使用人A 2021-11-08 23:48:34 |
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>セオドア
(焦ったようなテトの表情。きっと、彼女は何かを事前に知っていて、それを思い出そうとしているのだろう。彼女が何処まで、知っていて、何処まで思い出してくれるのか、非常に楽しみだ。貴族のご令嬢にするのと同じように、ゆっくりとその細く美しい手へキスを落とすと、そのまま椅子まで静かに手を引く。女性を木の椅子へ座らせるのだったら、ハンカチくらい引いておいた方がよかっただろう。今更思いつき、ポケットから家紋の入ったハンカチを取り出すと、空いている手で椅子にハンカチを引き
「贅沢だとは言わないさ。私ではなく、他の貴族言ったら、間違えなく求婚されていたよ。」
そう穏やかに答える。この美しさなら、間違えなく、どんな出身であろうとも求婚をするものは、現れるに違いない。貴族の男は、父を含め、自分の妻をアクセサリーか何かだと勘違いしている傾向にある。手を静かに話すと、彼女の耳元まで近づいて
「私……いや…俺はね。君の思ってるより、遥かに最低な男だよ。」
そう小声で囁く。女性を傷つける行為だろうが、子供の奴隷売買だろうが、なんだっでやっている。それが例え自分の思想と違えど、罪悪感など感じてはいない。寧ろ、周りが狂っていく様、滑稽にすら思える。そして、財政難さえ、何とか出来れば、妹が将来困ることも無い。ニコリと微笑み、すぐテトの耳元から離れ)
>イヴァン
( 流れるように手の甲へ落とされた口付けに今度は手を引くことなく、それこそ目を閉じればどこかの貴族の令嬢同然に立ち上がると導かれるまま椅子へ腰掛け。膝に乗せたジャケットの染みは薬品のお陰か薄くなっている。記憶は脳内で糸のように絡み合ったまま、回答に辿り着けず、カメラのシャッターを落とすようにパチリと瞼を数度落としては・・・この方じゃない、この情報ではない・・・差し出されたハンカチへ「ありがとうございます」と在り来りな礼とともに手を伸ばし・・・
「・・・随分と情熱的なお言葉ですこと。ボークラーク様がどんなに邪険に扱おうと、周りから人が絶えないことこそ貴方様の評価でございましょう?」
耳元で囁かれた言葉に、声色に再びぱちりと瞬きをすれば、蓋を開けるように入れ込まれた記憶が溢れ出す。ボークラーク家、そうだ・・・ご主人様が調べてらしたはず。子供の誘拐事件をはじめ、この人の周りでは人がとてもよく消えると・・・それは、家族であっても。受け取ったハンカチに描かれた紋章は確かに記憶にあった。
「他の貴族ではなく、私はボークラーク様に興味がありましたから。他の貴族の方々でしたら、まず使用人の言葉になど返事もくださいませんよ」
視線を下げ、紋章を見すえたまま少し考え込むように目を閉じる。さてどうしよう、主人のターゲットに接触した手前、気取られる訳にもいかない。とはいえ、言い逃げ文句も浮かばないのだから困ってしまう。そっとハンカチの紋章を指で撫でては、遠いパーティーの喧騒の中から少しでも主人や仲間たちの声が聞こえはしないかと・・・そうすれば安心出来るのに )
■ご挨拶■
一年もの間、顔を見せることが出来ずにおりました。
最早地底に埋まったアンモナイトのようなトピですが
そして単行本の一期は完結した後ですが
同作が好きな方と出会えるのを願っております。
以前にこちらのトピにご参加いただいた皆様
戻りが遅くなり
上げることも出来ずご迷惑をおかけしました。
心から感謝申し上げます。
■募集中■
版権キャラクター、創作キャラクター共に募集中です
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