刑事A 2022-01-18 14:27:13 |
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( 4種類の内の2種類を渡されれば「ありがとうございます」の言葉と共に受け取り。ラッピングされ可愛らしいリボンで結ばれたそれはある意味プレゼントの様で飛行機の中で食べようと考えつつ鞄へとしまい。__と、人混みを縫って歩く中ふと相手に視線を向ける。誰かを見付けたのかその歩みは止まっており心做しか瞳に見た事のある色が。「…知り合い?」再び歩みを再開した相手の横を置いて行かれないように着いて行く途中でそう問い掛けて。__それからいろいろなお店を見て回って時刻は11時前。マーケットを出て動物園に着いたのはそれから20分程経った後。全部の動物を見て回らなくても少しだけこの雰囲気を味わう事が出来たら、という気持ちで中に入り。「意外と広いね。動物園なんて子供の頃以来だからちょっと新鮮だな。」親子連れが多い中、小さな子供と動物が触れ合うコーナーや爬虫類館なんかもあるようだ。目の前にライオンの檻があれば「ちょっとエバンズさんに似てるよね」なんて戯言を紡ぎつつ「エバンズさん何かペット飼ったりしてなかったの?」と素朴な疑問を投げ掛けて )
( 相手に声を掛けられると「…いや、人違いだった。」と一言。こんな所に居るはずが無いのに、未だに無意識ながら面影を探してしまっているのかと改めて実感させられて。---動物園のゲートをくぐり、親子連れで賑わう園内に足を踏み入れる。間近に見る檻の中の動物は思っていたよりも距離が近く迫力がある様に思えて、辺りを眺めつつ相手と歩みを進めて。ライオンの檻の前で立ち止まった相手の紡ぐ言葉に眉を顰めると「お前は俺にどういうイメージを持ってるんだ。」と呆れた口調で告げる。先日の店で似ていると見せられた魔除けらしいマスコットもかなり険しい顔をした、顔が怖いと言う事が言いたいのだろうかと。ペットを飼っていたかと問われれば「昔、インコが居たな。」と答える。自分が飼っていた訳では無く、妹がどうしても飼いたいと言って可愛がって居た鳥だった。__どういう訳か今日は妹の事を思い出す事が多いと思いつつ「動物が好きなのか?」と相手に尋ねて。 )
( 檻の中のライオンは周りに群がる人間等見えないかのように腹を地面に付け前後の足を伸ばした状態で寛いでいる。時折ウロウロと目的無く徘徊しているのも居るが大半は眠そうだ。勝手なイメージで告げた言葉に相手は眉を顰めて見せたがそういう表情こそが気高く凛とした、何者も寄せ付けないライオンに似ているのだとは言わぬままに控え目に笑って見せて。昔というのは果たしてどれくらいら昔なのか。数年前の話をなのか、それともまだ子供だった頃の話をなのか。どちらにせよインコはとても魅力的な生き物だ。次の檻へと歩みを進めつつ問い掛けに一つ頭を縦に動かしては「全般好きだよ。最近は猫飼いたいって思うけど、少し前はインコ飼いたかったんだ。たくさん言葉教えて話し相手になってくれたらいいなって思って。」仕事が終わって家に帰って来た時、“ただいま”に“おかえり”と返って来ればどれだけ素敵か。もふもふとした毛が暖かそうなアルパカの檻の前で足を止め偶然にもインコ繋がりがあった事に何も知らないまま喜んで )
( 小さく笑うだけで何を名言する事も無い相手を物言いたげに横目で睨みつつ、その檻の前を離れ。インコを飼い始めたのは妹が未だ小学生の頃だっただろうか、高校生になる頃まで可愛がっていた様に思う。相手も同じ様にインコを飼って言葉を教えたかったと聞き、妹が毎日学校から帰ると鳥籠に向かい「ただいま」と声を掛けていた事を思い出したが、生憎返って来るのは殆どの場合「ただいま」だった。時々思い出した様に別の言葉を喋っていたが復唱する事が多く、その度に「おかえり」を仕込まれて居たと。「話し相手にするのは骨が折れる。ただいまと声をかけても、おかえりが帰って来た試しが無かった。」と、その情景を思い出して少し表情が緩んだ様子。相手の言う話し相手にするにはかなりの根気が必要だろう。移動した先の檻の中でのんびりと草を食んでいるアルパカを前に、この毛がセーター等になるのかと考えて。 )
やっぱり基本的に同じ言葉なんだね、返って来るの。__飼うなら白と水色のがいいな。
( 語られていく昔話をしている時、その表情が心做しか穏やかになっているのを相手は気付いているのだろうか。これと言った単語が出て来ていない以上インコを飼っていたのは相手で、話し掛けていたとすればきっと幼い頃なのだろうと想像し小さく笑みを浮かべ相槌を打って。口をモソモソと動かしてゆっくりと草を食べるアルパカの仕草は少しだけ間抜けにも見える。我関せず的な様子をじっと見詰める事数秒、「皆こんなにのんびりだったら殺人事件なんて起こらなさそう。」と小さな呟きを落として。__園内で簡単な昼食を済ませて有名な動物達を一通り見て回れば時刻は午後1時過ぎ。「エバンズさん他に見たい動物いない?」と、この後の園内での周りの要望を問い掛け。特別無いと言うのならばお次は相手が珍しく行きたいと願った図書館に行こうか )
( 妹が可愛がっていたインコは何色だっただろうと相手の言葉をきっかけに思い返せば、確か柔らかい黄色をしていた。人前で“妹が”と言う言葉を口にする事が無い様にと普段から、気が緩んでいる状況では特に気を付けて居る為口を滑らせる事は無く。アルパカを眺めつつ落とされた呟きには大きく反応こそしないものの、時間がゆっくり流れている様にさえ思えるゆったりとした動きのアルパカを暫し眺めていて。---特に見たい動物は居ないと首を振り、その後相手と共に動物園を後にする。タクシーで15分程、近世の雰囲気を感じさせる美しい建物に到着し車を降りると風格ある重厚な建築、陽射しを受けて輝く屋根を見上げて。「外観も味があって良いな。」と感心した様にぽつり呟き。 )
綺麗だね。__イタリアは街中が絵になるような建築物が多いんだって。エバンズさん、何時か私と一緒に観光して。
( タクシーの窓から見える街並みを眺めるのもまた趣があって良い。ややして目的地へ到着すれば隣に居る相手と同じ様に高く高く聳える建物の屋根を僅かに目を細め見上げ。豪華絢爛な装飾が施されている建築物はきっと自身が知らないだけで様々な国に沢山あるのだろう。その内の一つ、昔本で読んだ記憶の街並みが綺麗だった事を思い出せば一人で行けばいいものを相手に話を振って。__中へと足を踏み入れればそこはもう別世界と言っても過言では無い豪華さ。高い天井はステンドグラスが外からの陽の光を浴びてキラキラと輝き、そこから垂れ下がるシャンデリアもまた光が伝うかのように美しい光を放っている。螺旋階段を使わねば行けない天井にまでビッシリと並ぶ本棚には様々な本が並んでおりどれもこれも目を引くものばかりだ。「……これはもっと早く来てゆっくり見るべきだったね。」たっぷりの間の後、まるで圧倒された様に零した呟きは図書館とはいえ人の話し声がざわめく館内で相手に届いただろうか )
……俺と行って楽しいか?
( イタリアの建築物の美しさは確かによく聞くのだが、いつか一緒にと言われると隣に立つ相手に視線を向ける。食事も観光も旅行も、仲の良い友人や恋人と行くのは楽しいだろう。いつも明るく朗らかな様子で誘われる物だからつい行動を共にしているのだが、相手は自分を誘って本当に楽しいのだろうか。そんな疑問からかなり直接的な尋ね方をしてしまい、言葉を口にしてから答え難い質問をしてしまっただろうかと若干ばつの悪い表情を浮かべて。---足を踏み入れた図書館の、想像以上の豪華絢爛な内装とその美しさに圧倒されてしまう。繊細なレースがあしらわれて居るかの様な装飾の螺旋階段や手摺り、広い窓からはたっぷりと陽射しが差し込みその美しさを際立たせて。同じく圧倒されている様子の相手の言葉に頷きつつも、未だゆっくり楽しむ時間はある。本を読むのも良いが、一先ずは美しい建物を十分に堪能するのが良いだろうと本棚の間を縫って歩き始め。 )
勿論。楽しくないと誘わないよ。
( 遠回しでもオブラートに包むでも無い直球の質問にまじまじと相手の顔を眺める事数秒、きょとんとした表情でさも当たり前の事とばかりにそう返しては再び歩きだそうとするも此処で一つ。今回の観光も部屋での晩酌もその他様々な事の中心は己で、相手は基本的に付き合ってくれていたと考えれば「もしかしてエバンズさん面倒臭いって思ってる?一人にしてくれ的な。」むむ、と考える仕草、ややぎこち無さげな様子で確認を。__観光名所なだけあって世界各国から人が集まっている為か、時折肩がぶつかりそうになる。その度に「すみません」と謝りつつも奥へと進む歩みは止めず、館内の独特な香りと本の少し古びたような匂いに「悪くない」と一人呟いて。一つの棚の前で歩みはピタリと止まった。そこには昔のイギリスの法律書が並んでおり、自国のものでは無い事が余計に興味を唆らせる要因となる。「エバンズさん、私ちょっとこれ見てるね。」茶色い表紙の一冊を棚から抜き取りペラペラと捲っては少し目を通したいのか此処で立ち止まる事を告げて )
__変わってるな。
( 当然の事とばかりに肯定されると相手を見つめ暫しの沈黙の後、そう一言だけ返事をして。面白みの欠片も無い淡白な性格だと言うのは自負しているが人と深く関わらない為それでも業務上大した支障は無い。ただ、そんな自分と仕事以外の場で好き好んで関わろうと言うのはかなりの物好きだろうし、そもそも何処に楽しさを感じているのかもさっぱり分からないのだ。ぎこちない問い掛けにはまたばつの悪そうな顔をしたものの、そういうつもりで言っている訳では無いとは伝えておく。本当に嫌だったら付き合いもしないと。---相手が興味を惹かれたらしい棚を眺めつつイギリスの法律書の文字を見て頷くと、自分は少し先へと足を進める。数々の本が所狭しと並び、高い天井や窓ガラス、照明に至るまでが美しく見ていて飽き無い物で。 )
( FBIなのだから自国の事をもっと勉強しそこに興味を示せと言われてもぐうの音も出ないが、他国の法律やルール、文化や歴史にはどうしたって興味が引かれるのだ。決して自国を蔑ろにしている訳では無くこれはあくまでも趣味興味の範囲。__マーケットから同じく観光名所だと知って移動して来たのだろう、あの時相手が思わず足を止めて振り返った女性は友人であろうもう一人の女性と『素敵な場所だね』なんて話しながら本棚の間を縫うようして歩く。柔らかなお日様が似合いそうな微笑みを蓄えて本を片手に。と、少し余所見をしていたせいか肩が相手とぶつかった事にハッとした表情を浮かべると『すみません。余所見してて』と謝罪を口にし。申し訳なさそうに下がった眉毛の下、相手を見詰める丸い瞳は薄い緑色をしていて )
いえ、此方こ、そ___…
( 本棚に並ぶ本の背表紙や壁の装飾を眺めながら歩いて居た為自分も周りへの注意が疎かになっていて、誰かと肩がぶつかり謝罪を受けると振り返り。謝罪を返そうと口を開いたものの、目が合った女性の姿に思わず声が途切れる。別人だとは分かっている、顔が見間違える程に瓜二つな訳でも無いのだが、服装や髪型を含めた雰囲気や面影が妹のそれとあまりによく似ていて。『お兄ちゃん』と自分を呼ぶ妹の声が今にも聞こえて来そうで、光を受ける薄い緑色の瞳から目が離せない。---「セシリア、」と長く口にすることの無かった妹の名前が無意識にも唇から溢れ落ちて。 )
( こういう観光地や名所では良くある事、互いに謝罪を口にしてそれで終わり。そう思っていたのだろう女性は無意識に零れ落ちた呟きに緑の瞳を丸くさせ。『何処かでお会いしましたか?』と忘れているのが申し訳無いといった控え目な問い掛けをする。何の悪戯か、偶然も偶然、女性の名も“セシリア”というらしく隣で同じく歩みを止めていた女性の友人も相手の顔をまじまじと見詰めながら不思議そうに小首を傾けて )
( 女性の反応にハッとするも、人違いだと言われ無かった事が逆に胸を締め付ける。妹と同じ名前の、容姿も雰囲気もよく似た女性。見つめたその姿に妹の記憶が重なり、思わず彼女に手を伸ばして謝罪を伝えたくなるのを必死に堪える。申し訳無さそうな視線に辛うじて首を振り視線を落として「__失礼、多分人違いです。」と冷静に言葉を返したものの、またぐらりと視界が揺らぎ。その女性に軽く頭を下げて踵を返すと、人の多い本棚の間を通り少し開けた人気の少ないフロアに出る。椅子に腰を下ろしたものの、此方を見詰める女性の姿が妹と重なって脳裏に焼き付いて居て美しい建築も今は目に入らない。あの時自分が妹を救えて居れば、あの女性の様に色々な事を楽しめて居たのだろう。そんな罪悪感とも後悔とも付かない思いが湧き出し顔を覆って。 )
( 相手が何処で誰と出会ったか、イギリスの法律書をキラキラとした瞳で読み進めている中では全く知る由もなく。少しの時間を置いてその書物を元の位置へと押し込むようにして戻し最後に相手が向かったであろう奥の方へと歩みを進めるもその道すがら、数箇所設置された休憩所のこれまた豪華絢爛な椅子に顔を覆い座り込んでいる相手の姿を見付ければギョッとしたように駆け寄り、一人分空いた隣に静かに腰を下ろしつつ「__エバンズさん、ミラーです。気分悪い?」決して大事になり周りがざわめき始め無いよう背中を丸め極めて穏やかな声色で以て先ずは驚かせない様に自身の苗字を名乗り、続けて状態が悪いのではと問い掛けて。見た感じあの日のように酷い過呼吸になり倒れてしまう一歩手前な状態では無いだろうが何かしら起きている事は間違いない。「一度外に出て水飲む?」天井からステンドグラスを貫通して大理石の鮮やかなタイルに反射する光を視界の端に捉えながら、前の様に狼狽えはしないものの矢張り心配は心配。様子を伺うような視線を向け続けて )
……いや、良い。ただの軽い貧血だ、
( ふと相手の声が聞こえて意識を引き戻される。ゆっくりと顔を上げて隣に座った相手に目を向ける頃には、胸に渦巻く暗く重たい物を何とか飲み込んでいつも通りの返事をして。泣いてしまいそうな寂しさも重たくのし掛かる罪悪感も、こうして何度も苦しい記憶を自分の中に沈めて来た。少し貧血気味で休んでいただけだと言って、鮮やかなステンドグラスの光を眺め「…興味深い本はあったか、」と相手に尋ねて。__顔を合わせた事で、相手も同じように薄い緑色の瞳をしているのだとまた思い出し、光を受けてガラス玉の様に柔らかく輝くその色を見詰める。やがて無意識に思わず伸ばした手が相手の頬に触れ、涙を払う時の様に目元をそっと指で撫でて。 )
__そっか。いろんな所行ったし私も少し疲れちゃった。
( 本当に貧血なのかはたまた何か違う事を思い出し心身に不調をきたしたか、それはわからないが相手がそう言うのならばそれ以上深く追求する事はしない。心地良い距離感で行き交う人や立ち並ぶ本、キラキラと輝くステンドグラスからの光をぼんやりと眺めながら静かに時を過ごすのも悪く無い。「イギリスの法律書は面白かったよ。凄く昔のやつで興味深い。」問い掛けに対して心做しか弾む声色でそう言葉を返す。__と、顔を横へ向けて相手との視線が近い距離で真っ直ぐに重なった。刹那、まるで操られでもしているかのように持ち上げられた手が温もりを含んで自身の頬へと添えられる。驚いたように目を真ん丸に見開き固まるも、続け様に指先が目元を柔らかく撫でれば堪える事など出来るはずが無いではないか。緑の瞳には抑え切れない涙がみるみるうちに溜まっていき「泣いてるのは、エバンズさんだよ…っ。」と震える唇で言葉を紡ぐ。己にはそう見えるのだ。瞬きをしてしまえば途端に重力に負けるだろう雫を零さぬようにそれ以降は耐える事を選んで )
( 良い本に出会えたのなら良かったと、楽しげな声色に頷いたのだが。見つめていた相手の瞳が驚きの色を浮かべた事で自分の行動に遅れて気付く形となり、慌てて手を離そうとして。しかし視線が重なっていた相手の瞳に涙が溢れ始め、今度は此方が驚いた様な表情を浮かべると「__悪い、泣かせるつもりじゃ…」と少しの動揺を見せたものの、相手の唇から漏れた言葉に涙を堪える相手に再び視線を向けて。自分は泣いていない、泣いているのは相手だと言うのに何故そんな事を言うのか。抑えきれずに頬を滑った涙を見て、今度は妹を重ねて見る目では無く、目の前の相手を見据えたまま指先で相手の涙を拭ってやり。自分が泣けない代わりに、相手が心を痛めて泣いている様な気がしてしまうのは相手の漏らした言葉の所為だろうか。 )
( 一度でも頬を伝い落ちた涙を許してしまえば後から後から堰を切ったように溢れ出すもの。泣く原因となったのは相手の行動。されどその涙を止めたのもまた相手の行動なれば、すん、と一度小さく鼻を啜って湿っぽい自身に終止符を。「エバンズさんの手温かいね。」何処と無く気恥しそうなはにかみを浮かべつつ、頬に、そうして目元に添えられた自身よりも大きく骨張った、されどまるで壊れ物を扱う様な慎重な優しさを含んだ手の温もりに幸せそのものな言葉を告げて。それからこの温もりが離れてしまうのが惜しい、相手にもほんの少しでいい、自身の温もりと呼べるかわからぬそれが届きますようにとの思いを込めて持ち上げた片手を頬に添えられている相手の手の甲に軽く触れさせて )
( 相手が泣き止み、はにかんだ笑みを浮かべた事に安堵するも手の甲に相手の掌が重ねられると動きを止めたまま相手を見詰める。そんな風に人肌の温もりを与えられたら、余計な記憶がまた甦ってしまう。同じように手が温かいと言われた事があったのだ、外から帰ってきた妹に、家の中で。妹の存在を思い出してしまう事への悲しさか、触れた温もりに寂しさを感じたのかは自分でも分からなかったが、胸が締め付けられる感覚。どういう訳か泣いてしまいそうで、目頭が熱くなる感覚に相手の頬に手を添えたまま何も言わずに顔を俯かせて。心が脆くなる位なら誰かの温もり等知らない方が楽だと拒絶したくなる気持ちと、与えられる優しさと温もりに縋りたくなる気持ちの狭間で心が揺らぐ。ステンドグラスに陽射しが差し込み床に落ちた色が視界の隅で僅かに滲み。 )
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