主(賢さG) 2021-12-15 19:00:34 |
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…はい、答えてくれてありがとう…だそうです…
…トレーナーさんは、運動がお好きなんですね…。まだそういった姿を見たことはなかったので…その、少し意外と感じました…。
( 返ってきた回答に対してお友達の反応を伺った結果、どうやら彼女は満足げにしている様子を見て、満足のいく答えになっているということを自分を通して彼に伝える。自分も彼が運動を好むことを知り、研究や自分の練習に付き合う姿しか知らなかった為、また一つと知らない面を知ることができた。それに編み出された新たな練習も、考えた本人が実践で試した上でのものだということも知り、やはりウマ娘に対しての本気度は彼を知る度に思い知らされるものなのだろうと感じた。そしてお友達は彼のことを気に入り始めている。こんなこと今までなかったこの状況を、密かに楽しみつつあった。そして彼の、創作はアテにならないという言葉を聞き少し考える様にした後 )
…仕方ありませんよ、見えないものを描くには想像に任せるしかありませんから…。それに、霊的なものを想像してと言われたら…大半は悍ましい、恐ろしいものだと…この世の中は、そう印象付けられていますから…。
( 幽霊といったら恐ろしい姿を想像する、これはもう定着されているものだ。それに全てが彼女の様なものではないことから、その創作の内容も絶対間違っているとは言えないだろう。ただそれでも、全てがそうであると描かれることにはあまり良い気分はしないのは当然だ。「…仕方ないとわかっていても、お友達を悪く見られたり…言われたりするのは、やはり辛く感じます。…でも、時にはアナタの様に…少しずつ信じてくれる人も居ると知ってからは、その辛さも…ずっと続くものではない、そう感じましたね…。」見えない存在を、例え見えないままでも信じてくれた彼と会ってからは、いつかは世の中に付いたその印象も変わるかもしれないと希望をまた持つことができたことで、少しずつ、止まっていたものが動き出している。口には出さなかったが、そんな気がしている )
極論、常識や前例、そういったものに深く考えずに縋るのは楽だからな。…カフェと出会って俺の中の常識は大きく変化してしまったが、それは裏を返せばこれまでの俺は変化を受け入れずどこかで思考停止してしまっていたともとれる…そんな状況から脱却させてくれたカフェとお友達には本当に感謝しているんだ
(見えないから信じない、理解を越えた現象や存在を不気味だなんて考える人物が多いのは事実だろうし、そういう考えたくない事を一般的な常識の範疇に無理矢理収めて考える事で楽をしようとするのは人間の心理的に仕方のない部分だろうと納得しており。自分も実際霊的なものに対するスタンスはその他大勢と方向性の違いはあれどそこまで変わっていなかったこともあり、きっかけはどうあれ相手と出会ったことで自分も常識に凝り固まった状態から解放され良い方向に変われたと確信し、感謝の意を示して。「…カフェは自分は自分、他人は他人できっぱり切り分けて考えて周りに何と思われてもそこまで気にしないと思っていたが…やはりお友達のことは特別なんだな」他人とはあまり関わりたがらず性格的に少々ドライな面がある印象の彼女だったが、お友達が悪く言われる事は辛いと明言したのを見て、これまでの印象とは違った彼女なりの情がハッキリ見てとれて少しだけ意外そうにしながらも、彼女だって感情のない人形ではないのだから当然かもしれないという思いもあって)
そう、ですね…私自身のことは、どう思われても何とも思いません…。今まで、アナタ以外の人からスカウトを受けた時は…決まって不気味そうに見られていましたから…。
( 確かに彼の思う自分へのイメージは大体合っている。誰とでも関係を持つということは進んでやらないし、普段は一人が多いのでそういったイメージは持たれやすく、性格が掴みにくいというのは間違いないだろう。それに、自分のことなら何を言われようが気にしなかった。黒くて不気味なウマ娘、そう思われても仕方ないとわかっているから、今更それに不満を持ったりはしない。「…あと、お友達に限らず…私の知る、周りの人が悪く言われるのも、嫌ですかね…。」お友達は自分にとって特別なのは間違いないが、そのお友達に限らず自分を知っている者が傷付けられたりするのも嫌なものだ )
…だから今でも、この先…トレーナーさんのことが心配ではあります。私が原因で何か負担を掛けさせてしまうのではないかと…今だって、アレの存在に悩まされていますから…。
( これからの彼に対して、まだあの時から少しながらも不安はあった。お互いの目標を達成するには、世間に出ていくということになる。そのなかで自分が原因で、彼に何か悪いイメージなど持たせてしまうのではないか、その時に自分は説得など出来るのか。など、余計な心配かと思われてしまいそうなことを、この頃考えたりしてしまっている。「…ただ、どれだけ不安や心配に押し潰され様と…今更退くという選択はしませんよ。これだけは、あの時から変わりませんので。だから──」不安げな様子を見せてはしまったが、だからといって辞退する行為も考えもないことはないと口にする。そして少し暗めになりそうだった雰囲気を吹き飛ばそうと、まだ下手くそな笑顔で"…今後ともよろしくお願いします"と、彼に向けていつもよりハッキリとした声で言って )
ウマ娘のトレーナーとして上を目指す以上は大なり小なり苦難を背負う覚悟くらいしているさ。根拠もなく大丈夫などと断言はしないが、カフェが退かない限りは俺にも後退の道はない。それが俺の答えだ
(彼女の懸念はわかる、しかし彼女のように確かな素質を持ち大きな舞台で活躍をする可能性を秘めたウマ娘を担当することは初めから簡単な道ではないことは想像に難くなく、もちろん全てが上手くいくだとか自分に任せておけば大丈夫なんて根拠の欠片もないことを断言出来るほど無責任にはなれないが、それでも彼女が前進を続ける限りは自分も同じ道を歩むという覚悟はあると、自分なりの答えを示し、穏やかに笑いかけて。「偉そうなことを言ってもアレの対処はどこまでいってもカフェ頼りだ…俺はカフェを信じているからな、思っているより悲観はしてないよ。後は俺がカフェの想いにどこまで応えられるか…真価が問われるな」何より不安要素の一番大きな部分は自分ではコントロールの出来ない不確定要素であり、それを御せるとすれば彼女しかおらず、その対処に関しては信頼を寄せているため今の自分は彼女が思っているほど深刻には考えていないと語り、だからこそそれを結果が出せないことの言い訳には出来ないと自分はトレーナーとしての責務を全うしなければという使命感に燃えていて)
…それなら、私はその信用に応え続けます。アレについても…これからのレースのことも…。
( 自分が抱いていた不安や心配の言葉に対しての彼の答えと覚悟を聞けば、クスリと小さく笑ってやはりこれは余計な心配だったのだろうと確信した。そして彼が自分へ向けている信用には裏切らない、彼がトレーナーとしての役目に全うするならば、自分はウマ娘としての役目に全うする。自分たちを襲う見えない存在を対処しつつ、レースを勝ち抜き夢を叶える。恐らく険しい道になるのは違いないが、だからといってそれに恐怖心などはない。あるのは彼と同じくある挑戦するといった気持ちなのだろう。「…トレーナーさんの言葉は、不思議と心が軽くなります…アナタの様な人は、初めてです。他の誰もが、出来なかったこと…ですから。」先程まで抱えていた不安も、彼からの言葉で今はなくなっている。きっと今後今の様なことで悩む必要もないだろう。そして彼の様な人は初めてだ、例え自分が見えてるものが見えなくても理解と信用はしてくれて、トレーナーとしての使命感も強く持っている。ここまで心を許せたことはなかった、彼と会ってからは今までにないことが起きている。そのどれもが良いものばかりではなく良くないものも含まれてはいるとしても、少しずつ確実に良い変化へと傾き続けていると思っている。そして気付けば河川敷もそろそろ抜ける頃、アレから襲われることもなく後少しで学園までの散歩も終わる頃だった )
そんなことは初めて言われたから少し照れ臭いな…どちらかといえば理屈っぽいとか堅いと言われることの方が多いし、俺自身もそれは自覚していたからな
(自分の言葉で誰かの心を軽くするなんて自分にとって経験のないことで。これまでに担当してきたウマ娘たちと築いてきた互いにとっての実利ばかりを追い求めてきたものとは全く違った信頼関係の形にこそばゆさを覚え、ついつい目を逸らしてしまうが、こんな関係も悪くなく、理屈だけでは説明のつかないこの充足感は現時点でなんの根拠もないが自分たちの今後の為に良い影響を与えてくれるだろうという確信があって。今日は休日のためか人通りが少ない学園近くの道をいつになく晴れやかな気持ちで歩いていると不意に誰か…ではなく何かに背後から、それも相当な至近距離、肩越しに見られているような感覚に襲われる。この感覚には覚えがあり、咄嗟に彼女の手を取る「…カフェ…気付いているな…?」日当たりが良く暖かい陽気な筈なのに背中には冷たいものを感じる。気のせいか、これまでに感じたものよりも気配を色濃く感じている自分がいて、これまでは漠然と異質な何かの気配を感じるという程度だったが今はハッキリそこに居ると認識してしまっているのがその証拠で、動揺を悟らせないよう深く深呼吸をしては隣の彼女へと目配せをして)
はい、このまま何事もなく…とはいきませんか。
トレーナーさん、そのまま冷静に…アレに動揺も隙も見せてはいけません。絶対に、手は離さない様に…。
( 先程の雰囲気も一気に変わり、突然危険な状況に引き込まれてしまった。人気の少ない場所、当然ながら出会すリスクがあると知りながらも事前に接近してくることに気付けなかった。油断していたからか、それともアレが今までより特殊なのか。今はそれを考えなくていい、この状況を切り抜けることのみに集中する。アレは今、彼のぴったり背後に立っている。以前変わらず狙いはトレーナー、少しでも隙を見せれば連れて行かれるかもしれない。それだけは避けなければいけない、手を胸に当て一旦深呼吸をする。彼の様子を見ると、もう何度か遭遇しているからか落ち着いている。このまま冷静に居続ければ、その内アレも消えるだろう。「…トレーナーさん、このまま…ただ、前だけを見て歩き続けて下さい。私がいいと言うまで、後ろは振り向かない様に…。」後はただ前へと進むだけ、離れない様に彼の手を強く握ったまま、アレの気配が完全になくなるまで歩くだけだ。一歩、また一歩と合わせて真っ直ぐ歩く。躓かない様に、転ばない様にと注意して進む。次第に彼の背後に引っ付く様についてたアレも少しずつ離れていっている。後少し、このままいけば何とか今回もやり過ごせるだろう )
ああ、わかった…
(とにかくこの場をやり過ごすために自分が出来ることは彼女を信じるのみ、改めて自分の中の認識を再確認すれば彼女の手をこちらからも少しだけ強く握り返して短くそう返答してはアレに対する一切の思考を遮断して前だけを見据えて彼女と共に歩いていくと、次第に色濃く感じていた気配も段々と薄れていき、やがて存在を認識出来ないほどになればひとまず危機は去ったと言っていいだろうかと、そこでようやく隣の彼女を見やり「なんとかなったか…正直今回は生きた心地がしなかったよ。アレの存在をここまでハッキリ認識出来たのは初めてのことだったからな」大きく一つ息を吐くと、汗ばんだ手に籠った力を緩めては、これまでよりも鮮明にそこに在る者としてアレを認識出来てしまったと話して。思えばそれは彼女との仲が深まりお友達の存在をより身近なものとして認めるようになってからのことであり、存在を認知すれば引っ張られるとはよく聞く話だが何か関係があるのかもしれないと仮説を立てたが曖昧な知識で不確かなことを言うべきではないと思い深くは語らず、ただ感じたままに事実のみを口にして)
それ程まで、アナタをものにしたい…ということですかね…。ただ…まさか、ここまで接近されるとは…。
( 何とか危機的な状況を切り抜けることができ、ホッと安心する様に一息吐いた。しかし今回は少々危なかった。何とか対応は出来たが、今まで以上に接近を許し、近くに来ていたことに気付くが遅れてしまったこともあった為、もっと油断をしていたら取り返しのつかないことになっていたかもしれない。そもそも、アレと同じ様に危ない存在は何度も見てきたが、今回近くで感じ改めて今回襲ってきているものは今まで以上に危険なものだと思った。見えないものを信じてくれたトレーナー、その存在はやはりアレにとって是が非でも奪い去りたいものなのだろう。「…身体は、何ともありませんか…?」と心配する様に彼の体調を尋ねて、何ともないかと自分の目で見れるところで不調な点はないかと確認する。そして、これといった問題は特になさそうだと思えば )
…ごめんなさい、私がもっと早く接近に気付いていたら…。
( と、また危ない状況に陥らせてしまったことを後悔する。アレの接近にいち早く気付いていたら、浮かれ過ぎてしまっていたことで招いたことだと深く反省する。今回無事だったのは、あの様な状況下でも冷静さを見失わないでいたのが大きかっただろう。自分はただその冷静さを失わせない様に声を掛けただけだ。もし、もっと危険な状況だったら…そう思うと、やはり今回の失態は重く受け止めてしまい自分を責める様な気持ちになってしまった )
俺はこうして問題なく無事だった…その事実だけで今は十分だろう。反省から得るものはあるが後悔から得られるものはない。…ここで気に病んだところで仕方のないことだ
(もっと早く気づきもっと上手く立ち回れていたら…彼女のそんな思いはもちろんわからなくもないが、結果論ではあるものの終わってみれば実害は一切なかったというのが事実で。とはいえ当然次回も同様の状況に陥った場合にまた無事で済むという保証はないため、今回の反省を活かして今後の対策を練ることは有意義だと言えるが、一方で今回のことで自分を責めることで得るものは無いはずであり、もっと建設的に物事を考えるべきだととことん現実的な思考で、ともすれば冷めきっているとも思える態度をとるが、実際は相手の自責の念を和らげようという、不器用ながらの優しさ故の発言であり、慰めるように相手の頭にポンと優しく手を置き。「…とはいえ、そうだな、それでも申し訳なくて気が済まないんだろうなカフェは……」どんなに理屈で詰めたって気持ちはそう簡単には思うようにはならないこと、なんとなくそれが彼女の身になって考えることが出来て、そしてそんなところにも決してマイナスなイメージを持つことなく自然と受け入れられてしまえば、無意識に相手の頭を優しく撫でていて)
…いえ、トレーナーさんの言う通りかと…。後悔ばかりでは、私の恐れていることが起きてしまうかもしれない…それが起きてしまっても、きっとまた…落ち込んで、後悔して…その繰り返し。
( 彼の言葉はもっともだ。どんな結果であれ、反省ではなく後悔で終わらせてしまえば何も得られない。次の対策も出来ずまた同じことが起きて、いつか助からなかった確率に結果が転がってしまったら…それは考えることすら悍ましい。そして唯一の存在が消え続けてしまう、そんな負の連鎖を起こしてはならない。相手の言葉も態度も冷めきったものだとは感じなかった、というか今まで彼の言葉にそういったものを感じたことはない。彼という人物への理解が深まってきたからなのか、理由は何であれ彼の言葉は自分にとって支えになっているのは間違いないだろう。「…次こそは、大丈夫です。」と、しっかりと目を合わせながら先程まで後悔をしていた姿を見せず、次に向けてと彼を安心させる様に今度は大丈夫だと、そう一言呟いた )
…えっと。ありがとう御座います…少し、落ち着きました…。
( 彼の優しさに触れ、何とか落ち着きを取り戻せた。しかし、こうやって頭を撫でられたことはなかった為、頬を掻きながらどこか恥ずかしそうに戸惑った様子を見せてしまう。生きてるなかで撫でられたのは初めてではないが、何だか初めての様だという不思議な感覚だった。決して不快で嫌いな感覚ではなく、寧ろ好きな感覚だ。目を伏せながら、彼が頭を撫でる手を止めるまで何も言わないまま、じっと大人しくしていて )
改めてお礼を言われるほどのことじゃないさ、ウマ娘のメンタルのケアもトレーナーとしての重要な仕事の一つだからな
(表向きはあくまでも自分はトレーナーとしてするべきことをしているだけで感謝されるようなことは何もしていないというスタンスを貫くが、目に見えて落ち込んで見えた彼女が自分の言葉によって調子を取り戻してくれたことが嬉しく思えて自然と表情は綻び、その後も少しの間撫で続けていた手を頭からそっとどけて。「…いや、違うな。俺はカフェがこの事で自分を責めて欲しくはなかった、理屈ではなくこれは多分俺の個人的な気持ちの問題なんだろう…」頭を撫でた時のそれに対する彼女の反応に自分の中でなんとも言い知れぬ感情が湧き上がってきて、単なる義務感によるものと言い切ってしまったことが間違いに思えてきてしまい、自らの心情の変化に戸惑いながらも発言をそう訂正して。「…心持ちはどうあれ結果は変わらないというのに無駄な話しだったな、今度こそ学園へ戻ろう」心情を話したところでそれで何が変わるというのか、不可解な言動をしてしまったと自ら省みれば、アレの脅威は去りはしたが念の為彼女の手を取ればそのまま学園へ向けて再び歩みを進めて)
…ただの昼食がきっかけのお出掛けなのに、色々ありましたね…。
( 彼の手を離してしまわない様に気を付けながら、警戒しつつ進んでいく。結局、学園に着くまでの道のりは特に何もなかった。ただ戻ってきた時にはもう陽が沈む前くらいの時間帯になっていた。休日だからということで外食をしようという小さなきっかけから、散歩に本屋、帰りは人気のない道を選んだ為少し遠回りになり、そしてアレに襲われてと、一度の外出でこんなにも何かが起きるとは思っていなかった。ただ、充実した時間であったとは思う。久々に好きなお店に行けたことや、普段見られないトレーナーの一面も見ることが出来た。学園の門の前に着き、「…この後、どうしますか…?時間も十分ではなくても、一つくらいなら…何か取り組めそうですが。」と問い掛ける。少し疲れはあるが、練習をする体力はまだまだある。あまりないのは時間だけで、次の行動が今日自由に使える最後の時間になるだろう。それに、彼自身もきっと疲れも少なからず溜めているとは思う。何せ、先程あの様なことが起きたばかりだ。そしてウマ娘の練習にも全力で付き合う彼だ、戻ってすぐの練習は堪えるのではないかと考えてしまう以上、自分が勝手に判断することは出来ない。結局また相手に判断を委ねる形になってしまうが、これからどうしようかと問い掛け、その返事を待つことに )
それなら、俺の出した例の課題をやってみよう。提出されたタイムを見るだけでどんな走りをしているのかは大体わかるが実際の走りを見て仕上がりを確かめるのも必要なことだからな
(新しい事へ改めて挑戦するには、時間があまりないのも事実としてあるが、体力面もやはり万全に近い状況でなければ良い成果が上がらない可能性は高く、無理に詰め込むよりは新しい試みは日を改めるとして、今日のところは彼女へと毎日の課題として課しているタイムを目標タイムにピッタリ揃えるトレーニングを自分の見ている前でやってみるように指示して。毎日欠かさずに提出されているタイムを見れば彼女が普段からどんな走りをしてペースを作ろうとしているのかはなんとなくわかるものの、やはり実際に目で見て確かめて自分のその感覚が間違っていないか、誤差が生じていないかを確認し、このトレーニングが有用であるか否かを見極めるのは大事な事だと思っていて。「一見地味なトレーニングだが、カフェは文句を一つ言わずに継続してくれているな。…指示を出してる俺がこんなことを聞くのも変な話しだか、不安はないのか?」このトレーニングがもたらす効果を具体的に説明したことは無かった、他のウマ娘もこんなトレーニングはまずしていないだろう、それでも疑問や疑いを持たず真面目にこなしてくれるのはありがたいと思う一方で、不安を抱えていたりはしないのだろうかと問いかけて)
不安、ですか…?
…いえ、特には…。トレーナーさんが、ただ負担を掛けるだけの練習をさせるとは思えないので…。
( 彼が提案する練習に疑問や不安はないのかという問い掛けに、少し不思議そうに小さく首を傾けながら、そういったことを思ったことはないと考える間もなく答えた。確かに出て来た練習は自分も聞いたことのないもので、すぐに慣れることが出来ないものだった。でもその練習に対して無駄とか、そういったことは思ったことがない。別に自分は全部に何の疑いも持たずに聞いたり実行する様なものではない。おかしいと思ったことはすぐ口にするし、断ることだって勿論ある。彼が自分のトレーナーだからという理由で、彼の言うことは全てだとも思ってはいない。自分は他との関わりはあまり多くないイメージはあるし、自分もそうだと思っているが、相手を見る目は鋭い方だろう。だから、彼の提案する練習に対して不安などはなかった。トレーナーは何も考えず担当に負担だけが掛かる練習はやらせない、というのが理由だという訳だ。「…それに…まだ少し、ほンの僅かだとしても…変化は少なからずあります。…次は、あの時とは違う走りが出来そうだ、と。」胸に手を当てながら、そう語った。例えその練習の効果が実感できなくても、確かに変化は感じる。そして、レースでその変化の正体を知りたい。口にはしなかったが、そういった想いが強くある。だから、今後も彼の練習には取り組んでいくつもりだ。不思議な内容でも、それがどんな形となるかを知る為に )
…では、着替えてから合流しますね。…場所は、グラウンド…でよろしいでしょうか…?
( 例の課題をすることに同意すると、この服装では当然できないので、早速着替えてくると言った。集合はグラウンドか、それとも別の場所なのかを尋ねた。練習場所はグラウンドで間違いはないだろうが、その前に何かトレーナーの部屋で何かするのかとも思い、念のために聞いてみた )
ああ、それで問題ない……いや、その前に一旦トレーナー室へ寄ってくれ。ちょっと確認しておきたい事がある
(彼女が自分の出す指示について自分で考え納得した上で前向きにトレーニングへと臨んでいてくれる事がわかって安心して。待ち合わせの場所としてグラウンドを指定しようとしたが、そこで一旦思い直し相手の足元見やりながらトレーナー室へと立ち寄るよう指示をして。彼女が着替えに向かった後ろ姿を見送れば自身は一足先にトレーナー室へと向かうと、自分の中で気がかりな部分を確認した上で対処が必要となった場合の事を考えて必要なものを準備しながら彼女の到着を待っていて)
確認ですか…?わかりました…では、着替えたら其方へ向かいますね。
( 確認したいことがあるため、先にトレーナー室へ向かう様に指示を受けると、それは此処で確認できないものなのかと考えたが、それは後で自然とわかることかもしれないと判断すれば、理由などは問わず"わかりました"と小さく頷き、また後程と頭を軽く下げ去っていく。別れた暫くした後、ジャージ姿で朝の様に彼が待つトレーナー室へと向かっていく。「…お待たせしました、マンハッタンカフェです。」とアレだと勘違いされない様に扉をノックしてからゆっくりと開けて中へと入った )
失礼します。
…それで、その…確認したいことは、一体…?
( と、早速本題に入ろうと話し掛ける。でも確認することについて思うところが見当たらない。アレのことについてなのか、自分が今行っている練習のことなのか。無意識に何か間違いを犯してしまったのだろうか、と表情は変わらないまま真っ直ぐ彼の方へと見詰めては、その確認したいことは何なのかを知ろうとして )
そう身構える必要はない。俺が確認したいのは足の爪だ、ウマ娘によっては足の爪が脆かったりもする。その確認をしておく必要があるんだが、すっかり忘れてしまっていたのを思い出してな…
(恐らく現時点では彼女の中で何を確認されるのかは全く検討もついていないだろうことが予想され、表情からは読み取れないが多少は自分に落ち度が何かあったのでは…などと考えている可能性も考えられれば、ひとまず彼女自身に何か問題があるという訳ではなく、むしろトレーナーとして重要な確認を怠っていたのは自分であるため咎められるとすれば自分の方だと申し訳なさそうに瞳を伏せ。「何か自覚出来る症状があるなら教えてくれ。…それから多少の抵抗はあるかもしれないが、目で見て確認をさせてもらう事は出来るか?」改めて自分が確かめたいのは彼女の足の爪のことで、もしも体質的に割れやすかったりする場合は適切な処置をしなければならないと伝えた上で、これまでのトレーナーとしての経験で、異性に素足を見せることに抵抗があるかもしれないことに配慮しつつも、可能な限り担当ウマ娘の身体のことは把握しておきたいという想いからそう尋ねて)
爪…ですか…。はい、構いませんよ。
( 彼の確認したいという内容は自分の足の爪のことについてらしい。素足を見せることに対しては別に抵抗はない、これも必要なことだとわかっている。もし拒んでしまったらお互い不安と持ったままになってしまうだろう。出来る限り、不安要素は消していくのが良い。彼の要求を飲み、近くのソファーに腰を下ろし靴と靴下を脱ぐことに。「…どうでしょうか。と、言っても…特に何も異常はない、とは言えませんかね…。」今まで靴で見えなかった足の爪を見れば、酷いとまではいってなくても爪が少し割れている様子が見れる。知らなかった訳ではないが、時々痛む程度でその痛みも激しいものではない。これについて彼に切り出さなかったのも、自分だけでも対処は間に合うからと思っていたからだった。だが今考えると、黙ったままの方が判断としては悪かったのかもしれないとも思える。お互いの情報は出来る限り共有する、それを反してしまったことをここで反省する )
…今のところ、練習に支障はありません。…前のレースの時に、少し痛みが出たくらいです。
( 痛みが出たのも前の模擬レースの時だった。今のところ自覚できる症状も酷いものはなく、痛みの出る頻度も少ないのが現状だ。自分から言えることはここまで、後は彼がこれを実際に見てどう判断するのかを待つのみ。だが、当然素足を見せるのは慣れている訳もなく、すんなりと見せたのはいいが、やはりこういった状況に対して少しばかり恥ずかしい思いも、なるべく表には出さない様にグッと隠す様に我慢を続ければ )
これは……ふむ、現段階で確認出来たのは不幸中の幸いだな。これまではなんとも無かったかもしれないが本格的にレースへ出走するとなれば、弊害が出る可能性は高いだろう
(素足になった彼女の爪をマジマジと見やれば、本人は自覚症状の少なさからこれまでずっと黙っていたようで、実際悪化して初めて重大さを知ることも少なくない部分でもあるため何もなければ軽視しがちなのかもしれないなと考えて。本格的にレースに向けてのスケジュールを組み始める前のこの段階で知る事が出来たのはむしろ運が良かったと言えるが、これを放置すれば悪影響はほぼ確実に出るだろうと事実を率直に伝えて。「差し支えなければ爪の処置を俺に任せてはくれないか?簡単なケアだけで済まそうと思ったんだが、思ったより状態は良くない…俺としては適切な処置を定期的にする必要があると見ている訳だが…どうだ?」状態を見てそれほどでもなければ簡単なケアのやり方を教えて各自でしてもらう程度でも良かったのだが、彼女の爪の状態は出来れば専門的な知識を持った自分が処置をする必要があると感じる程度にはあまり良くなく、あくまでも彼女の意思を尊重した上でこちらの考えを伝えて)
…わかりました。このまま放置という訳にもいきませんし…私だけでは、処置をするにも厳しいでしょうから…。
( この状態に思ったより状態は良くない、そう呟く彼の一言に初めてこの状況の悪さを知る。ある程度良くはないとは思っていたが、そこまで生活やレースに大きな支障は出ないだろうと甘く見ていた。このまま隠すことが出来ないとなれば、引き続き何の処置なく過ごすのは愚策だろう。そして自分一人だけで処置を続けるというのも、きっと十分な処置は施せないとも思う。ここは彼の知識に頼る他はないと判断して、処置の方は彼に任せることを選択した。「…しかし、よく気付きましたね…。一体何から、察することが出来たのでしょうか…理由は何であれ、トレーナーさんは鋭いですね。…どんなことも、隠し事は意味をなさないくらいに…。」何からこの状態であると察することが出来たのか。そしてこれに気付いたのは先程なのか、それとも前からなのか。理由は何でも、やはり研究者の名も持つトレーナーだけあって、彼の目は確かなものなのだろう。そして適切な処置を出来る、ウマ娘に対して必要なスキルを持つ彼の様な者を、世間はベテランと呼ぶのだろうか。他のトレーナーは、彼をどう見ているのか評価しているのか、ふと気になったが…それは今は聞かないことにした )
気づいたというのとは少し違うな、ただこれまでの経験でウマ娘の足の爪の状態には気を配る必要があると知っていたというだけだ。本来なら初めの段階で確認するべきことだった事だったんだが他に対処が必要な事案があった、というのは言い訳にしかならないな
(気づきというのは多少語弊があると訂正し、あくまでもトレーナーとしてのこれまでの経験則でウマ娘の足の爪が走りにもたらす影響を知っており、怪我に泣かされたウマ娘も見てきていることもあり、気を配るべき大事な部位であるため確認をしたに過ぎないと語り。本来であればもっと早くに確認をして対応するべきではあったのだが、相手の場合アレの一件などといったイレギュラーもあったため今になってしまったが、彼女のトレーナーをする上でアレの存在を決して言い訳にはしないと言った手前、余計な気遣いをさせないためにもそれほど深刻さは感じさせない軽い口調でそう言ってのけては肩を竦めてみせて。「さて、そうと決まれば早速処置を始めるとしようか」彼女本人の口から任せるという意思確認を終えたところで早速爪切りやヤスリを使って手慣れた様子かつ丁寧に爪の処置を進めていって)
はい…では、お願いしますね…。
( 処置を始めると言う彼に対してコクリと小さく頷けば、そのままソファーに座ったまま大人しく何も言わずにその処置が施されていく様子をじっと眺めたまま待つことにする。処置に必要な道具も慣れた様に扱い、此方も痛みやその他不快を感じる要素は全くなかった。そんな手際の良さから、今回もこれ以降の処置も特に問題なくスムーズに進むだろう、やはり自分だけが抱えなくて正解だったと知る。やがて爪の処置も無事に終えて、「…ありがとう御座います。…えっと、これは毎日やるべき…ですよね。」処置をしてくれたことに対して感謝をする様に頭を下げた後、今後は毎日この処置をしていくのかと思うと、どこか申し訳なく感じてしまう。別に今みたく素足を見せることには抵抗などはない。ただこの処置に時間を使ってしまうことと、今後もしかしたら練習や本番に支障が出てしまう可能性があるかもしれないということ。何より、こうなるまで放って置いてしまったことへの後悔が強かった )
…まぁ、落ち込んでいても仕方ないですよね…また手間を増やしてしまいましたが…どうか、よろしくお願いします…。
( だからといって落ち込む暇もない。爪のことは今後自分も気を付けつつ、彼に処置を任せることにする。そしてこの様な、少しでも自分の体に対する不利なことが少しでもあれば、その時はちゃんと報告することに決めつつ"今後もお願いします"と手を胸に当てて、再び頭を下げた )
そうだ、それでいい。ウマ娘単独でなんでも出来るのならそもそもトレーナーの存在意義が無くなってしまうからな、不安要素を取り除くのは全部俺に任せてカフェは持てる力を全てレースにぶつけるぐらいの気概で臨んでくれれば俺としてもトレーナー冥利に尽きるというものだ
(自らの体質のせいで迷惑をかけてしまっているというこちらへの負い目は少なからずあるのだろう、さいしょこそどことなく落ち込んだような反応を見せた彼女だったが、そういった後ろ向きな感情も自らの中で折り合いをつけたらしいということがわかれば、トレーナーとしての仕事は担当のウマ娘がレースで実力を出し切れるその手助けをするものであると自負しており、謝罪ではなく一切の遠慮もなく頼れるところはなんでも頼るぐらいでいいのだと自信を持って頷いて。そんな会話をしている間に足の処置が済めば爪切りなどを片付け始めて「これでとりあえず今日のところはいいだろう、一応後から痛みが出たりするようなら教えてくれ。…さて、それじゃあグラウンドへ向かおうか」これまでの会話で、彼女が自分に対して隠し事をするとは思えないが、一応そう念を押してから今度こそ目的地のグラウンドへ向かおうと言って)
その時はちゃんと伝えます…はい、行きましょうか。
( 痛みなどの異常が出た際、包み隠さず迅速に報告をすることを約束する。流石にまた隠そうなどとは思わなかった、そうしたとしても後で困るのは自分だけではないとわかっているからだ。必要な処置も終え、目的地であるグラウンドに向かうと言う彼に小さく頷き早速向かうことにする。外はまだ陽は昇っているが、時間からしてそれも長くはないだろう。練習出来る量は十分ではないかもしれないが、少しの時間でも能力の向上に使いたい。目的地に着くと、まだ夜ではないこともあってかグラウンドには自主練に励むウマ娘とそれに付き合うトレーナーが何人か居るみたいだ。爪に痛みは走らないかと軽くその場でジャンプをしたが、特に異常はない。処置の効果もあって、この練習中は問題ないだろう。早速、と取り掛かる前に忘れていたことが一つ。「あ…トレーナーさん。その、ストレッチを…手伝って頂いてもいいでしょうか…?」そういえばと、ストレッチがまだ済んでいなかったことを思い出し、トレーナーにその手伝いを頼んでみる。運動前のこれは必須なのは間違いなく、これをしなかったことでもし怪我などしてしまうと、今後控えていることが多い今だと厳しいだろう )
そうだな、しっかりと身体はほぐしておいた方がいいだろう。柔軟な身体は怪我の予防にもなるし、パフォーマンスの向上も期待できる…それじゃあまずは前屈からだ
(当然怪我の予防という観点からも入念なストレッチは有効と言えるが、それだけではなく長い目で見ても柔軟な身体を作ることで結果的に運動能力の向上にも期待が持てるだろうと彼女の要求に頷けば、まず手始めにと早速彼女の後ろ側に周り背中を軽い力で押し始めて。「なるほど中々に柔らかい身体をしているな。身体のバネがしっかりしているということなんだろう」様子を見ながら彼女の呼吸に合わせて少しずつ負荷をかけていくようにするが、ある程度のところまでは無理なくこなせているように見えて、見込み通りとでも言うべきか他の一般的なウマ娘とはそういった部分も含めて根本的にモノが違うということなのだろうと満足げに納得して頷くと、改めて能力の高さを実感すると同時に早く彼女がレースを走る姿が見たいものだとそんな風に考えつつ、彼女のストレッチを淡々と手伝って)
ありがとう御座います…ストレッチを続けていたというのもありますが…身体の柔らかさは、昔からある程度…。
( ストレッチを手伝って貰うことになり、次々と難なくこなしていく。身体の柔らかさは、当然自分よりもっと上は居るが、そこそこ自信はあった。その自信のある部分に対しての彼の一言は嬉しいものだった。ストレッチは最後まで痛みなど出ることはなく全てスムーズに進み、最後のストレッチの内容も無事に終える。練習前の準備はこれで十分だろう。「…では、本題の練習内容に取り組みましょうか…。課されたタイムに近付ける様に走る、ですよね。」これから始める予定の練習を再確認する。いつもは一人でこの練習に取り組んではいたが、こうしてトレーナーが近くに居ての練習は初めてだった )
…確か、以前…走り方より、想像することが大事と言ってましたか…。正直、まだそのヒントを生かせていないです…。
( 目標タイムに近付けることは出来てきてはいるが、遅かったり速かったりとまだ差が激しい。タイムに安定をつける為にトレーナーから貰ったヒントというのもまだ生かせてはいない。次に進むには、そのヒントから何かを得る必要があるだろうが、ここが一つの山場となっているといった状況だ。目標タイムに合わせる為にどんな自分を想像するべきなのか、今回こそ何か掴みたいと思いながら )
だが、前より確実に良くなっている。タイムを見たところ、時計の感覚は少しずつ身につきつつある。問題はなまじ体感で理解しつつあるだけに辻褄を合わせるために速度を緩めたり、がむしゃらにペースを上げようとしてそれで失敗をしているといったところかな?
(彼女自身は自分の出したヒントを理解出来ず未だに苦心しているようだが、彼女自身が思っているよりも成果が上がりつつあると、あくまでもデータを見ての判断にはなるがそう考えて問題ないと自らの見解を述べて。その上で、今の彼女の問題点は恐らくここではないかという部分を指摘しては本人にもそういう意識があるのではないかと確認をとるように尋ねて。これまでヒントを小出しにしたり、抽象的にしてきたのは彼女に考えさせることが目的だったりもしたのだが、この段階まできたらむしろこのトレーニングの意図を彼女に説明し理解し納得してもらった上で臨んで貰った方が本人の為になるだろうと考える。「もう薄々感づいているとは思うが、このトレーニングの真意は時計の感覚を完璧にモノにすること、ひいては効率のいい走りの追求ということになる。カフェの脚質的に最後の直線までいかに足を溜められるかが明暗を分けるからな、温存の仕方を感覚でなく理屈で理解するんだ。ペースを乱さないフラットな走りで軽く流すのが一番足に優しいが、それも先頭との距離感の目算を誤れば手遅れになりかねない…だからこそ今の自分の走りならどの位置までなら届くか、自分がスタートからゴール板を駆け抜ける姿まで完璧にイメージ出来るまでになる必要がある、高いハードルだがゴールが見えれば多少は心持ちも変わるだろう」恐らくは彼女にとっては途方も無い目標のように思える事だろう、タイムを揃える為の無駄を削ぎ落とした走りが温存に繋がるという自分がこのトレーニングを通して伝え身につけてもらいたいことを全て話して、ここまで話せばペースをいかにして一定に保つかが鍵であることはすぐに実行が出来るかはともかくとして彼女ならば理解することは出来るだろうと考えていて)
…なるほど。私が勝負を仕掛けられる場面で、如何に脚を溜めていられるか…ただ終盤に備えるだけを考えての走りだけだと、追い付かない可能性が高い…だから最初から最後まで、自分が求める走りを出来ている姿のイメージを完璧に出来ることが重要…ということですか。
…確かに、高いハードルではありますね…でも、何だかモヤが掛かっていた部分が晴れた感じはします。
( この練習の目的は薄々ではあるが、練習を重ねる度にわかってきた気はしていた。自分の脚質からして、如何に最終直線まで万全に備えられるのが重要だろう。でも練習の時とは違って感覚だけの温存方法では、本番だと通用しない可能性は十分にある。その為にも、この練習で自分が理想とするペースを見つけ、イメージが出来るというのが必要だということだろう。確かに今言われたことをすぐに出来るかと聞かれたら、恐らく難しいだろう。でも出来ないとは思っていない、現に少しずつその理想に近付いている感覚はある。この練習で得るべきものをようやく理解出来たからか、より一層前向きに取り組みたいといった様子を見せた。「…すぐに理想の走りは出来なくても、前回よりも上手く出来そうな…そんな気がします。…では早速始めましょうか、トレーナーさん。今の私の走りには、アナタの言葉が必要ですから…。」早速、今日の練習を始めることにする。今回はトレーナーも居る、だからこそ実際に今の走りをしっかり見て貰いたい。悔しいが、自分だけではまだ目標には近づけない。感覚を理屈に、イメージを完璧に、これらを得るには今の自分についてを自分だけが知るのではなく、彼にもしっかりと知って貰う必要があるだろう。勿論トレーナーからの助言のみに頼らず、しっかりと自分で気付けるものは気付いていくつもりだ。練習を始める準備は出来ている、この多くはない時間だが、トレーニングの意図を理解した今何かを得られる気はしていた )
頼もしい答えだ、カフェならそう言ってくれると思っていたよ。…相手を追うのではなく自分自身と向き合うこと、それを忘れるなよ。さあ、始めようか
(難しい課題にも彼女は迷わず臨む姿勢を見せてくれたのを見れば、静かで冷静なように見えて実際は走りにかける思いは身近にお友達という目標が居るからというのもあるのだろうが他のウマ娘と比べても遜色がないぐらい熱意を持って臨んでいるということを再確認出来て満足げに頷き、その上でこのトレーニングの真意は何かを追ったり勝つ事ではなく自分自身と向き合い対話すること…その結果として勝利がついてくるのだと改めて伝えてはコースへと向かい、ストップウォッチ片手にスタート位置に立った相手を見て準備はいいか尋ねる。「…この際お友達にも一緒に走ってもらうというのはどうだろう?勿論彼女をムキになって追わず自分の走りに集中する訳だから通常の俺の課題よりも難易度は上がるが…より実戦に近い意識でのトレーニングにはなるだろう、どうだ?」スタートの合図を送る前に思い出したように彼女へと新しく提案をする。以前にも似たようなことをしたが彼女はお友達を追ってペースを崩してしまったことがあったことを思えば簡単ではないだろうが前にウマ娘がいるという状況は実戦に近く、より効果的なトレーニングが期待出来るとも一方で思っていて意思を確認するよう問いかけ)
お友達も…ですか…?
( 練習が始まる間際、ふと出てきたお友達も一緒に走るという彼からの提案に耳を傾けた。お友達は今も側に居る、トレーナーの提案一つに彼女も反応した様子で、聞かずともいつでも走れるといった様子だ。確かに彼女とも一緒に走れば実践に近い意識での練習に取り組める。効果的になるのは間違いないだろう。その代わり難易度が高くなるのも間違いないこともわかっていた。前を走る彼女に焦りペースを乱す可能性もゼロではない。だからといってその案を受けないつもりなどはなかった。「そうですね…私も、それがいいと思います…それに、最近彼女と走ることも…あまりなかったので…。」彼女をただ追い付く為に走っていた時とは違って、今はトレーナーも居ることから彼女を追い掛ける為に夜のグラウンドに出ることはなかった。今回彼女と一緒に走るこの機会から、今の自分をより知ることが出来る。焦りに引っ張られ自分が保つべきペースをどれだけ維持出来るのか、絶対に良い走りが出来るとは限らないが、以前よりも冷静に走れる気はどこかしていた )
…うん、ありがとう…じゃあ、お願いするね…。
( 自分だけしか見えない彼女の居る方へ、快く一緒に走ってくれることに小さな声で微笑みながら感謝をする。そしてお互いどちらも準備が出来れば、スタートの位置に立ち。「…はい、彼女もやる気みたいです…ではトレーナーさん、スタートの合図をお願いしますね…?」クスリと笑いながら彼女の様子を彼に伝えた後、自分とお友達がいつでも走り出せる準備が整ったことも彼に伝える。そしてその合図が出るまで待つ )
…いいだろう、それじゃあ始めるぞ
(難しい挑戦にも尻込みすることなく積極的に臨もうという彼女の心意気を受け取り、勝ちたい、強くなりたいという想いも他のウマ娘にも負けていないことを改めて感じ取れば満足げに頷き彼女たちにスタートの合図を送る。合図と同時に駆け出す彼女とその前をゆくお友達、自分には当然ながら彼女の前を走るその姿は見えないがこれまでの彼女の話しからぼんやりとだがイメージが湧くようになってきていて「…思えば特殊な練習環境だな…カフェには比喩表現などではなく本当に前を行くお友達の姿がみえている…毎日レースを意識したトレーニングを実践出来るウマ娘なんて他には居ないだろう…それによってどんな成長を遂げるか…楽しみだな」その気になれば毎日のように上質な相手と実戦を見据えたトレーニングを行うことが出来る、現実的に毎日レースを走ることの出来るウマ娘なんて他にはいないだろう。しかしそんな嘘のような環境に彼女はあるのだという事実に、特殊な練習環境で育つ彼女がこの先どんな成長を遂げどんなウマ娘になるのかはトレーナーとして多くの経験を積んできた自分にも見通せず未知数であり、期待は更に深まって)
…大丈夫、まだ落ち着けてる…
うん…やっぱり今も…私の前を走ってる…。
( 合図が出されスタートしてから現在。まだ序盤、好調な走り出しから調子もいい、焦りもまだない。やはりと言うべきか彼女との距離はゆっくりと離されつつある。もしここでもっとスピードをあげれば恐らく距離は縮められるだろう。もしかしたら、あの追い付けるかもしれない…前までの自分ならきっと、また今度こそはと思ってそうしているだろう。だけど今は違う、あの背中はまだ追い付かないとわかっている。横顔すら見られないこと、今の自分じゃ力不足だということはわかっている。今はただ、自分の走りに集中するだけだ。中盤、まだ自分のペースを保てている。彼女との距離はさっきよりも開いている。あの頃の自分なら、もっと距離を縮められていた。当然だ、あの時の自分はレース何てしていなかった。あの時の走りは、ただ追い付きたいことだけしか考えていない走り方だったからだ。その後の結果は嫌という程見てきた、そしてその度に悩み続けてきた。しかし今は違う、彼女に追い付くことだけが目標の自分はもういない。最終に入りゴールも見えてきた、スタートの時から創ったイメージはまだ崩れていない、コーナーに入るタイミングで残していた力を使い切る勢いで加速し続け速度を上げていきこのまま最終直線へ。速度は落とさず後はこのまま見えているゴールへ走り続け )
…ッ!
…はぁ…はぁ…。
( そしてそのまま減速することなく速度を保ったままゴールした。すぐには止まらずゆっくりと速度を落としていく。十分に落とした後に立ち止まり、息を整えるのに少しだけ時間を使った後、軽く手で汗を拭い。「…トレーナーさん…タイムは、どうでしょうか…?」と彼の方へと視線を向け、果たしてタイムはどうだったかを聞いた )
…いい走りだ、俺の予想を遥かに超えて成長している
(コースを駆け抜ける彼女の姿にはまるで焦りや激情などは感じられず、冷静に自分の走りだけに没入している様子が見てとれて、一切乱れのない冷静な走りをしながらも目標として定めたタイムを余裕を持って上回ってしまう、それは自分が正確に彼女の成長スピードを読みきれていなかったこと、これまでの常識の枠組みに収まらない能力の持ち主だという証拠に他ならず、思わず笑みがこぼれてしまって。一周走りきってタイムを尋ねてきた彼女には目標として定めたタイムを大幅に更新してしまったものを見せる。「俺はまだカフェの力を甘く見ていたようだ、まさか俺の思う理想的な走りをしながらこれほどのスピードを出せるとはな…俺の見立てが甘かったと言うしかない、今後はこのタイムを基準に同様のトレーニングを続けてもらう、素晴らしい走りを見せてもらった。ありがとう」基準として用意したタイムが彼女にはあまりにも遅過ぎたことを理解し、どこかで常識の枠に当て嵌めて考えてしまっていた自分の未熟さを認めれば、自分の中に新たな価値観を芽生えさせるほどの走りを見せてくれた彼女へと感謝の言葉を告げ、今後の目標もまた彼女の走りを基準に組み立てることに決めて)
はい…わかりました、今後はこのタイムを基準に──
…え?あ、いえ…御礼を言うなら、私の方も同じ…ですので。
( 彼から聞かされた結果は今までよりも良いものだった。焦らないこと、自分のペースを保ち続けること、そしてアドバイスにあった始まりから終わりまでのイメージを創ること。自分が持つ一番理想の走りをする為に必要なことを理解ったことで出せた結果だった。これが成長というものだろうか、知らない自分を知ったこの感じ、自分ならどう表すべきかわからないまま、ただ結果を教えてくれた彼に対して小さく微笑んだ。そしてまた新たな基準のタイムを聞くと同時にトレーナーから感謝の言葉を受け、自分からも小さな声でもしっかり聞こえる様に"ありがとう御座います"と感謝をした。「…まぁ、やはり彼女には…ですが。それでも…気のせいでも、少しだけ…僅かに近づけた。…そんな気がします。」お友達には今回も追い付けなかった。自分の走りを知る為の練習だとしても、やはり悔しくはある。例え差があっても、今の自分じゃ絶対不可能だとわかっていても。だが今までと同じ結果ではなかった。僅かに彼女の背中を近くに感じた )
…それに、アレの対処も…きっと。
( この結果に、自分たちを今一番困らせているアレに対しても対抗出来るのが近いかもしれない。小声でポソリとそんな希望を呟けば。「…あ、いえ。何でもありません…えっと、この後はどうしましょうか。」まだ此処でアレをどうにか出来ると言うのは控えた。きっと後少しだとは思うが、まだ少しだけ時間が欲しい。そして次は何をするか、先程のでそれなりに体力は消耗してしまったが、まだ少しなら練習を続けられるという意志を見せた )
やる気があるのは良いことだ、それならもう一本いけるか?次はさっきも言ったようにこのタイムを目指してもらう。無意識に考えなくても同じように走る事が出来るぐらいまで身体に感覚を叩き込むのが最終目標だからな、やり過ぎということはない
(それなりに消耗はしているようだが、無理はせずちゃんと温存した走りが出来たこともあって、もう一本ぐらいならば無理なく完走することも出来るだろうと見込み、彼女自身もまだトレーニングを継続する意志があることを確認すればもう一度同様のトレーニングをするよう指示をして。改めて説明するまでもないかもしれないが、それでも一応は目標のタイムは先程彼女自身が出したものに合わせるよう念を押せば、反復練習により意識をせずとも頭で考える前に身体が動くまでになるのが理想的だと自分の意見を伝える。しかし、今回は多少なりとも消耗した状態でのスタートである、この状況でも先ほどのような無駄なく一定のペースを守った走りが出来るか否か、つまりは追い込まれた状況下でも冷静な判断が出来るかということでもあり、彼女の能力を推し量るにはお誂え向きと言えるかもしれないなと考えていて)
はい、問題ありません…。
…うん、もう一度…お願いするね…。
( 次の練習指示を聞けば、こくりと頷き問題なく取り組めると返す。そしてお友達に、もう一度同じ様に走って欲しいことを伝えた。先程の走りで体力が消耗している状態、最後まで走り切ることは出来るだろうが、前の走りより良くなる結果を出すのは難しいだろう。さっきよりも集中し、状況を見極めた走りが必要になるだろう。息を整え、もう一度走る準備をした後、一回目のスタート位置に着き、自分と彼女の準備が出来たことを彼に伝える。そして少しの静寂後、彼の出すスタートの合図で走り出す。目標タイムが変わったが、一番意識することは変わっていない。自分の走りを最後まで保つこと。でも前のと同じ走りは出来ない、目標タイムの変化は大きいものではなくても全く同じペースだと間に合わないだろう。そこを頭に入れつつ、序盤は変わらず温存する走りでいく。やはり終盤、そこが自分にとって一番の勝負所。その為の走りがいいだろうと判断、序盤を抜けそのまま中盤に…ここで問題が起きた。そこまで体力は保つだろうか、と。前の走りにはなかったこの感覚に驚かされる。足が少し重く、向けるべき意識の先を逸らされる。ここで速度を落とせば終盤には力を出せるかもしれない、だがそれだと間に合わない可能性がある。一瞬だけ出た迷いの結果、このままペースを保ち続ける。この判断が正しいかはわからないまま終盤、残った体力を使い切る勢いで加速し速度を最大まで上げ、今出せる全力を出したままゴールまで走り切った )
──は、…ッ!
…と、トレーナーさん…タイム、は…?
( ゴールの後、その場に倒れ込みたいという思いを抑えながら少し痛む胸を抑え、呼吸を整えつつ、汗を拭う。終盤、正直自分のことも周囲のことも考えられなかった。彼女のことすらも、ただ前にあるゴールまで辿り着くことだけを頭に走った。少しだけ落ち着いた後、彼のもとへと歩み寄り結果を聞いた。…正直、あまり自信はない )
…焦りが出たな、目標よりも随分と速い。身体も相当しんどいだろう、とりあえず座って休むといい
(恐らく疲労のせいで目標よりも大きく遅れているという感覚が一番にきてしまったのだろう、後半にかけて無茶なスパートが目についてしまい、その結果目標に定めたタイムを大きく更新はしたものの、あんな走りを実戦で行えば故障も含めて大きなリスクを負うことになるし、今回はどうにかゴールまで走り切ることが出来たものの次も同じように完走できる保証はなくゴール前に破綻する可能性だって小さくないだろう。しかし、そもそも彼女にやらせようとしているのは相当高度なレベルでの走りのコントロールであり初めから簡単に出来るようであれば世話はなく、長期的なトレーニングを必要とするものであることはわかっているため、労いの言葉と共にドリンクを手渡せばベンチへと座ってまずは呼吸を整えることを勧めて)
は、はい…いただきますね…。
( 彼から手渡されたドリンクを受け取れば、小さく頭を下げて感謝を。それを飲む前にまたもう一度一息吐いた後、ゆっくりとそのドリンクを飲む。焦りが出た、まさにその通りだった。途中まではまだ順調な方だったが、疲労しているという意識がはっきりと出たのは中盤から。そこから保つべきペースを忘れ、無茶な走りをしてしまった。タイムは先程より早いらしいが、リスクが大きい走りだったのは自分でも感じていた。それにこの結果自体偶然とも考えられた。つまり、もしかしたら目標よりも大きく遅れる可能性が、もっと酷ければゴールにすら届かない結果になっていたかもしれない。「…ありがとう御座います、落ち着きました…まだ冷静さを保つ力が足りていませんね。」ふぅ、と落ち着きを取り戻した後、貰った飲み物を笑みを浮かべたまま彼に返す。 自分の走りを振り返り、この練習の目的への難しさを改めて感じた。それに無茶な走りをしたせいだろうか、少しだけ脚に違和感はある。まだ限界という訳ではないが、当然先程よりも疲労が溜まっている。なるべく表情には出さない様にはする、恐らくそんなことをしても彼のことだ、気付かないとは思っていない。それでも自分のトレーナーの前、そういった姿は見せたくないというほんの少しの強がりだろう。時間は陽が隠れるまで後少し、次はどうしましょうか…?と彼の方へと視線を向けては )
極限の状態でベストなパフォーマンスを出し切ることは難しい、仮にトップレベルの選手であってもな。追い詰められた上で全力を出し切るための能力は日々の鍛錬の積み重ねでしか培うことは出来ない…成長途上ではむしろこういう経験もプラスになるんだ、気を落とす必要はないさ
(平常時とは違い疲労による判断力の低下はどれほどの実力者であっても避けられないことであり、それすら克服し100%に近い能力を発揮するためにはやはり多くの経験を積み重ね、引き出しを増やすしかないという持論を語ると、結果的に今回の失敗も一つの経験としてこの先の成長の糧になるはずと、彼女への期待の大きさを改めて示す。限界に近い状態で更に追い込むことによって成長を促すというトレーニングのやり方もあるが、それでも彼女の今日の疲労具合を見るに恐らくこれ以上追い込んでも実入のある結果は得られないだろうという確信があって「とにかく今日はこれで終わりにしよう。ところでカフェは運動後の正しいケアのやり方は知っているか?疲労を持ち越さないようにするのもトレーニングをする上で大事なことだからな」少しばかり意地になっているのだろうか、更なるトレーニングを要求してくる彼女へと今日のところはここまでにすると伝えては、むしろ今日の疲労を明日以降に引きずらないようにしなければいけないと考え運動後の正しいケアの仕方を理解しているかを尋ねて)
はい、わかりました──
運動後の正しいケア、ですか…?えっと、そうですね…あまり意識したことは…。
( 今日の練習は終わりだと聞き、わかりましたと素直に従うことに。今の状態で練習を続行しても何の意味もない、と彼の言葉でそう感じた。そして練習後の正しいケアは知っているかと聞かれると、そういったところにはあまり意識を向けてなかったと答える。疲労を持ち込ませない為に必要なのは察せるが、どんなことをしたらいいかは知らない。過去の自分、夜中に彼女を追い掛けていた時には、走った後にただ安静に部屋で体を休めていたくらいだろう。トレーナーの思う理想的なケアは何なのかはわからないが、明日に疲労を持ち込まない様にと、そこは少しながらも意識していた。「ん…マッサージとか、そういったもの…でしょうか。…あ。その…もしかして、後の珈琲は駄目…だったりしますか…?」正しいアフターケアは何なのかを考えている最中、一つもしかしたら駄目なことだったり…?というものが出てきてしまった。それは自分の大好きな珈琲についてだ。珈琲は相変わらず走る前にも後にもよく飲んでいる時があった。そこで、まさか練習後の珈琲はいけない行為の一つなのだろうかと頭に浮かんでしまった。問題ない、せめて少し減らせと返してくれることを心の片隅で願いつつ恐る恐ると彼の返事を聞くことに )
やっほ~!僕も参加させてもらってもいいかな?(と鞄を持ちスキップをしながら近くを通りかかり首を傾げ)
(テイオーで参加希望します!)
そうだな、トレーニング後のコーヒーは控えた方がいい……というのは冗談だ。寝る直前に飲む事や過剰摂取は禁物だがコーヒーはリラックス効果も期待できるからな、これまでと変わらず楽しむと良い。アフターケアはマッサージとストレッチが有効だ、カフェさえよければこの後効果的なものを実践を交えて教えるが、どうする?
(あまり表情から感情を読み取れるタイプではない彼女だが、コーヒーが禁止されるかもしれないという不安はなんとなく見て取れて、そんな様子をみているとちょっとした悪戯心が芽生えて冗談混じりに一度はコーヒーを飲まないようにした方がいいと真顔で戯れで口にしてみせるが、すぐに軽く口角を上げて笑みを浮かべ冗談だと訂正をする。効果が期待できて無理なく毎日出来るものとしてマッサージとストレッチを例に挙げれば、ある程度は独学でもそれなりの効果が期待できるだろうが必要であればより効果的なやり方をレクチャーすることも出来ると話しては、どうするか彼女の意志を確認して)
〉247 様
( / 申し訳ありません…参加希望はとても嬉しいですが、この板は1対1でして…表記が抜けていてすみません。)
そ、そうですか…よかった…
( 珈琲は飲んでも大丈夫かという質問に対して、彼から出た最初の返事を聞きショックを受けるも、すぐ後にそれは冗談だったということを知り、就寝前は禁物だという返事を聞き安心した様子でホッと胸を撫で下ろした。あまり冗談は言わないトレーナーからの悪戯な冗談には驚いたが、そういったところもあるんだと知り彼の表情を見てつい釣られる様に小さく笑みを零した。「…はい。是非とも、実践してみたいです。…お願いしても、いいでしょうか…?」その効果的なやり方を実践したい、自分の意志としてはそれを進んで受け入れてやりたいといったものだった。今の自分は彼の持つ知識も必須だろう、だからこそ断る選択肢なんて取ることもないし、そもそも存在していなかった。だから彼の自分の意志への確認も、悩むことも考えることもなく即答で答えた )
いいだろう、その勤勉さは武器になるぞ。それじゃあ続きは研究室でやろう、一度身体を落ち着けて休めてからの方がいいからな
(少しも悩む素振りも見せず積極的に挑戦する意思を示した彼女の自らの意思で進んで学びを得ようとする姿勢を改めて評価して満足げに深く頷き、この場で行っても良かったが、ストレッチやマッサージはいずれも室内でも問題なく行えるものであるため一旦一息つくという意味でも場所を変えようと提案しては踵を返し、校舎内に向けて歩き出して)
はい、では行きましょうか…。
( 今日の練習も終わり、後はそのストレッチとマッサージだけ。アレの気配も今は全く感じられない。恐らく今日襲われることはもうないだろう。今日の最後の目的が終われば、研究室でトレーナーと珈琲でも飲もう何て考えながら校舎内に向けて彼の傍から離れ過ぎない様について歩いていた途中、「──ふぁ…、んん…。」と気が緩んでいたせいかつい軽く欠伸を漏らしてしまった。一瞬それが自分のものだと気付かなかったが、ハッとすぐにさっきの欠伸の主が自分であったことに気付けば。「す、すいません…気が緩んでしまっていたのか、つい…。」と片手で口許を隠し、頬を染めながら頭を小さく下げる。今日はいつもより行動数が多かったのか、普段は人前で欠伸などしないのに今日に限って、それもトレーナーの前でしてしまったことで顔を見られたくないくらいの恥ずかしさが出てきてしまっていた。)
構わないさ、ずっと気を張って気疲れするぐらいならそうやって適度に発散できた方がいい
(これまで彼女が意識的に自分に隙をあまり見せないように振る舞っていたのは何となく理解していて、それは決してそうあるようにこちらが指示した訳ではなく、トレーナーである自分に対する彼女なりの意識なのか、はたまたそういう性分なのかは定かではないが、今日は一緒にいる時間が長くスケジュールも中々に過密だったためにふとした拍子に気が抜けて出てしまったのだろうと想像出来て。しかし、別にそれを咎めるつもりは一切なく、むしろ必要以上に自分に気を遣わず息を抜くタイミングもあってもいいと持論を語りつつ「…というのは理屈上の話しだがな、俺個人の気持ちとしては少しぐらいは指導者としてではなく一個人として心を開いてもらえた気がして嬉しかったかな」単なる理屈ではなく、彼女という一個人と心の距離が以前までより近づいているような気がして嬉しいと私的な感情を率直に語って)
そ、そうですか…
…はい、そう言って頂けると…私も嬉しいです。
( 彼の素直な感情を聞き、それが気を遣ったものでもない本心であったことは疑う必要もないくらいだった。一個人として心を開いて貰った、その言葉に少しずつでも自分が彼に対して心を開けていたと知る。口許を隠していた手を下げて、赤くなっていた顔も戻り微笑みながら"ありがとう御座います"と呟いた。その後少しだけの沈黙が続いた後、じっと彼の方へと視線を向け。「…何だか、今日はアナタのことを沢山知ることが出来た気がします。今まで、トレーナーとしての姿しか見ていませんでしたから…また、こんな日が来たらいいなって…思ってしまうくらいに。」たった一日の休日で全てではなくても、彼についての理解を深めることが出来た気がする。こんな機会はこれからあるかはわからないが、今日みたいな一日がまた来たらいいとは思っていた。)
…あ、すいません。足を止めてしまって…もう大丈夫です。
( 次の休日については別の機会で話し合うとして、今は最後の仕上げの為に止めてしまった足を再度トレーナー室へと動かし始めることにした。)
…ああ、そうだ、カフェの時間が許せばでいいんだが、この後またコーヒーを一杯淹れてくれないか?良ければトレーニング後の一杯に付き合ってくれ
(会話もひと段落し、再び歩き出す。その道中は会話らしい会話も無かったがその沈黙は決して気まずいものではなく、そうしてしばらく歩くとトレーナー室兼研究室の前に到着して。中へと入るべくドアを開けながら思い出したように一旦手を止めて彼女を振り返れば、やるべきことが終わったらまた彼女にコーヒーを淹れてもらえないかと、今日は彼女オススメの喫茶店でもコーヒーを飲んだばかりだが、やはり彼女が淹れてくれるものが飲みたいと思い穏やかな笑みを湛えながら彼女とこれまで以上に深い仲になれたという自負からかいつもよりも気軽にそうお願いをして)
え?…あ。は、はい…!トレーナーさんからのお願いならば、是非とも…。
( 目的地のトレーナー室へと辿り着き彼と一緒に中へ入る。と、その前に此方を振り向き、トレーニングが終わったら自分が淹れる珈琲を飲みたいというお願いを不意に受け少し驚いた表情をしてから、勿論だと頷き此方も笑顔で返した。本当は自分から珈琲は如何と聞く予定が、まさか相手の方からそれを頼まれるとは思っていなかった。突発的な出来事で驚いてはしまったが、気軽にお願いされるというのは何とも嬉しい感覚だ。「そうですね…うん、丁度おすすめしたいのがありますので、今回はそちらに…。」と、独り言の様に彼に出す珈琲のことを考えながら呟く。珈琲のことが絡むとやはりわかりやすく表情も明るくハキハキと言葉を出していく。以前までその様子がつい出てしまって見られたことが恥ずかしいと感じてしまっていたが、今では違う。彼が同じ珈琲好きだからなのか、それとも距離が縮まってきたことが大きく影響しているのか。どちらにせよ、仲に関しては深まってるのには違いないだろう。)
…と。その前にトレーニング…ですね。
( その珈琲はやることを終えてからの話だということをすっかり忘れてしまっていた。最後の予定を思い出しては、早速取り掛かろうとする姿勢を見せる。「…しかし、効果的なストレッチとマッサージ…普通のとは、何が違うのでしょうか。」自分がやっているそれらと何が違うのか考えてみるも、やはりパッとは浮かんで来ない。彼が思うその効果的な方法とは何なのかを改めて聞いてみた。)
ストレッチそのものの目新しさよりも大事なのはやり方だ。運動の前にもストレッチはすることもあると思うが、それと同じようにやっていては意味がないんだ
(恐らくはこれから自分が相手に実践して見せようとしているストレッチ自体は、そこまで奇抜なものではないはずだと前置きをした上で、運動の前に行うストレッチを比較対象として持ち出し、身体をほぐすという意味では同じ目的ではあるものの過程こそが重要だと話す。「まず、反動や勢いは一切つけないことだ。少しでも身体を伸ばそうと弾みをつけるというのはやりがちだがご法度ということになる。…その上で一切痛みを感じない範囲で身体を伸ばすんだ、どこまで伸ばさないといけないと自分で決めてしまった場合、運動後の身体のコンディション次第では普段は平気でも、いつも以上に痛みが出たりすることもある。…ノルマを決める必要はない、自分が気持ちいいと思う範囲で臨機応変かつ静かに身体をほぐす…それを踏まえて俺の動きを真似してみてくれ」どうしてもストレッチといえどトレーニングの延長線上ということである程度自分の中で決まったルーティンでこなしてしまいがちだが、むしろ厳格さとは正反対に緩くやればいいと教えれば、今度は静的で尚且つ効果の期待できるものを教えるからまずは見ているよう言えば両手を床について上体を軽くそらすように起こしてその姿勢で深呼吸しながら少しの間維持して)
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