白む空に燻る紫煙 ---〆

白む空に燻る紫煙 ---〆

刑事A  2022-01-18 14:27:13 
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  • No.321 by ベル・ミラー  2022-02-13 16:03:06 




( 言葉にならないとは正にこう言う時に使う言葉なのだと思う。相手が抱える壮大で底の見えない位に深い深い闇を垣間見た気がした。いつの話かはわからないがきっと何年も前からずっとずっと一人で立ち続けその双肩に重すぎる責任と後悔を背負って生きて来たのだろう。己はこうして相手に助けを求めて結果的に多くの言葉で救われた。けれど相手は誰にも助けを求める事が出来ず二度と浮上する事が出来ないのだと思い知らされる暗闇を気丈に振る舞い一人で耐えて来たに違い無い。_今回この立場になった事で自らの無力さも、一人で暗闇の中に居る怖さも、誰かが傍に居てくれるだけで少しだけ前を向けそうな気がする強さも、様々な事をより深く真っ直ぐ知った。だからこそ相手が抱える重過ぎる“痛み”も今ならば前以上にわかる気がする。ペットボトルをテーブルへと置いたその手を徐に伸ばして「此処に居て欲しい」の言葉の代わりに相手の服の裾を握り締めては「…今回、きっと私もう駄目だって思いました。FBIも続けられる気がしなくて、どうやって息をすればいいのかも、どうやって眠ればいいのかも、今まで当たり前に出来てた事がよくわからなくなって__こんな事ならって…」未だ直ぐには消えてくれない胸に巣食う苦しみをぽつり、ぽつり、零していき。それでも目の前に居る相手が今も尚癒える事の無い痛みと向き合い続けているのならば__「それでも私はエバンズさんに助けられてもう一度って思いました。だからきっとこの先どれだけ立ち上がれなくなっても心まで壊す事は無い。……私も、何度だってエバンズさんを引き上げるから。何処にも行かないで…。」相手は一言も何処かへ行くなんて言ってない。けれど不思議とそんな気持ちになれば裾を握る手に力を込めて )



  • No.322 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 18:54:20 

 





( 此の後悔だけは、二度と消し去る事は出来ないだろう。何度も悪夢に苛まれて、蘇る記憶に苦しめられても、其れは罰なのだと思って来た。あの日助けられなかった、奪ってしまったも同然な人たちの未来、自分だけが事件を忘れて幸せになる事等赦される筈が無いのだから。服の裾を握られるとそこに視線を向けて、それから相手が紡ぐ言葉を静かに聞いて。相手が心を壊す事は無いと言葉にしてくれた事に安堵しつつも最後に告げられた言葉には相手に視線を向けて。今正に苦しんでいるのは相手自身なのに、その状況でどうして自分の事まで気に掛けるのだろう。自分自身の心を癒す事を第一に考えるべきだと言うのに。「…居なくなるなんて言ってないだろ、」と答えて再び視線を落とす。償いの為だけに刑事として立っているのだから、それ以外に行く先も無いのだ。 )






 

  • No.323 by ベル・ミラー  2022-02-13 19:15:53 




そうだね。私の勘違いだった。
( “10人以上”が指すのは人質を取り立て籠った一つの事件の事か、はたまた相手が刑事になってから今はまでの助けられなかった人数分か。今迄の度重なる不調の中で見えるのは前半でありそれにきっと妹も関わっているのだろう。昔の資料を手当り次第に漁ればきっと何があったのか知る事が出来る。が、それはパンドラの箱を開ける事。相手が知られたくないものをコソコソと嗅ぎ回るなんてそれこそまるで被疑者を調べるかのようではないか。裾を握り締める手からゆっくりと力を抜き拘束を解いては、一通り泣き終わった後のいつものはにかみを見せて。__相手の助けにより幾らか浮上した気持ちに比例する様に今迄ひたすらに恐怖を感じていた眠る事への不安が僅かに影を潜めた。それと同時にぷくり、ぷくり、と泡ぶくの様に湧き上がる睡魔。散々泣いて体力を消耗した挙句今は夜中だ、眠くない訳が無い。それはきっと相手も同じ。けれども浮上した気持ちが相手が帰った後でも保てるのかの自信は無い。「…エバンズさんお水飲む?」もう大丈夫。そう紡ぐべきなのに一抹の不安を未だ拭い切れていなければその言葉を飲み込み当たり障りない問い掛けを一つ落として )



  • No.324 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 19:53:13 

 





( 相手が少しぎこちなくも、いつもの様にはにかんだ微笑みを見せた事に安堵していた。助けを求められ、それに応えた事で少しでも気持ちを落ち着ける手助けが出来たのなら良かったと。今にも崩れそうな脆さは今は感じず、幾らか持ち直してはいる様に思えたが暫く眠れて居ないのだろうから今は休むべきだ。「俺は大丈夫だ、眠れそうなら少し休んだ方が良い。」水は要らないと首を振り、少し張り詰めていた気分が緩んだらしい相手の様子に眠る事を促して。相手の思いは知らず、寧ろ自分が部屋に居ては休みにくいだろうと考えて立ち上がる素振りを見せて。 )






 

  • No.325 by ベル・ミラー  2022-02-13 20:40:41 




え!?、__居なくならないって言った。
( 水を断られてしまえば一先ず冷えきった部屋を今更ながらに暖かくするのにヒーターを入れる為立ち上がろうとするも、お尻が少し浮いただけで先に立ち上がったのは相手の方。気遣いの言葉とその行動から帰ろうとしている事は明白で。このままお礼と今一度の謝罪をし別れるのがこんな時間に結果的に呼び出す事になってしまった相手に対してするべきベストな事だとわかっているのに。_思わず口をついて出た言葉は何処か拗ねた様にも聞こえる不満。先程の居なくなる・ならないの話はこう言う事では無いのだが、少し持ち直したとは言え不安と心の弱りはある。「__エバンズさん泊まっていけばいいのに。」持ち上げたお尻を再びソファへと沈めてぽつりと呟いた言葉はあくまでも人が近くに居て欲しいという素直なまでの欲求で )



  • No.326 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 20:59:26 

 




___居なくなるなって言うのは今の事だったのか?
( 立ち上がった瞬間に聞こえた相手の何処か拗ねた様な言葉。ソファに座る相手に視線を落とし先程のやり取りを思い返す、相手が言ったのは今この場所での事だったのかと聞き返しつつ、そう言われてしまうと相手を残して帰るのも無神経に思えて一先ずソファに座り直して。「…俺は別に構わないが、お前の方が落ち着かないだろ。」確かに以前の出張で同じ部屋で眠りはしたが、自分の部屋とはまた少し違う様に思う。自分は予定がある訳でも無い為急いで帰る必要は無く、相手が望むなら留まる事は出来ると伝えて。 )





 

  • No.327 by ベル・ミラー  2022-02-13 21:18:46 




今も含めた未来の話。
( 案の定そこに疑問符を出した相手にさらりとそう言葉を返せば今度こそ重たくなった体を無理矢理奮い立たせる様にして立ち上がりヒーターを点けて。ソファへと戻って来るタイミングでOKの返事。途端に嬉しそうに破顔すれば「エバンズさんが居た方が休める気がする。」とこれまた所謂“変わり者”らしい発言を。ソファへと腰を下ろして横に畳まれている一枚の大きめのブランケットを徐に広げ自身とそれから相手の膝の上にも掛け。「__ねぇエバンズさん、妹の話聞かせて。楽しかった話。インコ飼ってたのは妹だったんでしょ?」布一枚で温かさを感じた訳では無い。きっと隣に相手が居て帰らないと言ってくれたから。穏やかに流れる時間の中で楽しかった思い出なのだろう、インコの話をした時の相手の柔らかな表情を思い出せば自然と重たくなる瞼を持ち上げつつまるで昔話でも強請るかの様なまったりとした口調でそう願って )



  • No.328 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 21:46:24 

 





( 自分が居た方が休めると聞けば、そんな訳があるかとばかりに怪訝な表情を浮かべたものの幾度と繰り返している為“変わってるな”という言葉を口にするのは辞めておき。ブランケットが膝に掛けられ、妹の話が聞きたいと求められれば何を話せば良いのかと少し考える。インコを飼って居たのが妹だと言う事には気付いていたらしい。「…あぁ、あいつは動物が好きだったからな。妹が俺の事を呼んで居るのを聞いて、インコが“お兄ちゃん”って言葉を覚えたんだ。何で私はってむくれてた。」自然と過去形での話になってしまうのは、妹が居なくなってからもう10年の月日が経っている為だ。現在の話として処理するのは困難な程、記憶は遠い所に行ってしまっていた。インコを巡って妹の機嫌を損ねた事があると話しては、幼い頃のやり取りに思わず少し笑って。 )






 

  • No.329 by ベル・ミラー  2022-02-13 22:08:00 




そっか。新しい妹か弟が出来たんだね。__きっとエバンズさんが家に居ない時、一生懸命名前教えてたんだろうなぁ。
( ヒーターが点いた事で小さな機械音が部屋の中を行き交う。インコの話から少しだけ笑みを浮かべた相手の顔を安心した様な、それでいて慈しみを宿した表情で見つめる瞳は少しずつ少しずつ睡魔に襲われつつある様でとろんとしてきて。それでも唇を閉じる事はしない。眠気で普段よりもゆっくりとした話口調ながら「エバンズさんと妹はどれくらい歳離れてるの?似てる?」と問い掛けを続けて。__ああ、眠るのが勿体無い。早く寝て明日は遺族の元へ行くと決めたのに。相手がこんな風に穏やかに笑うから、本当に本当に幸せな時間だったのだろう。そしてきっともう戻らないのだろう。せめて思い出す記憶が辛かった時のものではなく笑っていた時のものでありますようにと願わずには居られない。次第にかくん、かくん、と頭が船を漕ぐ様に小さく揺れ始めて )



  • No.330 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 22:28:26 

 





歳は4つ離れてる。…顔は似てると言われる事はあったが、性格は似てないな。
( 尋ねられなければ、妹の笑っている顔を思い出す事は無かっただろう。気付けば悪い夢に侵食される様にして、懐かしい記憶は遠ざかり妹が命を落としたあの日の状況だけが記憶に焼き付いて居る。相手の問い掛けにひとつずつ答えながら、眠り掛けている相手の肩に手を添えソファに横にならせて。自分が此の事件を担当していたら第二の被害者を出す事は無かったとは当然言えないが、せめて署にでも居れば何かしらの形で相手に手を差し伸べる事が出来たかもしれない。心を強く持ち自分を責めすぎ無いで欲しいと願いつつ相手の髪を一度優しく撫で、自分もソファに凭れ掛かる様にして眠りに落ち。 )





 

  • No.331 by ベル・ミラー  2022-02-13 22:41:32 




( 死んだ様に眠るとは正にこの事。凡そ一週間続いた不眠を回復するかの如く身動ぎ一つする事無くただただ静かに寝息をたて続けて。__目が覚めたのはカーテンをしていても部屋が明るくなった頃。一瞬今が何日で何時で挙句何処なのかもわからず混乱するも直ぐに昨晩の事を思い出して体を起こせば床に落ちたブランケットと、ソファに凭れ掛かり静かな寝息をたてる相手の姿が。瞼が重いのは散々泣き腫らしたからだろう。こんなにも穏やかで長い睡眠をとれたのは何時ぶりだろうかと考えて直ぐにその思考をストップさせる。途中で帰る事無く朝まで此処に居てくれた相手に感謝すると同時に、改めてその存在の大きさにしみじみとした思いを抱いては「エバンズさん、私頑張るからね。」と人知れず強い決意を口にして静かに立ち上がり、洗面所へと姿を消して )



  • No.332 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 23:09:21 

 




( 目を覚ますと見慣れない部屋の天井が目に入り、少し身体を動かすと可笑しな体勢で寝た所為か寝違えた様な痛みが背中に走り、此処が相手の家だと思い出し。横を見ても既にソファに相手の姿は無く、出掛ける準備をしているのだろうかと思いつつ息を吐いて。少し身体を起こして背凭れに深く背中を預けると、今目を覚ますまで一度も夢を見なかったと思い出す。薬も飲んで居ないのに眠りに落ちてから目覚めるまで一度も目を覚さない事など滅多に無く、しっかり寝たと言う感覚はあり。スマートフォンを手にメールボックスを開くが、案の定仕事の連絡等来ている筈も無くそのまま画面を閉じる。相手が家を出るタイミングで自分も家に帰ろうかと思いつつ、ソファに座ったまま目を閉じて。 )




 

  • No.333 by ベル・ミラー  2022-02-13 23:23:11 




( 洗面所で顔を洗い歯を磨き、起こしてしまうかもしれないという配慮はあれど出掛けるのにシャワー一つ浴びない訳にもいかずさっさと済ませて髪の毛を乾かし。再びリビングへと戻って来た時相手はまだソファに腰掛け瞳を閉じてはいるが時間も時間、この生活音だ、眠っている訳では無いだろう。「エバンズさん朝御飯食べる?」朝、と表すには些か遅い時間な気もするが起きればそれは朝だ。テーブルに置きっぱなしのミネラルウォーターのボトルを冷蔵庫にしまう次いでに相手にそう声を掛け、ヒーターの電源を切って一先ずの準備は完了。後は簡単な朝御飯を食べた後にでも着替えを済ませれば良い。_目を覚ました時に部屋に一人では無い事をこんなにも嬉しく思う事は無かった。多大なる迷惑を掛けてしまった事には最早謝罪しかないが安心を噛み締めるかのように小さく笑みを浮かべつつ深い深い息を吐き出して )



  • No.334 by アルバート・エバンズ  2022-02-13 23:59:33 

 





( 相手が部屋へと戻って来て、朝食を食べるか尋ねられると目を開ける。普段朝食は摂らない事が多い為断ろうとしたのだが、相手も食べて行くのだろうし此の時間なら朝昼兼用として甘えても良いかもしれない。「…トーストを1枚貰えるか。」トースターの上に食パンが置かれているのを見ると、それを1枚貰いたいと告げて。---この後相手は2番目の被害者の遺族の元へ向かうのだろう。自分に出来る事などありはしないが、相手が再び立ち上がろうとする背中を押す事が出来た事は良かったと思いつつキッチンに立つ相手の背中を眺める。「今日は一日家に居る。何かあれば連絡してくれて構わない。」ソファに座ったままそう言葉を投げ掛けたのは、昨夜見た憔悴した相手の姿に、また不安定になってしまうのでは無いかと言う不安が未だ拭い切れて居なかったからだろうか。自分らしく無いと思いながらも、相手が辛い時に連絡を躊躇わない様先に言葉にしていて。 )






 

  • No.335 by ベル・ミラー  2022-02-14 07:29:49 




( トーストを二枚焼いて、苺ジャム、バター、冷蔵庫からスクランブルエッグとハムを取り出しそれら全てをテーブルへ。次いでにグラスにミネラルウォーターを注げば要らないと言われなかった事と頼っても構わないと言う申し出に嬉しそうに笑い。朝食を食べ終えて遺族の元へ向かう道すがら相手を家へと送り届ける。__相手が隣に居ないと言うだけで気持ちはこんなにも変わるものか。遺族が暮らす家へと着いた頃には指先の震えと恐怖が全身を支配しており。それでも背を向ける訳にはいかない。車を降りて扉をノックすれば出て来たのは憔悴しきった父親の姿。これまでの事をきちんと説明して深々と頭を下げれば中へ通してくれるとの事。部屋の隅には母親が膝を抱え蹲っていて、視線が合う事は無いが代わりに父親が生前撮った写真を見せてくれた。写真の中の彼女は本当に幸せそうに笑っていて、ああ、自分はこの女性の人生を奪う出来事に関わったのだと実感させられる。__何度も何度も謝罪を紡いで車へと戻ればスマートフォン握り相手の名前で通話ボタンを。「……エバンズさん、ちゃんと説明して謝罪して来た。」数回のコールの後に相手の声が聞こえればそう報告をした後に「エバンズさんの所行ってもいい?」と問い掛けて )



  • No.336 by アルバート・エバンズ  2022-02-14 11:50:01 

 






( 相手と遅めの朝食を摂り家まで送って貰うと、そのままの足で相手は遺族の元へ。自分の部屋に戻りソファに身を沈めると、過去の記憶を自然と手繰り寄せてしまう。遺族に浴びせられた“お前が殺した”と言う言葉は、今も大きな棘となって胸に刺さったまま。相手が謝罪に向かった先の家族が、例え感情的になっての事だとしてもその言葉だけは相手に浴びせる事が無い様にと願わずには居られず。---電話が鳴り画面を見れば相手の名前。終わったのだろうと通話ボタンを押し返事をすれば、酷く泣いている様子では無い事に先ず安堵して。説明と謝罪をする事が出来たなら、ゆっくりとでも相手はそこから立ち上がり前に進んで行ける筈だ。「…あぁ、何も無いが別に構わない。」自分の所に来たいと言われると、殺風景な部屋を見渡す。相手をもてなせるような物は何も無いもののそれでも良ければ構わないと答えて、部屋番号を伝えておき。 )





 

  • No.337 by ベル・ミラー  2022-02-14 13:26:17 




( きっと数週間経った今でも深い悲しみと絶望は当然消える事無く恨み言の一つでも浴びせたかっただろうに、憔悴しきった両親は二人揃って結局何も言わなかった。それはそれで心に来るものがあるが何を言って何を言わなくたって死んだ人はもう二度と生き返る事は無いと互いに知っている。__具合の悪くなりそうな空気を纏った重苦しい車内の空気を払拭する為に音楽を掛けようと言う気持ちには到底なれず、ハンドルを握り締めただ真っ直ぐ前を見据えながら比較的空いている道路を車走らせ数十分。途中コンビニに立ち寄り珈琲諸々を買って相手の住むマンションの前に来れば、駐車場に車を停めて階段を上がり教えられた番号の部屋の前へ。トントン、と軽く扉をノックして相手からの合図を待ち )



  • No.338 by アルバート・エバンズ  2022-02-14 13:52:27 

 





( 暫くして部屋の扉が叩かれると立ち上がって玄関へと向かい、扉を開ける。扉の前に立っていた相手が、午前中に別れた時よりは重苦しい空気を纏って居るものの憔悴しきった様子では無い事を確認すると、入って構わないと促してリビングに向かい。---片付いてはいるのだが思い出の品が飾られている訳でも、インテリアにこだわっている訳でも無い殺風景な部屋。棚に置かれた女性物の腕時計は妹の形見だがとっくに針は止まっていて、その横に数本消費した煙草の箱。キッチンの方には複数の処方薬の袋とワイングラス、不健康な生活をそのまま反映させた様な家で相手には面白みも無いだろう。再びソファに腰を下ろし「…どうだった、話は出来たのか。」と尋ねて。 )





 

  • No.339 by ベル・ミラー  2022-02-14 18:49:57 




( 「お邪魔します」と挨拶一つで玄関へと足を踏み入れれば相手の後ろを着いてリビングへ。一番初めに目に飛び込んで来たのは殺風景な部屋の中で不思議な空気の中置かれている女性物の腕時計。今迄の相手が話して来た事、言いにくそうにした事、症状、様々な事から妹の形見なのだろうと分かれば静かに視線を外す。彼女にとっても相手にとってもきっと沢山の時間と思い出をを共にした時計で、もしかしたら亡くなった時も身に着けていたその時をくり抜いた形見なのかもしれないとも思う。微糖の珈琲とミネラルウォーター二本、アイスココアが入ったコンビニの袋を相手に手渡すと同時に深く息を吐き出せば「何も言われなかった。許すとも、許さないとも何も。ただ写真を見せてくれただけ。__しんどいなぁ。」先程の両親の顔をぼんやりと思い浮かべつつ返事をする。胸に深く巣食ったモヤモヤとした痛みや罪悪感はきっとこれからFBIで居る以上何度も何度も経験するのだろう。そうしないように頑張っても上手くいかない時もある筈だ。その度に何度も何度も泣いて打ちのめされ、それでも懸命に立ち上がらなくてはならない。途方の無い出来事の様に思えて思わず自嘲気味た言葉が漏れる。それでも相手の顔を見れば安心するのは疑いようの無い事実であり、あの日、相手の言った言葉の重みが今ならよくわかってしまうのだ )



  • No.340 by アルバート・エバンズ  2022-02-14 19:22:42 

 





( 相手から袋を受け取り、気を遣って買って来たのであろう飲み物をテーブルに出すとミネラルウォーターは冷蔵庫に入れておく。相手の方にココアを押しやり、微糖のコーヒーの缶を手にしつつ静かに相手の言葉を聞いて。「…誰かを赦すには時間が掛かる。大きな葛藤がありながらも、お前を家に招き入れてくれたんだ。気が急くのは分かるが、今は未だ時間が経つのを待つしか無い。」相手を門前払いせずに家に招き入れ写真を見せてくれたのなら、それは両親が相手を責めるべきでは無いと心の何処かで思っているが故の行動なのだろうと考える。それでも、未だ娘を喪った事実を受け入れられず、誰かに赦しを与えられる程の余裕が無いのだ。赦しが得られれば気持ちが楽になるのは分かるが、今は其れを急ぐべきでは無いと告げて。「お前が悪い訳じゃないと何処かで感じているから、家にも上げて謝罪を受けてくれたんだ。そうじゃ無ければ罵られるか、顔を合わせても貰えない。…そう思えば幾らか心が楽になるだろう、」相手が自分を責め過ぎる必要は無いのだと言う事を遠回しに伝えつつ、プルタブを開けてコーヒーを口にし。 )






 

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