トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
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ゾロ
静止も虚しくいとも軽々と己の体が浮き、なんとも屈辱的な格好に抱き上げられる。腰が強ぇのは知ってたがこうも簡単にされるとなかなかに腹が立つ。随分と調子に乗りやがって、意味ありげな指の動きやスラスラと並べ立てられる口説き文句にまたもや眉根を寄せて顔をしかめる。
新年一発目の二人きりのベッドなどコイツに関しては張り切るのは目に見えているし、それについて行くのは苦労する。特に最近じゃあこっちは声を殺すのさえ必死なのだ。泥酔状態ではないとはいえ、皆がいる船じゃあイヤだ。「オイ、コック」と名を呼んで腕を伸ばしサンジの首にまわすと上体を起こして自らサンジの唇に吸い付く。最後にひとつ唇を舐めてやってから口を離し、してやったりという顔で笑って
「勝負のペナルティーだ。次の島でゆっくりできそうならテメェの好きにさせてやる。だから…今は、これで我慢しろ」
あ?……っ……
(名を呼ばれ唐突に奪われる唇、離れる名残惜しい感触に眉をしかめ)
お預けかよ、まぁ、嫌なら仕方ねぇが……
(残念そうにその場に立ちすくむと抱えたゾロの全身をぐっと胸元に密着させていき、支える手のひらに力がこめられていき)
好きだぜ……お前が……
ゾロ
勝負のルールを守って諦めてくれたようでほっとしたが、降ろそうとする気配もなく逆に引き寄せられて噛み締めるように告げられる告白に心臓が切なく締め付けられるような感覚がやってきた。病的に女好きのコイツがこの言葉を俺に言うというだけで酷く愛されているのだと思い知らされるのだ。その言葉に答えるように腕に力を込めると「…俺もだ」と気恥しさに掠れた声で応じてから諦めたようにサンジの首筋に顔をうずめて体を預けると
「もう寝るからテメェが運べ」
……
(しばらく彼を胸元に抱き締め余韻を感じたあと、ゆっくりと寝室へと運んでいき。ベットへと大切なモノを降ろすようゆっくりと乗せると自分もそそくさと隣に、背中から抱きしめていく)
おやすみ、お前の夢が、見れますように
(意図的に下半身を密着させ、離れないよう腕に力を込めては瞼を下ろして)
ゾロ
暫くサンジの温もりに包まれていると自然にまどろみ、瞼が落ちてくる。そういやどこか酒の席で一緒にいて眠たくなるのは良い恋人の証拠だとか、その時は笑って流した気がするがまさか自分が身をもって体験するとは思わなかった。
いつの間にか寝室に辿り着いたのか体が柔らかな感触に包まれたかと思ったら背中から更に熱い人の体温が触れてきて、一緒の布団で寝るのかよ。と心の中でツッコミながら、もう何を言っているのかわからない子守唄さながらのサンジの声を聴きながら何とか「おう」と答えてから完全に眠りに落ちていった
………
(料理仕込みのために一足先に目覚めるととりあえずの一服、意識が覚醒してくると傍らに眠る彼の髪を緩やかに撫でていき)
行ってくるぜ?
(肩に手を置き、頬に唇を近づけると、そのまま暫く顔を見つめ、ゆっくりと立ち上がりキッチンへと消えていき)
ゾロ
ワイワイと賑やかな声に意識が浮上する。どうやら既に皆起床して甲板で遊び始めているのだろう、チラリと後方を見やり晩はいたはずの姿を無意識に探してしまい、軽くため息をついた。
ゾロはいつもといっていいほど起床が遅く朝食は遅れることが多いのでいつも通り皆が朝食を終えた時間に布団から抜け出した。寝室を出ると皆と挨拶を交わしてからキッチンに赴いて
「コック、メシ」
おらよっと、もう出来てるぜ?
(着席するが待ち構えてたとばかりにスパゲッティとスープ、骨付き肉を振る舞い上機嫌に口許を緩ませ)
次の島まで今日中には着くらしいぜ?
(機嫌良さげにその後皆の皿を洗い始め)
ゾロ
来るタイミングがわかっていたかのように、ゾロがキッチンの扉を開けて座るなり手際良く料理が並べられた。「いただきます」と手を合わせてからスープを一口、飲みやすい温かさが体に染み渡るようで、うめぇ。と呟いてからスパゲッティに手をつけようとしたところで、この船の予定を告げられた。主に大食いの船長のせいでこんもりと盛られている皿を洗いに行った背中を盗み見る。昨夜己が言ったことは覚えている、それを意識させたいのだろうか。視線を戻して食べることにすると
「…そうか、そらァ楽しみだな」
(皿を洗い終えるとそのまま背後に歩いていき、コツコツという靴音が止まると背後から長い腕が抱きしめていき)
俺も楽しみだ……やっと……
(うっとりと彼との行為を想像するとご満悦、鼻の下がだらしなく伸び笑みが零れ)
ゾロ
料理を頬張り、味わっていると後ろから両腕が伸びてきて昨夜と同じく抱きしめられた。耳元でやたらと柔らかい声を出すから、顔を見ずともアホみてぇな顔をしているんだろうとわかる。朝っぱらからエロコック全開だな、と考えつつため息混じりに「浮かれんな」と言ってやり、食べる手を一旦止めてサンジの額を軽く手の甲で叩いて
「退け、食いづれェだろうが」
あで。んだよ、つれないヤツ……
(苦笑いを返すと大人しく離れ、とりあえずやることもなさげに大きく身体を伸ばして)
食ったら片付けとけよー?
ゾロ
どこか不満げな言葉と共に背中からの重みがなくなるとサンジの指示に適当に「おう」と返してから食事を再開する。そして、次々と口に運んでは皿の上には何も残すことなく食べ切ると「ごちそうさん」と食事開始時と同じように手を合わせる。満腹になって満足すると立ち上がりカラの皿を台所に運んだ、ここに立つとイヤでもアイツの後ろ姿が脳裏をよぎる。いつも気がつけば観察するように見ていた姿だ。さっき皿を洗っていた姿を盗み見てすぐに目を逸らし意識を料理に逸らしたのも、抱きしめられて早々に引き剥がしたのも、あれ以上は胸にひっかかっている"何か"がはち切れそうな気がしたからだ。またひとつため息をついてから小さく呟くと自分の使った皿洗いを始めた
「…浮かれてんのは、俺も…か」
(いつも通りにレディ達にちょっかいを出したあと、キッチンに戻るとゾロの皿洗いを目撃、ポケットに手を入れ肩からひょいっと覗き込む)
おう、ちゃんと洗ってるようだな?
(そのまま彼の腰にそっと手を添えるとご満悦)
?♪
ゾロ
水で泡を洗い流し水切りカゴへ移すという単純作業を続け、ラスト1枚というところで突然ひょいと現れた金髪に不覚にも驚いて「うおっ!?」と声を上げた。本当に不覚だった、近づいてくるのさえ気がつけずに思い耽っていたのだ、しかもそれを悟られるような反応までしてしまった。行き場のない羞恥心をぐるぐると胸の内に秘めていると腰にするりと添えられる手。先程、即引き剥がされたのを忘れたのかと言いたいほどスキンシップが多い男に呆れるが、それに心が乱れる己にも呆れるところだ。
全ての作業を終えて随分と上機嫌な男に不満げな目を向けると
「コック、次の島に着くまで持ちそうにねェからやめろ」
いいんだぜ?我慢なんざしなくとも……
(彼の言葉に気を良くすると口許を緩ませ笑みを返して。睨み顔の唇を愉しげな瞳が見つめては長い指がそっと撫でていき)
いくらでも、くれてやるよ……
(片腕を彼の腹に添え、ゆっくりと腰に引き寄せて。至近距離でふにふにと彼の唇を撫でつまみ返して)
ゾロ
楽しそうに唇を弄び始めたサンジに更に眉間のシワを深めてより一層不機嫌そうな表情を見せたが、遊ぶ指を押し返して舌を覗かせると口淫でも連想させるように丁寧に色白く長い指に舌を這わせていく。わざと見上げてばっちりサンジと視線を合わせながらゆっくり根元まで口に含み、指先へ口を滑らせて引き抜くと口の端から垂れたものを手の甲で拭う。
別に我慢しているわけじゃない、一度欲して行動してしまうと自分でも制御できるかわからないのだ。今までこんなにも制御できなくなるような感覚を覚えた人間はサンジに対してのみ、だ。押し退けて抱擁から抜け出し不敵に笑みを浮かべると
「言われなくても貰えるモンは貰う。
俺はテメェに関しては貪欲みてぇだからな、もう出ねぇって喚くくらい俺ン中出させてやるから覚悟、しとけよ?」
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