神埼梨花 2021-12-06 17:05:41 |
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アン『お?あれは…どうやら、お客さんのようだね(トラックを急停止させ、モニターの映像が変わる)』
永也「!あれは…!」
アン『会いたかったよ、EVIL』
ロア「あぁぁぁくっそっ!!!!!(襲ってきた術者の顔面を殴り潰す)弱ぇ!!!弱ぇ!!!!弱ぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!(怒りに任せて既に原型の無い術者を殴り続ける)足りねぇ!!!!!こんなんじゃ足りねぇ!!!!!!くそっ、くそっ!!!!!鬼畜女が邪魔さえしなけりゃ!!!!!あの楽園の精霊共と殺り合えたのにっ!!!!!!いや違ぇ、それでも足りねぇ。SchwarzBreaker…!あいつしか、この乾きを潤す事はできねぇ…!くそがぁぁぁぁぁぁっ!!!!!どこ行きやがったSchwarzBreakerァァァァァァァっ!!!!!!!」
警備員『(空中にモニターが現れる)ロア様、お取り込み中のところ失礼しますっ!!玄生博士から伝達です!!直ちに研究所に戻り、侵入者を始末しろの事っ!!!』
ロア「あぁ!?侵入者だとぉ!?んなもんに構ってる暇はねぇっ!!!!なんの為の警備員だ全員ぶち殺すぞ!!!!!」
警備員『ひっ…で、ですが…命令は命令で…!』
ロア「雑魚と戦えってのか?ざけんな、アタイはSchwarzBreakerを探すので忙しいんだよっ!!!!!SchwarzBreaker以上に強え敵なのかそいつは!!!!あぁ!?」
EVIL「あれが侵入者……なるほど(身体がバキバキと音を立てて変形していき竜に似た姿になる)足止めだけでなく潰してやる」
CROWN「EVILデスか……彼は厄介デスよ、無限の変身能力がありマスからねぇ……」
EVIL「!?!?!?グッ……!?(動きを止めてその場に崩れ落ちる)」
CROWN「……アーア、酷いことしマスねぇ……」
りおん「……………………」
永也「えっ…何をしたの…?」
アン『ちょいと特殊な音波を放って彼の中の魔力を強制的に増強させてるんだよ。彼はね、定期的に安定剤を打たないと暴走した魔力が血管ごと魔力回路を突き破って死に至ってしまうんだ』
永也「なっ…!それじゃあ、このままじゃ…!」
アン『沸騰した魔力が体を突き破るだろうね。彼が**ばこの研究所からも逃げる事が出来る。その間、君達はゆっくりと体を休めているといいよ』
りおん「…………イカれてますね、貴方はあの子をなんだと思ってるんですか、良くもまぁそんな惨い卑怯なやり方を良いと思えますね……」
アン『わかったら大人しくしててもらっても───(コンテナの扉が開く音がする)…え?』
永也「(入口の指紋認証パネルに手をかざしていた)…なるほど、こうやって開けるんだ(両手で車体にしがみつき、腕力で体を引き上げ車体の上に乗る)…あれか(アンテナの方を見る)」
アン『ちょっと永也君!?君、何する気!?』
永也「何って…そんなの、見て分かるでしょ(両腕を魔獣化させ、アンテナの棒部分を握る)このアンテナを壊す」
アン『は!?壊すって…無茶だそんなのっ!!!そもそも、このトラックには防護障壁が張られている!!!下手に壊そうものなら、その分のダメージが君に跳ね返ってくるよ!!!それに、先程のトランス状態の反動で今の君は相当な負担が掛かっているっ!!!下手したら死ぬぞ!!!』
永也「関係ない、僕は彼を助ける。僕の目的は、あいつの元に辿り着く事だけじゃない。僕はASB計画に巻き飲まれた人達全員を、助けてあげたいんだ。それが僕の…せめてもの、償いだからっ!!!!!(アンテナを力づくで引き抜こうとすると、防護障壁の効果が発動し永也にダメージ分の電撃が襲いかかる)ぐぁぁぁぁっ!!!!!」
りおん「っ……!!もう……!!CROWN!私も車体の上に!」
CROWN「イェス、マイマジェスティ!(りおんを抱えて車体の上に乗る)」
りおん「はぁ……あんまり、やりたくなかったけど…(目がぼんやりと光ると永也に襲いかかる電撃を無為の魔眼で打ち消そうとする)」
永也「ぐぅぅぅっ…!!!(電撃に耐えながらアンテナを引き抜こうとするが、電撃で体の節々から血が吹き出す)誰も…死なせるかっ…!橘元徳っ…永墓玄生っ…この人は、お前らにとっては…捨て駒かも、しれない…!だけど…!僕はもう、お前らの思い通りになんてなりたくないっ!!!!(ミシミシと音を立てながらアンテナが上に上がっていく)この人のことを、誰も助けないって言うんならっ…僕が、死んでもこの人の事を助けるっ!!!!!もう誰も、死なせてやるもんかっ!!!!!!うぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!(車体の装甲ごと、アンテナを引き剥がす)」
アン『永也君…』
永也「(身体中から血が滴る)はぁ…はぁ…(りおんの方を見る)…ありがとう、手伝ってくれて。後は、僕に任せて(りおん達に少し微笑むと、車体から飛び降りEVILの前に立ちはだかる)」
アン『まさか、その体でEVILに挑む気!?』
永也「…互いに満身創痍…僕も、君も、満足に力を使えない状態だ。けど…正々堂々やるなら、これぐらいが丁度いい。これ以上僕達と敵対するって言うなら、ここから先は僕が相手になる。逃げも隠れもしないよ」
永也「あぁ…これ以上犠牲者を出さない為にも、君が彼らを救ってくれって…そう言って、ことはお姉ちゃんは…(ことはが自分を逃がして身代わりになった時のことを思い出し、拳を握りしめる)っ…」
永也「(顔が少し明るくなる)そっか…良かった…!」
アン『…まさか、EVILを言いくるめちゃうなんてね…これは、予想外だったよ。それなら、早くトラックの中に入って。うかうかしてるとリーサルソリッドまで来るかもしれないよ』
永也「うん、わかった(EVILの体を支える)」
EVIL「…恩に着る」
りおん「…………」
CROWN「さぁ、マジェスティ。私達も」
りおん「うん…(CROWNとトラック内に戻る)」
アン『(コンテナの扉が閉じる)よーし、全員乗ったね。それじゃ…(エンジンが引っ込んだかと思うと、さらに巨大なブースターが現れる)吹き飛ばされないように、しっかり掴まっててね!!!(ランボルギーニ顔負けのトップスピードで直線上に走っていき、そのまま研究所の壁を突き破り外に出る)』
りおん「……きっと永墓玄生はカンカンになってるでしょうね(想像して少し笑う)」
CROWN「あぁ、確かに」
EVIL「…まさかお前もこっちにいたとはな」
CROWN「私はマジェスティの味方デスから」
アン『まさか、あんな無茶するなんてねぇ…流石は問題レギオンのメンバーなだけあるよ』
永也「…よく言うよ、最初から僕達を試す気でいた癖に」
EVIL「(アンの声のする方に懐疑的な目を向ける)」
りおん「EVIL、今のうちに安定剤を打っときましょう…予備を持っててよかった(注射器を持っている)」
EVIL「…(すっと腕を出し安定剤を打ってもらう)」
りおん「……これでよし」
永也「ここの扉って、指紋認証しないと開かないシステムになってるでしょ?僕達は初めてここに来たんだから、普通登録なんてされてないはずだ。なのに、僕が指紋認証したら扉が開いた。まるで…僕が制止を振り切って外に出る事を分かっていたみたいに。このトラックは全部遠隔操作されてるって言ってたよね。なら、扉をロックして僕が外に出る事を防ぐことも出来たはずだ。それをしなかったってことは、僕達のことを試したかったってことだよね?」
アン『………』
アン『…流石は、僕が見込んだ『解放者』達だ』
永也「解放者…?」
アン『そう、僕は最初から君達をテストしていたんだ。『リベレイターズ』としての素質が君達にあるかどうかね。特に…新垣永也君、君の事をね』
永也「えっ、僕を…?」
アン『そこの3人と共に脱獄するところまでは読めていたんだけど、まさかEVILを仲間にしちゃうとは思わなかったよ。まぁ、EVILも仲間になってもらう予定だったし、別にいいんだけどね。あぁ、でも、少し訂正しなきゃ行けないことがあるね。このテストはね、『永也君が投獄された時から』始まっていたんだよ』
永也「は…?」
アン『つーまーり!最初から研究所には、『協力者』居たってことさ!君達のことをずっと監視していた、協力者がね!いやね?本当なら君達の実力が合格ラインに達したら僕が助太刀に来る予定だったんだけどさ、まさかあそこで興奮して本気で殺しにかかっちゃうとは思わなかっよ。全く、僕がどれだけ肝を冷やしたことか』
永也「えっ…それって…まさか…!」
アン『ということで、ここでネタバラシをさせていただきます!協力者さーん、出番ですよー!(モニターが移り変わったかと思えば、研究所の壁が映し出される)…あれ?おーいククルー、カメラ逆に持ってなーい?』
ククル『え?あっ、ほんとだ!ごめんこっちこっち!(ぐるっと回ったかと思うと、モニターにリーナの姿が映る)』
リーナ『もう、ククルったらおっちょこちょいなんだから。はぁいみんな、さっきぶりね(カメラに向かって手を振ってる)』
アン『もうリーナ、手加減してってあれほど言ったのに!僕が1秒でも遅かったらどうしてたのさ!』
リーナ『ちゃんと手加減したわよ?力も10分の1程度しか出してなかったし』
アン『君達にとっての10分の1は僕達の世界で言う核兵器レベルだってこともう忘れたの!?全く…僕達の計画がおじゃんになるとこだったよ』
リーナ『必死に足掻いてくる姿を見て、つい虐めたくなっちゃったわ。ごめんなさいね』
アン『リーナの馬鹿ァ!サディスト!嗜虐趣味の蝙蝠女!!!』
永也「うそ…ViolaMajestyが…協力者…?」
リーナ『そういうこと。実を言うと、この世界に来る前から貴方を切り捨てる話は既に出ていたの。だから、ククルに貴方達三人の監視を任せてたのよ』
永也「僕だけじゃなくて、2人のことも…?」
アン『僕達2人だけじゃ、あいつらの計画を潰す事は出来ないからね。リーナは敵サイド側に侵入してるし、僕も僕で姿を現すことが出来ない状態だし?だからこそ、あいつらと真正面からやり合える仲間が欲しかったわけなのさ。奴等の研究を潰す為の対抗組織『リベレイターズ』のね』
アン『君達は奴等の研究に巻き込まれた被験者達だ。奴等に復讐したいとは思わないかい?』
永也「…でも、僕にはBRAKE DRIVEのみんなが…」
アン『そういうと思ったよ。永也君、君は確かMOTHERを助ける方法も探していたね?もしも、僕がASB計画の被験者達を元に戻す方法を知っていると言ったらどうする?』
永也「えっ…!?」
アン『CROWN…は、いいとして。永也君とEVILはどうする?ちなみに、リベレイターズに入る以上レギオンメンバーや家族との接触は制限させてもらう。もちろん、連絡もNGだ。事が全て終わるまでは、余程のことがない限り仲間とは決別してもらうことになるよ』
永也「みんなと…(BRAKE DRIVEのみんなが脳裏に浮かぶ)…一つ、聞かせて欲しい。リベレイターズに入る事が、僕の仲間を守る事にも繋がるんだよね?」
アン『それは彼奴らの出方次第に寄るが…少なくとも、奴等を潰す事が仲間の身の安全を守る事にも繋がるよ』
永也「…わかった。僕も入るよ、リベレイターズに」
アン『全員承諾ってことでいいね。それじゃ、今この瞬間から君達は世界を救う解放軍『リベレイターズ』だ!よろしく頼むよ、解放者諸君!』
リーナ『何か困ったことがあったら私とアンに相談してちょうだいね。と言っても、私は侵入してる身だからあまり力になれることは少ないと思うけれど』
りおん「分かりました、助かります。……なんか、こう考えるとすごい心強いと言いますか、凄いことになってますね…………って、どうしたんですかCROWN」
CROWN「イエ、ふと考えたら妙なことがありマシてね」
りおん「妙なこと……?」
CROWN「物部天獄は何故わざわざあんな行動をとったのデショウ?しかし、どうにも牢獄を壊した時は……何故あのようにわざと焚き付けて我々を逃がせるような隙を作ったのかが疑問デシて」
永也「確かに…言われてみれば、少し変かも…処分するのが最初から決まっていたとはいえ、それを知った僕達が協力して脱獄する事なんて少し考えればわかることなのに。リーナさん、物部天獄について何か知らない?」
リーナ『ごめんなさい、彼については私もよく知らないの。ただ…私が貴方達を助けたのを不信に思って、私を探ってくる可能性は高いわ』
りおん「味方ではないんでしょうが、一概にもがいがあるといいきれないのかもしれないと言いますか…なんかモヤモヤしますね…………」
CROWN「まぁ信用はデキないでしょうねぇ」
天獄「ふーん、逃げ出せたのか、すごいな」
ゼルヴィッツ「白々しいですねェ……わざとやったくせに」
天獄「……なんだ、お前は気づいてたか……なァに、あのクソ科学者に対しての嫌がらせってことは嘘じゃねぇ……何を裏で企んでんのかは知らねぇが、見物させてもらおうじゃねぇか」
アン『ふむ…それなら、僕が彼の事を調べるよ。リーナとククルは引き続き潜伏してて』
リーナ『了解よ』
ククル『わかったわ!』
永也「そう言えばアン、この車って今ってどこに向かってるの?」
アン『リベレイターズの本拠地さ。君達にはそこで暫く過ごしてもらうことになる』
ロア「(研究所に帰ってくる)あーくっそ、ムカつくなぁ…どいつもこいつも雑魚ばっかでつまんねぇ…」
りおん「本拠点……」
天獄「……んあ?誰かと思えば暴れん坊救世主じゃねぇの、いつもに増して機嫌悪そうだな(ゼルヴィッツと共に歩いてくる)」
天獄「躾のなってない犬だな……俺が許しても気をつけねぇと『コイツ』がキレるぜ?(ぶつかったロアの肩にいつの間にか纏わりついた黒いモヤが強く肩を締め付ける)」
天獄「俺に言うな、俺がやったんじゃあない(おどけながら両手をあげる)」
ゼルヴィッツ「その辺になさい……このリサールソリッドは扱いに困るのですから、暴れられては困ります」
天獄「ははは、それもそうだ!キレると手がつけられないからな、そもそも命令も通らないと聞いた、何を言っても無駄だったな(ロアの肩からモヤが消えると歩き出して遠ざかる)」
ロア「ちっ、舐め腐りやがって…アタイはてめぇらの道具じゃねぇ…!(イライラしながら研究所内に入ると、凄惨な姿となっていた)…あぁ?なんだこりゃあ」
玄生「こんのガキがァ…………!もうええわ!お前には魔術師の始末も何もかも頼まへん!!ったく、使えんやっちゃな……!(怒り散らしながら奥へと戻っていく)」
玄生「あ゙ー、ほんまに、アイツはSchwarzBreakerのことしか頭にあらへん……使いにくすぎやろ……(損害がない研究室に入りモニターを操作する)……さて、こっちも進めなあかんな(モニターには亜種魔法少女が映し出されていた)
シャムル「わーい!ホントに連れてきてくれたー!!感謝感謝ー!!!」
??「うーん、メンツがこーいな」
ガルム「(いつの間にか人の姿に戻っている)こいつが例の叡智の天災って奴か…全然そんな雰囲気ねぇな。能天気っつーか」
未夢「私も最初は驚いたよ。まさか、木にぶらさがってるなんて思わなかったから」
??「え、みんな酷くない???」
サーシャ「あ……あ………(??を指さす)」
ビビ「……おまえさっきからどうしたんだよぉ」
サーシャ「……………ソ……」
綺月「そ…?」
サーシャ「…そ、そそ、ソロモン王!?!?!?」
ビビ「は!??こいつがか!?」
綺月「ソロモン王というのは、紀元前のイスラエルの王様なんですが……『魔術王』と呼ばれた偉大な魔術師でもある人物なんですが……」
サーシャ「だ、だって顔がまんまソロモン王なんだもん!!!!声も同じだし!!!!」
??「あー……ごめん、私ソロモン王じゃなくてソロモン王の姿を写し身にした何か、ね」
シャムル「まぁたしかに君の容姿はソロモン王のパクリだから間違われても仕方ないね、うん☆」
??「いや否定しないけど!言い方!!」
サーシャ「え、じゃあ誰なん???」
??「あー、そっか……君とは会ったことなかったっけね……じゃあまぁ、この場全員のためにも自己紹介といこうか…私は『レーヴェン』……『レーヴェン・オムニスフィア』だ」
サーシャ「…………だ、誰……」
レーヴェン「誰、と言われてもねぇ……私の身の上を君達に語っていいのかどうか分からないしなぁ』
ガルム「だろうな、俺の知ってるソロモンの野郎とは性格がちげぇし、まず匂いも違う」
遥輝「えっ、ソロモン王と会ったことあるの?」
ガルム「あぁ、まだ俺が冥界で番犬やってた時にな」
レーヴェン「あぁ、ソロモン王ちゃんと冥界に行けたんだね、よかったよかった」
サーシャ「なんでそんな親しげな感じで物を言って…………待って、ちょっと待って、なんか思い出してきたかも」
ビビ「こんどはなんだよー」
サーシャ「…………あ、もしかして貴方ソロモン王に『レメゲトン』って呼ばれてたりしませんか?」
レーヴェン「あ、よく知ってるね~」
綺月「……?レメゲトンと言うと…ソロモン王の5つの魔術書の総称ですよね……?」
サーシャ「……………………待って私この人が誰か知ってるかもしれない……」
シャムル「そりゃそうだ~♪だって彼は『生み出されてからずっとソロモン王の傍に有った者』だもん♪」
レーヴェン「あんまり暴露しないで欲しいんだけどなぁ」
サーシャ「レメゲトンって言うのは、めっちゃ簡単に言うと……ソロモン王が編み出した魔術式の総称した呼び名…………つまり『ソロモン王の叡智』を一纏めにしたものが『レメゲトン』って呼ばれてるの」
ビビ「なるほどなー……じゃあなんでこいつがそれでよばれてんだー?」
シャムル「それはね~____」
レーヴェン「あー、もう、そこまで言われたら私が話すよもう……まぁ、私は『ソロモン王の叡智と魔術の集合体』さ」
綺月「………………………へ??」
晃「そんな規格外の存在、聞いた事ねぇって…でも、あんたが味方になってくれんなら心強い限りだ」
花火「(晃におんぶされているが、晃の声で目を覚ます)…ん…あれ…?ここは…?」
サーシャ「!あ、花火ちゃん…!目が覚めた…!大丈夫…!?」
レーヴェン「味方……………え、なになに、ひょっとしてこの世界もやばい感じなの?」
シャムル「うん、ほっといたら滅亡☆」
レーヴェン「あ~~~……なるほどね、だから私こっちの方に弾かれちゃったんだ……マイロードの気配しないからおかしいなぁとは思ってたんだよね……『天理』も雑な仕事してくれるよねぇ、調停する側だって情報ないと動けないのにさぁ」
シャムル「『調停者』も大変そうだね☆」
レーヴェン「思ってないでしょ!!……まぁいいさ、これも何かの縁だろうし、世界を補正するのが私の仕事だ、手を貸そう」
アイラ「私達も、力になる。人類を守るのが私の使命だから」
晃「あぁ、ありがとうなお前ら」
花火「えっと…何の話…?というか、この人達だ……(ヴェリスを見て一瞬固まる)…え、えぇぇぇぇぇぇ!!!??な、なななな…!?なんで、『vivi』がここに!?」
ヴェリス「げっ…フォロワーかよ…」
椿「びび…?ビビなら最初から居るで」
花火「違う違う!ビビなんかよりも余っ程凄い人だよ!!100万人もフォロワーが居る大人気インスタグラマー『vivi』!知らないの!?テレビにも出てるし雑誌の表紙に乗る程のモデルさんだよ!?なんならパリコレにも出てるし!」
ビビ「さらっとぼくにしつれーなこというなー!!」
綺月「はわ……そんなにすごい人だったなんて……」
シャムル「さっすがヴェリスだねー♪」
梨ナ「えっ、まじのモデルなの!?」
露乃「通りでスタイルが整ってるわけね…」
ヴェリス「はぁ…あのさぁ、あんま大声でそういう事言わないでくんない?そもそも、私はシャム様を見つける為にモデルやってただけであって、シャム様を見つけた以上続ける意味もないし近いうちに引退するつもりだから」
花火「えっ!?引退しちゃうんですか!?そんなぁ…」
花火「私、viviの大ファンなんです!インスタの投稿も毎回見てます!ドラマ出演の話も出てるって聞いてますし、すっごく楽しみにしてるんです!」
ヴェリス「あっそ、私にはそんなの全く関係ないから。私のファンになったのが運の尽きね」
花火「どうしてもダメなんですか!?」
ヴェリス「ダメって言ってんでしょ、しつこい」
花火「うぅ…」
シャムル「やったぁ♪ヴェリスの活躍がいーーーっぱい見れるぅ♪」
レーヴェン「わァ~……」
サーシャ「それにしてもレメゲトンさん……じゃなくてレーヴェンさん何で木なんかにぶら下がってたの?」
レーヴェン「あぁ……落っこちちゃったの、楽園-エデン-から出たら上空に出ちゃってさぁ…………ん…?(彩達をふっと見る)」
彩「よくわかんないけど…とりあえず、良かったのかな?」
晃「そういえば、お前らは学校大丈夫なのか?」
梨ナ「大丈夫、うちんとこに人を洗脳できるステッキ持った奴いるから」
サーシャ「なんかあれだけどすごい便利だね!?」
シャムル「もうこのまま遊びに行きたーい♪」
レーヴェン「…………(彩達をしばらく見てから当たりをキョロキョロとして宙に何か書いているような素振りでブツブツ呟きながら何かを演算しだす)」
サーシャ「……え、あの、何してるの……??」
花火「そういえば、この人達誰?」
晃「こっちの黒髪ツインテが前に話してたSchwarzBreaker、んでこっちのブツブツ言ってるのが叡智の天災だ」
花火「えっ…えぇ!?SchwarzBreaker!?この人が、しかも天災!?」
アイラ「?この人なんでこんなに驚いてるの…?」
カイ「あー…その様子だと、僕らが逃亡したって話はwatchにも流れてたみたいだね」
サーシャ「まぁ薄らぼんやりーって感じなんだけどね…一応…」
レーヴェン「むっ…(手を止める)……私は天災って呼ばれるのは好きじゃないなぁ!!それじゃあなんか頭のおかしいヤバい魔術師みたいな感じじゃあないか!!!(むんっと拗ねる)
ビビ「なんかいきなりすねだした……」
レーヴェン「心外だ心外だ!」
サーシャ「…………なんか、めちゃくちゃ子供っぽい…???」
シャムル「あの身体自体は900年ちょっとずっと眠ってたから頭の方がおかしくなったんじゃないかな♪」
サーシャ「900年!?」
レーヴェン「あぁ、みんなの詳細情報と記憶からちょいちょい情報をかいつまんで世界の仕組みと照らし合わせながら何をどうするかって言うのと足りない物、最低でも必要な力量とか諸々のことを演算で算出してたのさ」
ビビ「なにいってんのかなんもわかんねー…」
未夢「つまり、異変を解決する方法を導き出してるって事だよ」
遥輝「え、今のわかったの!?」
未夢「あはは…なんとなくだけどね」
未夢「責任重大だなー…でも、任命されたからには頑張るよ」
晃「ったく…またお前は勝手な事を…」
未夢「いいんですよ、アイラとは違って私は戦う術がない一般人ですから。少しでも役に立てるなら何よりです」
ビビ「けなげだねー、おまえはみどころのあるにんげんだ!ししし!」
レーヴェン「…うん、やっぱりどう計算しても足りないな」
サーシャ「え……?」
三人「!」
花火「えっ…寿命…?」
アイラ「…私も、ずっと気になってた。なんであの3人の魔力が普通の人よりも色が薄いのか…この子達は、寿命が短いんだね」
遥輝「は!?まだ中学生だよ!?しかも、三人共って…!」
晃「…なぁ、椿、サーシャ、花火。清春がステッキを使う時、頭から血を流してたのを覚えてるか?」
椿「あぁ、そういや頭から血流れてたな。最初はてっきり、アタシが洗脳解いた時に手元狂って頭をぶん殴っじまったかと思ったんやけど」
晃「ステッキの代償は恐らく寿命、ステッキを使い続けると寿命が削られていくんだろう」
花火「えっ…じゃあ、まさかみかりん達も…!」
晃「魔法少女は全員寿命が短いってことなんだろうな。アイラだったか、お前から見てこのペースだとあと何日だ」
アイラ「ペースがどれぐらいか分からないけど…この調子だと、そこのピンク髪の子、金髪の子、黒髪の子の順番で死んでいくかも」
梨ナ「私が最初かよ…まぁ、私が1番ステッキ乱用してるししゃーないか。で?タイムリミットは何時までなんだ?レーヴェンさんよ」
レーヴェン「普通に生きればあと一週間だね。でもステッキを一切使うことも無くという意味だから現実の状況を考えると実際のところはもっと早い、敵方の出方にもよるけど出方次第では君はきっと2日後の午後6時40分52秒に死ぬ」
サーシャ「っ…………(具体的な数字に血の気が引く)」
レーヴェン「……金髪の君は同じく2日後の少し時間がズレて午後7時30分22秒、黒髪の子は3日後の午後4時ジャストの30秒だね」
彩「3日後…もう、そんなに…」
椿「おいちょっと待て…そんなら、清春の奴はどないなんねん。あいつ、ほとんどぶっ通しでステッキ使ってるぽかったで!?最短で2日後って言うんなら、ステッキを魔法少女同士のコミュニティとして使ってるあいつはどうなるんや!!」
レーヴェン「使ったら使った分だけその分寿命の消費は早い、だから……まぁ、時間の問題といった所かな」
シャムル「…シビアだなぁ……」
サーシャ「そん、な……!!」
梨ナ「まぁ、それが魔法少女の運命だしなぁ…ただ、大事な情報源を1番に先に失うっつーのは結構な痛手だな」
花火「な、何か方法はないの!?寿命を先延ばしにする方法とか!」
露乃「雨谷さんのステッキの力なら倒れても回復することが出来る。それで、潮井が寿命で死にかけてたのを助けていたし。けれど…それを繰り返した所で、死ぬ順番が変わるだけ。ステッキを酷使した雨谷さんが一番最初に死に、回復手段を失った私達も次々と死んでいく。どの道、逃れられない運命なのよ」
綺月「そんな…………っ」
サーシャ「なんとも、ならないなんて……」
シャムル「……(レーヴェンをチラリと見てバシバシ叩く)」
レーヴェン「痛い痛い~!え、何~!私に何とかしろってことなのー!?……いやまぁ、何とか出来なくもないんだけどさぁ!」
彩「えっ…方法があるんですか!?」
花火「うそ、本当に!?」
未夢「まぁそうですよね…あの口ぶりからして、何か策がありそうでしたもん(苦笑してる)」
晃「ったく…遠回しな言い方しやがって…」
レーヴェン「だってこれを言って敵方にバレた時に狙われまくるの私なんだからね!?もぉ……(シャムルの叩いてくる手をペシペシと跳ね返している)……確かに私は生きた魔道書、自我を持つ魔術式だ……けどそれとは別の固有魔法は持ってるんだ」
サーシャ「え!そうなんですか!?」
レーヴェン「うん……これさぁ、あんま暴露しちゃダメだよ?……私の固有魔法は『魔力操作』と『命天』っていうものなんだ」
レーヴェン「その名の通り『生命』に関する固有魔法さ……ほら、よく伝説とかで聞くだろう?不治の病や致命傷を綺麗さっぱり治す魔法が。それがこれさ……それで、私が使える幅っていうのが____」
シャムル「レーヴェンくんはなんと死者蘇生もやっちゃうのデース☆」
レーヴェン「あんまりやらないんだけどね!!2、3日寝こけちゃうもん!!!」
晃「はぁ!?死者蘇生できる固有魔法だと!?んなこと普通出来るかよ!!死霊術者でさえ、出来たとしてもゾンビとして生き返らせれる程度だぞ!!蘇生術式を研究してる術者も多いけどよ、そもそもたどり着けたとしても蘇生術式は本来天界でも禁忌として扱われてるから、例え魔導書であったとしても処分を余儀なくされるんだぞ!!そんなのが固有魔法って…天界の奴らにバレでもしたら、消されるぞ!?」
レーヴェン「まぁ、支配派にバレれば消されるだろうね~……けど、中立と穏健派については心配がいらないんだよ」
サーシャ「その自信どこにあるの!?!?」
レーヴェン「君達は【契約の箱-アーク-】って知ってるかな」
綺月「確か、十戒が記された石版が保管されている箱で、それを開ければ厄災が降りかかるっていう」
レーヴェン「そっ、言ってしまえば神と人間の間に交わされた約束事の象徴だ。何人たりともこの箱を開けることは許されない、それが神であったとしても…………そしてその【契約の箱】は(自分の体を軽く叩く)私のこの中に縮小してソロモン王が隠したんだ…………支配派がこれを奪って悪用しないようにね」
サーシャ「…………つまり、レーヴェンさんを殺したら…」
レーヴェン「うん、契約の箱が壊れるからとんでもないことになるだろうね」
ガルム「下手すりゃあ、『大聖戦』がまた起こる可能性があるって訳か。ちっ…もうあん時みたいな面倒はごめんだぜ」
晃「英王と邪王の全世界を賭けた歴史に名を残すほどの戦争…だったな。その結果、特異点という異常現象が次元を越えて起こるようになった。神々の王もとんでもねぇ事してくれたもんだぜ…まぁ、ほったらかしにしてたら俺らの世界もこの世界も滅んでたかもしれねぇって考えれば、まだマシなんだろうけどよ」
レーヴェン「それに、私のが生まれた時代は死者蘇生は禁忌じゃなかったんだよ。オルフェウスっていう冥界から奥さんを条件守ったら連れて帰っていいよーっていう神話があるだろう?あの辺の時代だからまだ合法だったんだよね」
サーシャ「な、なるほど……でも、死者蘇生じゃ寿命を何とかなんてできるの……?」
レーヴェン「まぁ、そこはあれこれやってかくかくしかじかで間に合わせで補うことができる寿命をどうにかこうにかこね合わせて作って、魔法少女たちに補完して、足りなくなったらまた補完して……ってやる」
サーシャ「え、説明雑過ぎない?」
彩「けど…貴方が倒されたら終わりじゃ…」
カイ「…あぁ、なるほど。大体話しが読めたよ。つまり、僕達がそれの護衛役って訳だ。逃亡したリーサルソリッドとサブソリッドがここ2人。それだけで、護衛につかせる理由には十分なんじゃない?真祖さん」
シャムル「勘がいいねカイくん☆そういうことだよ☆」
レーヴェン「まぁ、そういうことで寿命についての対策は練れるよーってこと」
サーシャ「次元がぶっとんでるよぅ」
梨ナ「まじかよ…心強いどころか、魔法少女の定義が根こそぎ変わっちまうじゃねぇかよ…」
晃「禁忌の固有魔法を持ったソロモン王の生きる魔導書に、神格すらも殺せる力を兼ね備えた黒き破壊者。こいつらが組んだとなりゃあ、魔術の概念そのものが揺らぐことになるぞ、こいつは」
レーヴェン「けど、正直ここくらいまでしなきゃ私達に勝ち目は無いからね、多少禁じ手でも致し方ない……なんせ、禁じ手を躊躇してたら世界纏めて一切鏖殺される、元より根底から覆さないと勝利が無いゲームなんだよこれは……つまりクソゲー!!!」
シャムル「勝ちのないゲームにはズルをするしかないもんね☆」
晃「確かに言われてみりゃあな…相手側にも呪いの王やらクトゥルフの瞳を食った神話生物人間も居るぐらいだしな。その上、あっちにはアイラと同レベルのバケモンが後4人居る。チートにはチートで返さねぇと、やってらんねぇわな」
花火「す、スケールでかすぎて頭痛くなってきた…」
遥輝「私も…何がなんだが…」
ビビ「(思考をやめて燃え尽きている、真っ白に)」
レーヴェン「まぁとりあえず、がんばろーー!…………と言いたいけど、お腹空いた…………(膝から崩れ落ちる)」
サーシャ「えぇ!?!?」
杏奈「一気にムードが壊れたね~」
梨ナ「とりあえず、まずは飯に食いに行くとするか」
晃「まずお前らは学校行けよ」
三人「あっ」
綺月「あっ」
シャムル「あっ☆」
サーシャ「じゃあ私らでご飯食べに連れていくしかないねー、何食べたーい?」
レーヴェン「きなこあげぱん」
サーシャ「素朴だ」
晃「それはデザートだろ。甘いもん食ってどうすんだよ」
花火「えー、別にいいじゃーん」
アイラ「…オムライス、食べたい」
未夢「え?オムライス?」
アイラ「うん、未夢が作ってくれたあの卵を乗せるご飯、美味しかったから」
花火「じゃあ決まりだね、みんなでオムライス食べに行こー!」
梨ナ「いいなぁ…私も行きたかったぜ」
彩「仕方ないよ、今日は学校あるんだし」
かなめ「(欠伸をしながら授業を受けている)ふぁ…眠…(潜入したはいいものの、シャムル・アヴニールの魔力は未だ感知出来ぬままか…というか、あの暴食娘どこに行ったのだ。余に入学しろっつったのは彼奴ではないか!!自分はサボりですか、えぇそうですかぁ!?くそっ、やはり協力などするんじゃなかっ───)…ん?(遠くから知ってる魔力を感じ取り、窓の外を見る)…これは…はぁ、これも占いの結果という奴か?それなら、最初から来て欲しいものだな」
?「(黒と白のプルオーバーパーカーを着た眼鏡の黒髪ポニーテールの女性が辺りをキョロキョロしながら歩き回ってる)うーん…中々見つかんないなぁ…この辺に、魔術高専の生徒が居るはずなんだけど…」
瑛斗「はぁ……にしても、やっぱとんでもねぇな敵側は……(菊理を頭の上に乗せ歩いている)」
菊理『ぐーたら言ってる場合じゃないでちゅよ』
瑛斗「お前ぐーたらの意味知らねぇな、さては……ん?(?を見つける)……なんだ、あの人」
?「(瑛斗を見つける)あっ、居た!(瑛斗に駆け寄ってくる)ねぇ君、魔術高専の生徒さんだよね?神志名学長に会いたいんだけど、何処にいるか知らないかな?あっ、もし学長が居ないなら、御縁先生でも良いんだけどさ」
瑛斗「え、学長?学長なら確か荒覇吐先生と一緒にどっかに行ったってのは覚えてるけど……行先は分からなくて。それに御縁先生もちょっと所在が……用があるなら探すの手伝いますけど」
菊理『謝礼でチモシーをくれでちゅ』
瑛斗「菊理、黙れ。…とりあえず一回連絡取ってみますね(曷に電話をかける)…あ、もしもし先生?学長って今一緒にいますよね?……あ、はーい」
菊理『なんて言ってたでちゅ?』
瑛斗「今ちょっと学長は廃工場にいるらしい」
?「何か困ったことがあったりしたらその御守りに魔力を注ぎ込んで。きっと、君の助けになるから。ただ、注意して欲しいのがそのお守りは1度使っちゃうと消滅して二度と使えなくなっちゃうから、使い所を間違えないようにね」
瑛斗「お気を付けてー(手を振り返す)」
菊理『…あいつ、只者じゃないでちゅ』
曷「どうやら、学長を探してる人がいるみたいですよ」
赫「小生を?」
MOTHER「(膝を抱えて虚空を見上げている)」
曷「それにしても、お前はどうしたもんかね…」
樺月「はい、と言ってもそれは確定された未来ではありません。何か行動を起こさなければ、今言ったことが現実に起こるということです」
曷「なるほど……どうにかして天獄の野郎に接触してアクションしねぇと数万人が死ぬって訳か……厄介な…………」
赫「これは困ったねぇ~…なにか手立ては無いものか」
樺月「すいません、初対面なのにこんな無茶なこと頼んじゃって…ウチもおかしなこと言ってるとは思ってるんですけど、これしか方法がないので」
赫「あとは他に話しておくことはあるかな?」
曷「こら、あんま動き回るなって、なんもねーぞ(動き回るMOTHERの後に着いている)」
MOTHER「…………(とにかく動き回っている)」
樺月「開け、幽世の門よ(ドーマンを札に刻み込み札を宙に放つと、刻み込んだドーマンが札を飲み込んで肥大化する)サトリ、のんびりしてる所悪いんだけど、今いいかな?」
サトリ「(門から猿が現れる)お呼びでしょうか、真神様!!!」
サトリ「お~?その蛇の娘は新顔ですかい?」
ろくろ首「何!?新顔だって!?(サトリの横から首の長い女が現れる)」
河童「おいお前らぁ!真神様が新しい妖怪連れてきたらしいぞ!!(河童がそう言うと門からわらわらと妖怪達が覗き込んでくる)」
サトリ「あっ、お前ら!真神様はオイラをご所望なんだぞ!!関係ねぇ奴らは引っ込んでろ!!」
樺月「こーら、ウチの許可が無い限り勝手に出てこない約束でしょ!サトリ以外は大人しく山に居ること!言う事聞かない子は、ご飯抜きにするよ!」
河童「んだよ、新入りが来ると思ったんだけどなぁ…まぁいいや、お前ら引き続き社の護衛すんぞー。ほら散った散った」
火車「なんで1番の新入りのお前が仕切ってんだよ!」
河童「うっせぇ!別にいいだろうが!」
樺月「全くこの子達は…けど、神社を護ってくれてありがとね」
ろくろ首「いいってことよ、あたしらは真神様に命を救われてんだ。恩返しぐらいさせておくれよ」
樺月「ありがとねみんな、今はサトリだけだけどまた何かあったら呼ぶよ」
河童「おう!何時でも力になんぜ!そんじゃな!(門が閉じる)」
サトリ「(樺月の足元に降り立つ)それで?オイラは何をすればいいんで?」
樺月「サトリの力でこの子の心を読んで欲しいの。お願い出来る?」
サトリ「任せてください!真神様のお願いとあらばなんなりと!(MOTHERの肩に乗る)」
サトリ「ふむ、こいつぁ…なぁあんた、オイラの言葉がわかるかい?オイラはサトリっつー心を読む妖怪さ。オイラはあんたに危害を加える気はてんでねぇから安心してくれや。寧ろ、あんたの伝えたいことをオイラが代わりに伝える翻訳係だと思ってくれていいぜい」
サトリ「おうよ。ちょいとだけあんたの記憶を覗かせてもらったが…どうやら、意思疎通ができないせいで敵意がないのに攻撃されることがあるらしいな。けど、オイラが居れば誤解を産むことも諍いを起こすこともねぇ!アンタが喋れるようになるまでは、オイラがあんたの心を代弁してやんよ。それでいいんですよね、真神様!」
樺月「話が早くて助かるよ、サトリ。みんなの中でも長い付き合いなだけあるよ」
サトリ「へへっ、真神様の考えてる事は触れずともわかりますぜ。何せ、真神様は生粋のお人好しですからね」
樺月「それじゃあサトリ、後は任せるね」
サトリ「真神様、何処か行かれるんで?」
樺月「うん…ちょっと、謝りに行かないと行けない子が居てね」
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