新人トレーナー 2021-10-26 02:54:00 |
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20分47秒…トレーナーさんの遅刻によってロスした時間です。……心配していたんですよ?
(待ち合わせの時間が過ぎても彼が現れる気配がないことに、時間にルーズな彼のことだから寝坊でもしたのだろうなと考えるが、よりにもよってこんな日にまで遅刻しなくてもいいのにとため息混じりに近くのベンチへと腰掛けると少しばかり表情に陰を落とす。しかし、約束の時間から10分、15分と過ぎるうちに段々と暗い感情はなりをひそめ、それよりも彼がここへくる途中で事故や事件に巻き込まれたりはしていないだろうかという不安へと変わっていき。一度不安を感じてしまったことで大人しく座っていることは出来なくなってしまえば、人混みの中からこちらへ向かってくる相手の姿が見えはしないかと再び立ち上がって辺りをキョロキョロと見回す。そうしていると、やがてこちらへ向かって必死に走ってくる彼の姿を視界に捉えて、こちらからも近寄っていく。そうして、ようやく合流できたところで本人の口から遅刻の原因として語られた内容はある意味予想していた通りのものだと言えて、心配して損したような気持ちになれば、刺々しさを感じさせる口調で待ち合わせ時間からの経過時間という事実をビシッと突きつけてみたりもするが、一方でそれでも彼が無事にこの場所に来てくれたことだけでも良かったなと思う部分もあり、最終的にはやれやれと言わんばからの様子で一つため息ついてから表情を和らげて)
…っ
(膝に手をつきながらなんとか呼吸を整えていると、頭上から聞こえてきたのは刺々しい言葉。自分の落ち度で相手の立てた完璧なスケジュールをぶち壊してしまった。その事実を改めて理解させられた気持ちにとても申し訳なくなり、それから続くであろう相手の説教に身構えて。しかしそれから聞こえてきたのは穏やかな言葉で、覚悟していたものとは違った言葉が聞こえたことに驚いたように顔を上げて相手の様子を確認すると表情は和らいでいて。どうやらカンカンに怒っていたわけではないらしく、そのことに安心しながらも自分の怠慢で約束に遅れたのは事実。そのことに反省しながら「本当にごめん。連絡すればよかったな。」と、どうやら息も整ったようで今度はしっかりとした口調で謝罪して。)
それじゃあ、行こうか。
はい、参りましょう。幸いにも今ならまだ若干の調整は必要なものの予定に大きな変更を加える必要はなさそうですから
(自分でも少しばかり感情的になり過ぎてしまったかもという思いがあり、多少は気まずい感じになることも危惧したがいつも通りの調子で彼が流してくれたことに安堵して。時間の遅れは考慮に入れる必要はあるものの、それでも致命的という程ではなく、早速行動に移ろうとの彼の言葉に賛同して歩き出し。今日の一番の目的は蹄鉄だが口実はなんであれ休日を一緒に過ごす貴重な時間であるということも事実なのだ、それならば一日をお互いに気持ちよく過ごせた方がいいに決まっていると自分に言い聞かせ、今日という日を楽しみに感じてしまっている自分自身を正当化しようとして「では、早速蹄鉄を選びましょう。私の中でいくつか候補はあるのですが、やはり今後の方向性まで見据えて選ぶとなるとトレーナーさんの考えとも擦り合わせる必要がありますから」そして、まずはやはり本来の目的を達成するべく蹄鉄が売られている専門店へとやってくれば、自分の中でこれだと思う候補をいくつか挙げて、トレーニングの方向性を決めるトレーナーである彼に意見を求めて)
(若干の調整は必要なものの、そこまで大事に至ってはいないらしくそのことにほっと一息つきながら二人並んで蹄鉄の専門店へと足を運び。相手は早速候補となる蹄鉄をいくつか見繕っているが「あ、ちょっと待ってフラッシュ。蹄鉄を選ぶ前にまず聞きたいことがあるんだ。」と、その手を止めさせて。蹄鉄はシューズに取り付けるものであり、それらはいわば一心同体の関係。であればこの際相手のシューズも見直すべきかもしれないと思いいたり「今使ってるシューズ、サイズ合わなくなったりなにか違和感とかあったりしないか?」と、鉄を買う前に今のシューズの具合はどうかと問いかけて。)
シューズですか?…そうですね、サイズなどは問題ないとは思います。そこまで違和感が出るようならもっと早く対処をしていますので
(蹄鉄より先にシューズを、という相手の理屈は確かに理にかなっていてなるほどと相槌を打つが、シューズに違和感があれば走りにも影響が出るものでありそれを放置することはしないと言い切ったが、少しだけ考えてからそういえば、と思い出したように口を開く「ただ…靴底がすり減って来ているので今すぐとはいかずともそのうち交換が必要になるのは自明ですね」急を要するほどの問題は起こっていないが、また近いうちに交換は必要になるだろうと頷く。最近は以前にも増してシューズや蹄鉄の消耗が激しく、それも彼が提案してくれたパワーを重点的に鍛えるトレーニングの効果が現れているということに他ならないのだが、今のペースでいけば今のシューズを履き潰すまでの期間もこれまでより早く見積もる必要があるかもしれないと考え「トレーナーさん、やはりこの際ですからシューズも新しいものを用意しましょう、ついでにこれまでより身体に合うものを見つけられればと思います。消耗品ですし余分にあって困るものではありませんから」蹄鉄を新調するついでに新しいシューズを購入することを決めて、今以上にフィットするものがあればそれを選びたいとも話して)
よしきた。じゃ、隣のショップに行ってみよう。
(確かに、シューズに違和感を感じていれば几帳面な相手のことだからすぐに申し出ていただろう。しかし最近のパワーに重きを置いたトレーニングを考えればシューズの消耗が激しいはず。それに、ウマ娘の足は強靭ながらもとびぬけて繊細なもの。ほんの少しの隙や油断で大けがに繋がるため用心するに越したことはないと思いいたっての質問で。相手も最近のシューズに違和感などではないがどこか思い当たる節があるらしく、この際だからとシューズを購入することに決めると早速蹄鉄店の隣にあるシューズの店へと歩み。蹄鉄屋の隣にシューズ店があるのはすぐに蹄鉄のチェックができるようにという配慮のことで、ものの数十秒でシューズ店に入れば「この際だ、一番上等なやつを買おう。」と有名なシューズメーカーのブランドが並ぶコーナーを眺めて。)
…今回はシューズの購入は予定にありませんでしたので、予算から足が出てしまいますが…とはいえ、安物買いの銭失いでは本末転倒ですからここは良品を選択すべきですね
(シューズの購入のために隣のショップへとやってきたものの、今回は予定にはなかった買い物であるため予算オーバーをしてしまうことも考慮して商品を選ぶべきだろうかと頭を悩ませる。しかしここは一番いいものを購入すべきとの相手の意見を聞けば確かにここで予算内に収めるために安物を選ぶことは長期的に見た場合はマイナスにしかならないかもしれないと思い、相手の意見を尊重し予定の変更を甘んじて受け入れることにして。今でもまだ予定にないことを受け入れることに抵抗はあるものの、それでもトレーナーである彼ことを信頼しているからこそ幾分かは譲歩をしたり柔軟な対応が出来る様になっていたりもして、我ながら変わったなとそんな風に思って。そんなこんなで有名ブランドのシューズのコーナーの棚を眺めながら、そこに並んでいるものの中から現在の自分のトレーニングの状況や目的などに一番合致するであろう商品をじっくり吟味して)
…そうだな。
(相手を担当して最初の頃、担当バは頭が堅物で歩み寄りに手をこまねいていた。しかし、二人で長い時間を過ごしていくうちにこちらの言葉に耳を傾けるようになり、今この場面でも担当バの立てた完璧なスケジュールを壊しかねない提案をしたというのに相手は嫌な顔をせずに受け入れてくれたことにしみじみと感動して。一番上等なシューズ。メジロ家やサトノ家のようなウマ娘たちならまだしも一般のウマ娘達には手が届きづらい代物。だからこそ、大人としての甲斐性を見せるためにここは自分が持とうとした。しかし、そのシューズを相手が自分自身で買おうとしているところを見てはなにやらよからぬことを思いついたようで。相手と一緒にレジへと持っていき、相手が財布を出す前に自分が出して払ってサプライズをやってやろう。そうと決まれば、なにやら含みの入った返事をすれば相手の隣に立って靴を眺めて。サンプルを手に取って眺めたりしながら)
機能を見るのも大事だけど、デザインもこだわるといいよ。気に入ったシューズを履いて練習するっていうのは、それだけでもモチベーション向上になる。
なるほど、そういう考え方もあるのですね。ですが私にとってみれば道具に関して言うならデザインは実用性を徹底的に追求した機能美、合理性こそが至高ですから必然的に機能性重視にはなりそうです
(いくつか購入する候補に目星をつけていきながら相手の考えを一意見として考慮する。確かにモチベーションや意識を高く保つことは勝負ごとの世界においては大切であり、それはウマ娘たちにとっても例外ではないかもしれないと納得して頷いた上で、嗜好品となるとまた話しは違ってくるが大事な道具ともなれば何よりも実用性からくる無駄を極力削ぎ落とした完成度の高いデザインにこそ魅力を感じ、それこそが結果的に自分のモチベーションを高めてくれるのだと言い切って。そんな自分なりの考え方を踏まえた上で、購入候補を三つにまで絞り込むがいずれも甲乙つけがたい品であり、どれを選ぶべきか正解が出せず真剣に考え込み、試着をしてみたりもして「これは感触は抜群ですが…少しばかり重めでしょうか…」そうぶつぶつと独り言のように呟きながら丁寧に一足ずつ考えをまとめていき)
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