トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
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んだぁ?ならへっぴり腰で移動するのか?
オレがお前をおぶって移動しろってか?
(程なくしてピザが運ばれてくる、トンっと彼の腰を小突きピザを一切れ口にして)
(口に咥えたまま、そっと顔を近づけていく)
ゾロ
小突かれて、また身体に響いて息を詰め、とことん頭の中が2人で過ごすに埋め尽くされている男に誰のせいで歩くのに支障をきたすほどの体調になっているのかという文句と腰を小突かれた仕返しに近づいてくる顔の頬を片手で押して力づくで距離を離すと、つっけんどんな態度で
「…っ…違ェ、なんで俺も行く前提なんだよ。
こんなモン寝りゃ治るからテメェは仕事行けよってこった」
ったく、つれないやつ……
んじゃあ、ご期待通りに行ってくるから、安静にしてろよー?
(少し残念そうに笑うと立ち上がり、一息つくと背を向け部屋を去っていく)
ゾロ
去り行く背中に視線だけ投げて見送った後、ゾロはベッドの上に再びごろりと寝転がり、それにしても…と考える。愛の街だか何だか知らないが浮かれた島だとは思っていた。それに毒されてコックはいつも以上に張り切ってやがるのかとも思ったが、コックがやる事成す事全てを許して己の身体に支障が出るほどの勢いにブレーキをかけてやらなかった己も知らず知らずのうちに毒されていたのかもしれない。こんなにも己を制御できていないとなると未熟さが露呈しているようで舌打ちが漏れた。そこからは不貞寝のように就寝したが眠りに落ちる間際、2ラウンド目に入る前に見たサンジが女と並んで歩き去って行くあの夢を思い出し、帰ってきたらあの浮気野郎をどうしてやろうか勝手にイライラしたまま瞼を下ろした
(船に食材を調達し、船内の雰囲気から未だ彼が戻ってきていないことを察すると、仕込みと並行して菓子作りを始める)
迷子になってなきゃいいがね
ゾロ
ぱちりと潔く目が覚めるとちょうど部屋のチェックアウトの時間で、ベッドからゆったりと起き上がると腰は完全ではないとはいえ剣を振るには問題ない程度に回復していた。ベッド脇に立て掛けてあった三本の愛刀を携えたあと宿を出た。それからさて、船に戻るかと行き先を決めたところでどちらへ進めば船なのか…。右を見て、左を見て確認すると右方向に自分達の船ではないが海と船がいくつか見えたので、海があるならそちらだろうと決めつけて足を向けた。しかし、そちらは漁船の停泊場所であり、海賊船が停められるわけがない…正解は左側であったのだ。
海に向かって歩いていたその途中、昨日島いっぱいに広がっていたチョコの香りが鼻を掠め、足を止めればその店には売れ残りだろうか…少量のチョコが並べられていた。俺がアイツに何かを贈る、そんな姿は到底想像できない。ならば俺にできることとは……やがて考えるのをやめて再び足を動かした
……遅ぇな………
(料理支度も菓子作りも終えてしまうと一服、船の外から街を眺めて)
(風に髪を靡かせぼんやりと行き交う人々を眺め共に帰るべきだったかと多少後悔しつつ未だ時間はあるので待つことに)
ゾロ
船を探して海に出たはずが一向に見知った船が見当たらない。まったく…どこ行きやがったんだ、としばらく水平線を眺めていたが見当たらないなら仕方ない、酒場でも行くか。そう思って街をぶらりと歩いていたはずなのにいつの間にか泊まっていた宿屋の前に辿り着いてしまった。酒場も船もどこにもない、そして同じ所に戻ってきてしまうとは、何か不思議な力が働いている島なのだろうか。不思議な力が働いているなら考えても仕方ないから適当にぶらつくか、と足を動かすも再びあの売れ残りチョコを並べていた店の前にやって来ていた。なんとなく目を向けると2回も店前にやって来たものだから"贈り物に迷っておられるならどうぞ!"と押し付けられてしまった。別にいらなかったが食べ物を粗末に扱うのは気が引けるので小さなチョコの箱を片手に再々度宿屋の前に辿り着いて「この名前の宿屋、いくつもあるのか?」などと呟いて首を捻った
………お前、まだこんなとこにいたのかよ……
脳味噌まで筋肉で出来てやがんのか?
(心配して探しに来ると宿屋の前で簡単に見つかり呆気に取られ)
(さっと手を取りグイグイと人混みの中を引っ張り先導していき)
ほら、さっさと行くぞ。ったく……手がかかるヤツ……
(節の目立つ指が1本1本絡んでは力強く引いていき)
ゾロ
首を傾げていると背後から呆れたような声がかけられて振り返ると先程別行動のため別れた男が立っていて、男の明るい金髪が太陽光を反射してより一層光り輝いていた。ああ、こんなに眩しいこの男を見失うなんてできそうにねェな。と強く握られる手を見つめながら思うも、いや…とすぐに否定の言葉が浮かんできて、あの夢のことを思い出した。なぜ、俺があんな夢を見たのか……それは俺がコイツを他のやつに取られるのが自分で思っている以上に許せないのだと…離したくねェのだと…認めざるを得ないのかもしれない。随分と俺はお前に惚れてるみてぇだ、と笑い飛ばすように一度だけ鼻で笑うとその手を握り返し、いつもなら悪態をつかれて反論の一つや二つするところだが機嫌良さげに微笑んで
「ああ、悪かったな」
……随分と素直じゃねぇか
(手を引き船に連れ戻すと、せんべえや団子がテーブルの上に用意されていて、作りたてのそれは未だほんのり暖かく)
チョコよりかこういうのが好きだと思ってよ、用意しておいたぜ?
(腰に腕を回しエスコートするように歩くとさっと椅子を引いて)
ゾロ
コイツに手を引かれていると不思議なことに船のある場所へ辿り着いた。そのまま手を引かれてダイニングに連れてこられるとテーブルの上には煎餅や団子といった茶に合う菓子が置かれており、なんと宿屋に入った時に言っていた事を実行したようであるがチョコレートのような甘いものを好まない俺に合わせて用意したというのだ。口に出さずともクルーの好みは頭に入り切っているのだろう、マメな男だ。と心の内で感心しながらされるがままに案内された椅子に座ると片手に持っていた押し付けられた小さなチョコレート箱の存在を思い出し、リボンを口で雑に外して床に落としてからコックのネクタイを引っ張ると一つチョコを取り出してコックの口に突っ込んでやってから、滅多に口にしないコックの名を呼び
「なら、俺からもやる。……テメェも好きだろ?…サンジ」
ん……甘いな……
(かなり珍しく名前を呼ばれたことに眉を上げ、フッと薄く笑うと口にチョコが施される)
(もぐ……軽く噛み砕き小さくすると唇をそのままネクタイを掴まれるままに重ねていき)
……サンキュ、最高の贈り物じゃねえか
(最愛の人の頬に手を添え間近に見据えると再度口付けていく)
ゾロ
いつもテメェから貰ってばかりで気に食わなかった…いや、コイツとこんな関係にならなきゃ思わなかっただろうな、貰ってばかりなのも癪だから返してやりてぇだなんて感情は。チョコを捩じ込んでやった口元は緩やかに持ち上がり、目に見えて喜びの感情を顕にした表情を見るのはなるほどこれはなかなかなの充足感だ。コレがコイツはクセになってやがるのだろうと近づいてくるコックの顔を眺めながら思う。テメェはこの関係を満足していると言ったが、ちったァ与えられる側の気持ち味わいやがれ…。焦れったい距離を詰めるようにネクタイを引っ張る力を強めると触れ合う唇、そこから伝わる苦手なチョコの甘さも不思議と嫌悪感はなかった。首の後ろに両腕を回して2度目のくちづけを受け入れてから挑発的に笑って
「…っ、ん…… 、はっ…で、お気に召したのかよ、コックさんよォ?」
あぁ、十分すぎるくらい満足したが、また別の欲も湧いてきちまったな……
(彼の挑発的な表情を見据えると、鳴かせたい……と脳裏を過ぎる黒い思考、そのまま背中へ腕を回し、指先が背骨を揉むように動いては下っていき)
お前が……欲しくなった……
ゾロ
「お、まえなァ…」
コックの目の色と声色が変わったかと思ったら頬にあった手が滑っていって背を意味ありげに撫でられてから、それがそのまま下に降りてくるとなんとも落ち着かない気分になる。この手がどんな意味を示して、どんな快楽を与えてくるか知っているからだ。今までどれほど一緒に夜を過ごしても、慣れない求められるということ…薄らと首筋まで赤く染めながら呆れるような言葉を吐いたが、今日はとことんコイツに付き合ってやるか…という気分だ。コックのネクタイを片手で外してからシャツのボタンまで外してやると
「仕方ねぇ…くれてやるからたっぷり味わえよ」
……大丈夫か……?
(そのまま獣のようにキッチンで彼を貪り、一仕事終えると労るように腰を撫でて)
(つがいのように一つになるままのんびりとした時を過ごす)
好きだ……
ゾロ
いつも執拗いくらいずっと気持ちよくさせられるというのに今日はそれ以上で快感から降りてこられないような…何倍にも膨れ上がったような感覚と、俺の言った通り余さず味わわれた気がする。身体中が未だ快感が巡って思考が正常に戻ってこないのだ。そんな中で何度も聞いた"好き"という短い言葉、飽きもせずに言ってくるからうんざりすると思いきや今は俺の傍にいるということが一言だけで実感できるから心が満ちるには十分すぎるものである。声を出そうとするも、小さく息が漏れるだけで答えを返せぬままサンジの背に両腕をまわして抱き締めることで自分の言葉を語ってから、ぼうっとする頭で自分の欲するものを伝えた。今の俺は正常な判断がほとんどできていないが、理性はまだ僅かに残っている。それなのに気持ちよすぎて素直にまだコックが欲しいのだと、まだ抱かれ足りねェのだと、普段なら言わない言葉を吐くのだから、これは妙な夢のせいだとぼやけたままの思考で言い訳をした
「……さん、じ…欲…しい、まだ…テメェが足り、ねぇ…」
へぇ……こりゃ珍しいな……
(おねだりしてくる彼の様子に口角を上げ満足気に笑うと抱く腕に力がこもり再度彼を貪っていく)
(その全てを味わうように深く繋がり濃密な時間を過ごしていった)
……お前を愛してる……
ゾロ
どこもかしこも触れられる場所が過敏になったようで、される事全てに反応してしまう。必死に気持ちいいのに耐えるもキャパオーバーした分ぎゅうっとサンジにしがみつけば無意識にサンジの背中に爪を立てて引っ掻き傷を作るまでに至る始末であった。欲しかったものを思う存分味わった身体は逃がしきれない余韻を身に余しながらもサンジの言葉に「お、れも…すき、すき…さんじ」と生理的に溢れる涙を目に溜めながら甘えるように告げたが、その後サンジに抱きついたまま すぅっと眠ってしまった
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