主(賢さG) 2021-12-15 19:00:34 |
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ふふ、予想通りで…何より、です…。
( お勧めした品の感想を聞き安心する。自信はあったが、絶対とは言えなかった為ハズレの選択をしてしまった可能性もあったが、どうやら正解だったようだ。自信の理由は何となく、というのもあるだろうが、あることからでも予想の材料として使っていた。それた単にこれまでの珈琲にあった。珈琲の味は様々、自然と個性も出てくる。最初に珈琲を出して貰った時から、彼が求める好みの珈琲を何となくの形から知ることが出来た。逆に判断に使ったものはそれだけだから、必ず正解を選べる訳ではないだろう。何て味の感想に満足げにしていると、「…えっと。トレーナー、さん…?」無言で此方を見つめて来た彼に戸惑いを見せる。自分の方から見つめることは自然と出来ても、逆に見つめられるのには慣れることは出来ていなかった。何故黙ったまま此方を見ているのか、今彼は何を考えているのかわからない。それでも目を逸らすのは失礼だと思い、そのままお互いの目線を合わせる状況を続けた。そして両手を膝の上に置き )
…あの、私の顔に何か付いていますか…?
( 黙り込みを決め込むつもりだったが、ここはベタな言葉を選び此方から声を掛けてみた。勿論顔には何も付いてないことはわかっている、でも頭の隅を突いて出たのはこの台詞だけ。直接何を考えているのか、までは聞けなかったことにモヤモヤしながらも、彼からの反応を待つ )
いや、すまない、そういう訳じゃないんだ
(考え事をしている中で無意識に彼女を見つめていたことを本人からの指摘によって気付かされるとハッとして、流石に何も言わず顔を見つめられては気になってしまうのも無理はないと考え、まずは謝罪を口にすれば、投げかけられた質問には首を横へ振って否定して。しかし、それならば他にどんな意図があるというのか、彼女としてはそこが気になるところだろう。自分としてもまだ上手く説明の出来ない感情ではあるのだが、それでも別に隠す必要もないと判断をして素直に話すことにして。「率直に言えば俺はカフェに対して一個人として非常に強い関心を持っている。こんなことは人、ウマ娘問わず初めてのことだったんでな…その理由を自分なりに考えていたんだ」どちらかといえば人付き合いに関してはドライな自分が個人にこんなにも興味をもつこと自体が初めてのことで、ウマ娘としての能力の高さという意味でなら勿論彼女への関心が高いのは当然なのだが今はトレーニング中でもなければレース中でもないため、自分が何故こんな気持ちになるのか分からず彼女を見ながら考えていたのだと言って)
え…私に、関心を…ですか…?
( 此方に視線を向けていた理由を聞き、小さく首を傾けた。今まで不気味など変わった印象を持たれたことは何度もあった。しかし自身に、それも走っている時以外の自分に対して当然関心など持たれたことは初めてだ。彼がその考えていることへの正解は知っている訳がない。一瞬、今の自分にそんな関心を持たれることをしているのかと思うも、そういった要素は持ち合わせてはいない。ただ変わった店でシンプルな料理と珈琲を飲みながらトレーナーとお話をしている。そこには特に変わった点はないだろう。でも、「…その気持ち、何となくですが…私もわかる気がします…私も、トレーナーさんには強い関心がありますから。アナタは、他とは違う…何かがある。トレーナーとしても、人としても…その何かは、私もまだはっきりとわかってはいませんが…。」と、相手に対して関心があるということは自分も同じことだと口にした。思い返すと、彼と会ってから変わったことが沢山あった。それも、短期間の間に。彼が自分にとって変わった者だと思わないのも可笑しくはないだろう。自分も彼と同じく関心があることを明かし、止めていた手を動かし珈琲を一口飲んだ )
…もし、良ければで構いません。その理由が、いつか知ることが出来たなら…教えて頂いても、いいですか…?
( 今度は此方から彼の目をじっと見つめながら小さく首を傾け、そんなことを言った。もしその理由がわかったら、教えて欲しいと。単純にその理由を知りたかった、彼が自分に向けている関心を持つ訳を聞きたかった。今までになかったことだ、彼が許すならその理由を聞きたかった )
お互いが同じようなタイミングで似た感覚を抱いているというのは非常に興味深いテーマだな、この感情が何なのか言語化出来た時、答え合わせ出来るのが楽しみだよ
(まさか自分の中のよくわからない感情に同調されるとは思いもせず、しかもそれが何に由来するものなのかわからないという点まで一致すれば、自分にとっても単なる偶然では片付けられない非常に興味深い事象となり、最終的に導き出される答えが同じものなのか、それとも別の何かなのか互いに確認してみるのも面白そうだと彼女からの申し出を快諾して。会話がひと段落する頃にはガトーショコラもコーヒーも残り少しとなっていて、それらを最後までじっくり楽しんで完食をすれば一つ息を吐いて。「満ち足りた気分だ、このまま学園に戻って続きを…と思っていたが、せっかく外に出た訳だし少し散策してみるのもいいかもしれないな。ロードワークを兼ねてもいい」食事を終えて後はまた学園に戻っての作業というのが当初の予定ではあったが、今は不思議とそんな気持ちにはなれず、もう少し外を歩かないかと提案し、必要なら外でも出来るトレーニングはいくらでもあると言っては返事を待って)
ふふ、そうですね…私も、その提案には賛成です…。
( 食事を終え両手を合わせ、小さく頭を下げた。これからこの店を後に学園へ…と思っていたが、相手からの意外な案に考える時間もなく即答で賛成だと答えた。折角の機会だ、このままこの休日を練習以外のことで満喫するのもいいだろう。お互いの考えも同じだとわかれば、席を立ちこの店を去る際に"ありがとう御座いました"と頭を下げ、店を出た。扉を開けると来る前までは曇っていた空もいつの間にか晴れていて、飛び込んできた陽の光につい怯んでしまう。「…さて、どの辺りに行きましょうか…。適当に歩くか、それとも何処か行きたいところはありますか…?希望があれば、今度は私がトレーナーさんについて行きますよ。」時間は昼過ぎ、どの辺りを歩こうかと彼に聞いてみる。自分が行きたかったところに付き合ってくれたので、次は彼の行きたいところや気になる場所に付き合うつもりだ。とはいっても、彼が行きたいと思う場所はどんな所だろうか。返事が返ってくる少しの間で、何となく頭の中で予想しながら )
…それなら一軒だけ付き合ってもらえるかな?急ぎではないんだが、丁度欲しい本があったのを思い出してな
(自分で提案した寄り道の案に彼女は賛同し、こちらに行き先を委ねてくれたものの、普段から必要最低限の外出しかしないため、すぐにはこれといった要望も浮かんでこなかったが、そういえばと書店に用があった事を思い出して。ずっと気になっていた本はあったもののわざわざ買いに出るほどのものではなかったのだが、この機会に買いに行くのもいいだろうと思い、書店のある方向へ向かうということでとりあえずは大丈夫か問いかけ。「書店の周りには店も色々あったと思うし、ある程度見て回って満足したら、帰りは河原の土手方面から戻りついでにロードワーク…こんな感じでいこうと思うが、何か異論はあるか?」その後のことは特に何も考えてはいないが、書店の周りは他にも様々な店でそれなりに賑わっており、ある程度はその場の流れでどうにかなるだろうと見通しを立てては、改めて彼女側からの要望などはあるだろうかと意見を求めて)
はい、わかりました…では、その予定でいきましょうか。
( 彼の提案した予定に対して不満も異論も一切無く、即答で賛成する様にこくりと小さく頷いた。今からの予定が決まれば昼食を取っていたアンティークカフェの前で止めていた足をようやく動かし、その目的地の書店へと向かうことに。休日なだけあってか、少し歩き進めてから先程よりも人やウマ娘の通りも多くなり段々と周りも賑やかになっていく。はぐれてしまわない様に近過ぎず遠過ぎずといった距離を保ちながら彼の横で歩みを進めていく。お互いあまり話さず少し沈黙が続いていたが、それを破る様に「…因みに、その本というのは…やはり、またウマ娘に関するもの…なのでしょうか…?」と、彼の方へと視線をチラッと向けながら問い掛けてみる。彼のことだからか、その欲しいという本の内容はウマ娘などのものかとは予想している。そう思ったのは単純で、彼の研究しているもの以外の興味や趣味に関して詳しくないからだった。その他に彼が求めるものは予想できなかった。また新たな練習方法のきっかけを得るためなのか、そんなことを考えながら、通行人にぶつからない様にと前方に気を付けつつ彼に視線を向け返事を伺った )
そうだな、当たらずとも遠からずといったところだ。著名なプロ格闘家の自叙伝でな、どのように強い心身を作り上げるかという新たなヒントがもしかしたら見つかるかもしれないと思ったんだ
(ウマ娘に関係した書物であるかどうかと問われれば、それは読み手の受け取り方次第であると言えて、ウマ娘を鍛えるためのトレーニング方法は先人たちによってある程度セオリーといえるものが確立されており、そんな中で他に比べてどう差をつけていくかはウマ娘に関する研究をする自分にとっては大きく関心を寄せる事項で、先程の日本の武道を取り入れたすり足のトレーニングもその一環であり、今回も別分野の識者からインスピレーションを授かれるかもしれないという期待を込めて購入する品を彼女へと伝えて。「ところで、カフェは読書は好きか?……この場合、必ずしも読書でなくても別にいいんだが、何か没入出来る趣味があるというのは、いいリフレッシュになるからな」本の話に関連して、彼女へと何か夢中になれる趣味があるか、余暇の時間を充実させることも重要であるという持論を交えつつ尋ね。そんな話しをしながら周りに人が増えてきたのを感じれば、彼女の手を取り、軽く自分の側へと引き寄せて)
なるほど…トレーナーさんは、様々なものから考えを得るのが得意なのですね…?
(目的の本はどんなものなのか知れば、彼は様々な内容から練習などに使えるトレーニングや研究の促進となるコツなどを掴むのが得意なのだとわかった。あの特殊な蹄鉄を使った練習や、研究室に溢れている大量の資料も、そういったものを参考にして、そこに自身の考えを取り入れて完成させるのだろう。彼がウマ娘を鍛えるための本気度は、やはりと言うかかなりなものであることは嘘ではないだろう…勿論、自分はその本気度が嘘じゃないことは遠に知っているし、疑ってはいない。ただ、改めてそう感じただけだった。「読書、ですか…?ええ、本はよく読みます。本には、知らない世界が広がっていますから…没入出来るものも他にも、いくつか──」彼からの質問を受け答える。読書は好きだ、小さい頃にもよく読んでいた。自分が知っていることや知らないこと、あり得ないことも本を開けば見ることや感じることが出来る。そして没入出来るものもいくつか…と答えようとした時 )
っ…!…ぁ、す…すみません…。
( 突然手を取り引き寄せられたことに驚き、動かしていた口もピタリと止まる。空いていた距離も縮まり、先程よりも相手の表情や声は見やすく聞こえやすくはなったが、彼の手に触れている状況、そしてその状況を人が通るなかということも重なり自分でもよくわからない感情が渦巻き黙り込みを決め込む。見られてなくても、周りがよく見えてないせいか周囲の者が此方を見ているのではないかと思い込んでしまう、そのため周りを見渡す余裕はなく前と彼の方へと視線を向けるしか出来なかった )
どうした、カフェ?ここまでの会話の流れで別に謝罪をされるようなことをされた覚えはないはずだが…
(これなら人ごみの中でもはぐれる心配もなさそうだと、やり方は不器用ながらも単純に厚意からの行動で、よもや自分のそんな行動こそが彼女の思考を止める原因になったなどとは夢にも思わず、これまでの会話の流れからは不自然な言葉の繋がりに違和感を覚えながらも、とりあえずは何があったか問い正して会話の続きを促そうと隣を歩く彼女の方をジッと見やるその間も無意識に手は握ったままでいて。「…まさか、またアレが出たのか?」それから彼女の突然の態度の変化の理由について考え、自分なりに一つの仮説を立てれば、こんなに人の多い中でしかも真っ昼間にも関わらず狙ってくるものなのかと身構えつつ、これまでの経験から視認するのは不可能だとわかってはいるが一応周辺を警戒するように見回しながら、彼女の手を握る手にも無意識に軽く力が入って)
えっ?あ、え…えっと…
だ、大丈夫です…アレは今のところ気配もありませんから…。
( どうやら彼にアレが出てしまったと誤解される様に捉えさせてしまったことに一瞬キョトンとした顔をして、次にその存在はまだないし問題ないと答える。流石にこの状況を誤魔化す為にアレが出たと嘘を吐いて凌ぐのも罪悪感が強過ぎる。だからといって素直に訳を言っても彼の善意を押し退けてしまうかもしれないと思うと、その選択も取れなかった。ただ変に勘違いをさせてしまったせいか、少し握っていた手に力を入れられ更に動揺を表に出さない様にするのが困難になりながらも何とかバレない様に装いながら。「…と、とにかく目的の場所へ行きましょうか…?今はいなくても、いつ現れるかわかりませんから…。」と、先程の会話はなかったことにしようと目的地へ行こうと催促させる様にする。無意識にさっきよりも歩く速度は僅かに早くなり、手はしっかり握った状態を維持する。そんな中で思ったことが、アレが来ていると勘違いさせてしまったが、もし現れた時を考えると、こうやって手を握っているのが一番の安全策なのではないかと考える。もしかしたらこの状態を維持している限り彼をアレから守るのに必要だということ、しかしずっとこのままというのも彼は大丈夫でも自分は限界が来そうになることが唯一の問題点だろう、等のことを考えてしまい、また無意識に口数を減らしながらも歩みを進めた )
ああ、そうだな。いくらカフェが対処方を知っているとはいえ極力リスクは負わないに越したことはない
(アレが原因ではないとするといよいよもって先程何故彼女があのような態度をとったのかがわからなくなるが、一箇所に留まることで遭遇するリスクが高まるのであればとりあえず移動しようと思考を一旦そこで区切って。仮にアレに遭遇したとしても彼女がなんとかしてくれるだろうという確信はあって信用もしているが、それでも全く危険がないという訳では無いはずで、それが些細なものであったとしてもやはり担当ウマ娘である彼女を危険な目には遭わせたくないという思考が働いているようで、彼女の歩調に合わせて横を歩きながら、またも口数が減ったようにも見えた彼女へ視線を何度か送って。「さて、俺は目的の本を探してくるが、カフェはどうする?本はすぐに見つかるだろうし適当に自分の好きな本を見ていてもいいが」それから目的地の書店へと到着すれば流石にとりあえず一旦手を離し、自身はまず目的の本を探しに向かうことにして、とはいえどの辺に置いてあるかは見当はついているため見つけ出すのに大した時間もかからないだろうということを考えれば、わざわざ一緒に行動しなくても彼女は彼女で自由に本を見ていても構わないと言って)
そうですね…はい、折角ですし…トレーナーさんが戻ってくるまで、気になる本はないかと見て回らせて頂きましょうか…。
( 彼の買い物が終わる少しの間に、好きに見て回っていいと言われ少し考えた後、その間に気になった本を探すことに決めコクリと小さく頷いた。アレのことを考えて離れての行動は良くないが、短時間の間ならば問題はないだろうと判断した。それに距離もそこまで遠くなる訳でもない、アレの気配を感じたら直ぐに彼のもとに戻ればいい。"それではまた後程…"と頭を下げた後、彼は目的の本を、自分は好きに本を探しに行くことに。しかし好きな本といっても、特にこれが欲しいといったものはなく、ただ適当に見て回る様に進んでいく。取り敢えずは目に止まり気になった本に触れて回る。ウマ娘向けの練習本や、学園で習っている授業内容で見たことのあるのが載ってある本、小説や漫画など様々な本を見て回る。その中で一番強く気になったのが、「…絵本、ですか…何だか、懐かしい感じがしますね…。」と一冊の絵本を手に取る。絵本は今でも時々読むことはあったが、最近は見ることはなかった。小説や漫画に描かれている物語とはまた違った何かがあるのが好きだった。他人からしたら、こんなものはとっくに卒業するべきだとは思われてしまうだろう、でもそんなことは気にしていない。確かに絵本を読んでいる姿を見られるのは少し恥ずかしいというのはある。それでも引き込まれてしまうものだ。丁度周囲には誰もいない、しばらく彼が戻ってくるまで読み続けてみることにした )
すまない、待たせてしまったかな。店頭分は売り切れで裏から在庫を出して貰ってたんだ
(場所はわかってるからすぐ戻るとは伝えたものの、結局目的のものを手に入れるまでに紆余曲折あって10分以上の時間がかかってしまい、その後彼女がいそうな場所を探し歩き、様々なコーナーを見て回って最後にやってきた絵本のコーナーでようやく見つけ、彼女のイメージ的には一番居ないだろうと見立てていた場所であったため見つけるのに余計に手間取ってしまって。それから彼女が手にしている絵本を興味深そうに見やって「ほう、絵本か…カフェが絵本に関心があるとは少しだけ意外だったな。俺は久しく読んでないが、これはこれで中々侮れないものではある。物によっては教訓や学びを得られるものがあったり、感受性を高めてくれたりもするからな」確かに相手の普段のイメージから絵本は中々に結びつかないものではあるが、それを決して子供っぽいだとかそういった否定的な感情は一切持たず、絵本の物語や内容を純粋に楽しむという方向性からはズレた意見ではあるが書物として何歳になろうと読む価値があるとそんな風に話しながら、本棚から一冊の絵本を取って。「…意外に思うかもしれないが、俺にとってのトレーナーの原点はこれなんだ。物語の主人公たちと同じように…という訳にはいかないが、それでも辿り着きたい到達点はずっと変わっていないんだ」手に取った絵本はそれなりに有名な作品で、地味だったウマ娘が一人のトレーナーと出会ったことで皆から慕われるようなウマ娘になる王道のストーリーであり。しかし現実は物語のようには優しくないし今では研究者として堅実な理論の積み重ねという煌びやかさとは無縁なトレーナー道を歩んではいるが、それでもウマ娘を輝かせたいという想いの原動力にはなっていると語り)
あ、トレーナーさん…お帰りなさい。
目的の本は、無事に買えたみたいですね…。
( 彼が目的の本を買い終えてから合流に至るまで数分、自分を探し出すのに時間と手間を掛けさせてしまったと思いどこか申し訳なさそうな様子で小さく頭を下げた。そして自分が読んでいた絵本が彼の目に映り、こういった本を自分が読むことに少し意外だと言われたことよりも、絵本に対しての価値観を聞いてはこういったものからも吸収すること、そして彼も昔はこういった絵本を読んでいたこと。そして、彼がトレーナーの原点となったのはその取り出した絵本だったということを知り、此方も彼に対して少し意外だと思った。そしてその絵本も知っていた、理由は幼い時に自分もその本を見ていたからだった。それもあの時に読んでいたこともあり、印象に深く残っていた。「…私も、その絵本は好きです。」と彼の隣で、その本を覗き見ながら話を続けた )
絵本に出てくるウマ娘は…凄いと思います。展開は、確かにいつも上手く進んでいますが…ウマ娘も、そのトレーナーも…多くの困難を乗り越えていく姿は…とても関心するもの、かと。
( 絵本の世界と現実世界は違うが、それでもこの絵本の登場人物たちには関心する場面が多い。絵本ではあるが、かなり支持がある作品だ。そしてこれが、彼がウマ娘たちへ向ける想いの原動力だということにも違和感などはなかった。「…私にとっても、この絵本が…あの時、私を動かした…きっかけの一つ、ですね。」あの時のこと、まだ彼には言っていない過去のこと。だが、過ぎたことを今更話す必要もない。彼にとっても、自分の過去のことなど興味もないだろう。絵本を見て少し懐かしく感じられた、そして彼の動かす原動力も知った。もう此処での用事も済み、そろそろ行きますか?と小さく首を傾けた )
そうか…つまらない話しをしてしまったかと危惧していたが、反応が良くて一安心といったところかな。…なんでかな、普段は他人にこういう話はしないんだが…カフェには聞いておいて欲しかったのかもしれないな
(こちらの話しに想像していた何倍も食い付き良く反応し、彼女なりの絵本の中の登場人物やその内容に対する見解を聞けば、なるほどと相槌をうち。普段ならば聞かれてもいない過去のことをこんな風にベラベラと喋り、自分語りをするようなことはしないのだが、今日に限って饒舌に語ってしまった自分自身に少しばかり戸惑いつつも、これまで担当してきたどのウマ娘とも違う独特な彼女の雰囲気のせいなのか、懐かしい絵本が目についたせいなのかはわからなかったが少なからずこの話題に関心を持ってもらえたということは悪い気はせず。自分で自分の過去のことも話さないように他人にとっての過ぎ去ってしまった過去には基本的には本来あまり興味がないのだが、どことなく意味深で含みのある彼女の発言には妙に惹かれるものがあって、とはいえ本人にその気がないのに聞き出すような真似をするのは無粋という気持ちもあるため、ここでは彼女自身が思っているよりもやはり自分は彼女という存在に関心があるということを示し、今すぐでなくてもいつか話してくれるだろうかという一抹の期待を抱き、最後にそう言葉を付け加えて。「……さて、他に寄りたい場所はあるか?もしあれば次はカフェに付き合おう」それから本屋を出て再び人通りの多い街中へと出て。今度はどこへ行こうかと、最初に向かった本屋は自分の希望だったため今度は彼女へと判断を委ねることにしようと尋ねてみて)
他に行きたい所、ですか…?そう、ですね…これといったのは特にありませんが…今は此処より、静かな場所に行きたい…ですかね。
( 本屋から出て、他に彼から何処か行きたいところはないかという問い掛けに対して出た返事が、本屋やカフェなどこれといった場所ではないが、静かな所が良いと返した。この場所は人が多く、少し落ち着かない。それに今は昼過ぎ、そして休日ということでいつも以上に賑やかとなっていた。別に賑やかなのが嫌いな訳ではないが、慣れてはいない為にこういった場所の長居はまだ少し苦手だ。「…何となくですが、この先を進めば…人の通りも少なくなる気がします。」そう言って、ある方向を指差す。根拠はないが、この道を進んでいけば少しは行き交う人の数も減り、静かになるだろうと予想した )
…それとも、もしトレーナーさんが他にも…静かで、落ち着ける場所を知っているならば…そちらでも構いませんが…。
( 今自分が行きたい場所に当て嵌まる所を知っていたらそこも良いと考え、決める前に彼の声も聞く必要があると判断した。「…あ、その。無理に私の行きたい場所に応える必要もありませんので…私はただ、静かな場所に行きたい気分なだけで、ある場所に行きたいという訳ではありませんし…。」勿論、このまま戻るのも選択の一つだろう。既にお互い行きたい場所はどちらもいった、この先はノープランだ。どこで切り上げるか、それは彼の判断に従うことにしているということを事前に彼に伝えることにした )
そうだな、このまま行けば街を抜けてちょうど河川敷へ出る。人通りもここよりは減るだろう、散歩がてら学園へ戻る事になるな、異論はあるか?
(自身としてもあまり外での娯楽の類には詳しくなく、賑やかな場所よりはどちらかといえば静かな場所の方が好ましいため、抽象的かつ具体性に欠ける要望ではあるがここより静かで落ち着いた場所へという彼女の考えには異論はなく頷き、彼女が指差した先へ進めば街外れの河川敷へ出るはずで、学園に戻るには少しばかり遠回りになるが街中よりは人も少ないだろうし静かに散歩も兼ねてということならばまあ悪くない選択だろうと考え、彼女に問いかけ。「誘っておきながら気の利いたプランを提示出来ず少し申し訳ないな。次は静かで落ち着けるスポットを下調べしておくよ」彼女の好みがわからなかったというのもあるが、そもそも選択肢自体が乏しく、食後の散策を申し出たのは自分であるためもう一捻り何かあればと申し訳なさも感じていて、次またこうして一緒に出掛ける際には今日の反省も活かしてもう少しエスコート出来る様にしておくと次回の外出に積極的な様子を見せて)
い、いえ…そんな申し訳ないだ何て…。
私も、今後はもっと具体的に…行きたい場所を、幾つか探しておきますね…?私が好きな場所や…トレーナーさんも、好みかもだと思う場所も…。
( 申し訳なさそうにする彼を前に、首を左右に振る。突然の要望なのにしっかり応えてくれた、それだけでも十分だ。そして次は下調べをしておくという彼に対して、自分も同じく次以降今日よりも広く多く互いが楽しめる場所を探しておくと決めて、期待をして欲しいこと、そして次に彼はどんな場所に連れて行ってくれるのかに期待を向ける。その次がいつ来るかはわからない、今は他に課題も多い。恐らくその次というのはそれらを達成してからになりそうだ。出掛け先探しという、また新たな課題を設定し終えて、彼の提案したルートに異論はないことを示し早速そのルートに沿って歩みを進めることにした。暫くして人の通りも少しずつ減っていき、彼の言っていた河川敷に着く。この河川敷の存在は前から知っていて、時々1人でも此処に来ることはあった。「…此処は、今日みたいな休日によく来たりしてますね…。ただ、昼間に来ることはあまりないので…少しだけ、新鮮です。」昼間にはあまり来ない場所な為、少しだけ新鮮な気持ちがした。夕方辺りが多く、その時間帯の景色と比べると丸々違う訳ではないが、他の人やウマ娘も見えたり子供たちも居たりと微かな変化に気付けた )
トレーナーさんは、此処にはよく来たりしてましたか…?
( 隣の彼に視線を合わせる様に見上げながら、この場所にはどのくらい来ているかと気になり何気ない質問を投げ掛けた。特に聞きたくなった理由はない、ただ何となくだった )
ああ…と言っても担当のトレーニングの付き添いでぐらいでだがな。学園外でのトレーニングといえばここはジョギングのために道路も舗装されていたりして中々勝手がいい
(特別な理由が無ければ外に出ることは殆どないため、ここへやってきたのも散策や気晴らしなどといった個人的な用件ではなく、硬いアスファルトではなく足に優しい素材で舗装された足元に視線落としあくまでも担当ウマ娘のトレーニングの為であったと答えて。しかし、今日は担当ウマ娘と一緒という点はこれまでと変わらないが、目的がトレーニングの為ではないからなのか、いつもとは少しだけ違った感覚を感じ、見える景色も具体的にどうとは説明は出来ないのだがなんとなく変わって見えていて。「こうして見ると、ここは憩いの場でもあるんだな。カフェがここへ来るのはやはり一人…いや、二人でなのか?」一人でいる者、友人などと過ごす者、人は街中ほど多くはないがそれでも皆思い思いに過ごしているのに気づき視点を変えて見てみれば、ここは多くの人に愛される場所なのだろうということがわかって、今度はこちらからも特に深い意味はないが質問を投げかけてみて、彼女があまり他のウマ娘などとつるんで行動するタイプではないことはなんとなくわかる為そう聞いてみたが、一人というのは適切ではないなと訂正し、開放的な場所で尚且つお友達と静かに向き合える、そういう意味ではここはうってつけの場所かもしれないとも思えて)
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