Devil 2021-11-21 21:57:27 |
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( 相手の返答に『なるほどねー』なんて相槌をうちながら話を聞けば、過保護な親みたいなもんだな、なんて心の中でボソリと呟く。きっと明確な理由について本人は特に気付いても居ないのだろう。多分、気づいてないのは天使の彼も同じだろうが。
また、舌を出して、お前は別にいいと言われれば、再度ケラケラと笑いだして無意識にもゼロ距離になった2人を交互に見ながら再度言葉を投げかけた。)
『 まぁ、確かに俺は一人で大丈夫だからいいけどよ。
…そうだ。
レイモンドが危なっかしくて心配なだけなら、いっそ俺がついててやろうか?俺も別に天使だの悪魔だのどうでもいいし。
お前もたまには好き放題やりたいだろ。』
( そう言うと、腕を組んであたかも「名案だろ」とでも言いたげに同僚の様子を伺う。どれ程罵倒されようが此方のからかい欲は満たされることを知らないらしい。といっても、これは単にからかいの念だけでもなく、同僚が本当に俗に言う庇護欲だけで動いているのだとしたら、天使のそばに居るのは自分でも良いのではと思い付いたのだ。
ずっと天使といると悪魔本来の仕事はなかなかできずにいるだろうし、行きたければ何処へでも行くことできる。一方で自分は純粋に地上や天使の彼に興味があるので、此処に留まることになっても不都合はない。
無論、ここまでの話に天使本人の主観は入ってないが…。)
なんでそうなる。
お前にそばをうろつかれる方が心配だ。
俺はレイモンドの目を掻い潜って好きにやってる。
天使と仲良くしたいなら今度地上に来るらしい奴でも捕まえるんだな。
こいつは俺のだ。
(告げられた提案に心底嫌そうな表情を浮かべて同僚を見る。
同僚が相手のそばにいることを思う方が気が気ではないし、どうしてわざわざ地上にやってきたばかりの同僚に相手の隣を渡さなければいけないのかという不服な思いが根底にあった。
言われてみればその通りで、天使のそばを離れれば悪魔として一層好き放題やって羽を伸ばせるのは確かなのだが、その提案にもさほど魅力を感じない。
相手の目の届かない所で自分は好きにやっていると言いながらも、提案の節々から同僚が相手に興味を持ってそばにいたがっているように思えて思わず眉を顰めた。
そしてついに、しかし何の気なしに、他の誰でもなくレイモンドという1人の天使に対して独占欲を抱いていることが露見する言葉を溢していた。
もちろん相手は誰のものでもなかったが、同僚には渡さないとばかりに天使の肩に腕を回した。)
『 お!いよいよ言いやがったな。
素直じゃねぇ奴から本心聞きだすには骨が折れるぜ。
まぁ、正直ちょっと残念だけど、ベリアルがそこまで言うなら仕方ねぇ。って事で、よかったなぁレイモンド。』
( 同僚が天使の肩に腕を回せば、途端に大きな声で相手の言葉を指摘する。その様子はまさにクラスのカップルを冷やかす男子生徒のようであるが、本人はそんな事も気にせず笑いながら続ける。
興味があるのは本心でもあったため、少し残念そうに肩は落とすが、それでも、意地っ張りで素直にならない同僚の本音が聞けて心底楽しそうに頷いた。続けて、よかったな、と天使の方へと目線を移せば『俺いい仕事したろ』なんて付け加える。
天使本人の意見なんて聞いちゃ居ないが、これまでの様子を見るに、同僚に独占される事に対して嫌な顔をすることは無いと知っている。むしろ、この2人はお互い様だろう。)
……全く、勘弁してくれよ。
本当に悪魔というのは心臓に悪い….。
特にアル、キミは余計に…。
( 相手の同僚からの言葉を聞けば、相手をからかったのも先程の提案もその為かと片手で顔を覆って溜息をつき、上記を呟いた。しかし、片手では隠れきれない表情からは照れと困りの混じったような瞳と段々と更に赤みを増す頬がみえる。
同僚の発言に乗せられ発した相手の言葉に、明らかな独占欲を感じ、更にはそれを嬉しく思ってしまう自分にもハッキリと気付いてしまい羞恥が高まる。恋心なのかどうかは未だに分からないが、自分も他の誰でも良い訳ではなく、彼だから良いのだと自覚をしてしまう。
尚も溜息をつきながら困り果てたように俯いてはいるが、肩に腕を回してきた相手に対し、此方もしっかりと空いている手を腰に回している。)
___っ、ゼパル!お前わざとだろ!
レイモンド、この卑しい悪魔を今すぐ浄化してくれ。
地上には毒だ。
(冷やかすような言葉とにやけた顔を見て、ようやく同僚にはめられたのだと気がつく。もとからこうして自分をからかうために、わざと相手にちょっかいをかけていたのだ。
同時に特に気にもせず発した言葉がとてつもなく恥ずかしいものに思えてきて、顔にわずかの動揺が浮かぶ。
冷えて青白い肌に珍しくもかすかに赤みがさして、こちらもまた大きな声を上げた。
しかし相手が照れながらも腰に手を回してきたのは満更でもなかったようで少し落ち着くと、天使の力でこいつを浄化しろ、なんて隣の相手に頼んで悪態をついた。)
……財布、買いに行くんだろ。
お前も夜までには帰れよ、嵐だろうがなんだろうがうちには絶対に泊めないからな。
(本来の目的を放ったらかしに、かなり長い時間をくだらないやりとりに費やしていた。なんだかんだで仲が良い者たちに囲まれているので飽きない時間ではあったのだが。
店に行こうと肩を組んだ相手を促しつつ同僚を横目に見る。憎たらしい奴ではあるが、かわいそうなので今地獄に帰らせるのは勘弁してやろう。
相手の財布を見てから、同僚が地上で見たがっている店や場所なんかを天使に案内してもらえばいい。ただし何があっても家には泊めないと釘を刺しておく。
ただの知り合いだなんて嘘は数時間と経たず完全に破綻していたが、幸い天使だからというだけで毛嫌いするような奴ではない。今日の休日だけは、3人で過ごすのもいいだろうと妥協して、ため息ながらに歩き出したのだった。)
『 おいおい、それならせめて肉体消滅の方にしてくれよ。
浄化して消えちまったら、お前らをからかいに来れなくなるだろ。』
( 僅かに動揺の色をみせ大きな声を上げる同僚に、これまた満足そうにお腹を抱えて笑い出す。そして、浄化しろと話す言葉が聞こえれば、浄化して綺麗さっぱり無くなるよりも肉体が消滅した方がマシだと交渉し、帰りの時間について言及されれば、『はいはい』と頷きながら答える。
そのやりとりに俯いていた天使も顔を上げ、未だに頬を赤らめながらもなんだか楽しそうに笑っていた。3人が戯れている光景は、あたかも街の若者がじゃれ合っているようで、街ゆく数少ない通行人も特に気にせず通りすぎていく。)
なんだか楽しくて忘れていたよ。
今日は3人で街観光だ。
( そして、相手に肩を組まれたまま買い物へと促されれば、そうだったと言わんばかりに眉尻を下げながら微笑んだ。なんだかんだ同僚の同行も認めた相手にフフッと小さく笑うと、最後に「ゼパルさんも、行こうか」と歩き出した。
__その後は無事、2人の悪魔による悪事に手を焼きながらもお目当ての買い物を済ませたり、自分のオススメの店や街並みを堪能するように歩き回った。流石に日々街を散策しているだけあって、さほど長い時間では無かったが、十分に地上の楽しさを体験して貰えたのではないかと思う。悪魔2人に挟まれてそんなことをするのは一見不可解かもしれないが、自分にとっても楽しくて充実した日であったのは確かだ。
そして、今朝、はじめて3人が顔を合わせた場所へと戻ってきた頃には、もう日が落ち、建物の隙間から鮮やかな夕闇が映える頃だった。)
(地上で過ごしている時間はほとんど変わらないはずなのに、相手は自分と比べても随分街のことを知っているようだった。
天使の案内で向かった公園、博物館、服屋___ある高級宝飾品店の前では2人して力を使い、どういうわけか恋人に宝石をねだる女性が多発して、どういうわけか財布の紐が緩んだ男たちの手持ちをすっからかんにした。
あるカフェではケーキを頬張る2人がおもむろにひと口ずつ交換を始め、自分もムキになって好きでもないケーキを天使からひと口もらった。
隙を見て悪事を働いてはすぐにバレて怒られ、疲れたと言ってはまだまだと天使に腕を引かれ…そうこうしているうちに日が暮れているのだった。)
……これだけ地上を堪能すれば、さすがに大満足だろ。
もう1世紀は地上に来なくて済むな。ほら帰った帰った。
俺は明日は一歩もベッドから動かないからな。
(朝と同じ場所。納得のいく案内ができたのか満足げな天使と、見るもの全てに大袈裟なほど喜んでいた悪魔、そして丸一日外を歩き回り疲れきったらしいもう一人の悪魔。
1日でここまで街を見て回り楽しんだのだから、さぞかし満足だろうと同僚に言いながらしっかり毒を吐くことも忘れない。この2人のコミュニケーションは昔からいつもこうだ。
帰ったらベッドに潜り込んで明日いっぱいは惰眠を貪るつもりらしい。
帰れとばかりにヒラヒラと手を振ったが、久しぶりに悪魔と、それも馬の合う悪魔と過ごせたのは楽しかったようだ。)
『 おう、楽しかったぜ!
生憎、暇さえあればお前らをからかいに来てやるよ』
( 疲れきっている同僚とは真逆に、此方はまだまだ元気そうに楽しかったと声を上げれば両腕を上げて伸びをする。全てが初めてのものばかりで終始興奮しっぱなしだったが、自分が思っていたよりも地上の面白さに気付く事ができ、相手の言うように大満足のようだ。
しかし、手を振られながら毒を吐かれると、それに対抗するように、またからかいに来てやると舌を出す。
久しぶりの同僚とのやりとり、折角仲良くなった天使も前に、少し後ろ髪を引かれる思いだが、『仕方ねぇ、帰るかー』と呟き、2人の肩を再度ポンポンと叩けば別れの挨拶をして大袈裟に手を振りながら去っていった。)
楽しんでくれてよかったね。
…流石に、僕も明日は寝ていようかな。
( 律儀にもその背を手を振りながら見送れば、隣にいる相手へ微笑みながら声を掛ける。悪魔2人の相手をするのは案の定悪さばかりで大変だったが、自分も存分にはしゃいで過ごせた気がする。しかし、やはりその分疲れはあるようで、隣で疲労困憊の様子で呟く相手に、自分も寝ようかな、と笑いかける。
そういうと欠伸を1つして、更に冷え込む外気に小さく身震いした。)
(/3人の絡みとても楽しかったです*
最後無理やり終わりに持っていってしまいすみませんでしたっ←)
ようやく騒がしいのが帰った。
味をしめてまたすぐ来るかもしれないけどな。
帰ろうぜ、明日は1日毛布に包まって過ごせばいい。
(手を振りながら去っていく同僚を見送ると、ヤレヤレとばかりにため息をつく。まったく騒がしい1日だった。
しかしあれほどあいつを楽しませてしまったら、地上に来れば楽しいことがあると味をしめて定期的にやってくるようになるかもしれないとも肩を竦めた。
相手も1日歩き回って悪魔の見張りをしてさぞ疲れたのだろう。珍しく家に引きこもることに同意されるとおかしそうに笑って、帰ろうと促し暗くなった通りを歩き始めるのだった。)
(/こちらこそです!とてもいい仕事をしてくれたゼパル君!(拍手)←
たくさん動かしていただいてありがとうございました!素直じゃない悪魔をからかうことで、2人の距離がまた縮まった感じがありましたね*
さて、次は問題の天使様編でしょうか!←
どうやって悪魔を懲らしめようとするのか、悪魔が反撃できない状況も含めてなんとなく考えないとですよね。
もしその前にやりたい設定とかあればなんでも言ってくださいねっ)
でも、たまにはこんな日も悪くなさそうだね。
( 溜息をつき肩を竦める相手に上記を述べれば、フフッと楽しそうに笑ってみせる。確かにあの様子では、発言通り暇さえあれば遊びにきそうな勢いであるが、それもまた楽しそうだと心の中で呟いた。実際、たまの3人での観光を既に待ち望んでいる自分もいる。しかし、そんな事を言ったらまた相手は拗ねてしまうだろうから口には出さないが。
帰ろうの声に頷けば、歩き出した相手を追いかけるようにして共に帰路につく。その際、ふと何かを感じて振り返り、周囲の建物を見上げるが、特に変わった様子もなく直ぐに踵を返した。
やや不思議そうに首を傾げるが、相手の呼ぶ声に顔を上げると暖かな毛布へと早く包まるために早足で家へと帰って行った。)
(/こちらこそ!途中で動かしていただきありがとうございました!トリオもなかなか良かったですね*ほのぼのしました←
…ですね!問題の天使様です…。
私的に、天使様はネチネチとアルくんのことを精神的に追い詰めそうだなぁと思ってます←
同僚よりは後輩の方が面白いかなと思ったので、大好きな先輩と悪魔を引き離す為なら(前におっしゃられていたように、結構出世しそうなタイプの天使っぽいので)立場を利用して平気で脅してきそうだなと……。
これはもう完全にメンヘラですね←)
(/上記きれいに〆ていただいたので、相談に専念させていただきますね!←
レイのことが大好きな後輩天使いいですね!アンチ悪魔で地位も高くて精神的にネチネチ追い詰めてくるなんて大きな脅威になりそう…さらにメンヘラ!←
天使の力は基本的に悪魔には毒で、何か力を使われたとしても悪魔では解くことができないというイメージです。もちろん逆もしかり。
あとは地上で天使に何かあったとなれば、もともと地上に遣わされているレイくんが責任を問われかねないから下手に反撃でもない、とかも障壁になりそうですね!
最終的には彼も2人の絆を切ることはできずに、むしろ一層レイとアルの精神的なつながりが強まるんですね…わかります*←)
( どうぞどうぞ(?)←←
なるほど…!
此方はアンチですので、躊躇いもなく毒を使って来そうですね…。
レイも後輩の性格はよく知っていそうですが、それまた下手に動くと上にも下にも諸々がバレかねないので後輩の扱いには苦労しそうです。そこでもまた障壁になりそうですね←
レイの存在が良い意味でも悪い意味でも活かされればよいかなと思います←
あ、流石、言わずも分かっていらっしゃるっっ*←
一応、登場の流れとしては、ゼパル君がいた際に既に視察を試みており、アルくんの存在は確認済み。
その為、アルくんが1人の時を狙ってヘラった天使君に凸してもらおうかと思っています←)
(強盗まがいの暴漢にレイくんが襲われたときのように、天使じゃないと解けないとか、悪魔じゃないと解けないっていうのは要所要所で使えそうですよね!
たしかに、お互い様子をうかがいながら(?)になっちゃうっていうのも今回は割と障壁になっていきそうな!
まさにレイくんを巡るストーリー、すてきですっ* 大の天使と悪魔だけど、やってることは結局「どっちがレイくんにふさわしいか」のお姫様をめぐる争奪戦みたいなものですし…!(言い方)←
登場シーン了解しました!*
現段階では一時的な同居モードでしたが、天使くん登場の時点ではもとに戻ってた方がやりやすいですかね?
今回も、レイくんにアルと縁を切るよう迫ったり口説いたり(?)するときにはこっちで天使くん動かしますので…っ
そして天使くんの名前ですが、ラグエルはいかがでしょう?*
実在の天使(堕天使とも)で、「世界と光に復讐する者、他の天使の行いを監視する者」だそうで…またしても某百科事典情報ですが!←
長くなっちゃってすみませんっ)
(/ですね!その設定を上手く活用できるように頑張りますっ!
争奪戦!すばらしいです*←
今回はレイに相棒の悪魔を想って存分に奮闘してもらいたいと思います!
そうですね…。
また数日程経って、お互い元に戻っているという体だとやりやすいかと思ってます!
わ!ありがとうございます!もうお好きに動かしちゃって下さいっっ!
名前までありがとうございます!
ラグエル…良いですね!なんだか響きもイメージに合っている感じがします…。それでいきましょう!
そしてあわよくば、ラグエルはお調子者ゼパルとくっつけばよいと思ってまs←←)
(レイくんがアルのために奮闘してくれるのは嬉しい!楽しみですっ*
もろもろ了解しました!
名前も気に入っていただけたようで良かったです。メンヘラ天使ラグエル(←)を召喚しましょうっ
一見全く合わないように見える凸凹コンビなのにちゃっかりくっついちゃうおもしろ展開…!これも目が離せなくなりそうな…←
初回はどちらからにしましょうか?
こんな感じで回して欲しい、などあれば教えてください!*)
(/また出来そうであれば凸凹コンビサイドで話を進めても面白そうですね*
では、初回お願いしてもよろしいでしょうか?
いつも通りの日常として、また毛布に丸まってても良いですし、街を気まぐれに徘徊してても良いですし!アルくんが1人で行動しているようロルを回して頂けると嬉しいです!時間帯は何時でも大丈夫ですよ*)
(___1人で出歩くのは決まって午後。理由は他でもなく、気が向くまでベッドを出ないからだ。
相手が家に戻ってから数日は朝早くから起こされることがなくなり惰眠を貪ってばかりだったが、ようやく出かける気を起こして街に出たのだった。
天使のように人間観察が好きなわけでもなく、ましてや食べてみたいスイーツもない。することといえば、密かに人間にちょっかいをかけることくらいだった。
指を鳴らすだけで仲良く寄り添いあったカップルには険悪な空気が立ち込め、禁煙中のサラリーマンは1本だけならと煙草に手が伸びる。
いつものことながら人間が惑わされる様子はおかしいものだと、この日も機嫌よく街をうろつくのだった。)
(凸凹コンビサイドも面白そうですね!メインの2人でも、2人を囲むサブキャラたちでも、今後色々な展開や楽しみ方ができそうで今からワクワクします*
初回投下しておきます!ようやく布団から出る気になったアルを街に放ってみました←
メンヘラ天使編も引き続きよろしくお願いしますっ)
( 白のシャツにライトグレーの上下。ラフなスーツ姿にコートを羽織った男性が1人。のうのうと歩く悪魔の背を捉える。ゴクリと飲み干した持ち帰り用のコーヒーカップをゴミ箱へと投下すれば、少し早足でその背を追った。)
「 …あの、ベリアルさん、ですよね。」
( そう声を掛ければ、ブロンドの髪から覗かせた翠色の瞳で丁度目の前にある相手の顔を真っ直ぐ見据える。声色や口元には柔らかさを感じるものの、その瞳に穏やかさが無いことは本人もきっと自覚済みだろうか。
_背景に少し薄暗いものを感じさせる彼だが、彼こそがいつか悪魔の同僚が口にしていた、地上に遣わされたもう1人の天使だった。)
「 ご同行お願いしたいのですが。
…宜しいですよね? 」
( 尚も声色だけは優しくそう問うが、どうやら相手の意志を聞くつもりは無いらしい。指を1つ鳴らせば途端に相手の口は開かなくなり声も出せない事だろう。
そして、それをいい事に強制的に相手を連れて何処かへ向かうのだった。道中に会話なんてものは一切なく、そもそも此方から話すつもりも特に無さそうだ。
行先は意外にも普通の喫茶店。しかし、席に着くなり店員に向けていた穏やかそうな表情も一変、冷酷そうに向かい側へ座る相手を見た。1つ溜息を着けば、試しに1度口封じを解除して。)
(/初回ありがとうございます!
こちらこそよろしくお願いします!!
ラグエルくん、アルくんには厳しいところが多々あるかと思いますので、もし不快に思われたら遠慮なく仰ってくださいね!)
…天使様が俺に何の用だ。
(背後から声をかけられ振り向くと、そこにはブロンドの髪に翠の瞳を持つ人物が1人佇んでいる。見慣れない者だったがその姿を目に映した瞬間から、彼が神聖な空気をまとう天使だということは理解できて露骨に嫌そうな表情を浮かべた。
前にゼパルが言っていた“地上に送られる天使“とやらだろう、どうやら本当に来たらしい。
しかしなんだって彼は、先に地上にいる天使のもとに行かずに悪魔である自分のところに来たのか。今しがた街の人々を誘惑していたことを嗅ぎつけられたのだろうか。)
____……
(着いて来いという目の前の天使に対して「何で俺がお前みたいなのに着いてかないといけないんだ。」と言ったつもりだったが、声は出ない。どころか口さえ動かない。天使に力を使われるのはやはり嫌な感じだ。
連れて行かれた先の喫茶店で不機嫌さを隠すこともなく椅子に座り足を組むと、向けられる冷たい目を睨み返す。
その視線が敵意を持って向けられていることには気づいたし、この天使は苦手だと本能で感じていた。
再び指が鳴り力が解けると深々とため息をつき、テーブルに肘をつき嫌悪感を隠さない表情を浮かべて天使を見た。)
天使のくせに随分荒っぽいマネをするんだな。
何なんだ、急にこんなとこに連れて来て___地上に降りた記念に悪魔とティータイムでも楽しみたくなったか?
( お気遣いありがとうございます!
アルも嫌悪感を隠さないと思うのでお互い様です!もし気になることがあったらお声がけさせてもらいますね*
同じくこちらに対しても態度が悪すぎる!などなどあれば教えてくださいっ← )
「_五月蝿い。口を慎め。
俺だって貴様と馴れ合う気は無い。
…俺が聞きたいのは1つだけだ。
お前、レイモンドさんに何をした。」
( 話せるようになるや否や嫌悪感を示す相手に、一間置いて先程とは打って変わって明らかに敵意を込めた声色で二言発する。そして、ティータイムと聞けばその気は一切ないと薄ら笑ってみせる。人間やその他の者に対しては礼儀を弁えているようだが、どうやら目前の悪魔相手には遠慮はないらしい。
少し考えたように1度視線を下げれば、確かに相手の親しいであろう天使の名を口にして、再度睨みつける。)
「 あれ程までに気品に充ち、素晴らしく偉大な人が…
何故、何故お前のような低俗といるのかって聞いてるんだよ。
レイモンドさんに会えるのを楽しみにしていたのに…。
隣にいるのがまさか悪魔だとは…。しかも、間抜け面した奴と揃って2体もな。」
( 地上に降り立ったのはほんの数日前、地上への視察の許可がおり、憧れで大いに尊敬を寄せる先輩に久し方会えると、それはそれは楽しみにしていた。…しかし、彼を見つけるや否や自分が最も嫌悪する悪魔2人と戯れている姿を見つけてしまい、表しきれない感情が込み上がった。1人は直ぐに別れて行ったようだったが、明らかに距離感の近い目前の彼が気になった。彼とはすぐに別れる様子もなく、おまけに自宅も近く、暇さえあればお互いの家を行き来しているようだった。
数日間、先輩と彼の生活を観察し、今日、2人が一緒でないことを確認したのちに接触してきたようだ。
自分の大好きな先輩が、忌々しい悪魔に、しかも自堕落な生活ばかりしているこの悪魔に言い寄られているのがこの上なく気に入らないのだ。)
レイモンドさんね、…
さぁな、そんなの俺じゃなくてあいつに直接聞けば良いだろ。
アイスコーヒーひとつ。ミルクと砂糖はいらない。
(天使の名前を出したが、呼び方から察するに親しい間柄でも同僚でもないらしい。あえて相手が口にした呼び名をもう一度繰り返しながら、わざわざ悪魔を捕まえなくても本人に聞けばいい話だと、まともに取り合わない。
相手の嫌がることをするのが悪魔の勤めだとばかりに、それなら相手の嫌がるティータイムを演出してやろうと通りがかったウェイトレスにアイスコーヒーを注文した。)
…へェ、随分前から俺たちのことを指咥えてこっそり見てたわけだ。
上に報告でもするか?そしたらお前の大好きなレイモンドさんは堕天させられるかもな。
俺としては歓迎だ、気兼ねなく一緒にいられる。
(相手の言いようを聞く限り、少なくとも数日前から自分達の動向をこっそり監視していたということになる。小馬鹿にしたように笑うと、運ばれてきたアイスコーヒーのストローをくわえた。
親しいことを隠す気はない。既に見られているわけだし、上に報告されたとして、迷惑を被るのはレイモンドだ。大好きな先輩を悪魔の側に堕とすなんてことは相手には出来ないはずで、煽るように相手の顔を見つめて笑みを浮かべた。
親しさの差を見せつけるような言葉をあえて選んで、目の前の天使に突きつけた。)
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