白む空に燻る紫煙　---〆

( ゴミ処理所で靴を探す事も、別の証拠品を見付ける事も、誰かに話を聞きに行く事も、そのどれでも無く“帰れ”だなんて。プツリと切れてしまった電話は物静かに暗い画面を残すだけで。このまま言われた通り家に帰り、ご飯を食べて、明日の仕事の為に早めに就寝するのも悪くないのだが。＿＿車は家とは反対方向の署内へ。ツカツカと神経質そうな足音を鳴らし廊下を進めばまだ仕事をしている事を表すパソコンの画面の光と相手の後ろ姿を見付ける。己には帰れと言ったのに自分はまた遅くまで仕事か。ここ数日で随分と相手にも慣れてしまったこの感情は果たして良いか悪いか。上司命令無視を高々と掲げ、座る相手の横に立つと「さっきの“俺が悪い”ってやつは訂正して下さい。お荷物かもしれないけど、私だって一緒に捜査してる。せめて“俺も悪い”にして。」聞く人が聞けば生意気ともとられてしまうだろう言葉を真っ直ぐに放ち )

『ピクルー』というサイトのメーカー様にお借りして何となくこんな感じかなというベルを作ってみました…！

https://uploda1.ysklog.net/uploda/7c40b6b083.png

　






（　ニュージャージーにあり銃器の買取にも対応している狩猟用品店を検索していると、程なく廊下の方から硬い足音。帰れと言ったのに戻って来たのかと呆れた表情を浮かべつつ此方に近づいて来る音に顔を上げるも、隣に立ち此方を見下ろす相手の纏う空気がいつもと違う事に気付き、その言葉は口にする事の無いまま相手と視線が重なり。そして口を開いたと思えば、告げられたのは先程の電話口でのやり取りに対する文句。そんな事を言いに来たのか、と言いたくなる反面、2人で事件に向き合っているという事実を無碍にするなと言われたような気がして、溜め息を吐きつつもメガネを外すと「__悪かったよ」と素直にも一言。「だが実際気付くべきだったのは俺だ、経験を買われて来ておいてこれじゃあお粗末だろ。」独りよがりな言い方をした事は悪いと思っている、が、あの時過去の経験を以てしても気付く事が出来たはずの証拠を無駄にしたのは自分だろうと。---「気が済んだなら帰れ、帰る気が無いなら付き合え。州内にある狩猟用品店をリストアップしたい。」命令を無視して自ら職場にやって来たのだからとばかりに作業を相手にも振る。この時間から新しい事に着手すれば、終わるのはいつになるか目処も立たないのだが。「それと__何か持ってないか、クッキーとか。」職場に置いていてもおかしくない食べ物で思いついたのがそれだけだったという理由に過ぎないが、軽いもので良いから何か腹に入れたいようで相手に尋ね。　）





　

　



（／とても可愛らしいです…！想像通りまっすぐで明るい雰囲気の女の子でした。こんな風に詳細に作れるキャラメーカーがあるんですね。興味が湧いたので、仕上がりはどうなるか分かりませんが私も後でやってみたいです…！）




　

( 己の生意気でもしかしたら子供じみた気配漂ってしまう文句にすら素直に返って来た返事。堅物で融通が効かなくて…なんていう小耳に挟んだ周りの噂話をふと思い出してそうではない面も知る。されど矢張り自責の念は拭えないらしく続けられた発言に少し考えた後返す言葉は「じゃあ…挽回が必要だね。エバンズさんも私も。」あくまでも一人にはさせない。暗にこのまま手伝う事の意思表示を隣の席に座る事ですればそう言えば、と一先ずハンスから回収して来た新品の黒のスニーカーを取り出し「現場に残ってた足跡ともし少しでも照合できるなら。」一番初めに男だと判断する材料になった靴の跡の話を出す。続けて此処に来るまでの道すがらで買ったサンドイッチ二つを鞄から取り出しつつ一つを相手の目前に置き。「今日も今日とて一緒の食事だね。」なんて戯言と共にもう片方のフィルムを外し一時の休息とばかりに軽い食事を楽しんで )


（ ／ なかなか楽しかったです！いつかエバンズさんのこんな感じかな容姿を見れる事を楽しみにしてます…！ ）

　





（　挽回が必要だという言葉にはああ、と答えるのみだったが、すぐにパソコンに目を向け直す辺り一刻も早く証拠に繋がる何かを掴みたいという思いは強いようで。相手が回収してきたスニーカーも足のサイズなどを照合し絞り込みには使える物だろう、鑑識に渡しておこうと受け取り。相手は帰る気が無いどころか元からそのつもりだったのか食事まで購入して戻って来ていたようで、サンドイッチを受け取り1つを片手で口に運び。---州内にある狩猟用品店を確認し、銃器の買い取りにも対応している店のリストアップを終えた頃には間もなく薄っすらと空が青みを帯び始めるであろう時間帯。それでも店は十数店舗に絞り込む事ができイスの背中に体重を預けつつ溜め息を吐くと「…この店に連絡して、事件の当日か翌日にライフルを買い取った店を当たる」と一言。営業が始まるのは概ね10時頃だろうから出勤はそれくらいの時間で構わないと言いつつ。　）


（／早速やってしまいました…！かなり西洋風に寄せられるものがあったのでイラストのテイストが少し違いますが、昨日のを参考に勝手ながらミラーも作ってみました。かなりシックな感じの絵柄ですが雰囲気が出ていたら嬉しいです…！）

エバンズ
https://uploda1.ysklog.net/uploda/40f8c3ab99.png
ミラー
https://uploda1.ysklog.net/uploda/02b819dc87.png






　

( サンドイッチを頬張りお目当ての店を数十店舗まで絞り込めた頃、椅子に座りっぱなしだったせいか首も肩も、身体中がガチガチに固まっており。立ち上がり一度天井に両手を向けて大きく伸びをした後に「ちょっとだけ仮眠してからシャワー浴びるのに帰ろうかな。」とぽつり。五分も話し掛けられないと間違いなく眠りに落ちるという自信があるくらいに眠さはマックスなのだ。幸いこの時間から数十分眠った所で他の人達の勤務時間にはまだまだ程遠いし家と職場を往復したって与えられた時間までは余裕。見られないような角度で小さな欠伸を一つして自身のデスクへと戻ればスマホでアラームを掛け。＿＿30分後。アラームの最初の音で頭を持ち上げると椅子に掛けていたコートを羽織り鞄を持ち、果たして相手は帰ったのか同じく仮眠でもしているのか、どちらにせよ確認だけしておこうとデスクまで歩み )


（ ／ こんな感じのメーカーもあったのですね！エバンズさんもとても素敵で、オマケにベルのまでありがとうございます！こういったシックな感じの絵柄好きなので密かに興奮してしまいました…！時折見てニマニマさせてもらおうと思います…！ ）

　





（　かなりの重たい疲労が身体に纏わりついているような感覚が抜けきらず、相手がデスクに戻って行くとイスに深くもたれ掛かり。自分も一度家に戻ってシャワーを浴びようか。睡眠薬は飲んでいなかったが、そんな事を考えつつ目を閉じているうちに自然と意識が沈んで行くような感覚。___眠りについても見るのは決まっていつも例の事件に関する夢だった。子どもたちが遊んでいる幼稚園の園庭に1人で立っている、嫌というほど見てきた夢でこれから起きる事も当然分かっていて。目を覚まさなければと頭では思っているのに、身体が重たく動かず自分はその場で見ている事しか。銃の発砲音と同時にどこかで靴の音が聞こえたような気がして一気に意識が覚醒して目を覚ますと、視界に映った見慣れたデスクに安堵して。時計を見ると眠っていた時間はほんの数十分、心拍数が上がっていて逆に疲れたような気さえするが深く息を吐いて気持ちを落ち着けて。　）


（／2人を作るのがとても楽しかったです。もう少し髪は乱れているかな？とか、見返しながら色々イメージを膨らめるのも面白いですね、絵柄も色々あったので個人的に挑戦してみたいです。素敵なメーカーを教えていただいてありがとうございます。私もベルちゃんをばっちり保存しましたので、カメラロールを見てホクホクしたいと思います…！）





　

( 僅かな仮眠でも寝ないよりマシ。短時間熟睡とは正しくこの事かと思えるくらいに随分と深く眠った気がする。職場で眠るなんて、と思っていたのだが意外とイケるものだ。椅子に腰掛ける後ろ姿を見付けて帰っては居なかったのだと判断をすれば一度帰る旨を伝えるために声を掛けようとするも＿＿最近日に日に疲れが深まって見えるような気がするのは本当に気のせいなのか。「…エバンズさん、私一度帰るね。10時前には来るからそしたら今度こそ凶器見つけよう。」至極落ち着いた口調でそう伝える。必ず待っていてと暗に含ませつつ署を出て。＿家でシャワーを浴びて少しだけ休憩。車に乗り込み署に戻って来たのは10時20分前。「お待たせしました。」おそらくそのまま絞り込んだ狩猟用品店まで行くと思えばコートを脱ぎ鞄を下ろす事無くポケットから車のキーを取り出しその後の行動を待ち )


（ ／ わかります！色とかもいろいろ気になりました！私も違うタイプの絵柄のメーカーとか、あるかはわかりませんが小さい頃のとか、何か良さそうなのあったらまたチャレンジしてみたいです。な、なんと…！ホクホク出来るだけの子かはわかりませんが有難い限りです！ ）

　





（　直後声を掛けられると夢の中で聞こえた足音は相手の物だったのかと思いつつ、返事の代わりに軽く手を上げて応え。自分も一度家に戻りシャワーを浴びてからソファーで少し身体を休め、家を出る前に薬を2錠口にして。もし見立てが誤っていてライフルを見つける事が出来なかったらという一抹の不安が残るものの、立ち上がり「行くぞ」と声を掛けると相手と共に車に乗り込み。---夜通し絞り込んだ店を一軒ずつ回り、鑑識によって特定されたライフルの型番を伝えて店に在庫があるか、あるなら直近で売りに来た人物が居るかを確認して行く作業を丸一日。残る店が減っていくに連れて、次の店に向かう車内での会話も無くなり重苦しい空気が広がり始め。何かまだ見落としている事があるのかと車窓を眺めつつ思考を続けていて。　）


（／また何か良いものが出来たり見つけたりしたら此方からも共有させていただきますね。ではこの辺りで一旦失礼します！）






　

( 気が付けばピックアップした狩猟用品店は後一件。此処にもし無かったら…と過ぎった不安は見事的中。年配の男性店員が首を横に振った瞬間に最悪だとばかりに双眸強く閉じるも無いと言われればそれ以上居座る事も出来ない。重たい足を一歩一歩動かして再び車に戻り落胆の溜息を落とす。＿と、今までまわって来たのは何処もかしこも全てニュージャージー州だけではないか。ハンスは事件当日仕事は休み。次の日も確か午後からの勤務だったはず。ある程度の時間ならば余裕で作れたはずだ。ハッとしたように顔を上げて隣の相手に頭を向けては「エバンズさん！もしかしたら私達が居る所だけじゃないのかも！ニューヨーク州、デラウェア州、ペンシルベニア州なら数時間で行ける狩猟用品店もあるかもしれない。」とまだ諦めるには早い次なる目的地を絞り込む為スマホの検索を始めて )

　





（　州内全ての店を回り終えても凶器は見つからず、店の駐車場の車内で深く息を吐き出す。こうしている間にも犯人に時間を与え更なる証拠の隠蔽を可能にしているかもしれないのに__と、相手の言葉に顔を上げ、疲労と落胆で動きが鈍くなっていた頭が働き始め。飲食店でもないためどうした部類の店は遅くまでやっている所は少なく、今日回ってきた店も営業時間は10時から20時くらいの所が多い。それを加味して考えると事件直後にライフルを売りに行ったとしても、翌日仕事の前に行ったとしても、時間的に可能なのは片道3時間が限度。相手の言うように3時間あれば隣り合う州の店にも行く事は可能だ。---片道3時間の範囲にあって銃器の買取に対応している店はかなり絞られ、ニューヨークに2軒、ペンシルベニアに1軒という結果になり。最後の望みでもある3軒の店に向かおうと気合を入れ直し、朝から長距離の運転を続けている相手に代わるか尋ね。今居る場所を考えてもかなりぎりぎりではあるが、なんとか閉店までに3軒回り切る事が出来るだろうか。　）






　

まさか。まだまだ余裕だよ。
( また振り出しかと思っていた所での新たなる希望は再びやる気の炎を燃え上がらせるに十分過ぎるもので。様々な感情を抱えながら長い運転をした。確かに疲労が無いと言えば嘘になる。それでも最後までやり遂げたいという想いと、ここ最近の相手の調子の悪そうな姿を思い出しなんて事ないと首を横に振り。ニューヨーク州とペンシルベニア州ならば変な渋滞やら事故やらに巻き込まれさえしなければギリギリ間に合うはず。高速をとばしてひたすらに近道を行けば。「もし今日中に三軒とも回れたら、明日の夕飯奢って下さい。」シートベルトを締め直してエンジンを掛ける。違反にならない微妙なラインのスピードでまずはニューヨーク州の二軒から。わざわざ敬語でおちゃらけた要求をしながらもフロントガラスの向こうを見やる表情は至極真剣そのもので )

　





…ああ、分かった。
（　今日中に3軒とも回る事が出来たら夕飯を奢って欲しいと言う頼みに、良いだろうと頷きつつシートベルトを締め。---長い時間を掛けて向かったニューヨーク州の2軒は結果として、取り扱いは無いとの答え。祈るような気持ちで向かったペンシルベニアの狩猟用品店、到着したのは閉店の10分前。急ぎ店内に向かい、今日一日で何十回とした質問を投げ掛けると待ち望んだ返答。型番に合うライフルがあると答えたショップも幾つかあったのだが、買い取った日にちが合わない店ばかりだった。買取り日時を尋ねると、ファイリングされた書類を取り出した店主が答えたのは事件の翌日の日付け。遂に探し続けた凶器を特定し、あの男に決定的な証拠を突き付ける事が出来るかもしれない。そう思うと自然といつものように矢継ぎ早な問い掛けとなり。書類に書かれた名前はハンスの物では無かったが、買い取ったライフルを証拠品として受け取り、店内にある監視カメラの映像を調べさせて欲しいと告げ。SDカードを受け取り、ライフルを証拠品として受け取り店を出たのは閉店時間を10分程過ぎての事。車に乗り込むや否や、明日の朝一で見て欲しい証拠品があると鑑識に電話を掛け、署までの帰り道を急ぎ。　）






　

( こんなに遅い時間までご協力ありがとうございます、と店主に頭を下げる。たくさんの州を跨いだ甲斐があった。車に戻るや否や「ご馳走様です。」と晴れやかな笑顔を向けて再び真っ暗になってしまった道を署へ戻るべく車走らせて。高速を使い信号にも殆ど引っ掛かる事無く比較的スムーズに走る事が出来たとは言え、到着したのは日付を跨ぐか跨がないかという時刻。流石に重苦しい疲労が身体中に纏わり付いている現状に深い溜息を吐くが僅かながら光が見えた事により精神的疲労は格段に減っており。「名前はハンスじゃ無かったけど偽名使ってる可能性もあるよね。＿＿エバンズさん帰る？」監視カメラの映像にもし彼が映っていたのならば名前をいくら偽った所でそんなものは何のアリバイにもならない。カメラの映像さえ、…不思議とこの時間になっても尚眠気が襲って来ない事にまだ仕事が出来そうな気すらしていれば一先ずこの後の相手の予定を問うて )

　





食べたい物を決めとけ、選ぶのは得意じゃない。
（　3軒を回りきる事が出来たのだから約束は果たさなければならないが、店やらメニューやらを選ぶのは外食、テイクアウト関係なく苦手分野。相手の要望を聞いて金だけは自分が払うと相変わらず事務的な返事をして。---丸一日かけて得た防犯カメラの映像とライフルが証拠になれば、事件解決は間近と言って良いだろう。帰らない、と相手の問いに間髪入れず答えるとパソコンを立ち上げ「先に店内と駐車場の防犯カメラの映像を調べる。鑑識に朝一でライフルを調べさせれば午後には結果が出るだろ。」と。昨日の一件で、良いか悪いかは別として相手を休ませるという多少の配慮さえ無くなったよう。「事件翌日の午前中さえ確認すれば良い、駐車場の映像はお前がやれ」と有無を言わさずSDカードを渡すと自分は店内の映像をパソコンに取り込み確認を始めて。　）






　

( 約束を守ってくれるという相手の言葉。奢って貰える事を目的とする訳では無い事はひっそりと胸の奥に留める。あまり高くなくて、兎に角栄養のある物が優先。そしてテイクアウトでは本来の目的が叶わない可能性がある為今回は選択肢から除外しよう。明日の夕方まではまだ時間がある為に今すぐ決めるという最優先事項では無い。ご飯の思考は一度ストップさせてSDカードを受け取ればそれを自身のパソコンへと差し込み画面に映像を流して。＿＿目的のものはそう時間掛からずして見付ける事が出来た。監視カメラの位置からはやや奥まった駐車スペースに停められた車は白。そうして運転席の扉が開き降りて来た男は間違いなくハンスだ。店の中に入る瞬間までバッチリ映っている。「エバンズさん！これ！」一気に身体中の体温が上がり今すぐにでも男を連れて来たいという衝動に駆られる気持ちを抑え込みつつノートパソコンを持って相手の元まで戻れば、それをずい、と近付け嬉しそうな表情を浮かべてみせて )

　





こっちもだ、ハンスで間違いない。___間違いなく黒だな。
（　相手の持ってきたノートパソコンの画面を覗き込むと、言う通りハンスの車が停まる所が映っていて。店内のカメラの映像を再生すると入店したハンスがリュックからライフルを出してから書類に何やら書き込む様子が流れる。滞在時間は15分ほど、それからすぐに戻れば職場にも規定の時間までに到着する事が出来る。今すぐにでも鑑識を叩き起こして署に招集したい所だがそれは無理な話で、一先ずは明日の朝まで待つしか無さそうだ。ようやく揺るぎない証拠に辿り着けた事に安心し深い溜め息を吐き。画面の当該の写真を撮りSDカードを袋に入れて鍵付きの引き出しにしまうと今日は解散だと相手に告げて。「…良い着眼点だった。明日にはあいつを殺人容疑で逮捕出来るはずだ。8時に鑑識を呼んである、それまでに来い。」相手の気付きが無ければ凶器の発見に至るのはまだ先の事になっていたかもしれない、その点については評価しつつ、明日で此の捜査も終わるだろうと。朝の集合時間を伝えつつパソコンを閉じると、自分も今日は帰ろうと立ち上がりコートに袖を通して。　）






　

( 相手のパソコンの画面にも店内の監視カメラの映像が。何処からどう見てもライフルを売りサインしている様子にまだ全て解決した訳では無いが漸く肩の荷が降りた気がして、全てを吐き出すべく一つ深い息をつけばパタンとノートパソコンの画面を閉じて一先ず終わり。後は明日の朝、立会いの下鑑識の調査結果を聞くだけ。深々と頭を下げて称賛の言葉に応えれば帰る準備を整えて署を出て。＿＿翌日。8時15分前に署へと到着すれば浮き足立つ気持ちをなんとか抑えつつすれ違う人達に軽く会釈の挨拶を行い。自身のデスクの前、コートを掛けて鞄を置き、いざ。「おはようございますエバンズさん。…いよいよだね。」相手の元に歩み寄り、頭を下げる。そうしてその頭を持ち上げ真っ直ぐに向ける瞳は少しの緊張と大きな期待が入り交じっており )

　





…ああ、今日でカタを付けるぞ。
（　日を重ねる毎に疲労も重たい物になっていたものの、解決目前と思えば気持ちは奮い立ちこの日も7時半には出勤し。相手と共に鑑識による証拠品の捜査に立ち会えば、1時間と経たずにハンスの指紋と血液反応が出て安堵から深く息を吐き。---その後、揃った証拠を携え上に話を上げると昼前には逮捕状が発行される。相手と共に数台のパトカーを連れてハンスの家に向かい、証拠を突き付けると遂に観念した様子で犯行を認めた為、逮捕に踏み切り。逮捕後の取調べで全てを供述したハンスにより「完璧と思われる隠蔽工作を行い警察が翻弄される様子を楽しんでいた」という旨の話にはかなり苛立たせられたのだが、殴る訳にもいかずに。---あまりに慌ただしい1日だった。ようやくフロアに戻り自席のイスに座ると背もたれに深く身体を預ける。全てが終わった事でどっと疲労が押し寄せるようだったが、無事事件を解決する事が出来たことに対する安堵も大きく。相手と組んでの捜査はこれで終わるはずだが、振り返れば初めに思ったほど役に立たなかったわけでは無いのかもしれない。　）