Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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そんな、僕はあなたと親しくなりたいんです。レイさんのような魅力的な方に出会えて幸運です。
…注目されているのはレイさんですよ。
(ありがとう、と微笑むと相手の皿に美味しそうなものを見つくろって取り分け始める。
しかし悪い気がすると聞けば相手に目を向けて、そんなことはないと首を振った。相手のように魅力的な人に出会えたのだから、他の参加者よりも目の前の相手と今夜は時間を過ごしたい。
こんな気持ちになるのは初めてのことだったが、キザな言葉を恥ずかしがる素振りもなくサラリと口にした。
それに注目されているのが自分とは限らない。相手は一切気づいていないようだが、着飾った女性もシャレ込んだ男性も、相手に情熱的な視線を向けている者が大勢いるのだ。
相手を狙う参加者から相手を守り、自分がパートナーなのだと示すように相手の背に手を添えて皿を手渡す。
今夜はやけに出会いに積極的な、情熱的な男女が多いように思える。例に漏れず、自分自身も今日はなぜか同じように、相手と親密な関係になりたい、という欲求に忠実に、積極的になっている気がする。
テラスの方を気にしている相手に向こうがテラスになっていることを伝えると「後で行ってみましょう」と微笑んだ。)
向こうはテラスになっているんです。裏庭も見えるんですよ。
ハハッ、なんだか照れちゃうな。
( 自分と出会えて幸運だ、なんて言われれば、そう言って笑いかける。自分が注目されているのだと訂正されるものの、其れに関してはイマイチぴんと来ず、ただ、到着時よりも人間の欲の色が強くなっているのを感じ少々背筋が伸びる。ここまで色濃くなる場だとは思わなかったなぁ、なんて考えるが、この時点ではまだ相棒である悪魔の仕業だと気づいてはないらしい。
背に手を添えられながら皿を受け取れば、テラスの話を聞いて、へぇ、と関心良く合図を打ち、誘いにも快く頷くのであった。
_それから暫く、立食の場を転々とし様々な人と簡単に交流も行うが、相手は律儀にも毎度連れ添ってエスコートしてくれる。また、新たに出会う人々の熱を帯びた視線や、声音、中には静かに互いを蹴落とさんとする女性同士の視線までも、どれもが身に覚えのあるものだった。それはきっと、普段、彼が近くに居たからだ。
…さて、どうしたものか、と脳裏で考えていると、いよいよテラスに近い奥の席までやってきた。テラスにはどうやら先客が居るようで
「 …もう、他の子に見られたら嫉妬されちゃうわ」なんて、浮かれているカップルのような会話が聞こえてくる。)
(/ 嫉妬パートでは、レイチェルやアルフレッド、他含め、動かしやすい人を好きに動かしちゃって下さいっ*)
…良いだろ、別に。見せつけてやれば良い。
(庭の見えるテラスが、このパーティーに生まれた少々歪な欲望の中心となっていた。
ワインを何杯か飲みほろ酔いの悪魔は機嫌よさそうにレイチェルの腰に腕を回し、誘惑されきった彼女は熱のこもった視線を相手に向ける。傍から見れば完全にいちゃついているカップルだ。
その片手間、近くにいる別の女性に視線を向けて力を使うものだから、誘惑を受けた女性たちは突如として悪魔に気持ちを奪われ、そのせいで急に自分の相手が色あせて見えるようになるのだ。
テラスにいたカップルたちはことごとく険悪になり始め、人々の心に嫉妬が芽を出す。
___すぐ近くに天使がいるとも知らず、そして自分がしかけた誘惑が天使の隣にいる身綺麗な紳士にも作用しているとも当然知らず、すべて自分の思惑通りにことが進み悪魔は楽しくて仕方がないようだった。)
(了解しましたっ!一旦調子にのってる悪魔(←)を動かしましたが、時々に合わせて色々動かしていきますね*)
( 向こうが気になりつつも、同じテーブルを囲う者達と当たり障りのない話をしながら酒を飲み、それなりに楽しんでいた。
しかし、更に暫くして、テラスから男性1人、大広間へと戻ってくるのを目にする。何やら不服そうに口を曲げていると思えば、目先の女性へと洒落こんで声を掛ける。その様子に堪らず
「…ちょっと、失礼しますね。」と周囲へ柔らかく会釈をすれば、手にしていた酒をテーブルへと残し、意を決してテラスの方へと歩み寄る。
欲の渦が濃く、飲み込まれている人間がすでに数人いる。欲の渦から強引に引き剥がす訳にも行かず、兎にも角にも、1番濃厚な匂いのする方へと出向き、様子を伺いたいらしい。)
……あ ッ!
…と、すみません。支えてもらっちゃっ…て。
( 此方がテラスへと一歩踏み入れた瞬間、先程の男性のように機嫌を損ねたらしい別の男性がやって来ては、肩がぶつかりよろけてしまう。幸いにも、後でテラスへ行こう と声を掛けていた相手が肩に手を添え支えてくれたので、大事ではなかった。
相手へと礼を言いながら顔をあげれば、そこには連れの男性を失ったのであろう女性が2人、そしてまさに険悪ムードなカップルと…、お互い腰に手を回し仲睦まじく身を寄せ合う男女。
その時、それはそれは綺麗なパートナーを持った赤い瞳と目が合い、渦巻く欲の原因が分かったのだった。)
( / 女性を魅力するベリアルもかっこよすぎます……←
承知致しました!
ありがとうございます! )
(この状況では女性は女性に、男性は男性に嫉妬するため、2人でいれば周囲に歪んだ感情を芽生えさせるのは容易いことだった。
彼女の長い髪を撫でてから一房手に取り軽く口づける。この欲の渦が会場全体に広がれば良いとほくそ笑みながら、周囲の人間の反応をうかがうため顔を上げるとよく知った深いブルーの瞳と目が合った。
なぜ天使がここにいるのかという驚きに目を丸くしピタリと動きを止めたものの、すぐに隣で親しげに相手の肩に手を置く男に気づき 誰だそいつは、とでも言いたげに眉をひそめる。その間も隣の彼女の腰を抱いたままだ。
同時に、相手の隣に立つ男にもかなり誘惑の影響が出ていることに気づき頭を抱えたくなった。天使にかなり好意を寄せているようだ。)
「 …アル、どうかしたの? 」
「 どうかしましたか、レイさん。 」
(その2人がそれぞれの相手に声をかけたのはほぼ同時だった。
レイさんなんて親しげに呼ばせているのかとあからさまに嫌な顔をして、男の誘惑を解くため指を鳴らそうとした。
男が天使に好意を寄せたのはそもそも誘惑のせいではなさそうだが、この感情の昂りはどうにかしたほうがいい。テラスが少し肌寒いことを理由に、今にも天使の肩を抱き寄せそうだ。
…が、ここで指を鳴らせば他の人間たちの誘惑も解けてこれまでの苦労が水の泡になる。
「いや、なんでもない。」とレイチェルに視線を戻して微笑むと、男が持っていたワイングラスに密かに指先を向けてヒョイと動かした。
ワイングラスが傾いて、驚いた男がそれを持ち直そうとするが中身の赤ワインは男のジャケットにこぼれシミを作った後だった。)
(そういっていただけて嬉しいです!自分はやりたい放題で楽しんでるくせに天使にはバッチリ嫉妬する理不尽さですが……←)
( 相棒が満足気に身を寄せる女性に加え、周囲の女性達の視線を見れば、あぁ、と事の状態が腑に落ちたような気持ちになる。ゆっくりと相棒の姿を眺めれば、此方は、案外冷静にも同時に問いかける男女の言葉を聞いていた。
「 いえ、なんでも。」と心配そうに此方を見つめるアルフレッドへ微笑めば、同じように相手へ誤魔化しの言葉と微笑みを向ける悪魔の顔をチラリと見やった。どうやら、お互いがお互い、名も同じ相手にあてがわれているようだ。といっても、大方、仕事か何かで誘惑をしかけたのは彼だろう。上手く自らにも夢中にさせて、随分と楽しそうである。)
…だ、大丈夫ですかっ?
すぐに洗わなくてはっ
( ふと、相手の持っていたワイングラスが傾けば、ジャケットへと溢れてしまい、慌てて自らの赤いスカーフを取り出して拭き取ろうとする。
原因は勿論分かっていて、もう一度彼へ視線をやれば、ムッと眉をひそめた。自分は案外冷静だと、そう思っていたが、どうやら驚きと嫉妬心が混ざり合い、ムキになりつつあるようだった。
そのまま、アルフレッドの腕を引けば「 アル、やっぱり向こうへ行きましょう 」なんていってその場から離れようとする。)
すみません、僕の不注意で。
あなたの白いスーツにかからなくてよかった……。
(相手が男をアルと呼んだことに腹をたて、それは俺の名前だろうと言いたげに悪魔は相手を睨みつけた。
一方でワインをこぼした張本人はもちろん不思議な力が働いて起こったことなどとは思いもせず、思った以上に酔っているのだろうかと首を捻って不注意でこんなことになってしまい申し訳ないと謝った。
せっかくスマートに相手をエスコートしようとしていたのに、ジャケットにワインのシミがあっては魅力も半減してしまう。いい雰囲気で相手とテラスを堪能しようと思っていたのにと肩を落としながらスカーフで拭いてくれる相手に申し訳なさそうに目尻を下げる。
よく似合っている真っ白な相手のスーツに跳ねてしまわなくてよかったと心底安堵しながらも、シミを落とすため向かい合っている自分より少し背の低い相手を見ていると、抱きしめたい衝動に駆られてしまう。
それはすぐ近くに欲の中心である悪魔がいるからなのだが、そんなことはもちろん知りえない。
この身綺麗な紳士は人がよく、良くも悪くもこうした力の影響を受けやすいタイプの人間のようだ。
スカーフを手にした相手の腕を引き寄せて優しく抱き寄せると、自分の情熱的な心の内を相手に伝えるのだった。
そしてその状況を目の当たりにした悪魔は、気を紛らわせるために飲んでいたワインに思わずむせてレイチェルが慌てたように背中をさすった。)
___ああ、レイさん。こんな気持ちははじめてなんです。
あなたはとても魅力的な人だ…この夜が終わらなければいいと思ってしまいます。
そんな、魅力的だなんて…。
お気持ちは嬉しいですが、他にも素敵な人はたくさんいますよ。
( 此方を睨みつける視線に気づかない振りをしつつ、不注意だと謝るアルフレッドには気にしないで、と言いたげに首を横に振る。
さて、この混沌としている状況をどうするべきか。主に、相手に身を寄せ離れようとしない女性をどうにかしたいのだが…彼女も全て悪魔の力でほだされている訳でもなさそうだし、何より、自分の嫉妬心が相手に伝わってしまう気がしてなんだか悔しい。
なんて思っていれば、不意に腕を引き、抱き寄せられる。一瞬情けない声を上げ、突然のことに思わず頬を赤らめながら、アルフレッドの熱烈な言葉に眉尻を下げた微笑みを浮かべて返答する。
…何が1番やっかいか、それは、今自分を抱き寄せている男がどうやら欲の熱に浮かされているらしいことだ。)
「 やだ、あの方もレイって言うのね。顔を赤くしちゃって可愛いわ。今日は熱烈な人が多くてロマンチックなこと…。
私だって、貴方と今夜逢えて嬉しいのよ。アル。」
( 心配そうにむせていた相手の背をさすれば、目の前で繰り広げられる熱いアタックにフフッと目を細めて微笑んだ。横にいる悪魔と言い寄られている天使の関係を知る由もなく、また凭れるようにして、自分の身を相手の身へ預けながら上記を述べる。
未だ相手を狙っている様子の周囲の女性達へ見せつけるように、積極的に腕を組んでは艶っぽい視線を彼へ向けた。)
(謙遜するような相手の言葉に、アルフレッドはそんなことない、と尚も首を振り熱のこもった視線を相手に向ける。
こんなにも心惹かれる人に出会ったのははじめてだ、私にはあなたが必要だと、相手の肩を掴んでまっすぐに思いを伝えていた。
___少し前まではすべてがうまく行っていたはずだと、その光景を見ながら不機嫌そうに眉をひそめていた悪魔は頭をかかえる。
どこからこうなってしまったと考えれば、紛れもなくこの場所に天使が現れてからだ。こんなパーティーにまさか相棒がいるなどと思うはずもないじゃないか。
相手がいるとレイチェルを誘惑するのも少しはばかられるし、何より自分の誘惑がどういうわけか相手にも向いてしまっている。それが問題だった。)
___ああ、分かってる。…俺もだよ、レイ。
(そんなことを考えているとレイチェルもまた艶っぽい視線を向けてきて、自分が誘惑したのだから当然だと上の空で頷いたものの、すぐに気を取り直して彼女に視線を向けて優しく微笑み、手の甲にキスをした。)
…申し訳ありません、レディ。
ちょっと、この方をお借りしますね。
( 真っ直ぐに想いを伝えてくるアルフレッドに、しどろもどろになりながら笑いかけていると、彼女に微笑み、その手へとキスを落とす悪魔を見た。
その直後、肩を掴むアルファベットの手を優しく退け、無言のまま仲睦まじい2人へ近づけば、キスをされ舞い上がっているレイチェルの肩に手を触れて、にっこりと微笑みながら上記を述べた。その表情はいつものように柔らかく優しいものだったが、相手の有無も言わさず力強い手つきで、悪魔をその場から攫っていった。
テラスから離れていく2人を、アルフレッドもレイチェルも呆気にとられたように見つめるが、そんな事はお構い無しに会場の隅へと移動する。)
キミの言っていた仕事日和ってのは、この事だったんだね。
随分と、素敵な雰囲気の会場になっているようだけど。
( 移動している最中も、周囲の男女からなる視線を感じたが、にこやかにそれらもあしらいながら、なんとか静かな所へ漕ぎ着け相手へと向き合った。
ため息混じりに言うその姿には、珍しく苛立ちが混じっているようだ。)
…っおい、!
(気づけば目の届く場所で男から熱烈な口説き文句を受けていたはずの天使が目の前にいて、さらにレイチェルに話しかけてこちらの手を引っ張るものだから驚いて声をあげる。
ここでは他人を貫き通すんじゃなかったのかと思いながら、思いのほか力強い相手に着いていくよりほかない。
大勢の人で賑わっているパーティー会場のはずなのに、道を譲らざるをえない気迫があるのか、はたまた天使の力か、相手の進む先は人が開けていき注目を浴びながらもあっという間に大広間を抜けていく。
静かな場所にたどり着いてようやく相手と向き合うが、怒られるようなことはしていないと仏頂面のまま。対する天使も、口調は普段通りであるもののかなり機嫌が悪そうだ。)
___何のつもりだ、こんな所まで連れてきて。
見ての通り、俺がマジメに働いた成果だ。素敵な会場を楽しんでもらえて何よりだよ。
シミのついたジャケットの男から随分熱烈なラブコールを受けてたな、今日は恋人探しか?
(不機嫌そうな顔のまま、自分が作り上げた雰囲気を褒めてもらえて光栄だとばかりに得意げに会場に目をやる。欲や嫉妬が人から人に伝染して、地獄からも褒められる働きぶりといえるはずだ。
そもそも相手が自分に隠れてこんな場所に1人で来るなんて。その事実にかなり嫉妬したようだ。恋人探しかと棘々しく揶揄して、フンと顔を背けた。)
な、何のつもりって…
悪魔様の悪行を止めるために決まっているだろう。
( 仏頂面の相手の言葉に、一瞬面食らったように一歩引き下がる。良く考えれば、あのまま他人の振りをして気にしなければ良いものの、どうして自分は相手の手を引いてここまで来てしまったのだろう、と考えてしまう。
それは、明らかに女性と仲良くしているのが面白くなかったからだが、それを認めたくないのか、天使としての当然の行いだ、と言わんばかりに開き直り腕を組む。)
僕は、視察に来ただけだよ。
それに彼のことに関しては、少なからずキミの所為でもあるだろう。
( 自らラブコールをしているキミに言われたくはない なんて、態度で示せば、そうしている間にも、彼女の香水の香りが相手から香り、目を逸らす。
しかし、仮にも付き合っている訳でもなければ、自分が相手の素行をとやかく言う権利は無いはずだ、とどこか冷静な自分がいる。相手が仕事をしているのなら、此方もそれに便乗して仕事をすればいいだけだ。
そもそも、相手に恋人ができるのは友人として喜ぶべきこと、、のはずなのに、どうも周囲の人間に力を使うだけではなく、自らも色目を使っている様子がひっかかる。
自分は、こんなにも傲慢だったのかと、少し胸が傷んだ。)
俺は悪魔で、これがれっきとした仕事だ。
そんなの今さら言わなくたって分かりきってることだろ?
視察だなんて言ってなかった、やましいことがあるから俺に黙って来たんだろ!
(相手と面と向かって話したことで感情を抑えきれなくなったらしい。こちらにも非があるのは間違いないのだが、相手が自分に何も言わずにパーティーに参加していたことや、男に本気のアプローチを受けていたことに対する嫉妬心から語気を強める。
自分のやることを全て天使に正されてしまえばこちらは仕事の成果をあげられなくなる。そんなことは相手もとっくに分かっているはずだしこれまでもなんだかんだ折り合いをつけて、見て見ぬふりをしてもらうこともあったのだ。悪行を正すため、だなんて理由は腑に落ちない。
相手は視察だと言うが、この予定を相手はあえて自分に伝えなかった。付き合っているわけでもないのだからそれも別に相手の自由だし口出しする権利もないのだが、“自分というものがありながら”内緒でパーティーに参加してまで出会いを探しにきたのかと怒っているのだ。
「あいつが影響されやすいのが悪い」とアルフレッドのことも認めようとはしない。
嫉妬心に駆られ、相手の気持ちを考えることはできなくなっていた。相手のこととなると感情的になりやすいのがこの悪魔の悪い所だった。)
僕の用事だって、大方予想はつくだろう。
( 反論に反論を繰り返し、此方も随分と感情的になっているようだ。この時は、自分の行動が相手にどう思われるのか、いつものように冷静に考えることが出来ていなかった。
語気を強める相手に引き下がることもせずそう言えば、目線を落として 「あぁ、もう、分かったよ」とため息混じりに続けた。 )
…確かに、これは仕事で、キミがどこで誰と、何をしていようがキミの勝手さ。
僕は、恋人でもなんでもないんだ。咎めるのは、筋違いだったよ。
( 先程から心のどこかで分かっていた、この暗く厭らしい気持ちを抱くべきなのは、決して自分じゃないという事実。それを堪らず口にする事で、尚更、自分の行ったことが如何に幼稚で自分勝手だったのか身に染みる。
しかし、それも半場投げやりのような、小さく低い声で言うものだから潔いものでは無いだろう。
手元に握られたままの赤いスカーフを見詰めれば、ふと顔を上げて「 良いところを邪魔して悪かったね 」と無理やり微笑んだ。)
あの素敵なレディが、待っているだろうね。
( 彼女も、彼の言うように影響されやすい人だったのだろうか。そうであっても、仮にそうでなくても、相手は自分に魅了され誘惑される相手を好む。それがどの好意に当てはまるのかなんて、もはや今はどうでもよかった。
僕も人間で、いっその事、馬鹿みたいにキミに誘惑されたら良かったのに、なんて言えば、相手はどんなら顔をするだろうか。)
(相手の言葉に突き放されたような気がして眉間にシワを寄せたまま思わず押し黙る。恋人でもないのだから咎めるのは筋違い、だなんて言われたらこっちはどうなる。自分もまさに相手を咎めている真っ最中で、自分も同じように筋違いなことをしていると突きつけられた。
諦めたような、本心からではないことがありありと伝わる微笑みに胸がざわつくような気分だった。)
___あの男のところに戻るのか。
(相手が諦めたように自分を突き放すのはこちらが感情的に喚くせいなのだが、あの男に心惹かれているからではないかと邪推して低い声でそうひと言だけ尋ねた。
ここで険悪になったまま別れれば相手はあの男のもとに戻ってしまう。そう思うと今度はこちらが相手をここに繋ぎ止めておく必要があった。
踵を返そうとする相手の腕を掴み青い瞳を見つめる。赤い瞳に見つめられ相手は蛇に睨まれたように身体を動かすことができなくなっているはずだ。
天使を力ずくで従わせようとするのは初めてのこと。それほど感情的になっているようだった。
天使と悪魔の力は互いにとっては毒になる。長くそのままでいれば相手の身体に痛みを生じさせてしまうだろうが、ただ相手をあの男の元に返したくない一心だった。)
( 相手へ背を向けようとした時、腕を捕まれ、振り返りざまにその赤い瞳に捉えられた。ピリッと、一瞬電流が走ったような頭痛に顔をしかめれば、動かぬ身体に何が起こったのか察しがついた。
低い声で、一言、問いかけてくる相手の瞳に、僅かに期待を込めて、恐る恐る言葉を返した。)
……キミは、僕が彼と親しいのは、嫌かい?
( これまでも度々、相手は、自分が他者との距離が近いときに叱ってくることがあった。だが、それは大凡、自分の危機感の問題だとか、お人好し過ぎると言った具合で、今回も相手の仕事への理解不足というか…、とにかく、彼は自分と同じような要因で怒ることはあまりないと思っていた。正直、自分自身もこうやって感情的になるとは思っていなかった訳で。
だから、この腕を引き止めて赤い瞳で訴えかける彼に、こうなれば直接聞きたいと思ったのだ。
_天使だから故なのか、白を好み、黒や赤はあまり身につけていなかった。それでも、彼のその赤い瞳がいつも新鮮で、好きだった。だからこそ、赤く派手なドレスを身にまとい、妖艶で美しい彼女が相手に寄り添っているのを見て、お似合いだと感じ、何故だか無性に悔しかったのだ。
…再度、手にしていた赤いスカーフを握りしめて、静かに、返事を待った。 )
___嫌に決まってる。お前に色目を使う奴は好きじゃない。
(相手を捕らえて離さない赤い瞳に渦巻くのは紛れもなく、自分がこの会場で煽ったのと同じ嫉妬だ。別に自分の力に飲み込まれているわけでもなく、誘惑によって人間の欲を煽った結果として自分が嫉妬することになってしまっているだけのことだった。
不機嫌な声音はそのままに、嫌だと即答した。相手は魅力的で人当たりもよく、その優しい笑顔のもとに人が集まるのは当然だったが、中でも相手とより深い仲になることを望んでいる者特有の熱っぽいような、憧憬や恋慕の感じられる目は嫌いだった。
あの男は自分にないものを持っていて相手とお似合いだと感じたせいか、なおさら嫌悪感が募るのだ。
上品な雰囲気や物腰の柔らかい口調、上質な服を着て優しく相手をエスコートする。その上あの男は敬虔なクリスチャンだ、地上で天使の横に立つ者としては申し分ない。悪魔か紳士か、どう考えても軍配はむこうに上がる。そうなれば当然憎たらしくてしょうがない。
…自分はこれほど嫉妬しているというのに、天使が自分に嫉妬しているという考えには1ミリたりとも至らない。
悪魔は誘惑するのが仕事だと普段から豪語しているため、女性を誑かしたり自分に魅了させることを一切悪だと思っていない。
自分から甘やかな花の香りが漂っていることも何とも思っていなかった。)
……アル。
僕だって、キミに色目を使う人は、嫌だよ。
キミが、周りの欲をどう乱すか、どう利用するのかは自由だけど、でも、それが…キミに向けられるのは、嫌なんだ。
( 不機嫌なまま、即答する言葉を聞けば、グッと込み上げてくる何かを堪えた。青い瞳に熱を帯びながら、ゆっくりと、 此方を掴まえている手へ己の手を重ね、静かに言葉を募らせた。
悪魔の力に反発すると、またピリピリと痛みを伴うが、今はそれ所ではなかった。
勿論、立場上、相手の仕事ぶりは自分にとって不都合なのは確かだ。しかし、それはお互いに理解しているし、此方も、此方の仕事の仕方があるように、相手が人間にどう力を使おうが勝手だ。周囲の人間が熱に浮かされれば、そこから善の道を見つけ出し、導くだけなのだから。
だが、その欲望や熱が相手に向かれるのは、自分にとって嫌なものなのだと、この時初めてはっきりと言葉にした。
それと同時に、自分は、こんな感情をもっているのか、と改めてはっきり自覚することになった。)
僕は、天使のはずなのに…、こんなにも欲深かいんだ。
( こんなことを言って、相手にどう思われてしまうのか不安になり、合わせていた瞳を無理やり引き剥がす。
先程、こんなことを言う権利はないと思ったばかりなのに、我儘をいうなんて。様々な感情が入り交じり、瞳の熱はもっと熱くなる。 )
(嫌だ、と初めて伝えられた相手の言葉は想像していなかったもので瞳に驚きの色が混ざる。
いつも一方的に自分が天使に嫉妬しているものだとばかり思っていたのだ。相手の交友関係に口を出すのもお人好しだと怒るのも、いつも自分だったから。
相手を縛り付けていた力が弛んだが、相手がその場から動くことはなかった。
静かなトーンで語られる相手の言葉は、感情的な言い合いよりもずっとまっすぐに自分の心に届き、苛立ち昂っていた感情も少し落ち着いたようだった。)
…力を使ったりして悪かった。…俺から花の香りがするのは嫌か?
(苛立ちをぶつけるように声を荒げてしまった上に力ずくで相手の動きを封じてしまったことを謝り、相手に少し近づこうとするが、自分に魅了されるよう仕向けてあれほど近くに抱き寄せていた彼女の香りがするのはいい気がしないだろうかと足を止め訊ねた。
天使は悪魔の誘惑の影響を受けることはないのだから、相手の嫉妬は自分が誘発したものではない。
こちらを大切に思ってくれるがゆえの嫉妬、欲深さであるなら、それがうれしくないはずがなかった。)
___悪魔は欲深いのが大好物だ。
( 落ち着いたようにこちらへ謝罪をする相手に、視線は下を向けたままだったが首を横に振り、自身も「 ごめん 」と謝る。
感情的になって彼を無理に引っ張ってきたのは自分だったからだ。 )
…嫌、だけど。
遠くにいるよりもずっと良いよ。
( 続けて香りについて聞かれれば、何時もならスマートに“仕方ないよ ”なんて言って平気な顔ができるのに、今夜は随分と我儘になってしまったらしい。
これまた、嫌だ、と素直に伝えつつも、それでも、本人が傍に居てくれるのならどうってことはなかった。
近づこうとする相手の袖を引き、大好物、の言葉に 安心したように、可笑しそうに微笑みを取り戻せば、思わずその頬に触れそうになる__)
「 … アルッ!
もう、貴方達、一体何時まで待たせるつもりなのかしら。 」
( しかし、手を伸ばしたその瞬間、向こうからレイチェルがやってくる。どうやら、暫く大広間で待っていたがなかなか戻ってこないので、痺れを切らして探し回っていたらしい。
それを見て、天使は思わず伸ばした手を降ろし、黙って彼女の姿を見つめていた。彼女は相も変わらず熱い視線を相手に向け、「 早く戻りましょうよ 」と笑顔で迫ってゆく。
ふと、見れば、此方も心配になり、レイチェルの後を追ってきたのだろうか、アルフレッドも向こうから此方の様子を伺っているのがわかった。)
(今日の相手は素直に心の内を打ち明けてくれて、それが嬉しくもあった。相手との距離が縮まり、ブルーの瞳が優しく弧を描いたのを見て安堵すると、伸ばされたその手が自分に触れるのを待った。
…と、背後から聞き慣れた声で名前を呼ばれて曖昧な表情を浮かべる。どうやら痺れを切らして追いかけてきたらしい。)
___悪い、レイチェル。急用ができたんだ。
今日はお暇するよ、付き合わせて悪かったな。
(今夜はパーティー会場にいる多くの人間に十分欲の種を植え付けることができた、それに関しては皆の羨望を集める美しい彼女のおかげと言える。
成果をあげる手助けをしてくれたことに感謝はしているが、天使を悲しませるわけにもいかないし、そもそもこういう関係はその場のみのものだ。人の少ないこの場所で早いところ誘惑を解いておいてやろう。
急用ができたので帰らないといけなくなったと謝りながら、パチンと指を鳴らした。音を聞いたアルフレッドも同時に誘惑から解放されたはずだった。)
___レイさん、実は僕もそろそろ帰らないといけなくて。
連絡先だけ教えてもらえませんか。必ずまた連絡します。
(後ろで様子をうかがっていたアルフレッドがこちらに歩み寄りながら相手に声をかけた。
帰る前に連絡先を教えてほしいと言う男の目に、異様なまでの熱は浮かんでいないし先ほどまでの熱烈なアプローチも落ち着いている。つまり誘惑の影響はもう解けている。
影響を受けるまでもなく元から本気だったのかと顔をしかめたものの、今は口出しをするわけにもいかなかった。)
「 え…ッ、何よそれ!
嫌よ、貴方がいなければつまらないじゃない!
…けれど、、まぁ、仕方がないわよね。 」
( 急用ができた、と聞けば、縋り付くように相手の服を掴むが、指を鳴らされた途端、ぱちぱちと数回瞬きを繰り返せば、名残惜しそうにしつつも、ゆっくりとその体を離した。
「 楽しかったわ。また、パーティに来た時はお話しましょう。」と、落ち着いたように話すが、流石、このような場に慣れているだけはあり、別れ際に相手の肩を掴めば、頬に軽くキスを落とした。そして、フフッと満足そうに笑えば、手を振って、紳士達の待つ大広間へと戻って行った事だろう。)
……、…え、あぁ。
…すみません。
僕、前にも連絡先を交換して、大事な人に怒られたことがあるので。遠慮しているんです。
( 相手へキスした彼女を横目で見ながら、驚いたように目を見開くが、それとほぼ同時にアルフレッドに声を掛けられ、やっとのこと反応を返した。
どうやら、彼は誘惑が解けた尚も、自分と親しくしたいと思ってくれているようで、その気持ちは決して悪いものでは無い。
しかし、一間の沈黙の末に、眉尻を下げた笑顔で謝罪の言葉を述べれば、その後を続けた。
以前、彼と靴を見に行った時だっただろうか…街で知り合った人間と連絡先を交換したと言ったら、怒られたことがあった。ふと、それを思い出し、申し訳なさそうにしながらも、何処か、嬉しそうだった。)
(頬にキスをされたことにはそれほど驚かなかったようで、大広間へ戻っていく彼女を見送るとこれで一段落かと息を吐く。
ああいう華やかな女性は自分に気を持たせるのが上手いため、別れ際にキスをしてくることが多いのだ。そんなことは天使に言えた話ではないのだが。
アルフレッドは相手の返事に残念そうに眉を下げ、「そうですか……。」と引き下がった。悪魔はそれを自分のことと知りながら、知らんぷりをして煙草を吸い始めていた。
一度は引き下がった彼だったが、諦めきれなかったようで相手に名刺を差し出す。)
ではせめて、これをもらって下さい。
気が変わったらいつでも連絡を待っています。
今日はありがとうございました、またいつか。
(名刺は仕事用のもののようで、ドクターの肩書きと比較的近所にある病院の名前や、携帯番号、アドレスなどが書かれていた。
受け取れないと相手に返される前にとばかりに早口でそう言うと、頭を下げて名残惜しさを残しつつもその場を去っていくのだった。)
あ、いえ!
その、こちらこそ…。
( 名刺を渡され、そのまま早口で流れる相手の言葉を聞けば、此方もお礼を言わんと、言葉を発する。
しかし「 ありがとうございました 」と言い切る前に、既に相手はその場を後にしてしまった。
あれだけ親切にしてもらっておいて、申し訳なかったなぁ、なんて、暫くその背と名刺を交互に見つめる。
ワインの染みたスカーフをもう一度胸ポケットに戻せば、隣で煙草を吸う相手へ視線を送った。)
……次、こういった場所で仕事する時は、会場を教えておくれよ。
( そう呟けば、煙草の香りにやや顔を顰めながらも、悪戯っぽく笑った。今回のように相手の仕事現場へ知らずに出向いてしまっては、また自分が我儘をしかねない。よっぽどのことが無い限り邪魔はしたくない、という気持ちは健在らしい。
仕事と知りつつも、相手が誰かを誘惑していると考えればそれはそれでモヤモヤするのも変わりはないが、目の前でされるよりは幾分マシだ。
そんな事を思いながらも「…それで、これから一緒に帰る?」なんて相手の顔を覗き込んだ。)
(男が大人しく去っていくのを見届けると、やれやれと息を吐き出して煙草を手のひらに握り込んだ。携帯用の灰皿を持ち歩くのは面倒なので外では自分で燃やしてしまうことにしているらしい。
これである程度は香水の匂いも紛れるようになっただろうか。どちらにせよ相手の嫌がる匂いであるのに変わりはないのだが。
仕事の会場を知りたいと言われ、毎回一緒に行くと言い出すのかと思ったが、自分が仕事をできるようにするための相手なりの妥協案のようだ。)
……わかった。お前もこういう華やかな場所を見に行く時はひと声かけてくれ。
毎回俺を連れて行けとは言わないが、分かってた方がいいこともある。
ああ、帰ろう。例のバーに寄ってくのもいいが、今日はくたびれた。
飲み直すなら家にしよう。
(頷きながら、相手の視察の場合も同じようにして欲しいと伝える。特にこういう夜の煌びやかな場所なら、毎回自分を誘えとまでは言わないが把握しておきたかった。
覗き込んでくる相手と目を合わせて頷くと会場を後にするため出口に向けて歩き始める。
今日の会話にのぼったバーはまだやっているが、今夜は随分エネルギーを使った気がする。店に寄るのはまたにして、もう少し飲み直すならどちらかの家でくつろぎながらにしようと提案するのだった。)
( 此方も、相手の言葉に快く頷けば、自らの我儘や強欲が招いたこととはいえ、こうして互いに約束し合えるのは、なんだかより特別に慣れたような気がして嬉しかった。
正直、この手の会場に今後行けるかどうか自信はないが、そうなったらきちんと約束を果たそう。)
そうだね。
…僕も、久しぶりに怒ったものだから、何だか疲れたよ。
いつも君の家にお邪魔してばかりだし、たまには僕の家で飲もうか。
( くたびれた、という相手に同意を示すように笑えば、自分も久しぶりに体力を消耗したと肩を落とす。
そして、何時ものように相手の隣に寄り添えば、会場を後にし、自分の家へと相手を誘うのだった。)
『 __なぁ、ラグエル。
俺たちもしかして、また見せつけられた? 』
( 会場を後にする天使と悪魔の背を、大広間の入口から覗く2人の姿があった。
細かいことは分からないが…たまには洒落こんで好きなだけ酒を飲んでやろうと、大天使様と遅れて会場に来てみれば
その場は既に欲に塗れ、此方からしてみれば随分と楽しいことになっていた。まぁ、暫くしてテラスから勢いよく出てきた同僚達を見れば、此方に気付きもしないし、なんとなく察しがついたが。
面白いやら呆れるやら、兎にも角にもしょうがない奴らだなぁ、と笑いながら肩を竦める。)
確かにしばらくお前の家に行ってないな、そうしよう。
(言われてみればこの所は自分の家で飲むことがなにかと多く、相手の家には久しく行っていない。
普段から起きるのが遅い自分を相手が起こしにくるため、自分から思い立って訪ねない限り相手が来ることの方が圧倒的に多いのだ。
久しぶりに相手の家で2人で飲めるというのは嬉しく、同時に先ほどの喧嘩を思うとこうして普段通りに楽しくやりとりができているというのも嬉しいことだった。)
___もしかしなくても見せつけられただろう。
あの悪魔め、先輩を傷つけたらただじゃおかない
(隣の悪魔と一緒にいることにはすっかり慣れ、地上に来ては観光に出かけることもあった。
このパーティーばかりは途中から人間の欲がかき立てられている異様な空気を感じていたのだが、楽しく過ごすことが増えている。
2人の姿を眺めながら、どう考えても見せつけられたと相手の言葉を正しつつテラスを出てきた時の2人の様子を思い返して、その後ろ姿に向けてそう言った。)
『…ま、俺らは気を取り直してまた飲むか。』
( 隣の大天使にすかさず訂正されれば「やっぱり?」と笑ってみせる。未だに先輩への熱は覚めていないようだが、初めに会った時よりも随分と落ち着いて来たように感じる。
遠くなる背を飽きるまで見届ければ、折角セットした髪をかきあげ、手にしていたグラスを掲げて上記を述べた_。)
さぁ、どうぞ上がって。
上着も好きに掛けていていいよ。
( __家に着けば、自らジャケットを脱ぎながらそう言う。部屋の中はシンプルで、その真面目な性格がそのまま反映されたような理路整然としている部屋であった。
「お酒は棚に入っていたと思うけど…」なんて言いながら、力尽きたようにベッドに腰掛け背から倒れ込む。
人間観察が好きなのは変わりないのだが、あそこまで煌びやかで人が多いと、流石に気疲れしてしまうらしい。
今回の場合は他にも色々疲れの原因は勿論あるが、視察するのもほどほどにしよう、と考える。 )
…相変わらずお前の家は埃ひとつないな。
(相手の家に上がると、前来た時から変わらずきれいに整頓された室内を眺めて感心半分呆れ半分に感想を口にする。
よくこんなにきれいに保てるものだと思いながら、せっかく掛けていいと言われた上着をいつものように手近なイスの背もたれに放り、気に入っているソファーに我がもの顔で腰かけた。
黒ばかりで暗い印象の自分の部屋と違って、相手の部屋は明るい雰囲気だ。本当なら片方にとって居心地のいい部屋はもう片方にとっては居心地が悪いのだろうが、相手の部屋に関してだけはその次第ではなかった。
自分の家のようにくつろいで、食器棚に向けて指を振る。2人きりの時に限っては楽をするためだけにその力を使うこともあった。)
ホットワインにでもするか、寛ぐのにちょうどいいだろ。
(ソファーに座ったまま手元にマグカップを2つと赤ワインの瓶をしっかり呼び寄せると、ベッドに倒れている相手に声をかける。
その間にジャケットを脱いで相手のブランケットを手繰り寄せると、それにくるまった。
遠慮も何もなく、断りもいれずに相手のものを好きに使いリラックスするのはいつものこと。そしてどこにいても毛布にくるまっているのは好きらしい。)
……キミも相変わらず、寛ぐのが上手いね。
( ホットワインの提案を受ければ、同意を示す声を上げて、やっとの事で起き上がる。すると、既ににソファーでブランケットに包まりながら、ワインの瓶やマグカップ、香辛料なんかが飛び交っているのをみて、呆れているような、安心しているような、そんな声色で上記を述べた。
そして、ゆっくりとベッドから立ち上がれば、彼の寛いでいるソファーへと近付き、暖かそうにしてある相手の隣へ腰掛ける。
彼から香っていた香水の匂いは、まだ僅かに感じられるものの、先程の煙草の匂いが優勢になっていた。 )
ベリアル。
…その、キミの邪魔をしてしまって、本当にごめんね。
( あの場で何度も反省はしたが、改めて落ち着いてみると、自分の行動が尚のこと恥ずかしかったし申し訳なかった。
お互いに気持ちをさらけ出し、仲直りしたのは良いが、自分が相手の仕事を邪魔したのには変わらず、改めて謝りたくなったのか、隣に座る相手の瞳を真っ直ぐ見て、申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にするのだった。)
(遠慮をしないということに関しては得意分野だと得意げに頷く。
テーブルの上に揃えたシナモンやら砂糖やらの材料を適当に鍋に入れて赤ワインと混ぜてしまうと、鍋を持って立ち上がりキッチンに向かった。
力を使うと加減を間違えて中身を全部溢してしまう心配があるため、ここはきちんと手作業でやるらしい。
鍋を火にかけると、相手の隣に戻ってきて毛布にくるまりつつ「お前も入るか?」なんて言って毛布の端っこを持ち上げて見せた。)
…気にするな、別に大したことじゃない。
会場の奴らに目を瞑ってもらえて助かった、片っ端から解かれてたら今日の苦労がパーだったからな。
(隣で申し訳なさそうに、まっすぐこちらを見つめながら謝罪してくる相手に気にするなと肩を竦める。邪魔をしたといっても彼女に関してのみだし、むしろ参加者に植え付けた欲やら嫉妬やらを全て天使の力で解かれなかったのだからむしろ助かった。相手もかなり譲歩してくれたのだろう。
誘惑されてこちらに焦がれるような熱っぽい視線を向けてくる人間は好きだが、あくまでそれを利用しているだけでそこに特別な感情があるわけではないし一時的なものに過ぎない。彼女のことも大した問題ではなかった。
それに思いがけず、相手が自分に独占欲を抱いていることを知れたのだから、相手にこそ言わないが満足だった。)
( 鍋を持ってキッチンへと立つ相手を見守りながら、こうした細かな事は意外にも彼の方がしっかりしてるなぁ、なんて改めて思う。
そして、此方へと戻ってきたと思えば、毛布を持ち上げて問いかけてくれる相手に「 ありがとう 」と微笑めば、そのまま一緒になって毛布に包まった。)
フフッ、 あそこまで欲望が入り組んでいると、僕には少し対応し兼ねる部分があるからね。
……それにしても恥ずかしいよ、まさかあんなに取り乱してしまうなんて。
( 肩を竦めながら、気にするなと言ってくれた相手に、礼の代わりに眉尻を下げて微笑めば、セットしていた髪をくしゃっとかきあげた。
彼の言う通り、あの場にあった人間の欲望や感情を全て無にしてやり直すことも出来たが、自分はどうも、無理やり人間の感情を操るようで好きではない。人間が自ら善の方へ歩んでいくには多少の欲も必要だ。…とはいえ、実際は対応出来たものもあっただろうに、そこに関しては目を瞑った事にしておこう。
しかし、仕事中の相手にあそこまで感情的になってしまった自分を思い出すと、今更ながら恥ずかしい。結局は、相手も同じように思っていてくれたのだから嬉しかったのには違いないが、何度も思い出しては羞恥のため息をつく。
そうしながら、ふと、ズボンのポケットに違和感を感じれば、先程の貰っていた名刺を取り出して。)
(先ほどまでは煌びやかな会場で大勢のドレスアップした人間に囲まれていたのに、今は大きなブランケットに2人でくるまり肩を寄せ合いながらソファーでのんびりくつろぐいでいる。
華やかなパーティーも嫌いではないが、やはりこうして相手と過ごす時間は心地よく落ち着くことができた。
相手ならあの会場で悪魔の影響を受けた全員を浄化して元に戻すこともできたはずで、対応しかねるなんて言いながらも見逃してくれたのだと機嫌よさそうに笑みを浮かべ、相手の髪に手を伸ばした。
セットしているのもいいが、いつも通りの相手が好きだ。相手がかきあげた髪をわしゃわしゃと撫でて、元通りに直してしまった。)
…たしかに、さっきのお前は情熱的だったな。俺はプリンセスの気分だったぜ。
もう一度何が嫌なのか聞かせてくれよ、天使サマ。
(思い返しては恥ずかしそうに後悔のため息をつく相手を見て笑うと、相手に腕を引かれてパーティー会場から連れ出され皆の注目を浴びて、物語に出てくるプリンセスの気分だったなんて言って相手を煽る。
相手が自分の周りに嫉妬した事実を改めて噛みしめたくて、何が嫌なのかもう一度聞かせてくれと機嫌よさそうに笑った。
沸騰する音に立ち上がり手鍋を持ち戻ってくると、マグカップにそれを注ぐ。スパイスの甘い香りが漂い美味しそうだと思いながらホットワインの入ったカップを相手に手渡そうとして、手にされた名刺を見てゲンナリした顔をした。)
…あのキザ野郎、近くの病院の医者だろ。
厄介な奴だよな、誘惑がなくてもあれだけお前にご執心なんだ。
……ぅわっ!
…もう、勘弁してくれよ。
やっぱり、君は意地悪だな。
( 頭をわしゃっと撫でられれば、無抵抗にも体が左右に揺れる。セットを崩され、髪を元通りにされてしまえば、困ったように笑い声を上げて。
しかし、続けて相手に笑いながら煽られれば、もう一度頬を赤らめて眉をひそめた。せっかく忘れてしまおうにも、こうして煽られては再び羞恥心が込み上げてくるばかりである。おまけに相手に至っては、此方が恥ずかしがる様子まで楽しんでいるものだからタチが悪い。
だが、意地悪、といいつつも此方もどこか楽しそうなのは、こうして身を寄せあいながら冗談を言い合えるのが嬉しいからだろう。)
…うん。
アルなんていうから、最初ビックリしちゃったよ。
少し話しただけなのにね、僕のどこが良かったのか不思議だよ。
( マグカップを受け取れば、一言礼をいい、そのまま相手の言葉に相槌を打つように頷いた。自分は天使故に人間の医者にかかることはないだろうが、まさか近くにいた人物とは…おまけに、愛称が相手と同じだったから驚いたと小さく笑う。
最初に話しかけられた時から良くしてもらったが、確かに、力が解けた後もあぁ言われるとは思っていなかった。
何故気に入られてしまったのか自分では分からず、困ったように笑いながら肩を竦めた。)
(相手が恥ずかしがる姿を見るのも、ふざけ合って無邪気に笑っている姿を見るのも楽しいものだった。いつも周囲の人に見せている顔よりも幼くなるように思えるそれが、自分だけに見せてくれる表情な気がして嬉しくもある。
相手の赤く染まる頬をつまんで愉快そうに笑う。周りから見れば、好きな子をいじめる少年のように見えることだろう。)
あいつのことをアルなんて呼ぶなよ。キザ野郎で十分だろ。
だからお前は危機感がないって言ってるんだ。
……連絡するのか。
(相手があの男のことを指して“アル”という愛称を口にするのは気に食わない。その名前で呼ばれるのは自分だけのはずだ。
あの男の呼び方なんてキザ野郎で十分だなんて不服そうに言いながら名刺を見る。
近くにある大きな病院の医師で、あの顔にあの雰囲気。ああいうのが地上で言う、いわゆる“ハイスペックな”男だということは分かっていた。
女にも一切困らないであろう彼が相手に目を付けたのだと思うと、自然と眉間にシワが寄っていた。ついでに言うなら相手は自分の魅力をわかっていないし、相変わらず危機感がないのだ。
男に連絡をするな、なんて言う権利は自分にはないし、そんなに独占欲丸出しで相手を縛り付けるような友人ではありたくなくて、不服そうな表情はそのままに連絡する気があるのかだけ尋ねた。)
( ワインを一口飲み、つままれた頬を摩って笑っていると、ふと、再度不服そうになる相手の顔を見て、もう一度手にしていた名刺へと視線を落とした。どうやら、未だにこの名刺をくれた相手へ不満があるらしい。
キザ野郎、という相手にフフッと小さく笑えば 「 もう呼ばないよ 」と言って、言葉を続けた。 )
一度断ったんだ、連絡する訳ないだろう。
( 尚も不服そうに尋ねてくる相手に、手にしていた名刺をテーブルへと放りながら上記を述べれば、今度は此方が相手の髪の毛をくしゃくしゃと乱した。
いつにも増して洒落た相手の姿を、何故だか今夜は素直に褒められそうにない。一度相手の事でやけになってしまった恥ずかしさはそう簡単に抜けないようで、ここで褒めてしまうと、また相手が調子に乗りそうだからだ。)
そんなに眉間に皺を寄せていたら
今度は誰も誘惑に乗ってくれなくなるよ。
( 髪の毛に手を伸ばしたついでに、そのままスーッと指を相手の眉間へと流せば、皺を伸ばすようにそんなことを言って、柔らかく笑ってみせた。 )
……そうか、ならいい。
(相手は人間に興味があるし以前人間の友人を欲しがっていた。そのため、この忌々しい名刺の持ち主が友人の枠で相手の連絡先に登録されることを危惧していたのだ。
しかし相手は、連絡をする気はないとはっきり言って名刺をテーブルに放った。笑いながら髪を乱してくる相手を見つめ、嫉妬して拗ねている自分よりも相手が数段大人な対応をしてくるものだから複雑な心境でもあり、安堵の混じった曖昧な表情を浮かべて大人しく頷くのだった。)
___いいのか?天使様ともあろう者が、悪魔を誘惑して。
(相手の指先が眉間に置かれて告げられた言葉を聞くと笑みを浮かべる。天使が悪魔を、誘惑することに誘惑していいのかなんて揶揄うように笑った。
それに自分に誘惑したらあれほど怒ったくせに。…これは相手の機嫌を損ねるだろうから言わないでおこう。
ブランケットをお互いにかけ直すと、ようやく適温になってきたホットワインを啜った。熱すぎるものは舌を火傷するから嫌いだった。)
僕だって、誘惑するのは得意だよ。
キミが知らないだけでね。
( 笑みを浮かべる相手にそういうと、ワインを飲んで一息ついた。
といっても、当然悪魔のように人間の欲を掻き乱す意味ではなく、善の意欲を引き出す、という意味で言ったのだろう。今回の件で分かるように、相手は悪魔として優秀で、対立にある種族からしても凄いことだ。だが、仕事と割り切っていても、やはり自分以外にはしてほしくないと思うので、先程の言動が全て矛盾している事に気づき、自分で少し笑ってしまう。)
……….。
( そして、隣でやっとワインを啜る相手を見つめれば、猫舌の相手を見守るように微笑む。しかし、ふとあの女性が、去り際の挨拶で相手の頬にキスしていたのを思い出せば、暫く相手の横顔を見詰めた後、無意識にもその頬に手を伸ばしていた。
己のシャツで拭ってしまうその仕草も、会場での我儘の続きなのだろうか。 )
(/ 返信及び連絡が遅れてしまい申し訳ありません!!
今後も返信が遅れるかと思います;; )
___気に入らないな、誘惑するならせめて俺だけにしてくれ。
(自分が知らないだけで誘惑が得意だ、なんて。誘惑が得意だという天使らしからぬ相手の一面を自分だけが知らないのは納得がいかない。
少し不服そうに相手を見遣ると、そんな一面を見せるのは自分の前だけであってほしいなんて独占欲の滲んだワガママを。
これもまた、自分が誘惑するのは良くて相手はダメだという矛盾なのだが、本人にはその認識はやはりないらしい。)
…あの女に嫉妬したのか?
(こちらをじっと見つめる相手の視線に気づいて相手と視線を合わせたのと同時に、手が伸びてきてシャツで頬を拭われる。
その動作の理由が分からなくて相手を見つめたまま瞬いたものの、パーティー会場でのことを思い出し自然と笑みが浮かんだ。
別れ際、レイチェルにキスされたことを気にしているのだろうかと、ニヤリと顔を近づけ相手に尋ねるのだった。)
(こちらこそ気づくのが遅れて申し訳ないです…っ!了解しました、ゆるりとお待ちしていますのでお気になさらず*)
……へ?あ、いや。そうじゃなくて。
その、なんとなく気になっただけさっ。
( 嫉妬したのか?と聞かれれば、これまた気の抜けたような間抜けな声を出してしまう。無意識だった為、ニヤつきながら此方へ近づいてくる彼の顔に慌てて否定の旨を示すが、その慌て様が、逆に肯定の意味を示すようにから回っていた。)
…全く、僕をからかってる時が1番幸せそうなんだから。
( 誤魔化すようにマグカップを手に取り、其れを両手で包み込めば、困ったように上記を述べてごくごくとワインを飲み干す。
ため息混じりに空になったカップをテーブルへ置けば、ワインのせいか否か、ほんのりと頬を赤く染めながら目を細めて相手をじっと見つめる。
地上にきてどれほどたったのか、いつから彼と仲良くなっていたのか、もはや記憶は定かではないが、いつもいつでも彼は此方をからかう事が嬉しくて仕方ないようだ。まぁ、此方としても本気で嫌だと思ったことは無いのだが。 )
( / お待たせしておりますー!
これから少しずつ返信が早く行えるかと思いますっ!* )
そりゃあ楽しいさ、天使様の困った顔は大好物だ。
気になるなら俺が死なない程度に、祝福のキスでもしてくれよ。
(慌てたように否定する様子がおかしくてケラケラと笑いながらホットワインを啜る。
悪魔にとって天使の困った顔ほど愉快なものはない、それが親しい相手であれば尚のこと。
女の別れ際の嫉妬したなら、悪魔を死なせない程度の祝福のキスでも贈って上書きしてくれればいいと、いつものからかうような口調で言って相手に目を向ける。)
おいおい、そんなに一気に飲んだら酔っ払うぜ。
(手にしたマグカップを口に、ゴクゴクと中身を飲み干す相手を見ると、強くないくせにまた酔っ払うだろと制止しながらも、飲みたいならおかわりもあると付け足しておくのだった。
愛憎渦巻く華やかなパーティー会場も楽しくて好きなのだが、それよりも相手と2人でたわいもない会話をしながら酒を飲む時間が楽しいと思ってしまうのは、長いこと人間界に留まり過ぎたせいか。
中身の少なくなったマグカップにおかわりを注ぎ、相手にも半分くらい入れてやるとソファにもたれかかった。)
(お帰りなさいませっ!あげもありがとうございます*
嬉しいです、のんびりとまたよろしくお願いしますー!)
………ッ。
( 楽しそうにケラケラと笑い続ける相手を横目でじっと恨めしそうに見つめていれば、祝福のキスを-…なんて相手が言うもので、飲み込もうとしていたワインを危うく吹き出してしまうところだった。
それもまたお得意なからかい口調で言われれば、尚のこと、困ったように横目で相手を見つめた。
そして、制止しながらもなんだかんだおかわりを注いでくれる相手は、きっと、自覚していないだけで随分と自分に甘い。そんなことを言ったらまた怒ってしまうだろうか…。
ワインを注ぎ直してもう一度ソファに腰掛けたところを確認すればおかわりを注いでくれた礼よりも先に
_ふと、相手の顔に手を添え、身を乗り出していた。)
……、…。
…
どうだい、天使様からの祝福は?
( 相手の頬から、優しく添えた右手と己の唇をゆっくりと離せば、にっこりと相手の目を見て静かに上記を述べた。
もちろん、祝福なんて込めてはおらず、それどころかからかってくる相手への仕返しの意味が込められていた。
しかし、己でも気付かぬ本心では、上書きの意味が大半だった、かもしれない。
なんだか嬉しそうに満足気に笑うと 「 僕、酔ってるのかな? 」なんて言ってみて )
( / ありがとうございます!ただいまですーー!
こちらこそ、改めましてよろしくお願いします* )
………
…おかげさまで、死ぬことはなさそうだ。
けど、随分酔ってるな。これじゃあ天使じゃなくて小悪魔だ。
__人間の女を誘惑するのも悪くないな。
(思いがけず隣から伸びてきた手が頬に添えられ温もりを感じるのと同時に相手の柔らかな唇が押し当てられる。
突然のことに悪魔らしくもなくキョトンとしていたのだが、にっこり笑う相手を見てようやく口を開いた。
悪魔が天使に祝福されでもしたら、それこそ失神することになるだろうが、祝福のキスと言う割には悪魔にも害はなさそうだ。むしろ心地よささえ感じてしまうのは自分がおかしいのだろうか。
とはいえ自分で言うように相手はかなり酔っているのだろうし、そんな風に笑う姿は天使というより小悪魔に見えて肩を竦める。
同時に相手の人間らしい独占欲や嫉妬をヒシヒシと感じ満足げな笑みを浮かべると、機嫌良さそうにそんな不穏なことを呟くのだった。)
フフ、けど、そもそもそんな簡単に死なないだろう。
小悪魔か…。
まぁ、酔っ払いがしたスキンシップという事にしておいておくれよ。
( 相手の言葉に此方も笑いながら肩を竦めると、相手が注いでくれたワインをもう一口煽った。
あたかも、本当は酔っていないような口振りだが、ふわりと思考が鈍っているような感覚からするに、酔っているのは事実だろう。しかし、今日はなんだか心地よい酒の回り方をしている気がする。
そして、機嫌良さそうに言葉を発する相手に「 キミも懲りないね 」なんて笑いかければ、ゆっくりと襲ってくる睡魔に欠伸を1つ漏らした。)
これを飲み終えたら、そろそろ寝ようか。
( 目を擦り、手にしていたマグカップを軽く持ち上げれば上記を告げ、再度笑顔を向ける。
よく考えれば、慣れない場所に予期せぬ状況が続いて相当疲れている事だろう。相手と一緒にいることへの欠点をあげるとすれば、つい酒を飲みすぎたり夜更かししすぎる事だ。)
( / ついついのんびりタイムを続けてしまいましたっ;
修羅場とても楽しかったです…←←
少し思い付いたので提案させて頂きたいのですが
2人の出会った頃などの過去編も楽しいのでは、と思った次第です! )
悪魔は神聖なモノに弱いんだ。
お前に祝福されたら失神くらいはするだろうな。
…じゃ、俺も酔っ払いだ。___
(悪魔はそう簡単に死なないと天使は言うが、神聖なモノにはめっきり弱いのが悪魔。自分を失神させることくらい相手には容易いことだと言って肩をすくめた。
ふわふわとした様子で笑いながらあくびを零す相手を見ると、その顎をすくい上げて鼻の先にキスを落とす。お互い酔っている今なら許されるだろう。
まばたきをしながらこちらを見つめる相手に可笑しそうな笑みを浮かべると、手を離して相手を解放した。)
そうだな、お前のベッドは寝心地が良くて好きだ。
今日は泊まる。
(相変わらずブランケットにくるまったまま帰る気がないことを伝えて、あくびをする。
相手のベッドは寝心地がいい。朝早くに叩き起こされることなく昼過ぎまで眠れれば最高だと思いつつマグカップの中身を飲み干すのだった。)
(こちらこそ、嫉妬しあいの修羅場ものんびりタイムもとっても楽しかったですー!ありがとうございました!*
ふたりの関係もちょっとだけ前進したの…かな…?←
過去編…楽しそうでしかない響き…()
ふたりの出会いってどれくらい前になるんでしょう。今より若いのかそう変わらないのか、天使嫌いのベリアルにとってのレイモンドの第一印象とかも気になりますし、ぜひやりたいですっ)
じゃあ、キミの弱点って僕_
( 欠伸を噛み殺しながら、肩を竦めて言う相手にそう返そうとすると、その刹那、顎をすくい上げられ、彼の顔が目の前に迫っていた。鼻先にキスを落とされれば、先程の相手のように呆然と瞬きを繰り返す。
可笑しそうに笑う相手を見て、更に顔を赤く染めれば、仕返しされたな、なんて小さく笑う。昔はあんなに天使である自分を嫌な目で見ていたのに、いつからこうなったのか定かではないが、嬉しい変化に変わりはない。)
最初から、帰るつもりなんて無かったんじゃないのかい?
飲んだらいつも泊まるんだから
( そういう自分も、ハナから帰らせるつもりは無かったらしい。
上記を楽しそうに述べると、空になった自分と相手のマグカップを手にして一度立ち上がればキッチンへそれらを片付ける。
ついでにシャツを脱いでは着替えるつもりらしい。そのまま寝ることも多いが、パーティの香りが服についていて若干気になるようだ。 )
( / そうなんです、かね?←←
きっと前進しました、よね。←←
とりあえずいつも通りバカップルで落ち着きました*()
確かに、私もどのぐらい前からいたのか考えていたのですが…
多分、人間の年数で言うと十数年ほど前から、、二人の年齢でいえば、今とさほど変わらないけれど、強いて言うなら今よりも少しだけ若い(?)程度かと思っております←
うわぁぁ、気になります!!楽しみです←←
もし、この後の展開が過去編になるならば、2人に寝てもらって昔の夢を見てる体ではじめるのは如何でしょうか?? )
一応礼儀として言っただけだ。先に寝てるぜ。
(赤くなっている相手を見て満足げに笑うと、たしかに帰るつもりはなかったが礼儀として宣言したのだと答える。
そんなことを言いながらも、キッチンでマグカップを片付ける相手の後ろを通ってベッドまで歩いて行くと指を鳴らしていつも着ている黒いパジャマに着替えた。
ソファーで包まっていた相手のブランケットも手にしたまま相手より先にベッドに入り落ち着く場所を見つけると体を丸める。
遠慮だとか礼儀だとかは一切感じられない状況だが、長い1日を締めくくるにはぴったりの心地の良い夜なのだった。)
(じゃあ時間としてはそこまで昔のことではないっていう認識でよさそうですね!
夢スタート、流れ的にも最高ですねっぜひそうしましょう*
きっかけはどうしましょうか。悪さをしているときに出会ったのか、どこかの喫茶店でたまたま隣の席でお互いの正体にすぐに気づいたとか、色々考えられそうです……)
それなら、家主よりも早く床に就くのも
キミなりの礼儀かな?
( 相手の言葉に、冗談交じりにそう伝えながら笑いかける。といっても、その頃にはもう相手は布団の中にすっぽりと収まり、おまけにブランケットまでその中に吸い込まれているようだった。
着替え終え、やれやれと言った様子でベッドへと近付けば、自分も残されたスペースに体を滑り込ませ、フッと力を使って静かに電気を消す。
家主よりも…なんて言ったばかりだが、相手が先に布団へ入っていてくれたおかげで、布団の中はすでに温もりで暖かく、いつもよりも寝心地が良いのは確かだ。
傍で丸くなっている相手に向かいゴロリと寝返りを打てば、抱き枕にするかのように相手の体を引き寄せる。)
……おやすみ、アル。
良い夢を。
( 耳元でそう呟けば、自らも目を閉じて、今回はいつにも増して寝付きが良いように感じられた。 )
( / そうですね…
確かに色んな場面が想定されますが…
悪さをしているところも面白そうな気もします!
悪さをしている悪魔が目の前に居るにも関わらず、あの笑顔で平然と挨拶してくる天使……、…悪魔側からしたらある意味恐怖ですね……←←← )
…おやすみ、エンジェル。
(なんだかんだと言いながらも相手はいつも、やりたい放題のワガママを許してくれるのだ。
引き寄せられると大人しく相手に寄り添い、きちんと返事をしてから目を閉じる。
相手のベッドは寝心地がいいと言ったのだが、普段よりもずっと暖かく心地の良い眠りにつけるのはこうして相手と身を寄せ合って眠っているからだろう。
やがて眠りにつくと、見ているのは何年も前のある日の夢………。)
_______
____
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(日曜日の昼下がり。のどかな公園にはちょっとしたキッチンカーが並び、カップルや親子連れで賑わう。奥の広場では大道芸のショーなんかも行われているようだ。
そんな公園のベンチに、黒ずくめの男がひとり。誰を誘惑してやろうかと道行く人やベンチでランチを楽しむカップルたちを吟味している真っ最中の悪魔だ。
斜め前のベンチに座っているカップルに目をつけ、女性と視線があったタイミングを見計らってポケットの中で器用に指を鳴らすとたちまち彼女はこっちに気を引かれたよう。
彼氏そっちのけで熱っぽい視線を受けながら、目の前を通りかかった腕を組んで歩く仲睦まじそうなカップルにも誘惑をしかけ、今度は男が別の女性に目移りし始める。
ベンチに座ったまま簡単に仕事を済ませられるこの場所はお気に入りのスポットだった。)
(たしかに!!!←←
レイモンドと出会う前で今以上にやりたい放題女の子誘惑しまくり(?)なプレイボーイ悪魔にしようかと試みてみました() 場面設定変えた方がよかったりなどあれば言ってくださいー!)
( 心地の良い昼下がり。
地上に来てから暫く経つが、見るもの全てが新鮮でここの所朝から出掛けては色々なものに感性を刺激されてばかり。
天使は、この日初めてこの公園にやってきて、どうやら大道芸のショーを見ていたらしい。
しかし、ふと、こちらの方へやってくるカップルが気になり視線をやると、何やら彼女が彼氏にお怒りの様子。その光景の背後に悪魔の仕業がある事は知らずに、ここは出番だと言わんばかりに声を掛ける。状況を把握し善の方へ振り向かせる…このスタイルはずっと変わりはしない。
彼氏思いの素敵な彼女さんじゃないですか、なんて世間話混じりに言葉を添えれば、他所を向いていた彼氏も傍にいる大切な存在に再度向き直る。 )
……おや、あれは….。
( 仕事ができた満足感を味わいながら、もう少し散歩でもしようとカップルが来た方角へ顔を向ける。
すると、遠くに見える黒ずくめの男に、ふと目が止まった。確かに格好が黒く目立つのだが、それ以前に、黒が “見える ”のだ。非常に珍しい状況に、好奇心旺盛な天使は思わずそちらに向かって駆け寄っていく。 )
( / プレイボーイアルくん最高です!
レイモンドは…なんだか今よりも断然ピュアで来たばかりの地上を今以上にエンジョイしてるだろうなぁ、、という感じになりました←←
展開後、初ロルありがとうございます!
そちらも、またなにかあれば仰ってくださいね* )
落としましたよ。気をつけて。
(せっかく誘惑した男がすでに正しい道に導かれているとは知らず、相変わらずベンチに座ったままターゲット探しに勤しむ。
もっと派手にケンカでも始めないものか。そんな物騒なことを考えているとかなりの葛藤を抱えている女性が通りかかる。
夫のいる既婚女性のようだが、愛情表現に不満があるのか恋愛や遊びへの欲がかなり膨らんでいる。
これは面白いと、女性のハンカチを勝手にカバンから落とし、ここぞとばかりに声をかけながら女性と視線を合わせて誘惑を。
夫がありながら、公園でひとこと言葉を交わしただけの自分に心を奪われ焦がれずにはいられなくなる。じきにそれが家庭内の不和を生めばこれほど愉快なことはない。
頬を染めて自分を見つめ礼を述べる女性に優しく微笑みかけた。
ハンカチを手渡すとまたベンチに腰かける。まだ天敵ともいえる存在が近づいていることには気づいていなかった。)
(ピュアピュアレイモンドも最高ですっ←
地上に来たばかり、初めての悪魔にも興味を示してくれて嬉しいです!!(←←
はい、何かあれば声をかけさせていただきますね*)
………へぇ、あぁやってお仕事されてるんですね!
( 相手が再びベンチに腰掛けた時、突如としてその背後から声をかける。おまけに、一応敵対視するべき相手が目の前にいるにも関わらず、なんの敵意も懸念も持たない純粋な笑顔を向けている。
どうやら、先程のやり取りの一部始終を近くで見ていたらしく、どうにか声をかける隙を伺っていたようだ。ちなみに、ハンカチを落とした女性については、後々大事になりそうな予感がした為か、去り際に軽く肩をぶつけ、善意の背中を押す程度の力を注いでおいた。こればかりは、悪魔本人には言うつもりは無いが…
凄いなぁ。
これも、地上にきた特権ですかね。
( カップルの件と言い、悪魔が仕事をしているのを初めて見た…というより、お互いにこうして出会うこと自体、本来は有り得ないため、今はそこへ興味を持ってる行かれているようだ。)
…何で天使がこんなとこウロついてるんだ。
関係ないだろ、どっか行ってくれ。
(突然背後から降ってきた声にビクッと肩を揺らして振り向くと目をキラキラさせた男の姿。
振り向いた時点からこれが天使だということはまとっている空気からしてわかり、なんだって地上に天使がいるんだと心底嫌そうな顔をする。
悪魔の仕事を見て喜んでいるような世間知らずな天使だ、悪魔と接触したとなれば罰せられることさえ知らないのかと呆れたように手で追い払う素ぶりを見せた。)
( 嫌悪そうな顔をされても、それに対してはさほど反応した素振りは出さず、相手が驚いてしまった様子に「 ごめんなさい。驚かせる気は無かったんだ 」 なんて言って申し訳なさそうに笑ってみせる。
嫌そうな顔をされるのも無理はない。天使でも悪魔嫌いが殆どだし、立場が逆なら、皆嫌な顔をするに決まっている。しかし不思議と、自分は種族間のいがみ合いに興味がなかった。寧ろ、お互いを知るべきだと思っていたから、この出会いは嬉しいものなのだ。 )
僕、レイモンドって言います。
地上の仕事を任されたんだ。…貴方も、そうでしょう?
( 尚も微笑みながら、そっと後ろから隣へやってきては手を差し出す。それは特に深い意味を持たない、ただの挨拶だが、よくよく考えれば何をされるかも分からない状況なのに、傍から見れば能天気すぎる図である。それとも、ただ律儀すぎるだけなのか。)
天使が地上に派遣されるなんて聞いてないぜ。
…お前の地上での任務は悪魔を消し去ることか?
人間らしく握手した途端浄化されたりするんだろ。
(地上での仕事を任されたという発言に眉をひそめて、天使まで地上に派遣されるとは聞いていないと言い返す。地上でひとり悠々と人間を誘惑ざんまいだと思っていたのに、天使もいるんじゃそうもいかないじゃないか。
差し出された手を見ても腕を組んだまま。地上での天使の仕事とやらが悪魔のせん滅だとしたら、手に聖水でもかけていて握り返した瞬間焼き尽くされたり、浄化されたりするのだろうと。
なぜこいつはどっかに行かず構ってくるのかと、不機嫌な顔のま無視を決め込むのだった。)
…………。
あ、いえ。
そんなつもりじゃ….。
( 相手は尚も腕を組んだまま、不機嫌そうに言葉を返され、ふと、それとなしに差し出した自分の手に視線を落とす。
行き場の無くなったその手を、少しばかり気まずそうに背へと隠すと、眉尻の下がった微笑みで上記を述べる。
相手から言われ、その時に自分は警戒されて然るべき存在だと思い出した。自分も勿論、地上に悪魔がいるなんて聞いていないし、ましてやこんなに近くにいるなんて思いもしなかった。
それ故に舞い上がってしまったのも事実で、握られることのなかった右手は寂しかった。
自分がどれだけ仲良くしたいと思っても、悪魔にとって、天使という存在はこれほど嫌悪対象であるということを思い知らされてしまった。)
……その、すみません。
( 自分ばかりがはしゃいでいたことが申し訳なく、どうしたものかと悩んだ挙句に小さく謝罪の言葉を口にした。
しかし、どういう訳か、言葉とは裏腹にそのまま相手の隣に腰を下ろしたのであった。 )
何なんだお前はさっきから。
天使ってのは全員俺たちを見下して威張ってるんじゃないのか?
しかも、何で謝りながら座ってる!
(この能天気そうな天使は自分の言葉や態度にしゅんとした顔で手を引っ込め、申し訳なさそうに微笑む。
天使というのは人間には優しいくせに悪魔を下劣なものと見下して、顔を合わせれば卑しさを説いてくる威張った存在だというのが認識だった。
しかし目の前の天使はそんな素振りは全くなく、悲しそうに手元に視線を落としている。
しおらしく謝ってきたかと思えば、これほど嫌悪感を剥き出しにしているのに隣に座ってきて、行動とのそぐわなさに思わず突っ込んでしまっていて。)
なんというか…
地上の者じゃない同士、こうして会えたのも珍しいし…。
それに、誤解されたままは嫌じゃないですか。
確かに、皆、悪魔を良く思っていないけれど…
こうやって合間見えてはじめて、その人の事を知れると僕は思ってるので。
( 相手からの反応に、えへへ…と自身の首元を擦りながら、小さく上記を述べ始めた。
相手が嫌がっているのなら大人しく帰るのが筋だろうが、それはそれでこの奇跡に近い様な出会いから逃げてしまうことになる気がして、それに、上にいると悪魔とこうして話す機会なんてある訳がないから。
尚も目線は下を向いたまま、けれどその表情は穏やかさを取り戻し、天使は威張っているものではないのか、という相手の言葉に返すように言葉を続けた。
天使は善、悪魔は悪、その安易で簡潔な類により、お互いにいがみ合い、分かり合おうとはしない。
けれど、少なくとも自分は、誰が誰にとって善で悪なのか、それは本人にしか分からないことであって、決して、憶測で決めつけることはしたくなかった。)
…僕は、やっぱり、貴方から見たら嫌な奴なんでしょうか?
( それは同時に、仲良くしたいという自分の想いを、無理に相手へ押し付けることは宜しくないということであり、下を向いていた視線をあげて、隣に座る相手の鋭く赤い瞳を見つめて問いかけた。)
じゃあお前は今俺と顔を付き合わせて、なにか俺のことを知れたのか?
悪魔は友好的で優しいなぁとでも?
(天使のくせにやけに生ぬるいことを言うヤツだというのが初めの印象だった。
本来人間の心にある小さな邪心を少しばかり引き出してやっているだけなのに、顔を合わせれば人間に悪さをして堕落させるものとして、自分が正義とばかりに見下してくる神々しい光をまとった天使。
こっちに言わせれば天使だって、本来人間の心にある善の心を後押ししているのだからやっていることは同じだというのに。
偉そうで、鼻につく態度が嫌いだった。中には「堕ちた者」として憐れみを向けてくる者までいた。
顔を合わせてはじめて本質がわかるとこの能天気そうな天使は言ったが、今こうしていて何の気づきがあるというのか。
自分のこの態度をみて、友好的な優しさでも感じたかと鼻で笑うのだった。)
____天使ってのは大概嫌なヤツだって決まってる。…お前はあんまり天使っぽくはないな。
能天気でナヨナヨしてるくせに好奇心は旺盛ときた。
その好奇心をもっと引き出してやろうか。
いろんなことに興味が湧いて、天界なんかにいたくなくなる。
(天使というのは例外なく嫌なヤツなのだと答えたが、こっちを見つめる視線に気が付いて隣の天使とようやく顔を合わせる。
ブルーの瞳にプラチナの髪、いかにも天使らしい風貌だが、いかんせん自分の思う天使とは性格がかけ離れている。
ほんの数分で感じた相手の性格を不躾に挙げながら、相手と目を合わせてはじめて笑みを浮かべた。
もちろんそれは優しい微笑みなどではなく、誘惑するような悪魔的な笑みなのだが。
相手の持つ好奇心を引き出してやれば、きっと天界にとどまっていたくなくなってすぐに堕天するだろうと思ったのだ。)
……悪魔はどうか分からないけれど、貴方は、優しいですよ。
だって、本当に嫌なら力でもなんでも使って、僕を痛めつけることもできるでしょう。
( 鼻で笑う相手に、躊躇することなく平然と上記を述べた。悪魔が友好的か、それは知れたことでは無いが、少なくとも今目の前にいる彼は優しいのだと思う。言葉や態度こそ悪いが…それに、こうして話を聞いて返答してくれる。それは少なくとも、彼の優しさだろう。そう言って微笑めば、こんなこと言って、余計に怒らせてしまうだろうか、と僅かに首を傾げて様子を伺う。
そして、こちらの質問に続けて答えてくれる相手に、ほら優しい、なんて言わんばかりに再度微笑んだ。)
…天使らしくない、ですか。
喜んでいいのか分からないですね。
フフ、そんなことしなくても、僕はその好奇心に勝てなくて地上に来たんですよ。
好奇心が旺盛だって…貴方も、この短時間で僕のことそう知ってくれたのでしょう?
( 天使らしくない、の言葉に、それは嫌な奴ではないという褒め言葉なのか、それとも天使らしからぬ奴ということなのか、反応に困るなと目尻を下げて笑ってみせる。
すると、ふと、笑いかけてくれたと思えば、悪魔的なその笑顔と言葉に瞬きを数回。フフッ、とまた笑ってみせれば、これ以上引き出されることなんてないよ、と返答を続けた。
天界でもそこそこの地位にいたにも関わらず、大好きな人間を近くで観察し、その生活に触れてみたいと出世の話も断ってここまで来たのだ。地底に堕ちるつもりもないが、天界に帰る気もさらさらないようで。)
やめてくれ、悪魔に対して優しいは悪口だ。
…別にそこまでするほどのことでもないだろ。
お前が本当にどっかに聖水を隠し持って近づいてきたんなら話は別だけどな。
(心底嫌そうな顔をして身震いをする。悪魔である自分が天使に優しいと言われるなんて。
善意で言っているのだろうが優しいという褒め言葉は嬉しくない、悪魔にとっては悪口のようなものだと言っておく。
たしかに痛めつけて追い払うこともできるが、そこまでするほどのことでもないし、この悪魔は基本的に怠惰だった。
嫌悪感をあらわにはするが、自分に危険があったり、よっぽどのことでない限りは力を使う気は起きない。
他の天使であれば話に付き合うことなくとっとと公園を後にしていたのだろうが、目の前の天使に対する嫌悪感はそこまでのものでもなかったのだ。)
ヘェ、じゃあその好奇心のせいで半分堕天したわけだ。
地獄まで真っ逆さまじゃなくてよかったな。
…そりゃあ悪魔にホイホイ近付いてくるようなヤツ、好奇心旺盛と言わなくてなんて言うんだ。
(好奇心に勝てず自分から望んで、天界から地上に来たということは、半分堕天したようなものじゃないかと言ってのける。
地上で止まれてよかった、もっといろいろなものに興味を持って神の言うことや自分の置かれている場所に疑問を持つようになれば、簡単に地獄まで堕ちて行くのだから。
この天使が好奇心旺盛なのは数言を交わしただけでわかることだと肩をすくめて見せた。)
おっと、それは失礼。
( 優しいは悪口だ、と言われれば、そうなのかと言わんばかりに口元を手で隠して謝罪をする。そんなつもりはもちろん無かったが、確かに、言われてみれば悪魔からすると対して嬉しい言葉では無いのか、と納得する。
そして、続けられる言葉に 「 なら、それほど警戒されていないってことですね 」なんてポジティブな解釈をとる。相手からすれば、力を使うまでもなくどうでもいい存在なのだと言うことだろうが…やはり、この天使は能天気らしい。
そして、地上に来たことを半分堕天した、と表現されると、そのような言い方もあるのか、なんて妙に嬉しそうな顔をする。)
地獄に行くつもりは勿論無いですけど…
嫌なことをしているよりは、好きなことをしたいですから。
( 続けて、確かに言う通りだ、なんて笑いながら立ち上がる。公園で想い想いに過ごす人々をみて、それこそ好奇心のような、憧れのような、そんな眼差しを向けながら優しく微笑む。
相手は、半分堕天したも同然だと口にしたが、結果的にそうであれ、やりたいことが出来るのだから悔いはない。
まぁしかし、嫌いなことよりも好きなことを…と言っている手前、自分の好奇心に相手をこれ以上嫌々付き合わせる訳にも行かず、正直名残惜しいのだが、「 …お邪魔してすみませんでした。悪魔さん。」なんて言って再度相手に顔を向けると会釈をした。 )
そりゃあ良い、欲に忠実なヤツは嫌いじゃない。
(そのポジティブさに皮肉を言うのも面倒になって適当な返事をしていると、嬉しそうな笑顔を見せたので今度はなんだと訝しむような目を向けた。
そして「半分堕天してる」と言ったことを喜んでいるのだと知って、つくづく変な天使だと眉根を寄せながらお気楽な天使の姿を見るのだった。
満足したのか立ち上がり、律儀に会釈と挨拶までしてくる相手を見上げて「…じゃあな、天使様。」と返す。
天使に抱く、偉そうで上から目線なイメージから「天使様」と考えなしに口にしたのだが、これがいまだに続いている呼び名であることはまた別の話…。
天使が思いのほか近くにいるということを知っても、悪魔の行動はこれといって変わらなかった。
結局この公園は適当に人間を誘惑するのにうってつけだったし、買い物をしたり店に入ったりするのも近所の店なのだから。
週末の午後、悪魔は基本的にいつもの公園の同じベンチに座っている。カップルを誘惑するのに最適だからだ。____ただ、夏ともなるとそうはいかない。木陰のないベンチからは人がいなくなり、噴水の方に人は流れていく。
その上黒い服に身を固めているものだから、太陽の熱を吸収して暑くてたまらない。
少しその場所にいて、それからいよいよ我慢ならないと立ち上がった。このままじゃいくら悪魔とはいえ干からびてしまう。
人間の体を維持するためには水が必要だ。どこか店にでも入ろうと思ったのだ。)
( _例え日差しが照りつけようとも、天気さえよければ視察はかかせない。街の人々の様子、店の様子。全てが毎日新鮮で、仕事を行いながら日々を過ごしていく。
何度か、悪魔と出会った公園の傍まで行くことはあったが、少し遠慮して足を踏み入れることは無かった。仲良くなりたいという本心は変わっていないが、相手は話さえしてくれたが、天使のことをよく思っていないのを知っていて付きまとうのは気が引けたのだ。あの日も結局、迷惑をかけたな、とひたすらに反省してしまった。
そんな初対面から数日、この日も朝から出かけ、街の中を散歩していたが、少し涼みたくなって近くの喫茶店へと立ち入った。
基本服装が白いため清々しく見えるが、やはり幾らか汗はかく。窓際の席を好んで選べば、冷たいアイスティーをにこやかに店員へ注文し、そのまま店の前を行く人々を頬杖着いて観察していた。)
……….。
( すると、店の前を真っ黒な服に身を包んだ人物が通り過ぎるのをみて思わず背筋を伸ばした。あれは、きっと彼だろう。やはり、近くに住んでいるのだろうか…。気になるが、ここは静かに席に座ったまま、店員が運んできたアイスティーを受け取って、流れる水滴に視線を落とした。 )
(近くにあった喫茶店に逃げ込むように入り、少しでも涼しい場所を求めて店の奥の窓際の席へと向かう。
するとやけに白い姿が目に入り、それが少し前に公園で出会ったあの能天気な天使だと気が付くと微妙な表情を見せたものの、相手の隣の窓際の席に座りアイスコーヒーを注文した。)
……よお、奇遇だな。
何て言ったっけな…デーモンじゃなくて。
(暑さでそれどころではなく、前回ほどの嫌悪感は感じられない。相変わらず真っ白な服を着ているので、好奇心に負けて堕天するようなことにはまだなっていないようだ。
自己紹介をされた記憶はあるのだが、音を思い出そうとすると自分たち側の名前しか出てこず、店員が先に持ってきた水をひと息で飲み干した。)
……んッ、….。
…レイモンドですよ。
( そのまま再び、アイスティーを一口飲んで外に視線を向けていると、ふと、声を掛けられ其方へ振り向いた。すると、先程の彼が店内に入ってきていたらしい…、それ以前に、向こうから声を掛けられるとは思っていなかったようで、一間、瞬きを繰り返したまま固まってしまった。
だが、名を間違えられれば、途端に飲み込もうとしていたアイスティーでむせそうになり、それをなんとか制してはゆっくりと訂正した。)
随分とお疲れのようですね…。
あ、これもよければどうぞ。
( 改めて隣に腰を下ろした相手を見れば、暑さにやられてしまったのか汗をかいて疲労困憊といったような様子であった。そんな相手に心配そうに声を掛け、水を一気に飲み干したのを見ると、口の付けられていない自分の水を相手の方へと寄せた。
その直後、またお節介をしてしまったかと心配になるが、突き返されたらそれはそれで此方が飲もうと考える。)
あぁ、それだ。レイモンド。
…響きはデーモンの方がいいと思うけどな
(この前は自分からヘラヘラと話しかけてきたくせに、今日は調子が違うのか、どこか困惑したような驚いたような顔をして見つめてくる。
名前を聞くとそうだったと頷きながらもう一度名前を口にして少し首を捻る。音の響きとしてはデーモンの方がずっといい。)
…地上の暑さは地獄的だ。いや、地獄でもここまでじゃないな。
地球がどうにかなってるんだ、昔はこんなんじゃなかった。
(差し出された水をありがたく頂くと半分ほど飲んでテーブルに置く。前会った時に比べてかなり饒舌で、あれほど話しかけられるのを嫌がっていたのに、今日は自分からペラペラ喋り始める。
機嫌がいいと言うよりは、この異常な天候について誰かに吐き出したくてたまらなかったという様子。
もっと昔はここまでじゃなかったと、聞く人が聞けば老人のような言い方。ようやく運ばれてきたアイスコーヒーのストローをくわえながら不満を垂れた。)
( 名を思い出して頷く相手を見ると、なんだか可笑しくてフフッと笑ってしまう。最初に話した時に比べると、随分と相手の方から口を開いてくれる。
差し出した水がそのまま受け入れられれば、少し安堵したように、そのまま暑さに不満を垂れる相手の話をにこやかに聞いている。相槌を打つように頷いては、アイスティーをもう一口飲み、なんだか若者に物申す老人のようで再度フフと笑みを零した。)
確かに、気温の変動が大きいですよね。
僕も、散歩から避暑しにここへ来たし……
ところで、もう地上生活は長いんですか?
………えっと…、…。
( 暑さへ同意を示すように上記を述べれば、先程の老人紛いな発言に釣られたように、相手がどのくらい地上にいるのか質問をする。その際相手の名を口にしようとするが、その時に初めて、まだ相手の名を知らないことに気付き、ゆく宛の失った言葉に、一気に歯切れが悪くなって視線が泳ぐ。教えてくれるか定かではないが「 あの、お名前は? 」と今更ながら恥ずかしそうに問うのだった。 )
こっちで暮らすようになったのは割と最近だが、昔からちょくちょく地上には来てた。
…ベリアルだ。
(地上で暮らすようになったのはここ数年のことだったが、昔から地上での仕事が多く来ることも多かったため、今より昔の地上のこともよく知っていた。
名前を聞かれ、天使に教えてもいいものかと少し悩んだものの名前を答える。
失礼ながら以前相手が自分で言っていたように、警戒するほどの天使ではないだろうと認識してのこと。
このときは相手の雰囲気から、上位の天使だなどとは思ってもみなかったのだ。上位の天使は全員そろいもそろって偉そうなヤツだと思っていたからだった。
少し涼しくなって落ち着いてくると、先ほどのようには喋らなくなったものの席を移動することはなく、ストローを噛みながら冷たいコーヒーを喉に流し込んだ。)
( 相手になんて思われていようと、とにかく、名乗ってくれた相手をみて、途端に顔を明るくさせると「 ベリアルさん 」なんて、敬称もこめて笑顔で復唱する。通常なら名乗り合えない相手だからというのもあるが、そもそも、地上では様々なリスクを避けるために、人間とは特別親しくはなれない。それ故、こうやって喫茶店で並んで座る相手もいなかったものだから尚更嬉しいようだった。
まぁ、悪魔と親しくする方が身分的にリスクは高いが、その事は本人も充分承知の上らしい。)
そうだったんですね。
僕も、暮らし始めたのは最近ですけど…立場上内部の仕事が多くて。正真正銘、地上に来たのは、今回の派遣が初めてです。
……後輩に猛反対されたんですけど、どうしても来たくて
( 相手の話へ興味深そうに再度頷き合図を打てば、なら、少し先輩ですね、なんて目を細めて笑いながら呟いた。
どちらかといえば、地上への派遣を命じる方で地位は安定していたし、不便な事など何一つ無かったが…やはり報告を聞くだけじゃなく、自分自身この目で人間と接して仕事がしたかった。自覚はなかったが、もしかして自分は、なかなかに熱血的な仕事好きなのかもしれない。
_いつか地上で一悶着あることも今は知らないまま、ある後輩に地上行きを反対された事を思い出せば苦笑いをする。それもつい最近のことだったが。 )
ベリアルでいい。かしこまったのは苦手だ。
(嬉しそうに名前を復唱するのを聞いていたものの、さん付けで呼ばれたことがあまりないため落ち着かない。
天使に親しげに名前を呼ばれるのも考えものだが、かしこまった呼び方のむず痒さに比べればいいものだと、ベリアルでいいと言っておく。)
……待て、もしかしてお前、箱入り天使か?
(地上に来たかったなら来られてよかったな、と答えようとしたのだが、立場上内部の仕事が多かったという言葉が引っかかって眉根を寄せる。
話を聞く限り、無理を言って地上に降りてきたらしい。もしかするとこいつは、下級の天使だから警戒心やら何やらがないんじゃなく、上位の天使で天界から出たことがなかったからなのか。
箱入り天使、なんて言葉があるかどうかは知らないが、上位の天使だとしたら気軽に話しているのもまずいのでは、と思えて再びその顔に警戒心が舞い戻る。
力があるならなおさら、無知を演じているだけの可能性もある。今にも「騙されたな、卑しい悪魔め!」などと豹変するかもしれないではないか。
天使に対する警戒心はかなり高いようで、グラスの中で氷が音を立てたもののじっと相手を見つめていた。)
あぁ、そうか…分かったよ、ベリアル。
……箱入り、かは分からないけれど、上での仕事は長いよ。
( 敬称はいらないと言われれば、それに了承したように笑顔でもう一度相手の名を呼んだ。そして、名は呼び捨てなのに語尾が畏まっていても可笑しいかな、と感じれば、未だ遠慮がちではあるが、少しフランクになったようで。
そして、“ 箱入り天使 ”と聞けば首を傾げ、とにかく天界での仕事歴なら長いと説明をしておく。)
…あ、もしかして、また警戒させちゃったかな?
隠してる気は無かったんだけど。
( 眉根を寄せて此方をじっと見つめる相手を見ると、どうやら此方への不信感をまた募らせてしまったらしい。
天使も悪魔も、地位の高い上級になればなるほど力は強くなるし、警戒するのは当たり前だ。自分の地位に至っては、問われていない分はっきりと言っていなかっただけなのだが、話すタイミングを間違えたようだ。
少しばかり相手が心を許してくれていそうだったのに、と残念そうにしながらも、困ったように小さく笑い、残りのアイスティーを飲み干した。)
俺の経験上、天使は油断ならないからな。
…まぁでも、せっかく念願叶って地上に来れたんだ。楽しむといい。ホームシックにはならないようにな。
(地位が高いほどに悪魔への態度も横柄になっていくのかと思っていたが、そういうわけでもないようだ。急に豹変する様子もないし、何かを隠し持って好機を伺ってるわけでもなさそうだと思えば、ようやく警戒を緩めたようでアイスコーヒーを音を立てて吸った。
天界である程度の地位についていたのに望んで地上に来たというなら、さぞ楽しい日々だろう。
天使好みのものがあるかはさっぱりわからないが、人や店、食事、場所、地上は天界とも地獄とも違うおもしろい場所であることは確か。
唯一困ることといえば、話し相手がいないことくらいだ。ただ逆を取れば、だから誘惑にもせいが出る。
寂しくなって天界に帰りたくなるかもしれないなと、からかうような口調で言うと、天使の顔を見た。)
……僕の周りも、悪魔嫌いが多かったなぁ。
行いが正反対なのだとしても、どちらもやりたいことをやったり、仕事をしているだけなのに。
( 経験上、と語る相手の顔をみれば、再度窓の外に目をやり、道行く人々を眺める。天使は皆、悪魔のことを下衆で下品だとか見下すが、そんなら周りに自分は愛想笑いをするだけだった。
善と悪に分けられてしまえば、それは確かに善が清く美しく聞こえる事だろう。それに、悪魔というのは一度堕天し天界から追い出されてしまった身、此方が同情したり分かってやれる部分も少ない。
自分としては、勿論悪魔の行いが良いとは思えないが、それでも、だからといって悪魔の全てを否定する必要がどこにあるのか、自分にはよく分かっていなかった。)
フフッ、その心配はご無用だよ。
でも、地上の隅から隅まで堪能出来れば、帰りたくなるかもしれないね。
( からかうように言葉を続ける相手に、もう一度視線を戻せば、にっこりと微笑んで、ホームシックの心配はないかな、と笑った。念願叶ってせっかく来れたのだし、確かに、こうして誰かと話して居られるのならそれに越したことはないが…今も毎日、朝から出かけて言っては随分と楽しんでいる。
地上の全てを体験し、飽きるほど過ごしたのであれば、もしかしたらいつか帰りたくなるかもしれないが…それも随分とあとの事だろう。 )
だろうな、俺だってできることならああいう連中とは顔をを合わせたくない。
(悪魔嫌いが多かったと聞けば当然だとばかりに顔をしかめ、自分たち悪魔を目の敵にしているような天使とは自分も顔を合わせたくないと言った。相手のように危害を加えてこないならまだいいが。
地獄にいるよりは地上の方が天使との接触が増えるのは仕方ないと思っていた。しかし相手が派遣されて来たことによって、嫌なな天使に出会う確率も低くなるのではないかと思うと、それは良いものだ。)
なら地上を存分に楽しめよ。地上にいるうちにもっと下に堕ちたくなったら手伝ってやる。
言っとくが俺の仕事には手を出すなよ。
(そう言うなら存分に地上を楽しんで、もしその途中でさらに好奇心が抑えきれなくなるようなら堕天を手伝うと、いかにも悪魔らしい笑みを浮かべた。
人間の中に身を置けば、この天使も天界のつまらなさに気付いてしまうかもしれない。
近くにいるとはいえ、悪魔の仕事には干渉してくるなと強く伝えておこう。)
( 相手の言葉に、相当天使を嫌っているなぁ、なんて困ったように笑う。といっても、聞いている限り悪魔のことを軽蔑し、自分達の地位を確立するような天使達が嫌いとみえる。それでいえば、此方に対する警戒は少なからず薄まったのかな、と考えると少し安心したようだ。)
うーん…その予定も特にないので、お断りさせて頂くよ。
( そして、再び堕天を仄めかすような口ぶりの相手に、せっかくだけど、なんて笑いながら遠慮するのだった。正直いえば、自分の好奇心や探究心の末に堕天してしまうようなら、それはもう自分の性分で仕方のない事だと思える。ここまで開き直っているものだから、天使と悪魔という境に拘りがないのかもしれない。と改めて自分自身で納得する。
まぁしかし、だからといって今は天使を辞める気もなければ、堕とされる気もない訳で。
“ 仕事には手を出すな ”と続けられれば、それに対しても相も変わらず笑顔で勿論だと返答した。)
僕の仕事上…結果的に妨げてしまうことにはなっても
予め邪魔しよう、阻止しよう、なんて思ってはいないよ。
そりゃいい心がけだ。せいぜい地上での善行に精を出せ。
俺はそろそろ帰るぜ、夏の昼間は出かけるもんじゃない。
(まともな答えにつまらんとばかりに肩をすくめて見せると、地上で人間への導きとやらに精を出せと人ごとな風に言ってズズズ、と音を立ててコーヒーを飲み干した。
これほど近くにいるならまた仕事中に会うこともあるだろうが、仕事の邪魔をしないなら別にいいと言って席を立つ。
夏の昼間は外に出るものじゃない、日が沈んで涼しくなりはじめるころまでは家にいるのが最適だとぶつくさ言いながら、相手に別れを告げるのだった。)
うん、お互いにね。
( 決して悪行を良しとする訳では無いが、お互いがそれぞれ自分の仕事に精を出そうと、つまらなさそうに肩をすくめる相手に対して尚、礼儀の一環として笑顔でそう返した。
そして、アイスコーヒーを飲み終え、ぶつくさと言いながらも席を立つ相手を見れば、「 あ ッ 」と言葉を洩らしながら思わずそっと服の裾を引いてしまって )
ベリアル。
…また、ご一緒してもいいかな?
( 座りながら相手の顔を見上げ、やや恐る恐るではあるものの、変わらない優しい笑顔でそう言葉を続ける。
確かに付近でお互い仕事をしていることは分かったが、相手の仕事にあからさまな妨害なんてする気はない。しかし、こうして見かけた際に隣に座ったり、ドリンクを飲んだり、たまに会話をしたり…、そうすれば、彼の言っていたようにもっと地上を楽しめるだろうと思ったのだ。
だが、いくら話をしてくれたからと言って、相手から疎まれている事にはきっと代わりはないし、自分もどれだけ馬鹿な事を言っているのかは分かっている。それ故に、あくまで相手に尋ねるように首を傾げた。)
いいのか?天使様が悪魔なんかと親しくして。
(裾を引かれて立ち止まると、控えめな微笑みでこっちを見上げてくる相手の姿。
自分は天使が嫌いなのだが、相手と話していて不快になることはなかった。それほどに、本人に言えば喜びはしないだろうが、相手は天使らしくない天使だと感じていた。
とはいえ上位の天使が地上で悪魔と関わりを持っていたとなれば天界ではそれはそれは大ごとになるだろうし、自分も天使と接触したとなればバツを受けるのは目に見えている。
振り払ってその場を後にすることはせずに、少し考えてから相手に質問を返したのが、いいわけがあるはずない。)
__ま、気が向いたら付き合ってやるよ。
じゃあな、レイモンド。
(とはいえ面白そうだと思ったのは確か。この天使らしくない能天気な天使といれば、愉快なことが起きるかもしれないと思ったらしい。
気が向いたときには付き合うと言い残して、ヒラヒラと手を振って店を出て行く。
ちゃっかり自分の伝票を相手のテーブルにある伝票立てにすべりこませて、店員にも連れが払うと言い残して帰ったようだった。)
( 気が向いたら、と言われれば、それでも付き合ってくれるのかと嬉しそうな笑顔を向けて頷いた。何も毎日話に付き合ってくれなんて毛頭思ってはいなかったし、この手とこの提案を振り解かれない程度には警戒されていないらしい。
天使と悪魔が親しくすることは、彼が問い返してきたように決して行って良い事ではない。それを分かっていても尚こんな事を言うなんて…彼の言うとおり、自分は好奇心に駆られて堕天でもする気なのだろうか。と冷静な自分が脳裏で呟いている。
それでもやはり、名を呼ばれるのは嬉しいようで、背を向ける相手を見送るが、途中伝票を差し込まれたことに「 あ 」と声を洩らす。だが、その時にはもう相手が店をでる直前で、困ったように笑ってはため息をついた。)
_あの…急いでいるので、返して貰えませんか?
(その後も暑い日は続き。
自分からあんな事を言っておいて、悪魔と顔を合わせる日は無かった。といっても、仕事がたて続き、地上の派遣でいえばまだまだ素人同然故、あまり上手くもいっていなく、大好きな街の散策もろくに出来ず自宅に籠り気味になっていたのだ。
やっと仕事がひと段落つき、ワインで晩酌でもしようかと奮発したらしい紙袋を抱え、夕焼けが空に広がる中…久しぶりに公園の前を歩いていた。
_が、やはり最近はツイていないらしい。昼間から飲んだくれていたのであろう酔っ払い2人に絡まれれば、その2人は紙袋を奪って此方を囃し立ててくる。正直いって、こんな日に笑顔を作るのは難しいが、棘の無い優しい口調で2人の相手をしているのだった。 )
__何やってんだ、あいつは……
(暑い日は公園の木陰や喫茶店、親子連れで賑わうショッピングセンターなんかをぶらついて、その場所に合った誘惑をちまちまと続けていた。
ある日の夕方、いつもの公園の前を通りかかれば酔っ払った男たちの声と絡まれているらしい人影。
通り過ぎようとして絡まれているのが天使だと気付けば、怪訝そうな顔をして上記呟く。
天使の力があるというのに困った顔でオロオロしているのだからおかしなものだ。
パチン、と指を鳴らして男たちの動きを封じると背後から近寄り奪われていたのであろう袋をひょいと取り返す。
その後また指を鳴らすとその時に少し細工をしたらしく、2人は直前まで何をしていたか忘れた様子でまばたきをしていたものの、すぐにお互いに対するほんの些細な恨みごとを思い出したようだった。
こちらのことなどお構いなしに喧嘩を始めた2人を横目に取り返した袋を相手に渡すと、呆れた顔で相手を見おろした。)
天使なんだから、あんなの力を使えばどうとでもできるだろ。
(遅ればせながら上げていただいてありがとうございましたー!おかげで気付けました!)
…ベリアルッ。
久しぶりだね。ありがとう、助かったよ
( 一瞬、目の前の男達の動きが止まれば、何事かと此方の動きも止まってしまった。しかし、紙袋を奪い取る相手の姿を見れば、その表情に安堵が浮かぶ。余程疲れていたのか、目の前に気を取られ過ぎていて、通りがかっていた相手には気付けていなかったようだ。
男共から奪い取った紙袋をきちんと返してもらえば、久し方ぶりだと律儀に挨拶を交わしつつ、申し訳なさそうに眉尻を下げて礼を述べた。)
まぁ、そう言われればそうなんだけれど。
なんだか、情けないことに今は充電不足みたいだ。
( そして、自身の力でどうとでもできるだろ、と呆れたように言われれば、えへへ、と力なく笑って頭をかいた。間違いなく相手の言う通りだし、普段なら、そう簡単に力をつかうのは_なんて言って天使としての人々の導き方を説くところだが、生憎、今回は正しい対応ができるほど脳みそが働いていなかったという理由が優勢だ。
喧嘩を始めてしまった男達も、その勢いのままこちらには目もくれずに去っていってしまった。その後ろ姿を見ながら、ため息混じりに肩を落とす。
仕事疲れを理由に仕事を放棄するなんて情けないにも程があるが、とりあえず、折角買ったワインが無事だったことが不幸中の幸いだろうか。)
( / いえいえー!
最近は本当にトピの流れが早いので見失ってしまいますよね;
また流れて行ったときにはたまにあげますね!! )
随分お疲れみたいだな。
その調子じゃまた面倒ごとに巻き込まれるぜ。
…俺もどうせ帰り道だ、家の近くまで送ってやろうか。
(天使特有のお説教も無く力無い微笑みを向けられると、パチパチと物珍しそうに相手を眺めてそう言った。
充電不足の言葉通り、どうやら随分お疲れのようだ。
悪魔のくせに人助けのようなことを、それも天使に対してするのもどうなのかと思いはするものの、せめて家の近くまで送って行ってやろうかと尋ねた。
この調子では帰りつくまでにまた厄介な人間に絡まれるかもしれないし、まだ何度か顔を合わせた程度ではあるのだが、能天気なまでの明るさがない天使には違和感を感じてしまうのだ。
あいにく自分も仕事を終えて帰るところ。途中まで一緒に歩くくらい、誰に見られても文句は言われないだろう。)
(ありがとうございますっ* こちらも流れているのに気づいたらあげるようにしますね!!)
…いいのかい?
なら、お言葉に甘えようかな。
( 思いがけない申し出に、一度再確認するように首を傾げるが、せっかくの厚意だし、と同行をお願いすることにしたらしい。
“ 優しい ”は悪魔にとって悪口だと彼は言っていたが、これが優しさと言わずになんと言うのだろう…。また反論されてしまうかもしれないので決して口には出さないが。
まぁ、確かに面倒ごとを此方が引き寄せれば、その分向こうは仕事が出来て好都合なのかもしれないしな、なんて、これも心の内で呟いておく。)
さっき助けてもらったし、この前の伝票代はおあいこだね。
キミも仕事終わりだというなら、グラスも新調したばかりだし、どうだい?
( 歩き出しながら、そうだ、と思いついたように相手の顔を見上げれば、この前伝票を差し込まれた件についてフフッと微笑みながら冗談ぽくそう声を掛けた。
あの時はドリンク一杯分だった為気にする程でもなかったし、どちらかといえば助けてもらった此方の方が明らかに恩は大きいが。とりあえずは、あいこということにしておこう。
その代わりと言ってはなんだが、先程取り返してもらった紙袋から立派なワインボトルを取り出すと、一緒にどうかな?なんて再度首を傾げる。
意外とこうした嗜好品は好きらしい。といっても、アルコールに強い訳では無いので、嗜む程度だが…)
( / 了解しました!ありがとうございます!
歩み寄っているようで少しぎこちない2人が楽しすぎるのですが……
2人の出会い編…どのようにして完結にしましょうか?← )
….お前も意外に誘惑がうまいな。
仕事終わりに天使と一杯やるのも悪くない。乗った。
(この間の伝票の件は当然相手も覚えていたようだが特に責められることもない。
買ったばかりのワインを手に誘われると、天使のくせに誘惑がうまいヤツだと言って笑みを深める。
仕事を終えて後は帰るだけ。1日の終わりに天使と悪魔が一杯やるなんてなんとも粋じゃないか。華やかなラベルのついた立派なワインボトルを見る限り、いいワインに違いない。
そんなことを思えば相手に着いていくことにしたらしく、相手と並んで歩き始めるのだった。)
(敵対関係だし性格も反対だし、凸凹なのになぜかお互い気になっちゃう、みたいな初々しさがありますね……←
お酒の場に誘ってもらったので、そのまま酔っ払って天使の家で寝ちゃう感じで終わらせるのはどうでしょう?
その後の展開も考えないとですねっ*)
誘惑のプロに褒めてもらえるなんて光栄だね。
喜んで良いのか複雑だけれど
( 悪魔に誘惑が上手いなんて言われれば、天使として喜んで良い事なのかなんなのか、文字通り複雑そうな顔をしながらも微笑んだ。晩酌が好きなんだ、とポツリと続けると、了承された事が嬉しいのか、先程よりは元気を取り戻したようで、相手と肩を並べて歩き続ける。
地上が幾ら楽しいからと言っても、流石に今日のように疲れきった日は話し相手が欲しくなる。おまけに晩酌を1人で行うのは味気ない。いつか彼が言っていてホームシックの意味がよく分かった気がする。)
…あ、もうすぐ着くよ。あの建物なんだ
( 暫く歩けば、前方の建物を指差して目的地を示す。例え知り合いでも、初めて自宅を紹介するのは何だか歯痒くて不思議な感じがする。)
( / そうですね*
起きて、夢から覚めても同じ光景なのでうまく繋がりそうです!
その後については、何かやりたい展開等ありますか?? )
俺が言うんだ、間違いない。
ヘェ、いい家だな。…実を言うと俺の家もすぐそこだ。
ちょっと白が多くて俺には落ち着かないが、ま、たまにはいいだろ。
(複雑だと言う相手に対して、誇りに思えとばかりの得意げな顔で言う。
相手が指差した家を見ていい家だと言いつつ、方向が同じことには気づいていたのだが自分の家もここから近いところにあると伝えておいた。
促されて入った部屋は綺麗に整えられ、自分の家とは違い全体的に明るい色でまとめられている。
相手は天使なので当然ながら、悪魔からしてみれば神聖な空気が漂っていて落ち着かない気分ではあるが、この天使に慣れたように部屋にも少しすれば慣れるだろう。
どこに座ろうかと考えて、背もたれにブランケットがかかった座り心地のよさそうなソファーに座ることにする。
毛布にくるまるのが好きなのはこの時から変わらず、ちょうどいいとばかりにブランケットを手元に引き寄せる。
初めて部屋を訪れたこの時点から遠慮なく、そしてこの瞬間からここが悪魔の定位置となったのだった。)
(ではそうしましょうっ*
この後の展開悩みますよね……ちょっとシリアスめに行くなら、悪魔が地獄の仕事でずっと不在にしてて、帰ってきてからも悪いことしてた負い目と地獄の空気は天使には毒だってことで引きこもり&天使にも会わない!ってふさぎ込んじゃうとか、
天使の人間界での体が不調で風邪ひくことなんてないはずなのに体調崩しちゃって悪魔が看病するとか、そういうのはやってみたいなぁなんて思います!
なにかご希望ありますか??)
それはまた、すごい偶然だね。
たまに来たくなったら、僕はいつでも歓迎するよ。
( 相手の家が近いのだと知れば、活動域が身近なのは感じていたが、まさか家までが近所とか思わず、重ね重ね偶然が続いているなぁ、と少し嬉しそうにしながらも微笑んで。
相手を促した後に自分も続いて家へと入れば、部屋を見渡す彼へいつ来ても歓迎するよ、と続けた。まぁ、白を基調とした部屋は落ち着かないらしいので、本当に来るかどうか、今は定かではないが。)
あ、どうぞ、ご自由にくつろ……いでいるね。
フフッ、猫みたいだ。
( 早速ワイングラスを取ろうと棚に手をかけながら、そうだ、と好きに寛いでもらおうと相手の方を振り返る。しかし、その時には既にソファーへと身を沈め、ブランケットに手を伸ばしている最中だった。
家主に構わずブランケットに包まってリラックスしている相手を見れば、思わず笑みを零し、猫みたい、なんて比喩してワイングラスを目前のテーブルへと用意するのだった。)
( / 展開的にいえば次がシリアスの方がバランス良いですかね*
塞ぎ込んでしまうベリアルをあの手この手で傍へ連れ戻そうとするのも楽しそうです…!
病気となると…もしやアルフレッド医師様が再登場…なんて…()
地上での体調不良に慣れていなくてアタフタするのも魅力的なシナリオです……。
此方としては、これまでのものと少し被るかもしれませんが…単純にイチャラブばっかしている2人に喧嘩して欲しいなぁと←
これまでのように嫉妬、とか、相手が心配ゆえに…ではなく、ただただ意見が合わなかったり、何かプライドを傷付けられたりでヤケになって絶交しちゃうとか…そんな青年っぽさのある喧嘩をしてみたいなぁと思ってしまいました() 仲直りは最初に出会った公園で…みたいな。結局、仲直りしたらバカップルになるんでしょうけれど*←← )
(いつでも来ていいと言うなら、暇なとき気が向いたら来てみようかと考える。
くつろいでと天使が振り向いたときにはすでにしっかり自分の落ち着ける空間を確保して、言われるまでもなくリラックスしている最中。
ブランケットも柔らかくてくるまっているのに最適だ。たしかに触り心地のいいブランケットも、狭いところも、ふかふかのソファーも好きなのだが。)
猫みたいなのはお前だろ。白くてふわふわしてる。
(猫みたいという表現が似合うのは相手の方だと言い返す。
白い服、銀色の髪もふわふわしていて小動物っぽさがあるのだ。
そんなことを言いながらワイングラスを手にして、相手にワインを注いでもらう。相手のグラスにもワインをなみなみ注ぎ入れると、グラスを持ち上げた。)
___地上での出会いに。
(レイと一緒にいることでちょっと心の綺麗な悪魔になっちゃってるので、こんなことをした俺は天使に嫌われる…ってしょげてるの、なんかいいですよねっ←
ああああお医者様再登場!!これはフラグですね……!←
仕方なく診てもらうことになっても、めちゃくちゃ横で威嚇してる悪魔がいるはずです。病院の備品壊すとか()小さな意地悪いっぱいして、逆にレイモンドの心労が増すかもしれませんね(←←
純粋な喧嘩ものすごく魅力的です!* お前とはもう絶交だ!!って言って、しばらく会わなかったりして、お互い寂しくなっちゃって仲直りとかいいですね…)
…え、ふわふわ、してるかなぁ。
っと、ベリアル。入れすぎじゃないかい?
( 此方の方が猫みたいだと言い返されれば、相手のグラスにワインを注ぎながら、恐らくふわふわ要素なのでだろう、自分の髪の毛を摘んで笑ってみせる。
そして、相手の隣にやっとのこと腰を落ち着かせれば、どうやら此方のグラスにワインを注いでくれるようで、小さくお礼を述べた。だが、それも束の間、グラスの縁なみなみに注がれれば、入れすぎだと困ったように笑った。
グラスを持ち上げる相手に合わせるように、そしてワインを零さぬよう恐る恐る此方もグラスを掲げれば 「 _乾杯 」と言葉を続けるようにして。)
……ッ、はぁ。
久しぶりに飲むと美味しさが染みるよ。
奮発して正解だった。
( ごくり、と豪快に一口飲めば、疲れを吐き出すようにため息混じりにゆっくりと上記の言葉を洩らした。
地上に来てすぐの頃はよく1人で晩酌を行っていたが、忙しくなってからは全く飲んでいなかったようで、ソファーの背もたれに深く体を預ければ、もう一口口を付ける。)
( / しょんぼりしちゃって相手を遠ざけて…それでレイモンドは、地獄に帰っちゃうと僕なんかすぐ忘れちゃうよね…所詮天使だもんね…ってなって絶妙なすれ違いでお互い離れようとしちゃう…切ない感じの展開も良いですね…←←
まさかの仲介役で悪魔アンチの誰かさんを出すのも楽しそうです…←←
アルフレッドとベリアルの攻防戦でドタバタしちゃう看病編もとても楽しそうですね* 2人に挟まれる病人天使くん…意地悪に呆れてベリアルくんを叱りたい()
こちらはシリアスの後に日常編として展開するのも良さそうです!
良いですよね…、、
しかし、上記の2パターンがとても楽しそうすぎて、一先ず、喧嘩編はネタ切れまで取っておきましょう←←)
疲れてるときは飲むに限るだろ。
(入れすぎだと指摘されても悪びれることなく、疲れているときこそ飲むに限ると言ってのける。
なみなみ注がれたワインを飲み干すころには、楽しい気分になっていることだろう。
こぼさないよう恐る恐る持ち上げられたグラスとグラスが合わさり、小気味よい音が鳴るのを聞いてからグラスを傾けた。)
ああ、旨いワインだな。
天使からの誘惑にのって正解だった。
(奮発したというだけあって香りも味も文句なしのワインだと、ペロリと唇を舐めると満足そうに言う。
天使からの誘惑に乗って晩酌に付き合うことにして正解だったと言いながら機嫌よさそうにワインを飲むのだった。)
(切ないすれ違い…!お互い「嫌いにならないで」「離れていかないで」っていう本心を隠してるんですね!天使に顔向けできないってしょげて、天使が足を踏み入れないような治安悪めのパブとかで呑んだくれてるやさぐれ悪魔もいいかも…←←
悪魔アンチ、厳しいこと言ってお尻叩いて結果いい仕事してくれそうですね(←
では夢での過去編の次に、悪魔が地獄の仕事でしょげる編()から始めて、風邪ひき天使編、その後また相談して別ネタか喧嘩編か、という感じでしょうか!*)
…フフッ、まさかのってくれるなんて意外だったけれど。
あ、先に言っておくけど
僕、あまりアルコールは得意じゃないんだ….。
更に情けない姿を見せてしまうかもね。
( 機嫌良さそうにワインを飲む相手を横目で見ると、晩酌に付き合ってくれたのが意外だと慎ましく微笑んだ。助けて貰った上に送って貰って、晩酌ともなると “ 調子に乗るな ”ぐらい言われてもおかしくないかと思ったが…。しかし、意外であろうとこうして実際に付き合ってくれた事に関してはとても嬉しいし、此方も楽しんでいるので喜ばしい誤算であった。
順調にワインを飲み進めていくと、ほんのりと白い肌に赤みが帯び始め、熱が篭ってくるのが分かる。
アルコールは得意じゃない、と告げると、酔っ払って不甲斐ない姿を見せてしまうかもと考え、困ったような照れたような笑みを浮かべた。だが、すぐに「 今更、キミにかっこつけても意味無いか 」と肩をすくめる。
悪魔にいい所を見せたところで何も変わらないし、おまけに先程の助けてもらったばかりの為、今更不甲斐なくとも問題はないだろう。 )
( / う……今から考えただけでも胸が痛い…;;
やさぐれ悪魔いいですね!ぜひ見たいです…。
愛しい先輩がしょぼくれているのを見て、話を聞けば 「 あの悪魔め…」と言った感じでパブまで乗り込んでお尻叩いて欲しいですね((
そうですね!その流れで良いかと思われます!!
この後の展開もとても楽しみですね* )
お前みたいな天使と飲むのはおもしろそうだ。
それに旨いワインがあれば行く。
別に、アルコールなんてかっこつけて飲むもんじゃないだろ。
ベロベロに酔っ払ったっていい。
(普通の天使とならこっちからも願い下げだが、相手のような天使と飲むのはおもしろそうで興味がそそられた。
その上いいワインでもてなされるとなれば誘いに乗るに決まってると言いながらゴクリと喉を鳴らす。
それほど時間はかからず、なみなみ注いだワインは半分ほど減って相手の頬も赤く染まり始める。
美術館なんかに展示されている天使の絵みたいだと、頬を染めた相手を見て思う。
白い肌に紅をさしたような天使が中世の絵画にはよく描かれているのを地上で知ったが、あの天使は今の相手のように酔っ払っていたのだろうかなんて、ワインを片手に適当な事を考えた。
情けないだなんて考えず、好きに呑んで好きに酔えばいいと言いながら、自分も空いたグラスにワインを注ぐ。)
(お互いが大切だからこそのすれ違い…切ない…….
いいですねー!ラグエル君大活躍!
ではでは、この過去のふたりが酔っ払って寝ちゃったら、場面転換としましょうっ*)
確かに、キミの言う通りだよね。
( かっこつけて飲むものではないと言われれば、笑いながら頷き上記を述べた。そして、尚も相手の言葉を返すように 「 またワインを買ったら誘おうか 」と続ける。
それからも残ったワインをどんどん飲み進め、発言通りアルコールには弱いらしく、既に睡魔と戦いながらほとんど夢見心地の気分のようだ。)
…あのね、僕だって、悪魔なら誰でも良かった訳じゃないんだよ。キミだからこうして、話をして、お酒を飲んで……。
ベリアル、僕、キミのこと好きだよ。
地上にきて出来た友達が、ベリアルで良かった。
( ゆらりゆらりと、猫みたいだと比喩された銀髪を揺らしながら、ゆっくりと口を開いて話し始める。
自身のもつ好奇心故に悪魔にも平然と話しかける、その事実は否定しないが、どんな悪魔ともこうして話をしたり、晩酌に誘う訳では無い。そうさせたのも、相手がなんだかんだ話に付き合ってくれたり、さっきのように助けてくれたりと、惹かれる部分があったからだ。
自分とは違い、赤く鋭い眼差しの瞳を見つめれば、柔らかく微笑んで、好きだ、と告げる。悪魔と友達になるなんて前代未聞だし、自分の地位を考えれば馬鹿げたことをと周りは笑うだろうが、それでも、偶然出会えたのがキミで良かったと微笑む。
相手の名を呼ぶ呂律も怪しいが、残りのワインを飲み干して、再度ヘヘ、と小さく笑った。)
( / まだまだ色々な展開を楽しめそうでワクワクです…っっ*
了解しました!ありがとうございます!! )
(いいワインを開けるお供に誘われるのは悪くない。機嫌がよければすぐに天使からの誘惑にのるだろう。
疲れていると言った相手を酔わせて発散させるのが仕事とばかりに相手のグラスにワインを注ぎ足していたものの、どうやらかなり酔ってきた様子。
自分だから声をかけて友達になったのだと言われると、天使らしい柔らかい微笑みを見せる相手を呆れた顔で見る。)
…お前、酔うと人たらしになるのか。
隙を見せてつけ込まれても知らないからな。酔ってる天使なんて、俺たちの力でどうとでも操れる。
俺たちは友達なのか?
(「俺は悪魔だから悪魔たらしか」なんてグラスを片手に言っていたものの、好意を伝えられて悪い気はしていない。
天使が悪魔に隙を見せて、自分が何かを企んでいるような悪魔だったらこの場に乗じてつけ込まれているはずだと注意する。
実際この悪魔は何も企んでいないため、ブランケットにくるまったまま説教垂れるだけなのだが。
楽しそうな相手に対して、自分たちは友達と呼べる関係なのかと疑問を投げる。友達なんていうのはこれまでいたことがないので、なにが友達かはよくわかっていなかった。)
(ですねっ!今後の展開もとても楽しみですし、案も尽きなそうです*
よろしくお願いしますー!)
悪魔たらしかぁ、そうだったのかな。
( 注ぎ足されたワインを更に飲めば、うとうとと潤んだ瞳が細くなってゆく。
相手の言葉に尚も優しく笑いかけながら上記を呟くと、一度グラスをテーブルへと置き、背もたれへ頬を乗せると、そんな脱力した体勢のまま、隣に座る相手の顔を見つめていた。
ふと、友達なのか、と問われれば 「 うーん 」と一間考えるように腕を組み、またゆっくりと口を開く。)
友達の定義はそれぞれだと思うけれど…
僕は、こうして話を聞いてくれたり、助けてくれたり…
なんだかんだ僕のために注意してくれるキミを、友達と呼ばずに何て呼べばいいか分からないから。
悪魔と天使なんて関係ないさ。
僕が、ベリアルといて楽しいから、友達だと思ったんだ。
( 誰でも、他愛もない話ができればそれで友達だと思っていたし、今思えば、自分の中で友達になるというハードルはとても低いものだったかもしれない。しかし、どれだけ最初のハードルが低かったからといっても、相手を友達だと認識するのは必然にも感じた。
悪魔の力でどうにでもできると怖い事を言うけれど、彼はそうする素振りもなく、それどころか、こんなだらしの無い自分に説教してくれているようにも感じる。自分にとって、それは友人がしてくれる事だから。
関係ないとは言ったものの、実際は関係大有だし、天使と悪魔というだけで普通は交流を断つだろう。しかし、最初に出会った時にも言ったように、実際に合間見えてはじめてその人の事を知ることが出来る。
その結果、ただ、彼という存在と友達になりたい。それだけだった。 )
( / こちらこそよろしくお願いします!!
ちなみに、夢を見ていた2人が起きて「懐かしい夢を見てたな」なんて話をする描写はいれますか??
それとも、そのまま時間経過をつかって場面展開致しますか?? )
…天使と悪魔の友達なんて聞いたことないな。
つまり俺らが第一号ってことか。
(友達について語る相手の言葉を聞きながら時々ワインを飲み、そういうものなのかと頷いて見せる。
一緒にいる時間が楽しいと思えば友達と言っていいなら、たしかに今この時間を楽しんではいる。
天使と悪魔が友達同士なんて聞いたことがないし、お互いの側にバレたら当然バツを受ける、掟破りなことだとはわかっているが地上で天使とつるむのも悪くないと思ってしまった。
友達と言っていいなら、自分たちは天使と悪魔の友達としてははじめての組み合わせなのではと、愉快そうに笑う。
はじめの嫌悪感や警戒心はすでになくなっているようだった。)
(こちらとしてはどっちでもいいですよー!
今は一緒に寝るまでになっているわけですし、起きて懐かしい夢を見たってベッドでイチャイチャ(?)するのもアリだと思いますっ*←)
第1号か…、素敵だね。
( 俺らが、といった相手の言葉に、一瞬拍子抜けしたように瞬きしては、直ぐに嬉しそうな笑顔になる。天使と悪魔の友達、その第1号かと相手に続いて考えれば、再度ワインを一口煽って上記を呟いた。何より、彼も友達だと思ってくれた事がなによりも嬉しかったようだ。表情を見る限りでも、もう此方に対する不快感も警戒心も無くなっているようで此方も安堵する。)
ん、ごめんよベリアル…。
帰り、キミの家まで送っていければと思ってたんだけど。
このまま、好きに寛いでいっておくれ。
僕は、いつの間にか寝てしまいそうだ。
( それからも暫く飲み進めていたが、どうやら此方の睡魔にも限界が訪れそうで…尚も うとうとと勝手に閉じてくる瞼をかろうじでこじ開けながら、思い出したように謝罪の言葉を口にした。いくら家が近いとはいえ、遅くまで晩酌に付き合って貰ったのだし、今度は此方が送ろうかと考えていたらしい。しかし、酒が思いの外進んでしまい、おまけにこの状態では逆に介抱されてしまう事だろう。
万が一人間がやって来ても安全なように部屋には鍵を掛けているが、それも悪魔にかかればあって無いようなものだろう。好きに出入りしていって構わない、と半分機能していない思考を働かせながら伝えた。「 キミも眠くなったら ベッド使っていいから 」と、此方は相も変わらずソファーに全体重を預けていて。 )
( / 了解しました!
では、少しばかりのイチャイチャ(?)を挟んでから次の展開へいきますか *←← )
そりゃどーも。
お言葉に甘えて、もうちょっと飲んだら帰る。
(相手の家なんだから自分を送ることなんて考えず、眠くなったら好きに眠ればいいと言って空いたグラスにもう一杯ワインを注ぐ。
好きに出入りして、ベッドも使って構わないと言われるとそう返事をして、これを飲んだら帰ると告げた。
ソファーに体重を預けてウトウトと眠り始める相手を横目に、今日は天使を助けたと思えば友達になって、おかしな日だと思いながらワインをひとり楽しむ。
帰ると言いながらも意外にこの家は心地よく、さらには温かいブランケットにくるまっているものだから動く気が起きず、最後の一杯を飲み終えてもしばらくソファーに収まったままでいるとやがて自分も眠くなってきて、気づけば体を丸めて相手の隣で眠り込んでいたのだった___。)
(そうですね、そうしましょう!*)
__……、…。
( カーテンの隙間から覗く朝日に、ゆっくりと目を開けて瞬きを数回。なんだか、とても長い夢を見ていたような気がした。しかし、それは悪夢なんかではなく、懐かしいような、つい最近の事のような…そんな素敵な夢だった。
うーん、と小さく声を洩らしながら寝返りを打てば、そこには布団に包まって眠る相棒の顔がある。あの日も、翌日に起きたら相手の顔があって最初は驚いたな、と当時の事を思い返してクスリと笑う。
そういえば、昨夜一緒に飲んでそのまま2人で寝たんだったか、と記憶を手繰り寄せれば、相手の顔にかかった前髪を優しく払い除ける。
いつもならばとっくに起きている時間だが、隣で眠る相手の顔を眺めていると此方も再度睡魔に襲われそうになる。
とりあえず、奪われていた布団を半分取り返せば、此方も布団に包まって二度寝する気はないが、たまにはこうしてベッドの上でのんびりするのも良いだろう。 )
………ん゛ー…寒い、…
(カーテンの隙間から差し込む眩しさから逃げるように掛け布団の中に顔を引っ込めて、相手の分の布団まで自分の体に絡みつけて眠っていたものの布団が少し取られると不満そうな声を上げる。
悪魔は体温が低いせいか寒さには弱く、温もりを求めるように寝返りをうって天使の体を抱きしめた。
とてもなつかしい夢を見ていたようだと薄目を開けたものの、体が温まるとまた眠くなる。
「……昔の夢を見た…」と相手の胸元に顔をうずめたまま寝ぼけた声で言うのだった。)
…え、キミもかい?
実は、僕も昔の夢みてたんだ。
( 不満そうにしながらも、温もりを求めて此方を抱き寄せる相手に微笑ましそうに笑いかけては、寝ぼけた言葉に、偶然の一致だと嬉しそうに上記を述べた。
此方の胸に顔を埋める相手の頭部を優しく撫でつければ、その猫毛を自身の指に絡める。)
最初会った時、とても嫌な顔をされたのを思い出したよ。
( 懐かしそうに目を細めながら、もう一度夢で見た光景を辿れば、あの公園で初めて話しかけた時のことを思い返す。
天使に声をかけられ、喜ぶ方が可笑しいのは分かるが、今となってはあぁやって嫌な顔をされていたのも懐かしく感じてしまい、再度、思わず笑みが零れた。)
…なんだ、同じベッドで寝ると同じ夢を見るようなしかけでも付いてるのか?
(相手の温もりを感じながらウトウトと心地よくまどろんでいると、同じような夢を見たという言葉が降ってきて相手を見つめる。
撫でられるのは気持ちがいいと相手から離れることはなく、天使のベッドにはそんなおかしなしかけまで付いているのかと愉快そうに笑った。)
そりゃそうだ、仕事してたら急にお気楽そうな天使が近づいてきて世間話を持ち出してきたんだからな。
何か裏があると思うだろ。
(公園でやっている子ども向けの手品ショーでも見るような調子で天使が近づいてきて、急に声をかけられたんだから警戒して当然だ。
何かを企んでいて、隙を見て聖水でもかけられるんじゃないかとヒヤヒヤしていたと不服そうに言うが、そんな話をしながらも相手の背中に腕を回したまま。
今となっては隣で眠れるほど、いっさいの警戒心が失われているようだった。)
( 愉快そうに笑う相手に 「 まさか 」と、しかけについては此方も笑いながら否定する。しかし、確かに同時に同じ夢を見るなんて滅多にないし、自分の知らぬ間に力が働いてしまったのだろうか、なんてまだ少し寝惚けた頭で考える。)
フフッ、確かにその通りだね。
…でも、良かったよ。キミに嫌われなくて。
(そして、当時を振り返る相手の言葉に、それもそうだと言わんばかりに苦笑いをする。
あの時のことを客観的に見てみれば、確かにあれはお気楽すぎたなと自分でも思う。だが、同じ事をしないかと言われば自信はなく、その好奇心は健在だ。まぁ、今はフラフラし過ぎると叱ってくれる相手がいる為、少しはマシになっただろうか。
其れよりも、こんな自分を嫌わずに仲良くしてくれた相手に感謝の気持ちが湧いてくる。あの時、もしも嫌われていたら、今のような幸福は感じられなかっただろう。
暫くお互いに身を寄せあったままだったが、このままでは本当に二度寝してしまう、と上半身をゆっくりと起こし、もう一度相手の髪を撫でた。)
アル、今日は仕事ないのかい?
嫌ってたらここでこんな風に寝てない。
(あの時天使の話を聞かずにとっとと公園を後にしていたら、今のような友情はなかっただろう。今も自分はひとり、地上で仕事をしているだけだったかもしれない。
たしかに変な天使だとは思ったが、嫌なヤツだとは感じなかったとあの時のことを思い出しながら考える。
天使と友達なんておもしろそうだと思った当時の想像通り、今はこんなにも楽しい日々を親友と過ごしているわけで。
あの時の選択だけは間違っていなかったと断言できる。)
ないよ、だから夕方までだってゴロゴロしてられる。
(昨日のパーティーで仕事はかなり進めたし、月末までには決められたノルマ分の悪行を済ませることはできそうだ。
今日は特に仕事はないと言いながら、起き上がってしまった相手を寝転んだまま見上げて、まだ時間はたっぷりあるとばかりに笑みを浮かべた。)
( 本当にその通りだ、との意を込めて再度笑いかければ、変に寝癖の付いてしまった髪の毛を撫で付けながら欠伸を1つ。
あの時は、少なからず嫌われてはいなくとも、警戒するほどにも満たないただの変人程度にしか思われていないだろうと思っていた。しかし、あの日、思わずソファーで寝落ちしてしまうぐらいには自惚れてもいいのだろうかと考えたのを今でも覚えている。実をいえば、あの朝の光景は結構嬉しかったのだ。)
キミは本当にそれで一日潰してしまうから心配だよ。
…それに、僕もつい釣られちゃうんだよな。
( 欠伸したことで流れる涙を拭えば、ゴロゴロしていられると笑みを浮かべた相手に苦笑いを返す。布団に包まるのが大好きな彼は、用事さえなければ本当に一日中ベッドの上で過ごすため、此方としたは歯がゆいのだ。
だが、隣で暖かそうに横になっている姿をみると、不思議と自分までゴロゴロしたくなる、とせっかく起き上がった上半身を再びベッドに沈めて、安らかな誘惑に乗ってしまうのだった。 )
(天使と心ゆくまでのんびりとした時間を楽しんだ休日から数週間。
『頼みたい仕事があるから地獄に来るように』という連絡が急に入り、一人で心底嫌そうな顔をする。
一度降りれば大抵長引くことはわかっているが、しばらく地上を留守にすると天使に報告するほどのことではないだろう。
帰ったら声をかけようと思い、部屋を施錠して地獄に降りたのがもう2週間前のこと。
_____ようやく仕事を終えて地上に戻るころには、すっかり気分は沈んでいた。
散々悪さを働いて、あるいは借金がかさんで、はたまた自分の犯した罪に耐えきれなくなって、とにかく身動きの取れなくなった人間を何人も死に誘惑して地獄に落とした。
長く地獄にいて仕事をしていたためすっかり悪魔らしい、地獄の匂いが体にまとわりついているように思えるし、何より人を死に誘惑して地獄に落としていたなんて、あの天使に言えるわけがなかった。
自分がそんなことをしていたと知ったら人間のために悲しむだろうし、嫌われるに決まってる。
自分が長く留守にしている間に天使は家に来ただろうか。帰ったら一番に相手の家に行こうと思っていたのに、クタクタになって自分の家に戻ってくると、2週間ぶりにベッドにもぐりこんだ。)
(キリよくまとめていただいたので、地獄のお仕事をして帰ってきたベリアルを投下しておきますっ!)
( 相棒を見かけなくなって2週間。天使はぼんやりとしながら街をとぼとぼと一人歩いていた。
_休日明け、いつものように相手の家へお邪魔してみると、珍しく相手の方が先に外出しており、おまけにそれ以降、全く帰ってくる様子がなかった。
数日間は心配していたが、今のところ悪い予感などはしないし、恐らく下での仕事が入ったのだろうと察しよく考察に至った。だが、それで居てもなんだか落ち着かなくてこの2週間を悶々と過ごしていた。
これまた心配症だと馬鹿にされるかもしれないが、相手がいつ帰ってくるのかが気が気でなくて、ほとんど毎日相手の家へと寄っていけば、冷たく真っ暗な部屋に肩を落としていた。
しかし、今日もまた帰ってきていないだろうかと相手の家を尋ねれば、微かに悪魔の気配を感じ、慌てて相手の部屋へ )
__アルッ、おかえり!
帰ってきてたんだね。仕事にいってたのかい?
( 遠慮も無しに玄関の扉を開けて入ってみれば、いつものようにこんもりと盛り上がった布団が目に入る。
無事に帰ってきた、と安堵のため息をつきながらも、声色は嬉しそうに上記を述べた。)
( / ありがとうございます!
また、今回もよろしくお願いいたします!! )
…下での仕事だった。
帰ってきたばっかりなんだ、数日すれば匂いも取れると思う。
だから、何日かしたら出直してくれ。
(たしかに施錠したはずの扉が開く音が聞こえて、聞き慣れた足音が寝室に近づいてくる。
久しぶりに聞く相手の声がして、布団から目元を覗かせる。仕事で地獄に出向いていたのだと言い、自分が体にまとっている地獄の空気は天使には毒だからと今日は帰るように言った。
地獄に永く留まっていたからか、天使がいつも以上に神聖に見えて、近づいてはいけないと思ってしまう。
背中の痛みに苦しんだときにも少し似た、なんだか惨めな気分だったのだ。
悪いことをしてきたという負目も感じていたせいで、長い時間天使と話している気分ではなかった。)
(こちらこそお願いしますー!*)
やっぱりそうだったんだね。
お疲れ様。
……うん、分かった。
また、疲れが取れたら来ておくれよ、話したいことも沢山あるしさ。
( 仕事の内容を聞けば、予想していた通りだった為に、また安堵したように頷いた。何はともあれ、何らかの事件や事故に巻き込まれていなくてよかった。
布団の隙間から覗く相手の瞳をしゃがみこんで覗き返してみるが、言葉を続ける声色からも察するに元気が無いようだった。
覗いていた顔を退け、少し考えれば、出直してきて欲しいという相手の意思を了承するように、静かに返答をした。
いつかのように激しい苦痛に蝕われている訳でもなく、なにやら様子の可笑しい相手に疑問を抱きつつも、仕事で疲れているのだろうと自分を納得させた。
確かに、お互いに地獄や天国から地上に戻ってくれば、その色は一時的に濃くなるが、自分的には気にならない。だが、彼なりに気を使ってくれているのは感じ取れたのか、休んだ後にまた会おうと優しく笑いかける。
そしてまた、相手からも言われた通り、数日後には元気な相手の姿を想像しながら再度顔を出すことになるだろう。
しかし、胸の内にはずっと、どこか一抹の不安を抱えていた。 )
(その日は相手もすんなり納得してくれて、こちらを労ってから長居することなく帰っていった。
疲れが取れたら来てくれと言われていたにも関わらず、それから何日経っても相手のところに顔を出す気になれなくて気持ちはどんよりと沈んだまま。
むしろ地獄での仕事について考えていたせいか日に日に落ち込んでしまったような気もする。長期間地獄を離れて地上にくらしていることと天使と仲良くなったことで、思った以上に自分から悪魔らしさが失われていたことへのショックもあったかもしれない。
それに加えて仕事のことを知られたら天使に軽蔑されるという不安が膨らんで、今までになく塞ぎこんだ気分になってしまったのだ。
何をする気にもならないし食事はしなくてもあまり害はないので、1日中どこにも行かず布団にくるまっていることも多く、天使と顔を合わせないまま時間がけが過ぎて行くのだった。)
( _あれから幾ら経っても、悪魔が顔を出しに来ることは無かった。
数日後に此方からも出向くとは言っていたが、正直、此方から行く前にケロッと相手が顔を見せに来てくれると思っていたので、小さな欠片だった不安の種がどんどんと膨れ上がってくる。
自分も地上の仕事で手一杯になってしまったり、といったタイミングもあったが故、訪ねるのが遅くなってしまったが、何より、会いに行くのが少し怖いと感じてしまっていたのだ。)
……やぁ、ベリアル、大丈夫かい?
ワインとデザートを買ってきたよ
( 静かに玄関の扉を開けると、部屋の中はいつにも増して暗い雰囲気を漂わせ、丸くなっている布団の山を見るに、相手はずっと寝たきりなのかと心配そうに眉をひそめた。
持っていた紙袋を低く掲げれば、笑顔で上記を述べながら部屋の中へとやってきた。
直ぐに会いに来れなかった償いの意も含まれているのであろう、何時か初めて一緒に飲んだワインと、食べ損ねていたガトーショコラを探し出して買い直してきたらしい。 )
( / 上げ ありがとうございます!!
待たせ致しました!! )
(天使の気配がして、さすがにそろそろ来るだろうと思っていたのだが、気まずくてベッドに潜り込む。
手土産にワインとデザートを買ってきたと言う相手。いつものように2人で楽しくワインを飲みながらおいしいデザートを食べるなんて最高じゃないか。
そう思うのに、どうしても気分が上がらない。天使が好きだからこそ、地獄での出来ごとを知られて幻滅されるのが怖かった。)
……レイ、悪い。今はそういう気分じゃないんだ。
ひとりにしてくれ。もう少し休みたい。
(布団に潜り込んだままボソボソと話すものだから、天使は相当ベッドに近づかないと自分の言葉を聞き取れなかったことだろう。
相手のせいではないのだ。ただ自分が、気持ちを切り替えられないだけで。
帰ってきてからずっと寝ているのだが、もう少し時間が経てばきっと回復すると言いながら顔を見せることはない。
いつもの勢いはなく、すねた子どものような有り様だった。)
(いえいえよかったです!お帰りなさい!!)
………
( ベッドから顔を出さず布団の中から返答する相手に、静かに紙袋をテーブルに置けば、相手の傍らにそっと腰掛け耳をそばだてた。
所々聞き取れなかった中で、聞こえてきた“ 1人になりたい ”の言葉、そしてその声色に、更に抱えていた不安の種がミシミシと鈍い音を立てながら大きくなるのを感じる。
暫く黙った後、横で丸くなっている布団の上にそっと手を重ねると、やっとの事で口を開いた。)
…ねぇ、アル。
僕の顔、見たくないの?
( 優しくそう言った言葉には寂しさや不安もあり、それでいてどこか冷静さを持ち合わせていた。
布団を被り、いつもは覗かせてくれる大好きな赤い瞳さえ、一向に此方へ向けてくれる気配はなく、ただ、相手が今どう思っているのかが気になった。
拗ねているようにも感じる相手の言葉からは、身体の不調を訴えているものではなく、何か隠している、何か言いたい事がある、と安易に予測できた。それが何とまでは分からないが、これだけ一緒にいればなんとなく分かってしまうのだ。
これだけ篭っていれば、いつか人間の体を壊してしまうよ、なんていつものようにお節介じみた事を言おうと思っていたが、述べられたのは上記のみだった。 )
…今は見たくない。
俺に構わないでくれ。
__天使のお前が、悪魔に関わるべきじゃなかったんだ。
(帰ることはなく少しの沈黙の後に近くに腰をおろした相手が、布団越しに丸まっている自分の体に手を置いたのを感じてその温かさにまた気分が重くなる。
相手はいつだって人を気使える優しい天使だ。自分は地獄に人々を引きずり込んだばかり、吊り合うわけがないじゃないか。
八つ当たりじみた返事をしただけで布団から顔を出すことはしない。
ただ仕事としてやるべきことをしただけ。それだけのことなのに、天使と顔を合わせたら、悪魔のくせに罪悪感に押しつぶされそうな気がしていた。
気まぐれに相手と友達になったのがはじまりだったのだが、天使と悪魔の友情なんて元から成立するはずがなかったと呟いた。)
……“今は ”じゃないだろう。
( 相手の呟きに、布団に重ねられた手を僅かに震わせた。大きくなっていた種が破裂したような感覚があれば、頬へ静かに涙が伝った。相手に聞こえるか定かではない声で上記をつぶやくと、重ねていた手を退ける。
相手はきっと何かに悩んでいる、力になりたいが、凡そ、何に悩んでいたのか、憶測だったものが今、相手の言葉を受けて勝手ながらも確信に変わった気がした。
_もう、天使である自分が、嫌いになったのだ。
元々、自分が能天気にも話しかけたことがきっかけでこの関係が始まった。自分は最初から悪魔や天使などの種族に囚われる考え方は好きではなかったが、相手はそもそも天使が嫌いだった。
久し方ぶりに地獄での仕事に専念して、やっぱり天使の存在が煩わしくなったに違いない。
「 ごめんね 」とだけ、乾いたように笑いながら涙を拭えば、逃げるように腰を上げて、荷物は置いたまま、家を出た。
似たように喧嘩をしたこともあったが、それとは比べ物にならないぐらい胸が苦しく、涙が流れる。だって、もう会ってはいけないと思ってしまったから。
__まだ日は高いと言うのに、此方は雷雨に打たれ沈んだように下を向いたまま、濡れた頬を寒風に晒しながら一人、街の中を歩いていた。 )
(天使の傷ついた声と謝罪が聞こえて、やがて部屋は静かになる。
謝らせたいわけじゃなかった、幻滅されて嫌われるのを避けるためだけに天使を遠ざけてしまった。それも深く傷つけて。
そんな自分の醜さにもまた嫌気がさして、どんどん縮こまってしまいたくなる。
本当は、地獄で非道な仕事をしていた自分を許して欲しくて、それでも好きだと言って欲しかった。
でもそう言ってくれる確証はない。君は最低だ、なんてもし言われでもしたら立ち直れない自信があって言い出せなかった。)
(夜になり、ようやく布団から起き出す。
モヤモヤした嫌な気持ちを忘れてしまいたい。テーブルの上には相手が持ってきたワインとケーキが置かれていたが、それでひとり晩酌を楽しむ気には到底なれなくて、ノロノロと服を着替えてから家を出た。
向かったのは、相手となら絶対に足を踏み入れない裏通り。
オシャレなレストランもなく人通りも少ない、道端で喧嘩をしてる人がいたり治安がいいとは言えない通りにある一軒の寂れたパブへ。
薄暗く雑然とした店内には当然おしゃれをしたカップルなんかはいない。
カウンターのすみに座り、ウイスキーをロックで頼むとそれを一気にあおった。)
「 ___おい、貴様ッ、やっと見つけたぞ! 」
( 日も暮れ、月夜が辺りを照らし始めてどれぐらい時間が経っただろうか。夜が深くなるにつれて、裏通りには酔っぱらいや輩が増え始め、その喧騒も増していく一方。
悪魔が1人ヤケ酒をしている店へ、逃げ込むようにしながら駆け入ってきた男が1人。場違いなカジュアルスーツに身を包んだ男は、息を切らしながらやって来て、そして、カウンターの隅に座る相手を見つければ、前髪の隙間から覗かせた瞳で鋭く睨みながら相手の傍まで大股で歩み寄る。
途中で輩に絡まれでもしたのか、ブロンドの髪は乱れ、シャツもヨレ放題であったし、何やら疲れきった様子であった。)
「 ……まさか、また顔を合わせる羽目になるとはな。
我ながら最悪だ。」
( それでも、乱れた髪をかきあげ腕を組み、座っている相手を見下ろせば、グラス片手にやさぐれている様子に嫌悪感を露わにした。
自分からやってきたくせに、発言と今の状況には矛盾が生じているが、自分だって好きで相手の顔を見に来たわけじゃない。それどころか、邪険にしている相手を探すなんて面倒くさいことこの上なかった。それでもここまでやってきた理由については、勿論、相手も大体は察しがつくだろう。 )
……お前から好きで会いに来たんだろ。
最悪なのは、こっちのセリフだ__.
天使様が、こんな店に何の用だよ…晩酌なら御免だぜ、俺はレイモンドとしか飲まない。
(いつもより度数の高い酒を何杯飲んだだろう。大きな声が聞こえてこちらに歩み寄ってくる足音に緩慢な動きで顔を上げると、そこに立っている男を見上げる。
忘れもしない、あの最悪な天使だと理解するとあからさまに嫌な顔をして残っていた酒を飲み干し、あいたグラスと交換でもう一杯手元に引き寄せる。
自分から会いに来といて最悪だとは、こいつは何を言ってるんだと顔をしかめたがだいぶ酔いが回っているよう。
ギリギリ呂律は回っているがいつもよりゆっくりとした口調、目も赤く動きも緩慢。まさにヤケ酒で、普段飲みもしないウイスキーを大量に飲んでいるのだから当然だった。
自分と晩酌をしに来たならお前とは飲まないと言って、またグラスをあおる。
天使と晩酌をするのはレイモンドだからであって、このいけすかない天使と飲み交わすのはまっぴらごめんだと言ってのけた。)
( 相手の言葉に、これまた嫌味を言い返そうと口を開いたが、ここは一度、落ち着いて乱れていたシャツやジャケットを直し静かに隣へ腰掛けた。
眉間には皺を寄せたままだが、どうやら、今度は相手についての不満からくるものではないらしい。)
「 生憎だな。レイモンドさんは、…天界に帰りたいそうだ。」
( 晩酌は先輩とのみ、という相手の言葉に、皮肉そうにしながらも、それでいて大好きな先輩を心配そうに上記を呟いた。
昼過ぎ、再度地上を訪れ散策していたところ、どうやら偶然出会ったらしい。しかし、顔を見れば目は赤く腫れ上がり、泣き腫らしたようだった。此方の顔を見るや否や再度泣き出せば、「 帰りたい 」と弱々しく呟かれた。
酒ではなく、水を一杯もらおうと店員に頼みながら、隣に座る相手の顔は見ずに、僅かに怒りの籠ったように言葉を続けた。)
「 俺は、先輩を天界へ連れ帰りたかった。それは今でも変わらないさ。…でも、急に可笑しいだろう。
先輩は、お前に嫌われたと言っていた。
何を言ったんだ。」
………レイモンドが、天界に帰りたいって言ったのか?
(隣に座った天使に構うことなく、ただ酔うためだけにウイスキーを流し込む。
しかし相手から告げられた言葉に、ギョッとした表情を見せて相手の顔を見つめると本当に相手がそう言ったのかと尋ねる。
それからまた深くため息をついてウイスキーをあおると、おかわり、とマスターにグラスを押しやった。
このペースで何時間も飲んでいるのだから潰れるのも時間の問題だろう。)
_____やっぱり、俺はあいつに嫌われたんだ。
…何も言ってない、今は顔を見たくないからほっといてくれって、そう言っただけで…
だって、言えないだろ?地獄の任務に何週間も行ってたんだ。
…俺が何をしてたか、あいつに知られたら嫌われると思って…顔を合わせられない。___なぁ、分かるだろ。
(天界に帰りたいと言った、という事実を自分の中で繰り返すと、やっぱり天使に嫌われたんだと項垂れる。
天使と悪魔の両方が、お互いに嫌われたとしょげているのだから隣の相手にとってはさっぱり訳がわからないだろう。
ウイスキーが入ったグラスを見つめながら理由を話し出し、ついでにボロボロと涙をこぼし始める。
酔っ払って情緒が不安定になっているらしい。隣の大嫌いな大天使にはばかりもせずに子どものようにグスグスと泣いて、好きでもないウイスキーを流し込んだ。)
( 事実を確認するかのように問いかける相手に、黙って頷けば、水を一気に流し込んでため息を着く。
あんな事があったのに、自分に対してベラベラと話し始める相手を横目に、相当酔っているのだなと思いながら、とりあえず一通り話を聞くが、再度深くため息をついた。
お互いにお互いが嫌われたと、まるで子どものようにぐずる天使と悪魔。なんて難儀な関係なんだと、頭をかいた。)
「…お前、顔を見たくないって言ったのか?
阿呆め、そんなこと言われたら嫌われてると思うだろ。
おまけに、ずっと先輩を避けていたんだろう。
俺だって、ゼパルにそんなことされたら傷付く。 」
( 隣でついに涙を流す悪魔にギョッとしながら、なんで自分がこんな事を…と思いながらも強い口調で上記を返す。“ ずっと、顔を見せてくれないんだ ”と嘆く先輩の言葉を思い出せば、こういう事かと納得しつつ、ウィスキーを流し込むそのグラスをひったくった。
その勢いで仲の良い悪魔の名前を口走れば、一瞬、しまった、と舌打ちするが、一間して、隠しても意味が無いと諦めたように口を開く。)
「 言ってたろ、悪魔も天使も関係なく、レイモンドさんが貴様と一緒にいたいと。
俺は、到底信じられなかった。悪魔っていうだけで、皆救いようのない低俗だと思っていたからな。
でも、最近、先輩の言葉がやっと分かってきたんだ。
なのに、なんで貴様らがこの有様なんだ。 」
だって、本当に顔を見たくなかったんだ。
俺は人間を地獄に堕とすために死に誘惑した…顔を合わせて、俺はこんなことをしたけど嫌わないで、なんて言えるわけないだろ。
あいつが悲しむのは目に見えてる。だから、今は顔を見たくないって言ったんだ。
俺は悪魔で、あの人間たちも悪い奴だった。
だから俺は悪いことをした訳じゃない、でもレイモンドの顔を見たら罪悪感に押しつぶされる、…
(顔も見たくないほど嫌いなこの天使を相手にしながらも言葉は止まることなく、言い訳のように理由を語る。
これを彼に言えればここまでこじれることはなかったのだろうが、言ってしまってもし嫌われたら、という思いが邪魔をしてどうしても言えなかった。
反面この天使には嫌われても何ら問題はないため、ここまで明け透けに理由やら感情やらを話せているようだ。)
なんでゼパルが……ああ、お前たちも友達なのか。よかったな、
___なぁ、レイモンドに帰らないでくれって言ってくれ。
あいつがいなくなったらつまらないし、地上にいる意味がない。
ずっと一緒にいたいし、嫌われたくない……
(ゼパルの名前が出たことに反応したものの、深く考えることはなくお前らも友達なのかと勝手に納得する。
ウイスキーをさらに煽ろうとしたところでグラスを奪われ、酒を流し込むことは叶わない。
しかし既にかなりベロベロで、相手の腕を掴んで帰らないように言えと頼む。
思っていても普段は絶対に口にしない天使への想いを、絶対に聞かれたくないであろう大天使にベラベラと話しながら、またメソメソと泣き始めるのだから手がつけられないとはまさにこのことだろう。)
「 ___あのなッ、確かに、もし、仮に!そう言われたのが他の奴なら、お前のことを心の底から軽蔑し、否定するだろうな。
でも、本当に先輩はそんな奴なのか!?
先輩は、お前が可愛らしい悪さしかしないから、だから一緒に居たのか?違うだろ?」
( さっきから黙って聞いていれば、酔っている所為か否か知らないが、言い訳のような御託を並べ、腕にしがみついてくる。あろう事か人伝に気持ちを伝えようと…、おまけに此方の顔を見ながら更に泣き出す始末。
いい加減にしろ、堪らず立ち上がり、相手の胸倉を掴んで此方に引き寄せた。
わざわざこんな薄汚いところまで探しに来てやったのに、先輩の事をいとも簡単に自分から奪っていったくせに、相手の姿が情けなくて此方の方が悲しくなってくる。)
「 言っておくがな、先輩は昔から、悪魔がどんな奴なのか全て知った上で、差別せずに公平な方だった!それこそ、天国で白い目を向けられてもな。
貴様が、先輩の事を思って、嫌われたくなくて突き放したのなら…、なんで既に、あんなに悲しんでいるんだ?」
( 奥歯を悔しそうに噛み締めながら怒涛のように言葉を告げれば、投げ離すように相手の服から手を離し、もう一杯水を受け取れば、「 さっさと頭を冷やせ 」と相手の前に乱暴にその水を置いた。)
……違う、あいつはそんな奴じゃない。
(いつもだったら相手の胸ぐらを掴み返していたであろうが、今は情けのないことに酔いのせいでそんな判断は瞬時にできない。
そんな状態で怒った大天使から言葉を投げかけられ、確かにそうだ、あいつはそんな奴ではないとだけ首を振る。
そして相手が悲しんでるなら行って謝らないといけない、というくらいのことは理解したらしい。
本当ならしっかり酔いを覚まして、しっかりと謝りに行くべきなのだが。差し出された水を飲み干した。)
___レイモンドに謝ってくる、
(そう言ってフラフラと覚束ない足取りで店を出て行ったかと思えば、外に出るのと同時に指を鳴らした。
店に残された相手は、悪魔が飲んだ大量のウイスキーの精算をさせられる羽目になるのだろうが、そんなことは今は思い至りもしなかった。
そして天使の家のリビングに行こうと指を鳴らしたはずが、あまりに酔っているせいで上手く行かずに玄関の中途半端な所に出てしまい、盛大な物音を立てて家に侵入した上に転ぶことになった。)
「……あ!…ッおい!」
( フラフラと店を後にする相手を追いかけるが、此方の声も届かず、店を出た刹那、相手は行ってしまった。
やれやれと肩の力を抜いて眉をひそめれば、ちらりと店内へ目をやる。大量のグラスだけが取り残されたのを見れば 「 俺にも酒をくれ 」とため息混じりに、カウンターへ踵を返したのだった。)
____!?
( 昼間、泣きながら街中を放浪していれば、久しぶりに後輩に会い、情けないことに涙ながらに全てを吐き出してしまった。威厳のある先輩でいたかったが、幻滅させてしまっただろうか。
落ち着くまで暫く相手と共に居たのだが、すっかり夜になり、自分の醜態にいつまでも後輩を付き合わせてはいられず、大人しく自分の家に帰ることにした。
本当に上へ帰ることになれば、色々と、整理しないといけないこともある。
それから、部屋で書類をまとめながらも、何時間経っても未だにズルズルと鼻を啜っていた。おかげで仕事も何も捗りはしない。
全て投げ出して、とりあえず寝てしまおうかと布団を捲った瞬間、玄関から大きな物音がして思わず肩を跳ねさせる。慌てて其方へと向かえば、何故だか彼がそこにいた。
転んだらしい相手へ、「大丈夫かい!?」と思わず手を添えて起き上がらせるが、ハッと目を逸らし、すぐにその手は離された。)
……ベリアル。どうしたの、こんな時間に。
____レイモンド、…
……俺が悪かった、上に帰るなんて言わないでくれ。
ずっと一緒にいたい、お前に嫌われたくない…
(床に転んだことで腰を打ち付けた鈍い痛みに顔をしかめたものの驚いて出てきた相手の名前を呼ぶ。
手を差し伸べられて起こされるも、相手はすぐに目をそらしてこちらから手を離してしまった。
離れていってしまった温もりに悲しそうに目尻を下げると、相変わらずぎりぎりなんとか呂律が回っているゆっくりとした口調で相手に言葉を伝える。この距離でもさぞ酒臭いことだろう。
伝えたいこと、謝りたいことを思うままに口に出しているせいで話の内容は支離滅裂で、話している内にまた涙がこぼれる。
今日の悪魔はどうにも情けない。)
…え、あ、待って待って。とりあえず、座ろう。
水も飲まなきゃ。
( 相手に名を呼ばれ。ゆっくりと視線を其方に戻すと、どれぐらい酒を飲んだのだろうか。色白い肌は真っ赤になり、おまけに、こちらと同じぐらい、相手も泣き腫らしたような目をしていた。
おまけに、ぽつりぽつりと言葉を紡ぎながらも涙を零す相手に、理解が追いつかないと言うように、慌てて制止する。
そして、フラフラな相手を部屋の中へと誘えば、相手をいつものソファーへと座らせ、キッチンから水を汲んで来る。)
……どうして、キミが帰ることを知っているのかは分からないけど。僕は、嫌っている訳じゃないよ。
でも、もう、僕と一緒にいない方が、楽なのかと…。
( 隣に腰掛け、コップをテーブルへと静かに置きながら、小さく返事を述べ始めた。
ずっと一緒にいたいなんて、嫌われたくないなんて…どうして相手が言うんだろうか。自分は嫌いだなんて思っていないし、寧ろ、嫌っていたのは相手の方ではなかったのか。
色んな考えが巡る中で、ただ、自分の考えを述べた。顔を合わせたがらなかったし、やっぱり、天使といるなんて馬鹿げてたと思われたのでは無いのかと、ずっとずっと不安だった。その不安は、謝罪を受け入れた今でも拭いきれてはいない、自分のせいで、相手が窮屈な思いをするのは嫌だった。 )
(相手に促されるままに相手の部屋のソファに座り込み、冷たい水を飲む。
明るい所で見た相手は、たくさん泣いたのであろうことがよく分かる潤んだ目をしていて、あのいけすかない天使が言った通り本当に天界に帰りたいと彼に泣きすがったんだろうと思えて眉を下げた。)
…俺が、顔を見たくないって言ったからだろ、
顔を見たくないのは本当だった。
地獄で仕事をして帰って来て、罪悪感でいっぱいだったんだ。
お前が知ったら悲しむようなことをした…顔を合わせたら、失望させると思って、
お前に嫌われたくなかったから、…だから、今は顔を見たくないって言った。
(自分が顔を見たくないと言って相手を跳ね除けたから、それで相手を傷付けてしまった自覚はある。
でもそれは、天使を嫌いになったからじゃない。
はじめから話しておけばこんな溝は生まれなかったと思いながら、ポツリポツリと、相手を拒絶した理由を話し始める。
相手のソファーに座って水を飲んで、まだ体中が熱かったし頭もくらくらしていたがほんの少しは落ち着いたようだった。)
( 先程よりも少し落ち着いたように話す彼を横目で見ながら、静かに最後まで聞いていた。
聞き終われば、一言「 そう、だったのか 」と安堵や情けなさが混じったように息を吐きながら呟いた。
自分は決して嫌われていた訳ではなかったのか、と思う反面、ちゃんと相手の話を聞こうとせず、勝手な憶測で行動してしまった自分が恥ずかしかった。)
ごめん、ベリアル。
僕も、自分勝手に解釈して、勝手に、諦めようとしてたんだ。
キミが地獄から帰ってきて、やっぱり、僕みたいなお気楽で脳天気な天使なんて、嫌になったのかと思ったんだ。
…キミは、最初天使なんて好きじゃなかっただろ。
( 静かに謝罪の言葉を述べれば、此方もゆっくりと語り始めた。顔を見たくないのだって、きっと、今だけの話じゃなくなって、天使とは関わりなくないと思っているんじゃないかと。そんな不安は、1度根付いてしまうとなかなか拭えない。そして、それはきっと、彼も同じで、自分だって、面と向かって話すのが怖くて、確認もせずに逃げてしまっていたのだ。
それ故に、彼だけを攻めることは出来なかった。)
…そんな訳ないだろ。
たしかに天使は嫌いだけど、お気楽で脳天気な天使は好きだ。
俺は悪魔で…天使からすれば軽蔑されるようなこともする。
天使に軽蔑されるのは別にいい、でも…お前に嫌われるのだけは嫌だ。
お前が上に帰るのも嫌だ、地上にいる意味がなくなる。
(相手が話す言葉を聞きながら、地獄に行ったくらいで天使を嫌いになるなんてあり得ないと首を振る。
むしろ地獄に行ったからこそ会いたかったのだ。怖くて顔を見せられなかっただけで、本当は帰ったその日から会いたかった。
天使は嫌いだけど相手のことは好きだと言ってのけ、酔いのせいでまだ自分が何を喋っているのかいまいちはっきり理解していないのだが、相手に嫌われたくないと訴える。
どの天使に軽蔑され罵倒されても、目の前の天使を悲しませたり失望させたりするのは嫌だった。
それに相手が地上からいなくなることも。
そばにいたいのだと、いつもなら言わないような直接的な言葉で相手に伝えて、また泣きそうな顔をした。)
…アル。
キミが一生懸命仕事したのに、僕がそれを軽蔑するはずないじゃないか。 嫌いになるなんて、そんなの無理だよ。
僕らは人間を天へ導くし、キミたちは地獄へ誘う。その正反対な事実は変わらないけれど、僕らに出来ないような事を、君たちはやってくれているんだ。
( 酔っている所為なのか、珍しく思っていることを素直に表現してくれる相手に、嬉しさと切なさが募ってくる。
相手の話を聞き終えると、肩の荷が降りたように息を吐いて、ゆっくりと相手へ向き直り、泣きそうな瞳をした相手の顔を両手で包み込んで此方へ向ける。
静かに名を呼べば、自分だって、相手を嫌いでは無いことを真っ直ぐに伝え、優しく微笑んだ。
確かに、彼の言う通り、地獄では、天使が軽蔑し卒倒するような仕事もたくさんあるだろう。しかし、人々の人生や生と死に携わる自分たちの仕事は、お互いがいなければ成立しない。地上は善と悪で成り立っているし、どうしようもない悪人は、我々には手の付けようがない。
人間を悪の道へ誘ってしまうのも彼らかもしれないが、自分たちの手に負えない人間を然るべき場所へ導くのも、彼らの立派な仕事だと思う。)
それに、キミがそうやって想ってくれているなら、上には帰らないよ。
( 乱れた相手の髪をそっと撫で、続けて、優しく上記を述べた。正直、顔も見たくないほど嫌われているのなら、いっそ天国へ戻った方が楽だろうかと思っていたが、自分の中で誤解は解けたし、相手の気持ちを知れば、帰ろうと思う気持ちなんて消え去ってしまう。)
…悪人を、死に誘惑した。
(相手の優しいぬくもりを持った手が両頬に添えられて、澄んだブルーの瞳とまっすぐに目が合う。
相手は悪魔のしたことを軽蔑することもなく、むしろ天使にできないことをやってくれているとまで言った。
その優しさに改めて触れて、天使に顔向けできないと卑屈になっていた気持ちがゆるむのを感じて、懺悔するように自分のしたことを相手に話していた。
天使たちが守っている人々の命を、甘い誘惑で自ら断つように仕向けた、仕事をしながら相手のことが頭をよぎって苦しかったのだと。またそんな感情を抱く自分が悪魔らしくないことにもショックを受けたのだと。
まるで子どものように話しながら、結局また涙をこぼす。
酒には強い方だが、泥酔すると泣き上戸になるのだろうか。酔いが覚めて自分の言動を聞かされれば、ショックで卒倒するかもしれない。)
……レイ、お前のそばにいたい。
俺は絶対にお前を嫌いになんかならない、
__俺のことも、嫌わないでくれ、
(帰らないと言いながら優しく髪を撫でてくれる相手。
相手のそばにいたい、嫌いにならないで欲しいと、何度もくり返した言葉をまた言いながら隣に座る相手に縋りつき、背中に腕を回して相手を抱きしめた。
本当は相手とワインを楽しんでガトーショコラを食べるすてきな夜になるはずだったのに、度数ばかりが高い酒を流し込んで酔っ払って、泣きながら天使の愛をもとめているのだから情けないものだった。)
…それは、大変だったね。
( 懺悔するように一つ一つ吐かれる言葉に、静かに頷きながら聞いていれば、涙を流す相手の頬を拭い、安易にも一言、上記を述べるしか無かった。
悪人なのだから、と言ってしまえばそうなのかもしれないが、死というのは、非情で残酷な事だ。だが、そんな残酷な選択へ人々を誘わなければならなかった彼の心情を考えれば、その辛さは計り知れない。
“優しい”と言う言葉は、悪魔には悪口だと、出会った頃に言われたことがあった。その言葉の意味を、今更ながらに改めて納得する。哀れんだりするような慈悲の心があっては、到底悪魔の仕事は成し得ないのだ。)
僕だって、これからも嫌いになんてならないよ。
でも…、キミが、悪魔らしくなくなったのは、僕のせいかもしれないのに…。
それでも、傍にいてくれるのかい?
( 此方を強く抱きしめる相手を、拒むことは無く、返すように相手の背へと腕を回しながら、尚も泣き続ける相手を落ち着かせるようにその背を撫でる。
ショックを受けた、と話す割に、まだ傍にいたいと願ってくれる相手へ、申し訳なさと嬉しさで此方も再度涙を流しそうになりながら、そう言って静かに笑ってみせた。 )
(自分のしたことを伝えてもなお、相手が自分に寄り添う言葉を掛けてくれたことに安心するのと同時に、元から相手はこういう心優しい天使だと知っていたはずなのに、嫌われる可能性を恐れて相手を拒絶した自分がいかに馬鹿だったかを思い知る。
天使と関わるようになって、自分の中に悪魔らしからぬ少しの“優しさ”が生まれたのだと、今回の件で自覚した。
中途半端な優しさで、それはほんの小さなものだったが、優しさをほとんど持ち合わせない悪魔からしてみれば大きな変化だ。)
元は俺も天使だったんだ、ちょっとぐらい悪魔らしくなくなったってバレない。
…ずっとそばにいたら、羽根がグレーになるかもな…
(相手に抱き返されて背中を優しく撫でられると、心の底から安堵が湧きあがってくる。
少しくらい相手の影響で悪魔らしさが失われても問題ないと言いながら相手の肩に顔をうずめ、息を吐く。
安心したせいで急に眠くなったらしい。泣いたり眠ったり忙しいことこの上ないが、相手に抱きついたまま瞼が重くなるのを感じていた。)
キミの羽根が何色でも、僕が傍にいるから安心してよ。
( 相手の言葉を聞きながら、少し安堵したように上記を呟けば、瞳に溜まる涙を拭った。
最初から地上を気に入っていて、余程のことがない限り天国へは帰らないとずっと考えてはいたが、地上や人間がどうより、相手と離れるという選択肢がこんなにも辛いとは、自分の思っていたよりも遥かに苦痛であった。それほど、相手が自分にとって掛け替えのない存在であり、支えであることを改めて知った。
それにしても、突然相手が家にやってきたのはどうしてだろうか、と思考を廻らせれば、会話の中の断片から察するにきっと後輩と会ったのだろう。悪魔嫌い、基、目の前の相手を嫌っている後輩がわざわざ話をしに行ったとは信じ難いが、もしそうならば、今度お礼でもしようかと考える。)
…アル?寝てしまうの?
一応僕は、まだ少し拗ねてるんだけど……。
( ふと、段々と重くなってくる相手の体と顔を埋める様子に小さく問いかける。
きっと、今日まで自分のために色々と考えて、たくさん泣いて疲れたのだろう。おまけに大量に飲んだらしいお酒の事を考えると眠いに決まっている。
だが、それらを考察した上で、何も言わずに蔑ろにされていたことを拗ねている、と言ってみて。)
それは心強いな、
(例え自分がどんな風に変わってしまったとしても、そばにいてくれると約束してくれる人がいるのは心から安心できること。
悲しませることはしたくないが、目の前の天使だけは、どんな時も自分の味方でいてくれると確信できたのだ。)
…機嫌を直してくれよ、エンジェル。
とんでもなく眠いんだ……けど、晩酌をするって言うなら付き合うぜ。お前に悪いことをしたって罪悪感はちゃんと俺にもある。
怒らせて、上に帰られたら困るしな。
(相手にくっついているとその温かさもあってどんどん眠気が襲ってくる。
しかし目の前の天使はまだ拗ねていると言うし、それは自分のせいなので放っておくわけにはいかないと顔を上げて、酔いでトロリとした視線を相手に向ける。
機嫌を直してほしいと言いながら相手の頬を慈しむように撫でて、今からあのワインとガトーショコラをあけるなら付き合うと言った。
明日二日酔いになることは避けられないだろうが、まだ飲めそうだった。)
……. フフッ、冗談だよ。
まだ日持ちもするし、また今度一緒に晩酌しよう。
キミがここまで酔うのも珍しいし、ゆっくりした方がいいよ。
でも、寝るならベッドで寝てほしいな。
( 今にも閉じそうな瞼を懸命に開けながら、優しく頬を撫でる相手の顔を見て、優しく口元を綻ばせれば上記を述べる。
確かに少し拗ねていたのは本当だが、自分も憶測で考えたばかりに相手に大きな不安を与えてしまったのは代わりないし、すでに酒の匂いを漂わせている相手にこれ以上飲ませる訳にも行かない。
「 好きでもないウィスキーを飲んでたんだろう 」と呆れたように笑いながら、珍しく酔っ払っている相手を宥めるように頭をポンポンと軽く撫でる。そして、相手を寝かせるためにベッドを直そうかと立ち上がろうとする。
かく言う自分も、ずっと不安を抱えていた心労があったのか、安心するとなんだか力が抜けたような感覚に陥る。初めて一緒に晩酌をして眠ってしまったあと日から、彼以外とこうして過ごす気にはなれないでいる。
もちろん、人間とそれほど親しくなろうとは思っていなかったが、今ではこの関係に満足しているし、何はともあれ、今回の件は自分の勘違いであって心底安心している。 )
ベッドで寝る、お前のブランケットも欲しい、
(晩酌はまたの機会でいいと笑う相手を見つめたまま、ベッドで寝てほしいと言って立ち上がる相手に続いて立ち上がり、寝室に向かう相手の腰に腕を回して密着したままついていく。
寝るときには相手のあのブランケットがほしいといつものようにワガママを言いながら大きなあくびをした。)
…なんでウイスキーを飲んでたってわかるんだ、天使様の千里眼か.?…
(後ろから抱きついた状態のため、せっかくベッドを整えようとしている相手は動きにくいだろう。
あの路地裏の寂れたパブに相手はいなかったのに、どうして好きでもないウイスキーをしこたま飲んだことがバレているのかと聞き返しながら、徐々に相手の背中に掛かる体重は重くなっていく。)
ワインで酔うタチじゃないだろう。
それに、手っ取り早く酔うならウィスキーの方がいいんじゃないかと思って。
( 聞き返してくる相手に「 そうかもね 」なんて肩を竦めながら冗談っぽく笑えば上記を続けた。
酒に強い相手は、意図して酔うかヤケ酒をするかの他にほとんど酔うことは無いだろう。となれば、度数の高いウィスキーを飲んだのだろうかと予測したらしい。
相手の言葉を聞く限りどうやら図星だったようで、予想が当たっていたことに満足そうに寝室でベッドの布団やらを整える。だんだんと重くなる相手の体重を背中に感じながら、相手がやってくるまで使っていたのであろう、椅子に掛けられたブランケットを引っ張り出す。)
本当に、アルはこのブランケットが好きだね。
( ベッドへ腰かければ、相手を迎え入れるように両手でブランケットを広げて構える。
初めて家に来た時から、毎回このブランケットに包まれている彼を見ると、肌触りなんかが気に入られているんだろうかと思う。勿論、自分も気に入っているが、彼が来た時には彼専用のものだ。 )
……お前には何でもお見通しだな。
手っ取り早く酔い潰れたかった、…やっぱりウイスキーは美味くないよな。俺は好きじゃない、…
(相手の予測は全てがその通りで何度も頷くとお手上げだというおどけた素振りを見せる。
好きな酒はワインで、ウイスキーは好きじゃない。しかし酔い潰れるには一番手っ取り早く、次々とグラスをあけていたため、そもそもの目的通り酔い潰れる一歩手前まではきているのだ。
何杯飲んだかもよく覚えていないのだが、あれだけ呑んでおきながらとりわけて会計が高かった記憶もない。
寂れたパブだけあって、安酒だったのかと深く考えることもしなかった。)
好きだよ、
柔らかくて気持ちがいいし…何よりお前に包まれてるみたいで安心する。
(たしかにこのブランケットは柔らかくて肌触りがいい。
それに天使の香りというか、気配が染み付いているような気がする。これに包まっていると暖かくて、天使に包まれているみたいに思えて安心するのだ。
そんなことをペラペラしゃべるくらいには、やはり酔っているらしい。
相手が腕を広げると躊躇なく抱きつくように相手もろともベッドに寝転ぶ。
ここ最近ずっと悩んでいたのが嘘のようで、存分に相手に甘えられるのが嬉しかった。
ブランケットに包まれて、さらに相手自身にも抱きしめられて、これほど落ち着くことはない。
天使の背中に腕を回して胸元に顔をうずめたと思えば、スイッチが切れたように眠りについたようだった。)
フフッ、ブランケットに包まれなくても、いつでも僕が、…。
__おやすみ、ベリアル。大好きだよ。
( ベッドへ共に寝転ぶと、しっかりとブランケットと毛布に相手を包んで抱きしめる。ブランケットが自分だと比喩された言葉に、実物もいつも目の前にいるのになぁ、と笑いながら上記を述べる。しかし、聞こえてくる寝息に、相手の顔をちらりと覗き込めば、その頬を優しく撫でて囁くように呟いた。
相当酔っていたようだし、相手に先程までの記憶が残っているかは曖昧だか、いつもよりも素直で甘えん坊になっている相手は悪くなかった。
まぁ、万が一記憶が飛んでいるようであれば、それはそれで少し残念だし拗ねてしまうと思うが、それも含め、相手の明日朝の反応は少し楽しみだ。)
もうキミが、ウィスキーを飲まなくてもいいようにしなきゃね。
( 相手の寝顔を見つめながら、こちらもだんだんと重くなる瞼に耐えながら呟く。どうせ飲むのなら、ヤケ酒なんて心にも体にも良くない飲み方ではなく、楽しく2人で美味しいお酒を味わいたいものだ。
次はどんな店にいこうかな、なんてあれこれ考えているうちに、此方も、いつの間にか深い眠りにつくのだった。 )
(大好きな相手のぬくもりを感じながらの眠りは心地よく、ずっとこうしていたいとさえ思える幸福なもの。
それまでもずっとベッドでゴロゴロしてばかりいたのだが心から安心して気持ちよく眠ることができたのは久しぶりで、酒の力も借りてこんこんと眠り続けた。
__カーテンの隙間から差し込む光が顔を照らし、快適な眠りを邪魔されると不満げな声をあげながら布団の中にもぐりこむ。
まるで天使と悪魔の仲直りを祝福するかのように、ここ数日の曇り空が嘘のように今日は晴れているようだ。)
__おはよう。アル。
体調は大丈夫かい?
( いつもは無条件で早朝に起きたりするが、今日は深い睡眠に陥っていたらしく、すでに日が高くなっていた。
不満げな声が隣から聞こえると、ゆっくりと目を開けて、布団の中に隠れてしまう相手の体を此方に引き寄せた。
昨日は彼がやって来るまで泣き通しだった為か、なんだか瞼は重くぼんやりとしているが、酒は飲んでいない分気持ちも体調も軽やかだ、しかし、あれだけ酔っていた相手は大丈夫なのかと心配し、顔を近づけて囁くように上記を述べた。)
ん……頭がガンガンする、…
(おはよう、と返事こそしたものの頭痛がするらしく、引き寄せられるままに相手の胸元に顔を埋めつつ低い声で答えた。
あれだけウイスキーを飲んで酔っ払ったのだから翌日に響いて当然だったが、朝から頭痛に悩まされるほど飲んだのは久しぶりのことだ。
昨日の記憶はウイスキーを流し込んでいたパブのカウンターまでで止まっている。
天使の家に来て転び変な所を痛めたことと、相手が自分を許し抱きしめてくれたことは覚えているのだが、それ以外の記憶はかなりあいまいな所が多い。
当然自分がメソメソ泣いたとも思っていないし、大嫌いな大天使に色々なことを赤裸々に話したことや代金を払わせたことも覚えてなかった。)
あれだけ酔っていたんじゃ無理もないね…。
それに、たくさん泣いたのも響いているだろうから。
( 低い声で答えられた言葉に、相手の頭痛が和らぐようにと優しく頭を撫でる。昨日の様子を見るに、二日酔いが襲ってくるのも当然といえば当然だろうと苦笑いすると、自分も瞼が重いことから、泣いていた事も疲労に繋がっているのだろうと告げる。 )
そうだ…
キミは嫌かもしれないけれど、今度ラグエルに会った時にはお礼もしなくてはいけないね。
( 早く治るようにと、尚も相手の頭や背を隣に寝転がりながら摩っていると、思い出したように上記を述べ、フフッと微笑んだ。相手が覚えているかは分からないが、よく考えてみれば、あんなに大変な事のあった2人が会って話していたのかと思うと、少しハラハラするのと同時に嬉しかったりする。
元はと言えば自分の所為なのだが、後輩は後輩なりに、彼は彼なりに自分のことを思っては話をしてくれたのだろう。)
…泣いた?俺が?
(頭を撫でられ心地よさそうに目を閉じたもののたくさん泣いた、という天使の言葉に怪訝そうな顔をして相手を見つめる。
たしかに酔っていたし、そのせいで腰を痛めたりもした。だが泣いた記憶は一切ない。
自分は実際かなりベロベロに酔っ払っていたし相手があまりに自然に言うものだから、きっと相手の言うことが正しいのだが、自分の知らないところで知らないことが起きているのはおかしな気分だ。)
_____なんであの天使に礼をしなくちゃならない!
あいつは嫌いだ。顔も見たくない。
(相手の腕の中は心地いいのだが、さらに追い討ちをかけるように大嫌いな大天使の名前が出てきてまた顔をしかめる。
薄汚いパブで大天使に会ったことはまるっきり頭から抜け落ちていたので、あいつに何を感謝することがあるんだと嫌そうな顔をしたのだった。
なにかきっかけがあれば思い出すかもしれなかったが、今は目の前の天使の言うことがさっぱりわからないのだ。)
(遅くなりました…っ!上げありがとうございます*)
…僕が、キミに嫌われたと思って天界に帰ろうとしたこと、ラグエルから聞いたのかと思っていたんだけど…..。
( 相手の怪訝そうな顔と、みるみるうちにしかめっ面になる様子を見て、瞬きを数回繰り返せば、おや、といいように上記をゆっくり述べた。
実際に、彼が後輩から話を聞いたと言った訳では無いのだが、天界に帰りたいと此方が話したのは後輩の天使だけ、よって必然的にその2人が話していたのかと思ったが早とちりだったのか、と考える。
だが、目前の相手を見るに、相当二日酔いも酷いようだし、覚えていないと言うのが有力だろうか。)
……まぁ、でも、キミに随分と愛されていることが分かったから、僕は嬉しかったけどね。
( 暫く考えていたが、結論からいえば、自分は嫌われていなかったし、相手にとって自分がどれほど大切かを改めることが出来た為、相手からすれば、忘却してしまっていることも含め、嫌で恥ずかしい思いをするかもしれないが、此方は随分と機嫌良さそうに微笑んだ。)
( / おかえりなさい*
私もあげておいて返信が遅くなってしまいました; )
……あいつが、俺にわざわざ伝えたりするか?
お前が天界に帰るなんて大喜びだろ、すぐにでも手続きを始めそうな気がするが……
(相手が天界に帰るつもりらしい、ということを聞いてひどくショックを受けた記憶はある。ただ、いつどこで誰に聞いたことなのかがはっきりしない。
あの大天使なら自分に伝えるような律儀なことはせず勝手に手続きを進めそうだと、昨日の恩義をさっぱり忘れているため失礼な言葉を次々発する。
ついでに、自分から愛されていることが分かったなんて、愛という感情に敏感な天使がにっこりと笑顔を浮かべながら言うものだから、果たして自分は昨晩なにを抜かしたのかと怪訝極まる表情を見せる。)
…おい、俺は昨日なにを言ったんだ。
あんまり酔いつぶれるもんじゃないな、全然記憶がない。
ワケもちゃんと喋ったよな?
(昨日の自分がどんな調子だったのか、気になりはするが思い出したくはない。
自分が相手を避けていた理由もちゃんと弁明していただろうかと尋ねつつ、相手が隣にいる幸福感はやはり格別で背中に腕を回してくっついたまま。
久しぶりの相手との時間を堪能しているのだった。)
…うーん、僕も正直そう思っていたんだけど。
そういえば、豆鉄砲でも喰らったような顔をしていたなぁ。
……..フフッ、彼も、きっと良い友人が見つかったんだろうね。
( 相手からの言葉に考えるように上を向いては、後輩に泣きついた時の事を思い出す。確かに、彼の言うとおり喜んで共に天界へ帰ってくれそうだが、実際のところは酷く驚いたような…ショックを受けていたような顔をして、何があったのかと慌てふためいていた。
今思えば、きっと心境の変化でもあったのだろうと、いつかのバーの近くで見た、仲良さげな2人組の姿を浮かべればクスリと笑い、背中に腕を回してくっついている悪魔に自らも腕を回し返す。)
うん、ちゃんと話してくれてたよ。
あとは…“ずっと一緒にいたい、お前に嫌われたくない”とか、僕が帰っちゃったら“地上にいる意味がなくなる”とかかな?
( 弁解について不安らしい相手の様子に、安心させるように大きく頷きながら話してくれていた事を伝えれば、その他、相手から言われて嬉しかったことを、それはもう満足気に繰り返し、記憶が無いと言う相手の為に、ご丁寧に涙を流していたその時の甘えぶりまで再現して。
「 嬉しかったよ」と抱き寄せた相手の耳元で続けて呟く。)
…そういや、ゼパルがどうとか言ってたな。
___ああ、そうだ、昨日会った。何でか知らないが、俺の隣で酒を飲んでた。
(いい友人でもできたのだろうと言う天使の言葉に記憶が甦る。
言われてみれば、自分の同僚の名前を口にする大天使の姿が記憶の片隅にあるのだ。
その記憶をたどると、自分が飲んだくれていたパブのカウンターで、隣に座ってグラスを煽っていたのを思い出す。たしかに自分は昨日、あのいけすかない大天使に会ったらしい。)
____っ、そこまで再現しなくていい!
(相手に抱きしめられるのは嬉しいのだが、くり返される言葉、それも自分が昨日泣きながら言ったらしい言葉を聞いているとみるみる内に耳が赤く染まり、嬉しそうな相手を制止してその胸に顔を埋める。
そんな風に酔っ払って泣きながら天使にすがっていたなんて、恥ずかしいにも程がある。
相手は嬉しかったと言うのだし言ったことも嘘ではないのだから取り消すことはしないものの「………そうか」と答えただけだった。)
(お世話になっておりますー!*
かっこ悪くて情けないベロベロ悪魔を動かすのも楽しかったです…←←
天使がいつも以上に天使に見えました!!!
そろそろ次のレイモンドが風邪をひいちゃうお話に移るのもありかなーと思うのですがいかがでしょう!)
( どうやら、後輩のことを思い出したらしい相手の話を聞いて、やはり会って話してくれていたのか、と微笑む。また、相手の同僚の名を聞けば、あの2人に関して明確な証言を聞いたことが無かった為に「 へぇ 」と興味深そうに頷いて。どうやら、見覚えのあった2人組も見間違いではなかったようだ。)
フフッ、僕はお酒を飲んでいなくて良かったよ。
昨日のキミを忘れたくはないからね。
( そして、耳を赤くして顔を埋める相手を見れば、再度笑みをこぼして、その赤みを帯びた耳元に触れては上記を静かに述べる。発言への弁解や取り消しも無いところを見ると、ちゃんと本音をぶつけていてくれたようで更に嬉しくなるが、これ以上は何も言わないでおこう。
久しぶりにこうして相手と共にベッドの上でゆっくり過ごすのは、此方にとっても至福そのもので…いつもはそろそろ起きようかとせっつく頃だが、流石の天使も、今日ばかりは二度寝をする気になったのか、もう一度相手の頭を抱き寄せれば、ゆっくりと目を閉じた。 )
( /こちらこそです!今回もありがとうございましたー!
少し返信が遅くなってしまい申し訳ありませんでしたっ!
ベリアルからの愛を感じられてとても嬉しく楽しかったです*
さて、次は、風邪をひいて不調&少しご機嫌ナナメな天使もお見せできればと思います←←)
(いい感じで締めていただいたので上記一旦蹴らせていただきましたっ
返信は全然気にしないでくださいませ!こちらも遅くなることが多々ありますので…!
ちょっと不調でご機嫌斜めなレイモンド楽しみすぎます*
いつもは諸々天使に任せっきりの割にいざという時にはスパダリ力発揮して(?)しっかり看病する悪魔と、相変わらず不器用でお粥とかもうまく作れない悪魔と、どっちがお好みでしょう?(←
先レスお願いできれば、ベリアルをレイモンド宅に遊びに行かせますっ)
__ゲホッ、ゴホゴホッ…、
( 暫く、これと言って事件もなく、いつもの様に悪魔と街を散策したり仕事をこなしたりする毎日を送っていた。
…が、どうやら、これが人間でいう“病気”というヤツらしい。
今朝、随分と早い時間から目眩に襲われて目が覚めた。体は重く、暑いのか寒いのか…布団から出られない上に汗まで出てくる。お陰で今の自分の顔が赤いのか青いのかすら確認出来ない。
人間の体には不調が現れる時があると聞いていたが、まさか自分にまで不調が現れるなんて思ってもいなかったし、これ程までに億劫なものだとは知らなかった。
重い頭をどうにか起こして、腕を伸ばして必死にカーテンを捲れば、日は既に高くなっているようだった。
いつもはとっくに相手の家に行っている時間帯だが、どうにも今日は出掛けられそうにも、そんな気分にもなりそうにない。
汗でベタつく前髪をかきあげ、そのまま仰向けなりながら額をおさえると、上手く出ない声に小さく舌打ちをした。)
( / ありがとうございます!
早速、絶賛不調中の天使を起こしておきましたっ←←
スパダリの悪魔もいいですね……、ちょっと気になります()
そして、医師に会った後から動揺してスパダリが崩れ気味になっちゃったりしたら、尚のこと美味しいです…← )
(目覚めると既に昼に近い時間帯。いつも休日は、意気揚々とやって来る天使にベッドから引っ張り出されて眠い目を擦りながら身支度を整えるのだが、どうやら今日は来なかったらしい。
珍しいな、と首をひねりながらも来ないならこっちから行くまで。着替えてから相手の家まで歩いていき、鍵のかかった扉をものともせず勝手に中にお邪魔する。)
レイモンドー!今日は出かけないのか?
公園に出店が出てるぜ。アイスクリームもあった。
………おい、ひどい顔だぜ、飲みすぎたか?
__体温もバグってる。どうした、大丈夫か?
(いつも自分からどこに行きたいと言うこともなく相手の行きたい所について行くスタイルなのだが、誘われないとなると寂しいもの。
大声で相手の名前を呼びながら部屋に入って来て、来る途中に見かけた公園の出店のことを添えておく。それは行かないと、と本でも読んでいるのであろう相手が目を輝かせて食いついて来ると思ったのだ。
しかし相手の姿はリビングにはなく、まだベッドが膨らんでいることに気づいて中を覗きこむ。
横になっていた相手は頬を上気させて汗をかき、随分苦しそうな顔をしているものだから面食らった顔をする。
二日酔いかと聞きながら額に手を当てると、人間にしては熱すぎる温度。体の体温調節機能がおかしくなってしまったのかと、ようやく相手の様子がおかしいことに気づいて眉をひそめた。)
(先レスありがとうございます!
それいいですね……!ではでは、レイのこととなれば意外にもスパダリ悪魔だけど、医者が登場して嫉妬心が膨れ上がってからは動揺して水っぽすぎるおかゆ作っちゃったり、不器用になっちゃう感じにしますね*←)
( いつも自分が起こしに行く時間では、寝起き悪く不機嫌な悪魔も、この時間帯になると元気らしく、玄関が開いた音がしたかと思えば、相手の声が脳裏に響き渡ってくる。
おまけに、いつもは自分が引っ張って街へ出掛けてくいくが、恐らく誘われなかった事を心配に思ってこうしてやって来てくれたのだろう。…だが、生憎、今日はそんな元気を持ち合わせてはいなかった。)
……ベリアル。頼むから、少し静かにしてくれ。
今朝から、おかしいんだ。多分、これが病気だろう…。
…そういえば、病気は近くの人にもうつるって…、アル、今日は帰った方がいいよ。
( 寝室へやって来た相手の顔に、虚ろな瞳を向ければ、珍しく虫の居所が悪そうに眉間に皺を寄せた。しかし、決して相手への嫌悪ではなく、こんな体調になってしまった自分かま腹立たしいのだ。おまけに、情緒の不安定さも感じる。
額に手を当てられれば、相手の冷たい体温が心地よいのか、少し安心したように目を閉じて息を吐く。
しかし、直ぐに視線を相手へ戻し、思い出したかのように、病気はうつるのだと告げる。相手にこんな苦しみを与えたくはないし、恐らく、治るまでは別で行動するのが良いのだろうと考えたらしい。 )
( / わぁぁ楽しみです!!←←
ではでは、またよろしくお願い致します!! )
(相手の声は普段からは想像できないほど機嫌がよくなさそうなもので、静かにしてくれと言われると驚いたようにぱちくりと目をまばたかせた。
いつもの穏やかな笑顔やのんびりとした雰囲気を持ち合わせていない天使を見るのはずいぶん久しぶりのことなのだ。
いつも寝起きの悪い自分を起こしている相手ならこの状況にも多少は慣れているかもしれないのだが、自分にとってはこんな状況は初めてのこと。
体調と虫の居所とどちらもよくなさそうだということくらいしか分からなかったし、自分が来たことを歓迎しているわけでもなさそうだったが、相手の言葉を聞いていて納得した様子で頷いた。)
___ああ、噂に聞くアレか。"風邪"をひいたんだな。
…それって天使もかかるもんだったか?
俺は大丈夫だ。悪魔だからな、風邪なんて移らない。
このままじゃ辛いだろ。ちょっと待ってろ。
(人間がかかる病気があるというのは知ってるが、自分たちのような存在はかからないと思っていた。
天使の地上の体に何らかの不備があったか、人間界に馴染みすぎたかなんかで不運にも病気になってしまったのだろう。
自分はかからないと言いながら、苦しそうな相手を看病するべく上着を脱いでソファーに放る。
帰るつもりも微塵もなさそうな返事をしながらキッチンの方へと歩いて行くのだった。)
…僕も、まさか、自分が風邪をひくなんて思ってもみなかったよ。
( 人間の生活に興味がある以上、人間のかかる病気にも少しばかり関心はあった。病原菌や抗体やら、人間の身体は様々なものと闘いながらその機能を保っていて、単純に凄いと思えたから。
だが、相手が疑問に感じたのと同様に、天使の自分もまさかかかるものだとは思っておらず、自分ではどうしたものか分からなかった。
自分もかかってしまったのだから、大丈夫だという相手のことも多少心配だが、正直、相手が居てくれた方が安心するのも事実だ。)
……ありがとう。アル。
( おそらく、体調の悪い自分のために動いてくれているのであろう、相手の背に礼を述べると、暫くして、寂しいのか付いて行こうと身体をゆっくりと起こす。
しかし、まだ熱が高い故か、立つことすら億劫で、諦めて枕に頭を落とした。)
気にするな。
…しばらくゆっくり休めばきっと良くなる。
(かなり体温が高いため、まずは熱を下げなければとキッチンに行きボウルに氷と水を入れ、小さめのタオルを浸す。
それから喉が渇いたとき用にグラスにも水を入れて一旦相手のもとに戻ると、絞ったタオルを相手の額に乗せる。
布団を肩までかけてやりながら、苦しそうな相手を見て優しく頭を撫で、元気付けようと、そう声をかけた。)
少し眠って、それから何か食べた方がいい。
あとは…薬だ。ドラックストアで買うか、病院でもらうかだな。
(ひやりとした手を熱い相手の肌に触れさせながら、少し落ち着いてからでも食事をした方が良いと言う。
あとは薬を飲ませなければと思うのだが、市販薬はどれを買えばいいのか、病院でもらった方がいいのかはよくわからない。
少しでも天使が楽になればいいと、横たわる相手を心配そうに見つめた。)
……キミ、仕事以外でも、こんなにテキパキ動けるのか…。
( 額にタオルを乗せられると、ひんやりとした気持ちよさに目を細める。飲水まで用意してもらい、その様子を見ていては、優しく頭を撫でてくれる相手の顔を見ながら、上記を述べて小さく笑った。
仕事時はいきいきとしていて勿論働き者だが、それ以外では大抵布団に潜っている姿ばかり見ていたので、手厚く迅速に看病をしてくれて、失礼ながらも少しばかり感激しているようだ。)
うーん、市販薬は…種類がたくさんあって、選ぶのも苦労しそうだし…病院の方が、的確なはずだけれど…
病院、近くにあったっけ…。
( 続けられる相手の言葉に「 そうだね 」と頷くが、薬の話になればぼーっとした頭で考えながらゆっくりと此方も言葉を返す。ドラッグストアには膨大な種類の薬が並べられているのを見たことがある。自分の今の症状も明確に自己判断できないのに、市販を買うのは少しリスクが高いだろうか….。
しかし、かといって人間の通う病院にかかるのも少し怖い気もするのだが、早く治すにはそれが良いのだろうか、なんて思考を巡らせる。
…そもそも、近所の病院の存在を忘れているのか、病院の有無を問えばズルズルと鼻を啜った。 )
俺だっていざという時は働く。
親友のピンチなんだから当然だろ。
(たしかに人間を誘惑することに関しては、ことの外意欲的に動いているが、それ以外では相手に任せっきり。自分から精力的に動くことはあまりないが、天使が病気となれば話は違う。
失礼なと、笑っている相手の火照った頬をつまみながら、相手が動けないなら当然だと答えた。)
近くの病院な………あぁ、そうだ。
あるだろ、この辺にあのキザったらしい医者がいる病院が。
(市販薬は買いに行っても正しいものを選べる自信はなく、それなら病院に行く方が早いと言うのは同意見。
自分が付いていけば保険証なんかは適当にごまかせると、近くの病院を調べ始めて、聞いたことのある病院を見つけるとあからさまに顔をしかめた。
パーティーで出会ったあのいけすかない医者が働いていると言っていた病院だ。
ここからだと一番近いらしく、相手に覚えてるだろ、と画面を見せた。)
( 頬をつまれながら、相手の言葉に「頼りになるよ」ともう一度小さく笑いながら話せば、目を細めて相手を見つめる。
弱っている時は尚更、こうして心配して看病してくれる相手の存在に感謝する。我儘を言えば、普段もこれほど動いてくれたら、なんて一瞬思うが、それは口には出さないでおこう。)
……アルフレッドさんか…。
本当に、こんな近いところに勤めていたんだね。
行くとなると、近い方が助かるけれど…。
( そのまま近くの病院を調べてくれている相手を見れば、ゆっくりと上半身を起こして用意してもらったコップを手に取り水を飲む。まだ大分ぼんやりしているが、相手が来てからは気も紛れるのかマシになったようにも思う。
そして、顔をしかめて画面を覗けば、こちらも「あぁ」と思い出したように頷いた。彼から貰った名刺は、あの夜捨てておいたが、近くの病院で勤めているという話は覚えていた。行く分には助かる距離なのだが、あの夜は色々あったし、なんとなく気まずい空気が発生しそうで首を捻る。
まぁ、しかし、医者といってもその他にもたくさん在籍しているだろうし、彼と会う可能性も低いのではないか、なんて考えて。)
( 上げついでに連絡ですっ!
すみません…
再び、明日から返信が著しく遅くなるかと思いますが、ご了承頂けると嬉しいです! )
俺だってあんな野郎のいるとこには行きたくない。
けど、変に連れ回してお前の病気が悪化しても困るだろ
(はなから天使を狙っていると分かっている男のいるところに自分から進んで出かけるなんて当然したくもないが、だからといって病人を連れて遠くの病院まで出向くというのもおかしな話だ。
不満を全面に出したしかめっ面で、相手のためなら仕方がないと自分にも言い聞かせるようにこの病院のホームページを眺める。)
保険証なんかは俺が適当に作ってやる。
あとはあの医者に会わないことを祈るばかりだな、お前に言い寄ろうとしたら院内で暴動を起こしてやる。
(当然天使が持っているはずのない、それでも受診に必要なものは自分が力を使って偽装してやると言いながら物騒なことを呟く。
それほどあの医者は警戒するべき存在という認識だった。)
(大変遅くなり申し訳ないです…っっ
返信遅くなるとのこと了解しました!こちらも少し遅れそうなので問題ありません。よろしくお願いします!)
( 嫌々ながらも、自分の為に病院の詳細に目を通しているのであろう相手のしかめ面を見れば、申し訳なさと同時になんだか嬉しさも感じて小さく微笑む。
病院に行くとなれば、もう少し体調を安定させた方がいいだろうかと、手にしていたコップをもう一度戻し、ゆっくりと体を毛布の中へと滑り込ませる。)
ぼ、僕を心配してくれているのは、有難いけれど。
力だって、きっと安定していないんだ…、大きな騒ぎは起こさないで貰えると、もっと有難いんだけど。
( 保険証云々の話を続けて、うんうんと頷きながら聞いていたのだが、その後、更に続けられた話に思わず咳き込んで苦笑い交じりに返答をする。
確かに、暴動を起こすのも彼にとっては簡単だし必要な事かもしれないが、止めようにも止められない此方としては少し複雑である。特に、今の身体の状態を考えれば、力を使おうとした際に不具合があっては、それこそ困ったことになってしまうし、万が一悪魔である彼にも影響してしまったら大事だ。
そして、気を取り直すかのように咳払いをすれば、相手の方へ寝返りながら、へへ、と小さく笑って下記を付け加える。)
…とにかく、後で行ってみよう。
正直、病院の中も気になっていたし。
( / 大丈夫ですよ!
了承感謝致します! )
あの医者が大人しくしてりゃ俺だって大人しくしてる。
(布団に潜り込む相手の肩までしっかりと布団をかけてやりながら、あいつが医者らしく振る舞えば自分だって付き添い人として大人しくしていると鼻を鳴らす。
相手が力を使えない今なら、あの医者を酷い目に合わせてやることもできるが、そんなことを言えば天使に怒られるだろう。
さらに熱が上がるかもしれないと思えば物騒なことを呟くのはやめておくのだった。)
そうだな、それまでもう少し寝てろ。
起きたら何か食べれるように用意しとく。
つらかったら呼べよ、すぐに来るからな。
(少し汗ばんでいる相手の髪を撫でながらもう少し眠った方が良いと告げる。
次に目を覚ました時に何か腹に入れられるように食べやすいものを用意しようと思い立ち上がるも、つらかったり苦しかったりしたらいつでも呼べといつもより優しい口調で言って頬に手を添えた。
赤く上気して熱い頬、心なしか潤んでいる目にも庇護欲をかき立てられているようだ。)
( 全く…、と相変わらず医者と張り合おうとする相手の言葉に苦笑しつつ、寝ることを促すように続けられる言葉に、ゆっくりと頷いた。
優しく髪を撫でられ、頬に手を添えられれば、途端に気持ちも軽くなり、良い睡眠が得られるような気がする。悪魔である相手に安らかさを与えられるというのはなんとも不思議だが、これが自分にとっては最高に心地が良い。
いつにも増して頼もしく見える相手に、微少な悔しさや照れがありつつも、その言葉に甘えて目を閉じる。すると、数分後には穏やかな寝息を立てて寝てしまうのであった。)
__、…。
( しかし、寝始めて1時間が経過したところで早くも目が覚めてしまい、ぼんやりとベッドから起きあがると、眠たい目をこすって相手を探して家の中をうろうろとし出す。
少しでも寝たことで、先程よりは体調も落ち着いているようだが、未だに熱は高いのか寝起きも相まって意識ははっきりとしていない様子。)
(寝室を出るとキッチンに向かい、相手が起きた時に食べられるものを作ろうとまずはレシピを調べることにする。
野菜がたっぷり入ったポトフなんてよさそうだ、天使の喜ぶ顔が目に浮かぶと作るのはそれに決めた。材料もあるもので作れるそうだと冷蔵庫の中から野菜を引っ張り出す。
材料を切り分けて水やコンソメと一緒に鍋に入れると、手際よくできてることで意外に料理の才能があるのかもしれないと機嫌よさそうに煮込み始めた。)
…レイモンド!どうした、まだ寝てないとダメだろ。
熱が下がってない。心細くなったのか?
食事はもうちょっとでできるからな。
(物音がして振り返ると相手の姿。
寝ていたはずじゃと驚いた顔をするも、起きてしまったのかと思えばフラフラしている相手を抱きとめ額に手を当てまだ寝てないとと言い聞かせる。
自分がそばにいなくて心細くなったのだろうかと思いながらフワフワした髪を撫でながらベッドでもう少し休んだほうが良いと伝えた。
食事もあと10分くらいで完成すると言いながら、相手と一緒にベッドに戻ろうと促すのだった。)
( キッチンで相手の姿を見つければ、心細くなったのかと聞かれたことに対し、小さく頷いて近付いてくる。いつもよりも大分素直になっているのも、きっと熱のせいだろうか。
しかし、未だに体調が悪そうというよりは、相手を見つけて嬉しそうである。)
…大丈夫だよ。
寝る前に比べたら、気分がだいぶ良くなったんだ。
それにしても、美味しそうな匂いだね。
目も覚めちゃったし、僕も一緒にいる。
( 目を擦り瞬きを数回繰り返せば、笑顔を見せながら相手にそう言って、相手に髪を撫でられ心地よさそうに目を細める。
そのまま甘えるように傾き、相手に体を預けながらも、ちらりと料理をしている手元を覗き込んで、美味しそうだと再度微笑みかける。少し睡眠をとって休んだおかげで食欲が増してきたようだ。
また、あと10分ほどで食事が完成すると聞けば、ベッドへ戻ろうという相手の言葉には首を横に振り、駄々をこねるように言葉を発しては、相手の腰に腕を回してひっついている。 )
聞き分けの悪い天使様だな。
無理して熱が上がったら困るだろ、
…まぁいい。
大人しくしてろよ。お前がそこで暴れると色々こぼす。
(ベッドには戻らないと首を振る天使を前に困ったようにため息をつく。体調がよくないと言うのに、どうも聞き分けが悪い。
起きていて熱が上がったりしたらどうするとばかりにもう一度ベッドに戻れと促したのだが、本当にここにいるつもりらしい。
後ろから腰に腕を回してくっつかれると自分に甘えてくる天使がかわいらしく、まんざらでもない顔をして結局起きていることを容認した。
せめてもの照れ隠しかじっとしてろと言いながら味を整えて最後に少しだけブラックペッパーをかけて完成。
スプーンにすくった黄金色のスープを冷ましてから相手の口元に差し出し味見をさせると、自信ありげな笑みを浮かべる。)
うまいだろ、悪魔の手料理なんて貴重だぜ。
( 大人しくしていろという相手の言葉には、自分のせいで相手が火傷や怪我をしてしまうのは不本意だし、と素直に頷く。しかし、そのままの体勢で相手の手元をぼんやりと見つめているものだから、邪魔なのに変わりはないだろうが。
だが、それでいてもなんだかんだ自分の我儘を受け入れてくれるのだから、こちらもついつい甘えてしまう。普段はもっと紳士的になっていたいものだが、今日ばかりは風邪のせいという事にしておこう。)
……ん、本当に美味しいよ。
キミの手料理で熱も下がってしまいそうだ。
( 少しして、スプーンですくい上げられ差し出された其れを口に咥えると、自信ありげに笑いかける相手に、此方も笑みを浮かべながら素直な感想を述べる。
通常、天使と悪魔にとって食事は大して重要ではないし、食べるとしても外へ出掛けて行った時に嗜む程度なのだが、相手の手料理というのは、彼が言うように貴重で、なによりも特別な気がして嬉しさが込み上げてくる。
料理までできるなんて意外だな、とちらりと思ったが、それは決して口には出さず、自分よりも背が高い相手の首筋に顔を埋めた。 )
( / 大変お久しぶりです;;
まだいらっしゃるか分かりませんが…あげさせて頂きました。
新年度になり、仕事が思いのほか忙しすぎて長期に渡って顔も出せずに申し訳なかったです…。ごめんなさい。
大好きな悪魔にもう一度お会いしたく思いますので、もし、未だいらっしゃればお返事お待ちしております* )
__レイ!?お前、本当にレイモンドなのか?!
悪い、俺もしばらくここを離れていてお前が上げてくれてることに全く気づかなかった。
まさかお前が帰ってきてるなんて思いもしなかったぜ.
俺も一度あげとくな。お前が気づいてくれるといいんだが。
_ベリアル!
よかった…もう会えないかと思ってた……。
最近はまたちょっとずつこっちへ戻ってきていて…
君の元へも何度か顔を出しちゃってさ、僕も随分としつこい奴になっちゃったみたいだ。
どうしてもまた声が聞けたらって思っていたんだ。
とても嬉しいよ。アル。
お前が俺の事を覚えてて、また会いたいと思ってここに留まってくれてたことが嬉しいな。
俺もお前がいなくて退屈してたんだ。戻ってきてくれて助かったぜ。おかえり、レイ。今夜は良いワインをあけよう。
__うん、ただいま。
ついでに、ワインに合うお菓子も買いに行こうよ。
( / 背後様お久しぶりです!
またお返事頂けて嬉しゅうございます←
宜しければ、また無理のない範囲でお相手頂ければと思うのですがどうでしょう?? )
シロップ漬けのチェリーが乗ったガトーショコラか?
チーズケーキ?マカロンもありだな。
お前の好きなのを選べ、俺が払ってやる.
(お久しぶりです!またお返事をいただけるなんて思ってなかったので驚きました。あげもありがとうございます!ごらんの通りの亀進行でもよければ喜んで、という感じなのですがペースなどどうでしょうか?)
うーん、どれも捨て難いなぁ…、キミが払ってくれるというなら甘んじて全部買ってもらおうかな。
なんて、買いすぎたら食べきれなくなってしまうね。
( / なんだかメンヘラ彼女のようにあげてしまっておりすみません…←←
でも、またお話できたので良しとしましょう()
ペースについては私も同じようなものですのでお気になさらず!一応ちょこちょこっと覗きにはこれるので、こうして簡単にお返事することは出来るのですが、ロルを回すとなるとお待たせすることもあるかと思います )
気にせず好きなだけ食えばいいだろ。
悪魔は欲に忠実なのが好物だからな。好きなだけ買ってやるよ
(いえいえいえ!とんでもない!とても嬉しかったです…といいながら早速かなり時間をあけてしまいました..すみません;
そう言っていただけてよかったです!物語の流れを決めてまた少しずつでも一緒におはなしできたら嬉しいですっ)
( 大丈夫ですよ!
こちらも11月はお待たせすることが多いと思いますのでご了承いただけると嬉しいです…;
ではでは、一度レイモンドには待っていていただいて…
展開については、前回の続きでも良いですし、もしやりたいシチュエーションがあれば新たに始めても大丈夫です!
なにかご希望などありますか?? )
(そうですね!なんとなく新しいシチュエーションだと切り替え的にもいいかなと思いました*
悩んでるんですが、のんびり日常系、事件とかシリアス系、イチャラブ系(←)とかだったら、どれがいいとかありますか??)
( なるほど!
では、こちらの肩慣らしの意味もこめて()日常系はどうでしょうか?
また、日常系からシリアス系など交互にやっていけたら嬉しいです!)
(たいへん遅くなりました…!;;
天使と悪魔の日常がまた見られるのは嬉しいです!ぜひ日常系からいきましょう。
当方もキャラを動かすという行為自体がだいぶ久々なので肩慣らしが必要そうです。
もしよければ先レスお願いできたら嬉しいです!)
____んん、やっと気晴らしができる…。
( 長時間座っていた椅子の背もたれに全体重をかけながら、深いため息とともに大きな背伸びを一つ。 背伸びを終えダラりと力なく両手を垂らせば、次は小さな欠伸を噛み殺した。
目の前には散乱した書類と、何度も飲み干されたらしい珈琲の残骸が幾つも置かれている。
__簡潔にいえば、地上についての勉強会なるものが天界で開催されることになり、ここ最近はその準備やサポートで引きこもりっぱなしだったのだ。
自分自身の調査記録や報告書を引っ張り出し、上へ送る情報や資料を作成する毎日…。
大好きな探索や相棒との道楽もできるはずがなく、気が付けば部屋に引きこもって随分な時間が過ぎていた。
やっとの思いで自身の仕事に区切りがつき、開放感と共にずっと1人だった反動かどうしようもない寂しさが込み上げる。
自分はこんなにも寂しがり屋だっただろうか、とクスりと困ったように笑みをこぼせば、とにかく部屋を片付けよう、とコップや空き缶を手に重い腰をあげる。)
( / 私も再び期間をあけることになってしまいすみません;;
とりあえず、レイとアルも久しぶり となるように進めてみました!こちらも大分久しぶりにロルをかくので、色々ご迷惑をおかけすると思いますが…()
お互いに無理のない範囲でゆっくり続けていけたら嬉しいです*
)
________退屈で死にそうだ
(相も変わらずカーテンを閉め切った部屋でブランケットにくるまってボソリ呟く悪魔がひとり。天使が上の仕事に追われめっきり構ってくれなくなったため、退屈な日々を過ごしていた。
テーブルの上にはワインの瓶と飲みかけのグラス。グラスはいつものクセで2つ出してはみたものの、片方は綺麗なまま置かれているだけ。
もし相手が仕事を終えて尋ねて来たときに何もないのではつまらないと、時々外をぶらついたついでに買ったスイーツやらお菓子やらで冷蔵庫はパンパンだった。
結局天使が尋ねてくることはなかったため、ここ数日はワインを飲みながら1ピースのチョコレートケーキをフォークで突き刺して食べるハメになったのだが。)
…………暇だ!!
(天使に会えない日があまりにも長すぎた。
今日も相手は尋ねてこないし、天界の仕事をしている天使の家に悪魔が堂々と押しかけるわけにもいかない。
不機嫌に大声を出しては、ごちゃごちゃのテーブルをそのままにソファーに寝転び不貞腐れたようにブランケットをかぶるのだった。)
(いえいえ!ありがとうございます*
レイモンドに会えなくて拗ねまくりの悪魔にしてみました。
ですねっ
無理なく、お互いのペースでのんびりと進めていきましょう!)
( 普段の様にテキパキと動くにはやはり体がだるかったが、それでもなんとか部屋の片付けや散乱した書類の整理も終え、乱れた髪を軽く手で整えて薄い上着を羽織る。
仕事が終わったのであれば、向かう場所は1つだった。)
____アル!久しぶッ……!!
( 指をパチンと鳴らせば、あっという間に彼の家のダイニングへと現れる。いつもならこんな事に力を使うことなんか無いが、とにかく自分自身よ疲労を回復するためにも相棒にいち早く会いたかった様だ。
…だが、彼の近くに現れたかった故に、着地の瞬間ソファーの背面にぶつかってしまい、悪魔がブランケットから顔を上げた時には、数枚の羽根を散らした天使がソファーの後ろで尻もちを着いているという、なんとも間抜けな姿だろう。
いてて、と困ったように笑いながら、強打部をゆっくり擦り立ち上がる。自身の頭に乗ってしまった羽根を摘んで取り除けば、改めて“ やぁ ”と少し恥ずかしそうにしながら肩を竦めた。)
( / ありがとうございます!
ではでは、また次の展開のご相談まで引っ込ませたいただきますね* )
(寝ていたソファーに突如として何かがぶつかった様な振動が伝わったのと時を同じくして、待ち侘びたと言っても過言ではない天使の声がしてガバッと顔を上げた。
目に入ったのはどういうわけか床に尻餅をついている相棒。思わず「 レイ! 」と名前を呼んで目を丸くする。
この真っ黒な悪魔の部屋で"白"を見るのは久しい。眩しくも見える相手が恥ずかしそうに笑っているのだ)
────どれだけ俺を待たせれば気が済むんだ!.
(二言目に出たのは文句。お前がいなくて寂しかった、なんてかわいらしいことを言う程に悪魔がしおらしくないのは誰よりも近しい天使が一番了承していることだろう。
…だが天使の顔がいつもより疲れていることには勿論気づいていて、元気づけなくてはと思ったのもまた事実。
「 チョコレートケーキがある。好きだろ?見た目はビミョーだが問題ない。何を飲む?ココアか?? 」と、床に座り込んだ相手をソファーに引っ張りあげながら悪魔なりにももてなそうと、フォークを突き刺したままのチョコレートケーキを勧めた。)
( 此方を見下ろし目を丸くしたかと思えば、次に聞こえてきたのはそれはそれは不服そうな声音で。それを聞けば、立ち上がるべくゆっくり腰を上げながら“悪かったよ”と小さく笑った。
1人放ったらかしにされていたのが余程寂しかったと見受けられるが、それを言うときっと反発されるだろうから口には出さず、ただただ嬉しそうに口元を綻ばせる。
そして、あれよあれよとソファへ引き上げられると、そのまま相手の隣に腰を下ろして一息つく。
こうやって彼の隣に座ると、忙しなかった気持ちが一気に落ち着く様な気がして心地よい。)
……あぁ、ありがとう。
ずっと菓子も食べていなかったから嬉しいよ。
ココアも頂こうかな。
( 先程の不満げな声音とはうってかわり、此方を気遣ってくれるようにケーキやらココアを勧めてくれる相手を見ると、もう一度笑って返事をした。仕事中は大好きなお菓子を嗜む時間さえ惜しかったし、ここは素直に甘んじることにしたらしい。
寄せられたケーキに目をやると、明らかに彼が食べていた痕跡があるが、もはやそれも気にもせず突き刺さったフォークを手に取り一口頬張る。
久しぶりに食べる甘味が口いっぱいに広がると、更に表情が溶けたように笑みを浮かべて「美味しい……」と呟いた。)
(相手が食欲もなくなるほど疲れ切っているわけではないことに安堵した。ケーキもココアも今はいらないなんて言われでもしたらという心配は杞憂だったようだ。
「 待ってろ。今作ってやるから。 」と言って立ち上がるとまるで人間のように、力を使うこともしないでキッチンに立った。
マシュマロばかりはストックがないため少しばかり別の家庭から拝借しよう。指を鳴らして温かなココアの上にマシュマロを数個乗せるとカップを手に相手の元に戻る)
今回はやけに忙しかったらしいな。
こんなにお前を見かけなかったのは初めてだ。
(少し気持ちが落ち着いたのか文句ではなく相手を労るような言葉を零しながらソファに座る。
チョコレートケーキに乗ったブラックチェリーのシロップ漬けを指で摘んで口に放り込むと相手の顔をまじまじと見てくまに気付いて顔をしかめる。)
────天使がやつれるなんて、天国はブラックだな。
( もう1口ケーキを口に運びながら、ソファーから立ち上がりキッチンに立つ彼の姿をつい目で追ってしまう。
普段から面倒くさいことには力を使う傾向がある相手だが、自分の世話を焼く時は手間を惜しまない気がする。…というのは、些か自惚れすぎているだろうか。
まぁ、どちらにせよ彼が自分のことを気にかけてくれているのはよく伝わるので、嬉しいことには変わりない。
キッチンから戻ってきた相手からカップを受け取ると「ありがとう」と微笑んだ。隣からの労いの言葉を聞きながら、早速優しい甘さを口の中に感じていると、ふと“ブラック”と零された言葉に吹き出しそうになりつつ、笑いながら返答を。)
……外見と内装だけはすっごくホワイトだけどね。
まぁ、今回は特例だよ。
これほど地上に特化したプロジェクトは今まで無かったからね。本部も力が入っちゃったみたいで…、というか、僕自身もかなり張り切っちゃったから、ね。
無事に終わったし、頑張ってよかったよ。
( 相手が自分の心配をしてくれている中なんだか申し訳ない気もしたが、これほどやつれてしまったのも自分で自分の首を絞めていたからだと白状した。地上が題材だと聞けば、自分の知識や経験を思う存分伝えたいと思ったし、その為には、と莫大な量の資料を自ら漁っていた様子。
へへ、といつもの様にお人好しな笑顔をふりまけば、誤魔化すようにもう一度ココアに口をつけて。
そして、自分が仕事で缶詰だった間、彼はどうだったのだろうと気になり、「 アルは何してたの? 」と付け加えた。)
( いい光景だ。この部屋で天使がくつろいでいるのを見るのは久しぶりだと思いながらその姿をまじまじと見つめてしまう。
相変わらず眩いまでの白い姿で行儀良くソファに腰かけてケーキを頬張っているレイモンド。ずっと会いたくて堪らなかった天使が目の前にいる。
仏頂面を決め込んではいるのだが気をぬけば口元が緩みそうになるのだから世話はない。)
中身は地獄以上に真っ黒だ。
気をつけろって言ったろ
お前は世のため人の為なら我が身を削ってでも突き進むクセがある。親友が社畜天使だなんて御免だぜ。
( この天使サマは善行を積むことにぬかりがない。今度の一件が無事に終わったと言うならそれで良いが、体を壊したり天国の社畜になられたりしたら困るのだ。
何をしてたのかという質問には「 別に 」とつれない返事。)
……気が向いたときに人間サマを誘惑したり、ワインをあけたり、寝たりってトコだ。退屈だったよ。
(「 否定は出来なぁ 」と、説教じみた相手からの言葉に苦笑いをしつつ肩を竦める。これまでも散々自己犠牲的な性格については怒られてきたし注意もされてきたものだから、改めて反省しつつも、この性格はなかなか直せないものだなぁと考える。
それにしても、ふと耳にした“親友”という言葉には、自分の耳を疑うように数回瞬きを繰り返し、なんだか感動心すら芽生えてしまう。初対面の時にあれだけ邪険にされていたのに、まさかそう思っていてくれたとは…思わずにやけてしまいそうになるが、そうなると二度と言ってくれなくなる可能性もあるので、この嬉しさをどうにか胸の内に秘めて咳払いをした。
まぁ、自分としては親友以上だともっと嬉しいのに、と少し思ってしまったが、それもまた内緒の話だ。)
……なるほど。
つまりは、大凡いつも通りに過ごしていたけど
“僕がいなかったから”とーーっても退屈だったんだね?
退屈をさせてしまったお詫びも兼ねて、キミの社畜な親友から、1つ頼み事をしてもいいかな?
( 続いて、自分が仕事をしていた際、相手がどう過ごしていたのか返答を聞くと、その姿を脳裏に思い浮かべながら小さく笑って、わざわざ一部を強調しながらなんだか満足そうに上記を述べた。
そして、尚も相手を愛おしそうに見つめながら、頼み事、と称して腕を大きく広げて相手を迎え入れる準備をした。)
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