとこれから先も今の先生から変わらないわ。氷室くんもその素直さ、変わらないままでいてね。先生そういうところ好きよ。
（　思わず口から溢れた感嘆詞。軽口の延長戦には否定が顔を出して来ると許り思っていたからこそ、彼の口から溢れでた言葉に瞳を瞬かせて。ほんの数秒間だけ驚きの感情をかんばせに乗せたあと、綻ぶにも、崩れ落ちるにも似た速度で頬を緩ませ微笑んだ。己の分のお皿にシチューを装う為伏せた睫毛の奥に、穏やか過ぎる程の灯火をゆらゆらと揺らめかせながら、変わらないでと望む声は一層優しく。お玉からとろりと平皿へ落ちてゆくシチューを眺め、上手くできたと心の中でガッツポーズ。不得意でも無ければ得意でもない料理だが、今回に関しては、彼の期待に応えられる程度のものが出来たのではなかろうか。キッチンから見えるリビングの机に持って行こうと振り返り、此方を窺う子供の様な顔を見たのはほんの一瞬のことだった。直ぐに背を向け、机上へと運ぶ姿を立ち止まって眺めつ、心の中で何となしの違和感さえ芽生える始末。彼の家庭環境が然ばかりかなど、己に理解できる範囲でない事は分かっていてもなお、気になってしまった。考え込む様に視線を漂わせるも刹那のこと、先を行く背を追いかけてシチューを机へと配膳し。次いで、キッチンに置かれたままのレジ袋から6枚切りの食パンを取り出すと、それも机の上へ置いて＿＿質素ながら、彼の望んだ食べ物は出来上がった。未だ湯気の立ち上るシチューを目の前に着座してから、一滴の揶揄を込めて　）
付けても誰も怒ったりしないわよ？…ふふ、はい、どうぞ。お召し上がりください、御坊ちゃま。


（／　此方こそいつもお待たせしてしまい申し訳ございません…！返し辛さどころか、直ぐ返したいぐらいの気持ちで読ませていただいております！いつも有難うございます。
サイドストーリー、良いですね。本編程のロール量では無くサクサクと（場合によっては豆、ロール無しぐらいで）、一度の投稿に書くか二回分投稿するかは氷室くん背後様のやり易い方針で大丈夫です！それが終わったらホワイトデーもやりたいですね！
わわ、凄いです…！実はお互いの内情について深掘りする様な展開がしたいなと思っていたので、ご提案いただけてありがたいです。氷室くんの家庭環境に関するあたりを深掘りして行きたいですね…。一番最初の、氷室くんが一人暮らしする展開は物凄く良いですね…。先に一人暮らししているものとして此れは揃えた方がいいとか一緒に買いに行ったり、その中で氷室くんの家庭環境について三潴が切り込んでいくと思います！
三潴の元担任エピソードとしては矢張り、未だに亡き担任のことを一途に思い続けている辺りから、氷室くんに恋愛感情を持たれても最初のうちは好きな人がいるからと避けがちだったり、三潴が付けるには似合わない男性物の時間がずれた時計をしている点などを取っ掛かりに始められたらと思います。元担任が亡くなったと信じたくなくて墓参りに行けていない子なので、何れは一緒に墓参りをして漸く気持ちの整理がついたり、前を向く（氷室くんの想いに応える）形にして行けたらな…と思っております。
物凄く身勝手ながら卒業後までやる認識でおりました。勝手に…。二年生なので修学旅行とかも有りますから、その辺りも出来たらすごく良いなって思っております！
個人的な方針としては
１氷室くんが両親から離婚の話を聞き、一人暮らしを始めることになる
を推していきたいです…！　）

へぇー、矢っ張り幼い頃からお茶目だったんだ。ぁ…いや、ですね。ふは、如何でしょう。はぁ、そうですか……有難う御座います？
（　応答を受け、軽妙な口振りで言い放つ。変わらない、と言われ次いで自身に対しても望まれる声は一層、優しく。耳障りの良い。ふは、と短く乾いた笑いを漏らし答えれば、ぱちり、今度は此方が目を瞬かせるのには十分な事柄だった。気の抜けた返事をすると間を置き、逡巡し挙句お礼を口にした言葉尻には疑問符の付いていそうな声音を残し、軽口を交わすのもそこそこに、話を区切らせ。先程、相手には一瞬でも見えたあどけなさの残る顔付きや話振りからも打ち解けている、ような気がする。達観として、何処か一線を引く態度を向ける存在が多い中、少なくとも彼女だけには素直で在りたい。
己がリクエストした料理を、彼女と向き合い座るようにして久しくありつけた手製の食事が、自棄に美味しそうだと目へ映る。揶揄の込められた一滴はスン、と澄まし顔で反応を示さず華麗に流し、た様にも見え料理へ気を取られているのか先ずはスプーンを手に取り頂きますと言添えれば、興味の湧いた面持ちで乳白色ルーへ、スプーンを差し込む。とろりと溶ろける、口溶け良い舌触りで満足したように口元が緩み。一口、また一口とスプーンを口元へ運んでいく。そうしている間に、つー…ぱた、と何かが頬を伝い微かな音を立てて、偶々手の甲へ落ちていった。＿あれ、何だろうこれ、じーんと目頭が熱くなり生暖かい雫が頬を流れる感触がした。手の込もった温もり暖かみのある料理は、泣いたのは、いつ振りだろう。けれど、いつの間にか涙腺が緩み零れた涙の雫は、表情にそぐわないもので。たかが料理に大袈裟だろうが、単なる生命活動でしかなかった食事を、食卓を囲む事で意味をもたらすとは。己では解せない感情の綯い交ぜに、ここは泣くところでは無い筈だ、彼女を困惑させてしまう、と一旦俯いて。　）

（／　あぁ、悪い方面で頭を悩ませていないのであれば良かったです！安心しました。バレンタイン前日からのを出させていただきます、湊は出掛けてますが先生は出会させるでも在宅でもやり易いようにして下さい。恐らく初回文長くなります…！以降は長くともメインよりは短めがちにする予定です。第三者も絡めつつやっていこうかなと。そうですねぇ、一気にだと長い時間を要する事と思いますので別けて二回分投稿の方針が此方としてはやり易いです！えぇ、其れは勿論是非！
わぁ、一緒に買い揃えに行ったりするんですね！
何処かのタイミングで一緒に墓参りは是非させていただきたいなと！其れ迄の過程も込みで。前向きに進行できたらなぁと思います。
いえいえっ、此方も同じくあわよくば卒業後までやりたいと思ってました。あー！修学旅行、すっかり頭から抜け落ちていました、ご提案有難う御座います。
では先ず第一の展開目標としましては、一人暮らしを始める事になる、からさせようと思います！　）

もともと外国とかじゃ花束を贈ったりするのが一般的なのに、日本じゃ当時の洋菓子メーカーの広告に踊らされたまま今もチョコを贈っていると思うと滑稽だなとは思います。
（　湊は習慣付いてなく行事とか節目とかそう云うものに対して一切の頓着がない。今だって、足を運びデパートへ大学生に連れられ来ている下、あ。なんて発声に其れまで目もくれずに居たが彼の目線の先、其処にあるのはバレンタインとして掲げられた広告で、見るまで此の時期だと云う事に気付かなかった。興味なさそうだけどの発言に対し感謝を伝える基義理チョコ、更には今時逆チョコや友チョコだか市販のチョコを選り取り見取りする人達を尻目に滑稽だな、とは思う事を諸説有り付きで紡ぎ。可愛げねーな！と笑顔で返され、真顔で「可愛げなくて結構ですよ。あんたは胡散臭い笑顔で貰っとく癖して食べないクズでしょ。」と辛辣に。何の気なしにハート型だとか、可愛いアニマルを模したやつだとかも食べ易いよう、躊躇いなく真っ二つにへし折ってしまえる湊もいいとこだが。二人並んでそんな他愛もない会話を交わして。　）

（／　此の文量は如何でしょうか…？長く感じますかね。行事とか季節感に執着なさ過ぎるので、年末年始の過ごし方とか当たり前のような事もこの先、体験させていただけると有り難いです！　）

（／　お久し振りです、如何お過ごしでしょうか…？ふと覗き、見返していたら懐かしく感じました。貴方がまだこのサイト、此処を覗いてくれてるかは判りませんが、此方は未だ何時迄もお待ちしております。下げにて失礼致しますので、いつ気付かれるか希薄ですが、偶にでも覗いてくれてるか、更新通知を受け取りにでもされてる事を祈り願い、其方が気付かれた其の時、再開出来ればお返事下さい。　）