優等生 2021-11-19 09:43:36 |
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( / 文学部…文芸部…?どっちだろう…
こちらからお伝えしておきたいことは以上ですかね。早速初回のお話に移りたいと思いますが、大丈夫でしょうか?
それから、こちらの息子の名前は 久我山 優馬 ( くがやま ゆうま ) にしようかと考えております。 )
(/文芸部と呼ぶ方が多いかと思いますが、伝われば良いのではないでしょうか…笑
はい、お話に移っていただいて大丈夫です。息子さん、素敵なお名前ですね…!
一方でこちらの名前は白谷 吹雪(しらたに ふぶき)にしようかと思います。もしイメージとの食い違いがありましたら、名前を変更しますので遠慮なくお申し付けください。)
( / 文芸部にしておきます…笑、初回ですが、部活動中の風景から始めようかと思っております。部活終了後、部室に残ってお酒を飲んでいるところを忘れ物か何かで戻ってきた吹雪ちゃんに見られてしまう、というのは如何でしょうか?
お褒めいただきありがとうございます。人様の娘様の名前にケチをつけるなんてとんでもない。清廉なイメージにぴったりの素敵なお名前です。 )
…ごめんね、忘れ物したみたいだから、先に行っててもらえる?
(通話をしながら早歩きで部室へと向かって。電話を一旦切り、鍵がまだ開いている部室の扉に手を掛けると、そのまま押し開いて)
(/会話メインの短めのロル、とおっしゃっていましたがこんな感じでよろしいでしょうか?もし何か問題があれば提出し直しますので!)
( 誰もいなくなった部室。先程まで熱心に読み耽っている振りをしていた部誌を机の上に放り、缶のチューハイを呷る。扉が開く音で鍵を閉め忘れていたことを思い出せば、横目でちらりと扉の方へ目を遣って )
( / 初回ありがとうございます。気になるところ等ありませんので、このまま続けさせていただきますね。吹雪ちゃん背後様も、何か気になることがございましたら適宜ご指摘をお願いいたします! )
…えっ。
(部室にまだ人がいたことにも驚いたが、それより目線の先の彼が手にしているものに対し言葉を失い。呆然としながらも相手の名前を絞り出したが、何と言ってやれば良いのかも分からずにいて)
く、久我山さん…?
白谷さん。どうしたの、忘れ物でもした? ( 扉の向こうから姿を現したのは、同じ部活の一年生の女子生徒。静かに缶を机の上に置くと、まるで何もおかしい事など無いかのように普段と変わらぬ様子で微笑みかけ )
えぇ、そうなんです。
(微笑んでいる彼は周りから一目置かれているような優等生。下級生の自分でさえその噂を耳にしているくらいで、飲酒をしているなど信じられずにいて。缶に目線を移し、恐る恐るそのことを口にして)
そのお酒、久我山さんのですか?
…あーあ、見つかっちゃったか。( YESともNOとも答えないものの、暗にYESのニュアンスを含んでそう零す。表情すら崩さないままもう一度それを呷ると、椅子から立ち上がって彼女の方へと近づく。そして、強引に腰を自分の方へと引き寄せると、奪うように唇を重ねて口に含んだチューハイを流し込む。同時にすかさず下ろした扉の鍵が、がちゃりと音を立てた )
…んっ!?
(突然立ち上がり、近づいてくる彼に一瞬身構える。しかし、引き寄せられたのは想定外のことであり、更には混乱のせいか抵抗する暇もなくチューハイをそのまま喉へ通してしまう。鍵が掛かった音が耳に入れば、不安な表情へと変わり)
…これで白谷さんも共犯だね。( ごくり、と流し込んだそれが喉を通る音を聞けば、あっさりと彼女の身体を解放する。冷たい目を細め、綺麗に整った微笑みを作ると、逃がすつもりはないという意思を示すように人差し指を扉の鍵部に置いたまま、どこか誘惑めいた響きで尋ね ) このことは、ふたりだけの秘密にしててくれる?
(絶句した。目の前の彼が酒を嗜んでいたとは微塵も思っていなかったのだ。更には軽い脅しとともに共犯にされ、混乱のせいで何も言い返せずにいて。共犯にされた以上、二人だけの秘密にしておきたいのは山々だったが、どこか腑に落ちない箇所があり)
秘密って… 久我山さん。どうして私にわざわざこんなことを…?それにまだあなたも未成年ですよね?
…どうして? ( 肯定でも否定でもなく、返ってきたのは疑問文。その意図を上手く汲み取れずに質問に質問で返す形になるも、二度手間になるのも面倒くさくて、回答が返ってくるより先に自己解釈の返答を重ねる。笑みすら失せ、白けたような表情で溜め息混じりに零し ) 酒を飲むのにも、キスするのにも理由なんか無いだろ。
(相手の白けたような表情には優等生の面影は無く。どうやら鬱憤を晴らすために酒を飲んでいるわけでもなさそうだった。尋ねたいことは色々あったが、まずは部室から出る方法を考えようと決め。鍵を開けてもらうには相手を刺激しないようにと考え、わざと余裕ぶった口調を)
他の皆が今の久我山さんを見たら…何て言うでしょうね。
…なに?僕を脅す気? ( 予想と反する彼女の態度に、ぴくりと眉を動かす。彼女はどちらかと言えば大人しい方で、そして少なからず僕に好意を抱いているものだと思っていた。簡単に言うことを聞いてくれると踏んでいたが、どうやら違うらしい。面倒なことになったな、と頭の端で考える。さて、これからどうしようか )
私は証拠を持っていないので…。
(なので脅す気はありませんよ、と流すと忘れ物の存在を思い出して、机の端に置いてある教材を手に取り。見るからに隠し事が多そうな相手に向き直ると、話を切り出して。友達を待たせるわけにはいかないが、相手の方も鍵を開けてくれないだろう)
あの。私、そろそろ戻らないといけないのですが…。
ふうん…証拠、いる? ( 何が彼女の神経を逆撫でしたのかは定かではないが、嫌味の一つでも言ってみたくなったのだろう。先程の発言をそう処理すると、缶の中の最後の一口を呷って、底で小さく音を立てる程度になったそれを目の前でゆらゆらと揺らして見せる。彼女の発言に窓の外にちらりと目を遣れば、言葉とは裏腹に退く様子はなく ) ──うん。女の子だし、暗くなる前に帰らないと危ないよね。
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