魔法使いくん 2021-09-30 08:41:39 |
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うん。でもいいよ五和くんは、不思議なまんまで。( その為の笑顔だったのかと分かれば思わず口元に手を当てくすりと笑みを零し )
それなら、遠慮なく、好きなようにします。( 口元の笑みがふっと自然なものへと移り変われば、顔を覗き込むようにしつつ指先で彼女の髪を耳に掛けさせて )
うん、──っ!( コクリと頷き同意したものの、唐突なスキンシップには驚きのあまり目を見開いて。動揺したことを悟られないよう乾いた笑いを )あは、また髪跳ねてた?最近癖がつきやすくて困るんだー、はは。
あれ、そうなんだ!跳ねてないんだー…そっか。( それじゃあその手は一体何なんだ、と思うものの、変に緊張してしまい彼の言葉を殆ど復唱するばかり。慣れない空気をどうにかしようとコーヒーに手を伸ばすが、熱さに咄嗟に手を引っ込めて )──っ熱!
──!( 唐突に聞こえた鋭い声に、目を見開けば引っ込められた手を取って。一瞬指先を確認すると手首を握ったまま立ち上がり )大丈夫? 冷やしに行こう。
え、いいよいいよ、ちょっと触っただけだし!( 自身の不注意が招いた小さな事故だ、彼に面倒を掛けるわけにはいかないと、相手の敬語が外れていることにも気がつかず首を横に振って )ごめんねビックリさせて、しばらく放っとけば治ると思うんだけど…。
…、( しばらく何か言いたげに黙り込むも、じきにそばの自販機へと寄れば適当な飲み物を買って )とりあえず冷やすだけ冷やしてください。
ありがとう、五和くんって面倒見良いんだね。…本当に今日お世話になりっぱなしだ。( 冷たいペットボトルを受け取ると指先に宛てがって。自分自身の情けなさに苦笑いを浮かべながら、再度椅子に腰掛けて一息つき )
…今日、野々原さんの様子がおかしいのって、僕のせいですか?( ペットボトルにあてがわれた指先から彼女の顔へと視線を移し、気になっていたことを素直に聞いてみて )
私は別に、( 普通だよと続けようとして言葉に詰まり。観念したように眉を下げて、明言はしないものの先週の告白について遠回しに触れ )…ちょっとだけね。五和くんがおかしなこと言うから…。
僕は真剣ですよ、ずっと。( おかしなこと、で片付けられるのを制止するように、いつも通りの感情の読めない瞳ながらもじっと見つめて )
( 相手の瞳を静かに見つめ返すが、依然として感情は読めず。彼の不思議な宣言をまだ信じてはいない、しかし興味を引かれるのは事実で )でも、確かにちょっと見てみたいかも。五和くんの魔法。
…それは、僕のことを好きになってもいい、という意味で合っていますか?( 一度だけぱちりと目を瞬かせると、ふっと目元を緩めて )
え?……あ、誤解です、誤解!( 魔法が実在するなら見てみたい、というほんの軽い気持ちから発した言葉が別の意味を含んでしまったことに指摘されてから気が付いて。慌てて弁明し半ば強引に話題を切り替えて )そうだ、そろそろコーヒー飲めるんじゃないかな。
…流石に一日じゃ効かないか。( 否定されれば笑みは携えたまま、独り言のように呟き。彼女の言葉に自身のカップに手を添えると、コーヒーはすっかり温くなっているものの嘘をついて )…まだ飲めません。
( 彼の呟きは耳に捉えたが、その真意を理解するには至らず幾度か瞬きを。今日はこの後出張も会議も入っておらず断る理由もなくけらりと笑って )五和くんって、実はすごい猫舌?
( 大袈裟な言葉におかしそうに笑って。つい先程取りつけた約束を思い出し話を広げ )契約の日までに、五和くんとこういう話が出来て良かったな。ただでさえ出張は緊張するのに、五和くんとはほとんど仕事の話しかしてなかったから…。
僕が猫舌なのがそんなに嬉しいですか?( 肩の力の抜けた様子で笑う彼女につられて僅かに表情緩めると、噛み合っているようで微妙に噛み合っていない返答を )
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