主(賢さG) 2021-12-15 19:00:34 |
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…いいだろう、それじゃあ始めるぞ
(難しい挑戦にも尻込みすることなく積極的に臨もうという彼女の心意気を受け取り、勝ちたい、強くなりたいという想いも他のウマ娘にも負けていないことを改めて感じ取れば満足げに頷き彼女たちにスタートの合図を送る。合図と同時に駆け出す彼女とその前をゆくお友達、自分には当然ながら彼女の前を走るその姿は見えないがこれまでの彼女の話しからぼんやりとだがイメージが湧くようになってきていて「…思えば特殊な練習環境だな…カフェには比喩表現などではなく本当に前を行くお友達の姿がみえている…毎日レースを意識したトレーニングを実践出来るウマ娘なんて他には居ないだろう…それによってどんな成長を遂げるか…楽しみだな」その気になれば毎日のように上質な相手と実戦を見据えたトレーニングを行うことが出来る、現実的に毎日レースを走ることの出来るウマ娘なんて他にはいないだろう。しかしそんな嘘のような環境に彼女はあるのだという事実に、特殊な練習環境で育つ彼女がこの先どんな成長を遂げどんなウマ娘になるのかはトレーナーとして多くの経験を積んできた自分にも見通せず未知数であり、期待は更に深まって)
…大丈夫、まだ落ち着けてる…
うん…やっぱり今も…私の前を走ってる…。
( 合図が出されスタートしてから現在。まだ序盤、好調な走り出しから調子もいい、焦りもまだない。やはりと言うべきか彼女との距離はゆっくりと離されつつある。もしここでもっとスピードをあげれば恐らく距離は縮められるだろう。もしかしたら、あの追い付けるかもしれない…前までの自分ならきっと、また今度こそはと思ってそうしているだろう。だけど今は違う、あの背中はまだ追い付かないとわかっている。横顔すら見られないこと、今の自分じゃ力不足だということはわかっている。今はただ、自分の走りに集中するだけだ。中盤、まだ自分のペースを保てている。彼女との距離はさっきよりも開いている。あの頃の自分なら、もっと距離を縮められていた。当然だ、あの時の自分はレース何てしていなかった。あの時の走りは、ただ追い付きたいことだけしか考えていない走り方だったからだ。その後の結果は嫌という程見てきた、そしてその度に悩み続けてきた。しかし今は違う、彼女に追い付くことだけが目標の自分はもういない。最終に入りゴールも見えてきた、スタートの時から創ったイメージはまだ崩れていない、コーナーに入るタイミングで残していた力を使い切る勢いで加速し続け速度を上げていきこのまま最終直線へ。速度は落とさず後はこのまま見えているゴールへ走り続け )
…ッ!
…はぁ…はぁ…。
( そしてそのまま減速することなく速度を保ったままゴールした。すぐには止まらずゆっくりと速度を落としていく。十分に落とした後に立ち止まり、息を整えるのに少しだけ時間を使った後、軽く手で汗を拭い。「…トレーナーさん…タイムは、どうでしょうか…?」と彼の方へと視線を向け、果たしてタイムはどうだったかを聞いた )
…いい走りだ、俺の予想を遥かに超えて成長している
(コースを駆け抜ける彼女の姿にはまるで焦りや激情などは感じられず、冷静に自分の走りだけに没入している様子が見てとれて、一切乱れのない冷静な走りをしながらも目標として定めたタイムを余裕を持って上回ってしまう、それは自分が正確に彼女の成長スピードを読みきれていなかったこと、これまでの常識の枠組みに収まらない能力の持ち主だという証拠に他ならず、思わず笑みがこぼれてしまって。一周走りきってタイムを尋ねてきた彼女には目標として定めたタイムを大幅に更新してしまったものを見せる。「俺はまだカフェの力を甘く見ていたようだ、まさか俺の思う理想的な走りをしながらこれほどのスピードを出せるとはな…俺の見立てが甘かったと言うしかない、今後はこのタイムを基準に同様のトレーニングを続けてもらう、素晴らしい走りを見せてもらった。ありがとう」基準として用意したタイムが彼女にはあまりにも遅過ぎたことを理解し、どこかで常識の枠に当て嵌めて考えてしまっていた自分の未熟さを認めれば、自分の中に新たな価値観を芽生えさせるほどの走りを見せてくれた彼女へと感謝の言葉を告げ、今後の目標もまた彼女の走りを基準に組み立てることに決めて)
はい…わかりました、今後はこのタイムを基準に──
…え?あ、いえ…御礼を言うなら、私の方も同じ…ですので。
( 彼から聞かされた結果は今までよりも良いものだった。焦らないこと、自分のペースを保ち続けること、そしてアドバイスにあった始まりから終わりまでのイメージを創ること。自分が持つ一番理想の走りをする為に必要なことを理解ったことで出せた結果だった。これが成長というものだろうか、知らない自分を知ったこの感じ、自分ならどう表すべきかわからないまま、ただ結果を教えてくれた彼に対して小さく微笑んだ。そしてまた新たな基準のタイムを聞くと同時にトレーナーから感謝の言葉を受け、自分からも小さな声でもしっかり聞こえる様に"ありがとう御座います"と感謝をした。「…まぁ、やはり彼女には…ですが。それでも…気のせいでも、少しだけ…僅かに近づけた。…そんな気がします。」お友達には今回も追い付けなかった。自分の走りを知る為の練習だとしても、やはり悔しくはある。例え差があっても、今の自分じゃ絶対不可能だとわかっていても。だが今までと同じ結果ではなかった。僅かに彼女の背中を近くに感じた )
…それに、アレの対処も…きっと。
( この結果に、自分たちを今一番困らせているアレに対しても対抗出来るのが近いかもしれない。小声でポソリとそんな希望を呟けば。「…あ、いえ。何でもありません…えっと、この後はどうしましょうか。」まだ此処でアレをどうにか出来ると言うのは控えた。きっと後少しだとは思うが、まだ少しだけ時間が欲しい。そして次は何をするか、先程のでそれなりに体力は消耗してしまったが、まだ少しなら練習を続けられるという意志を見せた )
やる気があるのは良いことだ、それならもう一本いけるか?次はさっきも言ったようにこのタイムを目指してもらう。無意識に考えなくても同じように走る事が出来るぐらいまで身体に感覚を叩き込むのが最終目標だからな、やり過ぎということはない
(それなりに消耗はしているようだが、無理はせずちゃんと温存した走りが出来たこともあって、もう一本ぐらいならば無理なく完走することも出来るだろうと見込み、彼女自身もまだトレーニングを継続する意志があることを確認すればもう一度同様のトレーニングをするよう指示をして。改めて説明するまでもないかもしれないが、それでも一応は目標のタイムは先程彼女自身が出したものに合わせるよう念を押せば、反復練習により意識をせずとも頭で考える前に身体が動くまでになるのが理想的だと自分の意見を伝える。しかし、今回は多少なりとも消耗した状態でのスタートである、この状況でも先ほどのような無駄なく一定のペースを守った走りが出来るか否か、つまりは追い込まれた状況下でも冷静な判断が出来るかということでもあり、彼女の能力を推し量るにはお誂え向きと言えるかもしれないなと考えていて)
はい、問題ありません…。
…うん、もう一度…お願いするね…。
( 次の練習指示を聞けば、こくりと頷き問題なく取り組めると返す。そしてお友達に、もう一度同じ様に走って欲しいことを伝えた。先程の走りで体力が消耗している状態、最後まで走り切ることは出来るだろうが、前の走りより良くなる結果を出すのは難しいだろう。さっきよりも集中し、状況を見極めた走りが必要になるだろう。息を整え、もう一度走る準備をした後、一回目のスタート位置に着き、自分と彼女の準備が出来たことを彼に伝える。そして少しの静寂後、彼の出すスタートの合図で走り出す。目標タイムが変わったが、一番意識することは変わっていない。自分の走りを最後まで保つこと。でも前のと同じ走りは出来ない、目標タイムの変化は大きいものではなくても全く同じペースだと間に合わないだろう。そこを頭に入れつつ、序盤は変わらず温存する走りでいく。やはり終盤、そこが自分にとって一番の勝負所。その為の走りがいいだろうと判断、序盤を抜けそのまま中盤に…ここで問題が起きた。そこまで体力は保つだろうか、と。前の走りにはなかったこの感覚に驚かされる。足が少し重く、向けるべき意識の先を逸らされる。ここで速度を落とせば終盤には力を出せるかもしれない、だがそれだと間に合わない可能性がある。一瞬だけ出た迷いの結果、このままペースを保ち続ける。この判断が正しいかはわからないまま終盤、残った体力を使い切る勢いで加速し速度を最大まで上げ、今出せる全力を出したままゴールまで走り切った )
──は、…ッ!
…と、トレーナーさん…タイム、は…?
( ゴールの後、その場に倒れ込みたいという思いを抑えながら少し痛む胸を抑え、呼吸を整えつつ、汗を拭う。終盤、正直自分のことも周囲のことも考えられなかった。彼女のことすらも、ただ前にあるゴールまで辿り着くことだけを頭に走った。少しだけ落ち着いた後、彼のもとへと歩み寄り結果を聞いた。…正直、あまり自信はない )
…焦りが出たな、目標よりも随分と速い。身体も相当しんどいだろう、とりあえず座って休むといい
(恐らく疲労のせいで目標よりも大きく遅れているという感覚が一番にきてしまったのだろう、後半にかけて無茶なスパートが目についてしまい、その結果目標に定めたタイムを大きく更新はしたものの、あんな走りを実戦で行えば故障も含めて大きなリスクを負うことになるし、今回はどうにかゴールまで走り切ることが出来たものの次も同じように完走できる保証はなくゴール前に破綻する可能性だって小さくないだろう。しかし、そもそも彼女にやらせようとしているのは相当高度なレベルでの走りのコントロールであり初めから簡単に出来るようであれば世話はなく、長期的なトレーニングを必要とするものであることはわかっているため、労いの言葉と共にドリンクを手渡せばベンチへと座ってまずは呼吸を整えることを勧めて)
は、はい…いただきますね…。
( 彼から手渡されたドリンクを受け取れば、小さく頭を下げて感謝を。それを飲む前にまたもう一度一息吐いた後、ゆっくりとそのドリンクを飲む。焦りが出た、まさにその通りだった。途中まではまだ順調な方だったが、疲労しているという意識がはっきりと出たのは中盤から。そこから保つべきペースを忘れ、無茶な走りをしてしまった。タイムは先程より早いらしいが、リスクが大きい走りだったのは自分でも感じていた。それにこの結果自体偶然とも考えられた。つまり、もしかしたら目標よりも大きく遅れる可能性が、もっと酷ければゴールにすら届かない結果になっていたかもしれない。「…ありがとう御座います、落ち着きました…まだ冷静さを保つ力が足りていませんね。」ふぅ、と落ち着きを取り戻した後、貰った飲み物を笑みを浮かべたまま彼に返す。 自分の走りを振り返り、この練習の目的への難しさを改めて感じた。それに無茶な走りをしたせいだろうか、少しだけ脚に違和感はある。まだ限界という訳ではないが、当然先程よりも疲労が溜まっている。なるべく表情には出さない様にはする、恐らくそんなことをしても彼のことだ、気付かないとは思っていない。それでも自分のトレーナーの前、そういった姿は見せたくないというほんの少しの強がりだろう。時間は陽が隠れるまで後少し、次はどうしましょうか…?と彼の方へと視線を向けては )
極限の状態でベストなパフォーマンスを出し切ることは難しい、仮にトップレベルの選手であってもな。追い詰められた上で全力を出し切るための能力は日々の鍛錬の積み重ねでしか培うことは出来ない…成長途上ではむしろこういう経験もプラスになるんだ、気を落とす必要はないさ
(平常時とは違い疲労による判断力の低下はどれほどの実力者であっても避けられないことであり、それすら克服し100%に近い能力を発揮するためにはやはり多くの経験を積み重ね、引き出しを増やすしかないという持論を語ると、結果的に今回の失敗も一つの経験としてこの先の成長の糧になるはずと、彼女への期待の大きさを改めて示す。限界に近い状態で更に追い込むことによって成長を促すというトレーニングのやり方もあるが、それでも彼女の今日の疲労具合を見るに恐らくこれ以上追い込んでも実入のある結果は得られないだろうという確信があって「とにかく今日はこれで終わりにしよう。ところでカフェは運動後の正しいケアのやり方は知っているか?疲労を持ち越さないようにするのもトレーニングをする上で大事なことだからな」少しばかり意地になっているのだろうか、更なるトレーニングを要求してくる彼女へと今日のところはここまでにすると伝えては、むしろ今日の疲労を明日以降に引きずらないようにしなければいけないと考え運動後の正しいケアの仕方を理解しているかを尋ねて)
はい、わかりました──
運動後の正しいケア、ですか…?えっと、そうですね…あまり意識したことは…。
( 今日の練習は終わりだと聞き、わかりましたと素直に従うことに。今の状態で練習を続行しても何の意味もない、と彼の言葉でそう感じた。そして練習後の正しいケアは知っているかと聞かれると、そういったところにはあまり意識を向けてなかったと答える。疲労を持ち込ませない為に必要なのは察せるが、どんなことをしたらいいかは知らない。過去の自分、夜中に彼女を追い掛けていた時には、走った後にただ安静に部屋で体を休めていたくらいだろう。トレーナーの思う理想的なケアは何なのかはわからないが、明日に疲労を持ち込まない様にと、そこは少しながらも意識していた。「ん…マッサージとか、そういったもの…でしょうか。…あ。その…もしかして、後の珈琲は駄目…だったりしますか…?」正しいアフターケアは何なのかを考えている最中、一つもしかしたら駄目なことだったり…?というものが出てきてしまった。それは自分の大好きな珈琲についてだ。珈琲は相変わらず走る前にも後にもよく飲んでいる時があった。そこで、まさか練習後の珈琲はいけない行為の一つなのだろうかと頭に浮かんでしまった。問題ない、せめて少し減らせと返してくれることを心の片隅で願いつつ恐る恐ると彼の返事を聞くことに )
やっほ~!僕も参加させてもらってもいいかな?(と鞄を持ちスキップをしながら近くを通りかかり首を傾げ)
(テイオーで参加希望します!)
そうだな、トレーニング後のコーヒーは控えた方がいい……というのは冗談だ。寝る直前に飲む事や過剰摂取は禁物だがコーヒーはリラックス効果も期待できるからな、これまでと変わらず楽しむと良い。アフターケアはマッサージとストレッチが有効だ、カフェさえよければこの後効果的なものを実践を交えて教えるが、どうする?
(あまり表情から感情を読み取れるタイプではない彼女だが、コーヒーが禁止されるかもしれないという不安はなんとなく見て取れて、そんな様子をみているとちょっとした悪戯心が芽生えて冗談混じりに一度はコーヒーを飲まないようにした方がいいと真顔で戯れで口にしてみせるが、すぐに軽く口角を上げて笑みを浮かべ冗談だと訂正をする。効果が期待できて無理なく毎日出来るものとしてマッサージとストレッチを例に挙げれば、ある程度は独学でもそれなりの効果が期待できるだろうが必要であればより効果的なやり方をレクチャーすることも出来ると話しては、どうするか彼女の意志を確認して)
〉247 様
( / 申し訳ありません…参加希望はとても嬉しいですが、この板は1対1でして…表記が抜けていてすみません。)
そ、そうですか…よかった…
( 珈琲は飲んでも大丈夫かという質問に対して、彼から出た最初の返事を聞きショックを受けるも、すぐ後にそれは冗談だったということを知り、就寝前は禁物だという返事を聞き安心した様子でホッと胸を撫で下ろした。あまり冗談は言わないトレーナーからの悪戯な冗談には驚いたが、そういったところもあるんだと知り彼の表情を見てつい釣られる様に小さく笑みを零した。「…はい。是非とも、実践してみたいです。…お願いしても、いいでしょうか…?」その効果的なやり方を実践したい、自分の意志としてはそれを進んで受け入れてやりたいといったものだった。今の自分は彼の持つ知識も必須だろう、だからこそ断る選択肢なんて取ることもないし、そもそも存在していなかった。だから彼の自分の意志への確認も、悩むことも考えることもなく即答で答えた )
いいだろう、その勤勉さは武器になるぞ。それじゃあ続きは研究室でやろう、一度身体を落ち着けて休めてからの方がいいからな
(少しも悩む素振りも見せず積極的に挑戦する意思を示した彼女の自らの意思で進んで学びを得ようとする姿勢を改めて評価して満足げに深く頷き、この場で行っても良かったが、ストレッチやマッサージはいずれも室内でも問題なく行えるものであるため一旦一息つくという意味でも場所を変えようと提案しては踵を返し、校舎内に向けて歩き出して)
はい、では行きましょうか…。
( 今日の練習も終わり、後はそのストレッチとマッサージだけ。アレの気配も今は全く感じられない。恐らく今日襲われることはもうないだろう。今日の最後の目的が終われば、研究室でトレーナーと珈琲でも飲もう何て考えながら校舎内に向けて彼の傍から離れ過ぎない様について歩いていた途中、「──ふぁ…、んん…。」と気が緩んでいたせいかつい軽く欠伸を漏らしてしまった。一瞬それが自分のものだと気付かなかったが、ハッとすぐにさっきの欠伸の主が自分であったことに気付けば。「す、すいません…気が緩んでしまっていたのか、つい…。」と片手で口許を隠し、頬を染めながら頭を小さく下げる。今日はいつもより行動数が多かったのか、普段は人前で欠伸などしないのに今日に限って、それもトレーナーの前でしてしまったことで顔を見られたくないくらいの恥ずかしさが出てきてしまっていた。)
構わないさ、ずっと気を張って気疲れするぐらいならそうやって適度に発散できた方がいい
(これまで彼女が意識的に自分に隙をあまり見せないように振る舞っていたのは何となく理解していて、それは決してそうあるようにこちらが指示した訳ではなく、トレーナーである自分に対する彼女なりの意識なのか、はたまたそういう性分なのかは定かではないが、今日は一緒にいる時間が長くスケジュールも中々に過密だったためにふとした拍子に気が抜けて出てしまったのだろうと想像出来て。しかし、別にそれを咎めるつもりは一切なく、むしろ必要以上に自分に気を遣わず息を抜くタイミングもあってもいいと持論を語りつつ「…というのは理屈上の話しだがな、俺個人の気持ちとしては少しぐらいは指導者としてではなく一個人として心を開いてもらえた気がして嬉しかったかな」単なる理屈ではなく、彼女という一個人と心の距離が以前までより近づいているような気がして嬉しいと私的な感情を率直に語って)
そ、そうですか…
…はい、そう言って頂けると…私も嬉しいです。
( 彼の素直な感情を聞き、それが気を遣ったものでもない本心であったことは疑う必要もないくらいだった。一個人として心を開いて貰った、その言葉に少しずつでも自分が彼に対して心を開けていたと知る。口許を隠していた手を下げて、赤くなっていた顔も戻り微笑みながら"ありがとう御座います"と呟いた。その後少しだけの沈黙が続いた後、じっと彼の方へと視線を向け。「…何だか、今日はアナタのことを沢山知ることが出来た気がします。今まで、トレーナーとしての姿しか見ていませんでしたから…また、こんな日が来たらいいなって…思ってしまうくらいに。」たった一日の休日で全てではなくても、彼についての理解を深めることが出来た気がする。こんな機会はこれからあるかはわからないが、今日みたいな一日がまた来たらいいとは思っていた。)
…あ、すいません。足を止めてしまって…もう大丈夫です。
( 次の休日については別の機会で話し合うとして、今は最後の仕上げの為に止めてしまった足を再度トレーナー室へと動かし始めることにした。)
…ああ、そうだ、カフェの時間が許せばでいいんだが、この後またコーヒーを一杯淹れてくれないか?良ければトレーニング後の一杯に付き合ってくれ
(会話もひと段落し、再び歩き出す。その道中は会話らしい会話も無かったがその沈黙は決して気まずいものではなく、そうしてしばらく歩くとトレーナー室兼研究室の前に到着して。中へと入るべくドアを開けながら思い出したように一旦手を止めて彼女を振り返れば、やるべきことが終わったらまた彼女にコーヒーを淹れてもらえないかと、今日は彼女オススメの喫茶店でもコーヒーを飲んだばかりだが、やはり彼女が淹れてくれるものが飲みたいと思い穏やかな笑みを湛えながら彼女とこれまで以上に深い仲になれたという自負からかいつもよりも気軽にそうお願いをして)
え?…あ。は、はい…!トレーナーさんからのお願いならば、是非とも…。
( 目的地のトレーナー室へと辿り着き彼と一緒に中へ入る。と、その前に此方を振り向き、トレーニングが終わったら自分が淹れる珈琲を飲みたいというお願いを不意に受け少し驚いた表情をしてから、勿論だと頷き此方も笑顔で返した。本当は自分から珈琲は如何と聞く予定が、まさか相手の方からそれを頼まれるとは思っていなかった。突発的な出来事で驚いてはしまったが、気軽にお願いされるというのは何とも嬉しい感覚だ。「そうですね…うん、丁度おすすめしたいのがありますので、今回はそちらに…。」と、独り言の様に彼に出す珈琲のことを考えながら呟く。珈琲のことが絡むとやはりわかりやすく表情も明るくハキハキと言葉を出していく。以前までその様子がつい出てしまって見られたことが恥ずかしいと感じてしまっていたが、今では違う。彼が同じ珈琲好きだからなのか、それとも距離が縮まってきたことが大きく影響しているのか。どちらにせよ、仲に関しては深まってるのには違いないだろう。)
…と。その前にトレーニング…ですね。
( その珈琲はやることを終えてからの話だということをすっかり忘れてしまっていた。最後の予定を思い出しては、早速取り掛かろうとする姿勢を見せる。「…しかし、効果的なストレッチとマッサージ…普通のとは、何が違うのでしょうか。」自分がやっているそれらと何が違うのか考えてみるも、やはりパッとは浮かんで来ない。彼が思うその効果的な方法とは何なのかを改めて聞いてみた。)
ストレッチそのものの目新しさよりも大事なのはやり方だ。運動の前にもストレッチはすることもあると思うが、それと同じようにやっていては意味がないんだ
(恐らくはこれから自分が相手に実践して見せようとしているストレッチ自体は、そこまで奇抜なものではないはずだと前置きをした上で、運動の前に行うストレッチを比較対象として持ち出し、身体をほぐすという意味では同じ目的ではあるものの過程こそが重要だと話す。「まず、反動や勢いは一切つけないことだ。少しでも身体を伸ばそうと弾みをつけるというのはやりがちだがご法度ということになる。…その上で一切痛みを感じない範囲で身体を伸ばすんだ、どこまで伸ばさないといけないと自分で決めてしまった場合、運動後の身体のコンディション次第では普段は平気でも、いつも以上に痛みが出たりすることもある。…ノルマを決める必要はない、自分が気持ちいいと思う範囲で臨機応変かつ静かに身体をほぐす…それを踏まえて俺の動きを真似してみてくれ」どうしてもストレッチといえどトレーニングの延長線上ということである程度自分の中で決まったルーティンでこなしてしまいがちだが、むしろ厳格さとは正反対に緩くやればいいと教えれば、今度は静的で尚且つ効果の期待できるものを教えるからまずは見ているよう言えば両手を床について上体を軽くそらすように起こしてその姿勢で深呼吸しながら少しの間維持して)
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