ノーマル 2021-09-07 06:50:28 |
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どう見たって、俺達が捕食される側じゃ?それと、アイツの肉を食いたいとは思えねぇな
(扉から出てきた汚染生物Aは元来のワニとはかけ離れた体格と色味の鱗を持ち、見た目だけでも充分な迫力で、口を大きく開けて吼える姿は、人間など一飲みで簡単に捕食されてしまいそうだ。色味的にもあまり食欲は唆られないと正直な感想を述べ)
さてと、どうやって仕留めてやるか……
(両手を擦り合わせれば、腹と太い尾をずって歩き回るAを食い入るように観察し始めて。1番簡単なのは爆発物を部屋に放り込んで木っ端微塵にしてしまう事だが、それをせず倒したい為に依頼されたはず。それを踏まえてもう一度考え直す。Aがデカいだけのただのワニだと言うのなら、あの鋭い牙を剥いた口とギョロギョロと動く目を封じれば、時間も然程かからずに仕留められる、はず。汚染生物Bのイノシシの実物はまだ見ていないが、2体を相手にしたとしても、門限の18時には間に合うだろう。しかし、それもこれも武器が無ければ実現は不可能。仕事をとりに来ただけなので、まさか戦闘になるとは思っておらず、完全丸腰状態。「なあ、何かねぇの?武器でも何でも。」と彼女の方を振り返り、何かしら武器になる物を要求して)
どう見たって、俺達が捕食される側じゃ?それと、アイツの肉を食いたいとは思えねぇな
(扉から出てきた汚染生物Aは元来のワニとはかけ離れた体格と色味の鱗を持ち、見た目だけでも充分な迫力で、口を大きく開けて吼える姿は、人間など一飲みで簡単に捕食されてしまいそうだ。色味的にもあまり食欲は唆られないと正直な感想を述べ)
さてと、どうやって仕留めてやるか……
(両手を擦り合わせれば、腹と太い尾をずって歩き回るAを食い入るように観察し始めて。1番簡単なのは爆発物を部屋に放り込んで木っ端微塵にしてしまう事だが、それをせず倒したい為に依頼されたはず。それを踏まえてもう一度考え直す。Aがデカいだけのただのワニだと言うのなら、あの鋭い牙を剥いた口とギョロギョロと動く目を封じれば、時間も然程かからずに仕留められる、はず。汚染生物Bのイノシシの実物はまだ見ていないが、2体を相手にしたとしても、門限の18時には間に合うだろう。しかし、それもこれも武器が無ければ実現は不可能。仕事をとりに来ただけなので、まさか戦闘になるとは思っておらず、完全丸腰状態。「なあ、何かねぇの?武器でも何でも。」と彼女の方を振り返り、何かしら武器になる物を要求して)
言ったでしょ?失敗作だって。使用した薬品があの子達の体内で化学反応を起こして、とってもギラギラした見た目になっちゃったの。あれを食べたいと思うのはゲテモノ専門の美食家ぐらいね
(彼の言葉も最もだと言わんばかりにそう告げては、実験場を我が物顔でゆっくりと歩き回るAを眺める。彼も同じようにAを観察しているようで、呟かれた言葉は勝算を感じさせるもの。うんうん、と満足そうに頷きながら、一体どのようにして実力を見せてくれるのだろうととても楽しみにしていると、不意に『武器は無いのか』と聞かれ、あからさまに驚いた表情を浮かべて)
あらやだ!アタシはか弱い研究員よ?武器なんて物騒なもの置いてあるわけないじゃないの!…って、言いたかったんだけどねぇ
(はぁ、と心底嫌そうな溜め息を吐いた後、コツコツとヒールの音を鳴らしながら実験場とは別の扉へ向かう。手動になっているそこは鍵もかかっておらず、おもむろにそこを開ければ、倉庫という名の『いらない物置き場』になっている部屋の中はおおよそ武器と言える物品が大量に保管されており)
刃物は沢山あるし、型が古いのばかりだけれど大抵の銃火器もあると思うわ。アタシにはよく分からないし興味も無いから、何があるかはマックスちゃんが直接確かめてちょうだい。幾らでも好きに使ってくれていいし、壊しちゃっても全く問題無いわ。…あ、もし気に入ったのがあればあげるわよ?追加報酬にしちゃう?
おいおい、物騒な物しかねぇな!…いいのか?まじで使わないなら遠慮無く貰ってくけど、とりあえず、すぐ使えそうなヤツ探すか…!
(自ら『か弱い研究員』と称するのは疑問が残るが、倉庫内の大量の装備に目を見張り、興奮した様子で述べて。やはり血には抗えないようで、その様子は新しいオモチャを与えられた子供のようにも見える。そして、物品の一つ一つを手に取って見ていると、刃物は一般的な果物ナイフから軍用ナイフまで、銃火器も護身用の拳銃から狙撃銃まで、多種多様に取り揃えられていた。それらの中には確かに年季の入った物も見られるが、どれも前線で活躍していた武器や装備ばかりで、失敗作達にも十分に通用するだろう。ただし、どれも全く手入れがされていないようなので、今すぐに使えそうな物は無いか吟味する。ナイフは刃こぼれがないか確認し、左右の手で持ち替え、銃を手に取れば、グリップの感触を確かめ、照準を合わせ、マガジン交換、また照準を合わせて、と流れるような所作で。そして選び抜かれたのはコンバットナイフと散弾銃にマグナム銃。それらを眺めていると、いつの間にか仕事の顔に移り変わっていて、選別した武器の調整をしながら)
…奴らがデカいだけのただの獣なら、武器はこれで十分だ。後はあの口を塞げればパーフェクトだが、人力じゃどうしようもねえな。…まあ、そこは何とか上手くやるさ。
(それから埃を被り少々カビ臭さもするが、無いよりかはマシな筈の防具とその他諸々を身につけ、それらに被せていた大きな布を持てば装備は完璧で。彼女の方を振り向き「OK、準備できた。」と告げて)
ゆっくり選んでちょうだいな。どのみちアタシには不要だもの
(倉庫内部に乱雑に並べられた多種多様の武器を見て回る彼は非常に楽しそうで、そのはしゃぎようは正に子供のそれ。自分には武器の良さなど全く理解出来ないが、喜んでもらえたのならそれはそれで良いことだ。言い方は悪いが、いらない物の処分も出来て一石二鳥と言える。ただまあ、興味が無さ過ぎて手入れどころか整理整頓すらまともにやっていなかったために、もしかしたらダメになっているものが幾つかあるかもしれないが、それに関しては目を瞑って貰おう。そうやってしばらく彼が武器を吟味してい様子を眺めていると、お眼鏡に叶ったものを揃えたらしい彼が戻ってきた。普段の所作を見ていれば戦える人間であることは分かるが、武装しているとそれが顕著によく分かる。あれだけ豊富な武器を目の前にして、自分の実力を把握した上での最適な装備を選べる人間はそこまで多くは無い。普通ならあれもこれもと欲張ってしまうものだからだ。これは本物だと、嬉しそうに笑顔を浮かべて)
あら、なかなかカッコイイじゃない!上層の兵士なんかより何倍もステキに見えるわ。頑張ってね、命を落とすような無理だけは禁物よ?
(再び多数のモニターの前まで戻り、キーボードを叩いて実験場の扉を開く。彼がそこをくぐって中に入ったのを確認してから、再度キーボードを叩いて扉を閉める操作をする。それから、マイクのスイッチをオンにしてそこから実験場内部に呼び掛けて)
必要無いかもだけど、アドバイスを一つだけ。あの子、見た目はギラギラしてるけどおくちの中はピンク色で可愛いでしょう?それに、とっても『柔らかそう』よね。おくちを塞げばっていうマックスちゃんの考えもいいと思うけど、アタシはハイリスクハイリターンの方が断然好みだわ
見た目だけじゃねえって事を証明しないとな。ああ、気をつける
(自分の姿を褒められれば、次は実力を示さなければと意気込み、無理はしないと頷く。実験場への扉が開かれ、場内へ入る。獣臭さと殺気の溢れる場内に、彼女のアナウンスが響いて)
無理させたいのかさせたくないのか、どっちだ?…ああ、確かに柔らかそうだな。ま、俺の手にかかれば、"ノー"リスクハイリターンだけどな
(アナウンスを聞き、餌のダミーにならないかと思い持ってきた大きめの布を捨て、アドバイスに乗った事を告げて。Aを侮っている訳では無いが、自分の力に自信がない訳でも無く、この討伐も難無く完遂させられると考えての強気な発言で。餌の匂いを嗅ぎ付けたAが此方を振り向き、大きな口で吼える。場外で聞いた時とは比べ物にならない迫力と、鼓膜だけで無く体全体がビリビリと震えるような声量に、思わず上がっていた口の端が引きつる。これは気を引き締め直した方が良いなと考えるやいなや、Aは地響きを立てて此方へと向かってくる。即座にマグナム銃をその顔に撃ち込むが、やはり1発や2発では効果は無いようで、硬い皮膚と骨格に阻まれてしまう。そのまま突っ込んで来るAを、慌てて避け、また距離を取る。標的に逃げられ壁に体当たりをしたAは、崩れた体勢を起こして、今度は怒り狂ったような咆哮と共に餌へ一直線に走り出す。しかし今度は弱点の口を大きく開けていて、これはチャンスだと、持ち替えた散弾銃を構えれば、大きく開かれた的に迎撃。彼女のアドバイス通り、1発でその動きを怯ませる事ができ、閉ざされる前に追い討ちをかける。悶えて体を揺らし顔を上下左右に振る動きに照準を合わせ、口内が見えたタイミングで命中させる。これだけ当てれば、残り体力も僅だろうが、死際までその獰猛さは衰えず、また体当たりをする勢いで向かってくる。素早く装填をして、至近距離で口内から脳天を狙い、とどめだと撃ち込んで。ほんの数メートル前でその動きを止めたかと思えば、ドシンと音を立てて力無く床に崩れる。完全に動きが停止した事を確認し、「お前も中々の迫力だったけど俺のが一つ上だったな」とAの奮闘に敬意を表すように言えば、鼻先に軽く触れてから、ヴィオレットが見ているガラス窓の方に向かう。対面から討伐完了まで、体感時間は数分程度しか経ってないように感じた。今では程良い緊張感から解放され、こんなに大きな獲物を仕留めたのは人生で初めてだと、高揚感が湧いていて)
……俺ってハンターの才能あり?世界一のワニハンター・マックス、ってな。今の仕事より稼げるかもな
(これだけ大きな的で外す事は無いし、自分的にはかなりの手応えで、とどめを刺せると確信していた。しかし、周りから見れば、あわや大惨事の状況にハラハラしているだろう所に、くつくつと笑い冗談を言う為にわざわざ窓の方へ近づいて)
(/何の連絡もせず、お返事が遅くなり大変申し訳ありません。また返事が遅れるような事があれば、出来るだけ前もってお知らせします…!
明日以降はまた基本的には1-2日1回のペースでお返事可能ですので、今後も何卒よろしくお願いします…!)
(窓越しに繰り広げられた光景は、まさに驚愕の一言に尽きた。腕が立つだろうとは思っていたけれど、まさか本当にノーリスクハイリターン…一切傷を負わずにAを倒してしまうなんて思っていなかったからだ。確かに口内が弱点だというアドバイスはしたけれど、それにしたって最後のあの至近距離からの狙撃はあまりにも心臓に悪く、一歩間違えれば噛み砕かれていたかもしれない。自分でさえこんなにも緊張してしまったのだから、もしもこの場に彼の知り合いがいたなら目を回して倒れていたのでは。勇気と度胸が備わっているのは良いことのはずだが、心配する他者からすれば悪いことにもなるのだなと新しく発見をしつつ、マイクのスイッチを再びオンにし、窓越しに彼に笑いかけて)
ごめんなさいね、マックスちゃん。アタシってば随分と貴方のことを見くびっていたみたい。上層の兵士の何倍も、どころじゃない。比べることすら失礼になっちゃうわね
(自分が見つけたのは想像以上、想定以上の逸材だった。自分の足で探した甲斐があるというものだ。彼ならばBも簡単に倒してしまうだろう。そして、一番の問題児であるSもひょっとしたら…。そんな期待による笑みが口元に浮かんで)
さあ、次はBがお相手よ。相手に合わせた装備の持ち替えや補充が必要でしょう?こっちに戻ってらっしゃいな
(そう告げるなりキーボードを操作し、実験場の扉を開いてこちらに来るよう促す。その間にも操作を続け、天井から降りてきた機械のアームにAの死骸を回収させて)
(/いえいえ、お気になさらず!リアル優先は当然のことですので!待つのは得意なので、どうか気負わずに無理だけはしないでくださいね。こちらこそ改めてよろしくお願いします!)
そこまで褒められると照れるな…。アイツはデカイし、動きも然程早く無いから、度胸があれば誰でもやれるぜ?多分な
(自分から煽っておきながら、いざ褒められると気恥ずかしさの方が勝ってしまい、後頭部を掻き、今更ながら謙遜するような発言をして。ただ、第一関門を突破し、彼女に自分の実力を認められた事には一安心していて。笑みを浮かべて戻るように促されれば、回収されるAを軽く見届けてから実験場を出ながら)
Bはイノシシだったな。今度は何色だ?緑?赤?
(Bも派手な色の体毛なんじゃないかと予想し、暗に次のターゲットを出すように伝えて。そして、先程の物置で装備を整える前に彼女の隣に立てば、モニターに触れないように両手を着き、丁寧に回収されていく様子を眺めて。先程の戦闘で、何となく巨大汚染生物との戦い方が掴めた気がしていて、次はどう対峙すべきかイメージを膨らませる。しかし、原生生物のイノシシさえ狩った事も無いのだから、本物がどのような動きをするのか、Aと同様に、一度はこの目で見ておく必要があり、登場まで待ちきれないといった様子で。それに加えて、やはり心の何処かでブランのことを心配に思っていて、それが早く片付けてしまいたいと、やや焦る気持ちとして現れ、「ほら、どんどん行こうぜ」とBを出すように急かし)
(/そう言って頂けると助かります…!!ありがとうございます…!!)
もう、マックスちゃんたら急かさないの。せっかちな男は嫌われちゃうわよ?
(口ではそう言いつつ彼の要望通りにキーボードを叩いて操作をし、二つ目のゲートが開く。…のと同時に、暗闇の中から突進してきた巨大な影。それは真っ直ぐにこちらに向けて弾丸のように駆け、ドゴォンッ!!!という大きな衝突音と共に止まった。強化ガラスという名の障害物に阻まれた為だ。ぶしゅーっ、というなんとも荒く大きな鼻息を零すそれこそが、汚染勢物B。全身真っ黒な毛に覆われた体は所々濃い紫色と赤色が混ざっており、口元から曲線を描くように生えた灰色じみた二本の牙がなんとも勇ましく恐ろしい風貌である。いつ見ても迫力のある顔だと呑気に感心しながら)
あらあら、いきなりサービス精神旺盛ねぇ。そんなにマックスちゃんに会いたかったのかしら?
(もちろん、Bがこちらを認識して攻撃してきたわけでは無い。動物が興奮状態になれば暴れ回るのと同じように、ようは閉じ込められていた間のストレス発散に走り回ってぶつかっているだけに過ぎないのだ。現にBはすぐにその場を離れ、別の壁に突進をして激突を繰り返している。その度に部屋全体が少し揺れているのをさほど気にした様子も無く解説を始めて)
見ての通り、この子は突進力と機動力がハンパ無い子よ。あんな大きい体であの速度を出せるのって結構すごいことよねぇ、Aが可愛く見えてきちゃうんじゃない?
ちょっ、大丈夫なんだよな?なぁ?
(目の前のガラスが割れる事は無いと分かっていても、猛スピードで迫りくる巨体と彼女の澄んだ顔を慌てた様子で交互に見て。気付けば強化ガラスに突撃し、書物で見た蒸気機関車のように鼻息を振り撒いていた。その様子に感心というより、呆れて溜息混じりに、「あんまり歓迎されてる感じはしないけどな」 と場内を駆け回る様子を眺めて。これでは食料にするには程遠く、もはや生物兵器。Aの迫力もかなりのものだが、Bはそれを上回り、先程のように一筋縄ではいかなそうだ。部屋が揺れているのも気にせず、可愛い我が子について解説を始めるので、その話に耳を傾けながら、目ではAの素早い直線的な動きを追って)
あれはハンパ無さ過ぎるだろ…。ああ、Aが可愛くて仕方ねぇよ。ペットにしたいぐらいだ。
(あの突進ぶりを見れば、身体の丈夫さは分かるし、あのスピードについて行くのも、口内を狙うのも牙が邪魔をして難しそうだ。突進力、機動力に対応ができ、強靭な身体を貫く威力がある武器が必要そうだ。そして弱点に一点集中で攻撃することが、巨大汚染生物を仕留めるコツだと、先の討伐で学んだ。ある程度観察したところで、また物置きへと向かいながら、そいつの弱点を問いかけて)
Bに何か弱点は無いのか?弱点になりそうなものなら何だっていい、美人に目がないとかな
ふふ、アレをペットにするなんてなかなか刺激的ね。案外上層連中のウケはいいかもしれないわ
(そう、評価されるだろうと分かるからこそ、上層の兵士に依頼を出さず、下層で手伝ってくれる人材を探していたわけなのだが。まあその辺りは今話しても仕方が無いので胸の内だけに留め、Bの弱点について聞かれたので顎に手を当てつつ少し考える素振りを見せて)
そうねぇ…見て分かると思うけど、Bは直線的な動きが多いでしょう?曲がるにしても何かにぶつかってからだし、良くも悪くも一直線。真正面からの正攻法じゃ到底落とせないけど、ああいう子は横からちょっかい出されるやり方に弱いものよ。ほら、全力で走ってる時に足を引っかけられちゃったら、誰だって避けられないし派手に転んじゃうじゃない?
(要約すれば『体の横側を叩いて動きを封じろ』というシンプルな意味だが、あの突進力を避けられる敏捷さと、障害物にぶつかった後に出来る僅かな隙を突いてカウンターを仕掛けられる反射神経が最低限必要になってくる。しかし、先程のAに対する彼の動きを見ていたのでそういった能力面は今更疑っていない。次はどんな立ち回りを見せてくれるのだろうという楽しみすらあって、にこにこと笑みを絶やさずに「さ、マックスちゃんの次のパートナーを選んだら、始めましょ」と告げて)
アイツに足を引っ掛けたら、俺の足が吹っ飛びそうだけどな。なるほどな、コレでやるしか無えか…。
(彼女から告げられたアドバイスは、見た通りの至ってシンプルかつ高難度。もっと簡単に仕留められる弱点を期待していたが、やはりそう旨い話があるはずも無く、諦めたような顔と口振りでライフル銃を選び出して。Bの動きを観察している時点で既に決まっていたが、助言を聞いても、次のパートナーはこれが最適だろうという考えは変わらなかった。罠を仕掛けようかとも考えたが、何度も仕掛ける暇は無いし、残念ながらBのパワーに耐えられる罠になりそうな物資は見当たらなかった。先程持ち込んだ装備は全て身から外し、ライフル銃一丁を入念に調整し始める。Bと対峙した時に求められるのは、瞬発力や反射神経は勿論のこと、もう一つ重要になってくるのが持久力だ。Aと同様にBも一発で倒れてくれるほど柔ではないはずで、あの突進を何度も回避することになるだろう。無駄な装備を全て脱いだのは、体を軽くして素早さを上げ、体力消耗を最低限に抑える為だった。)
次はスピードとスタミナに全振りだから、防御力はほぼゼロだ。そもそも防具があったとしても、アイツの前じゃ無意味だけどよ。もし俺が吹っ飛ばされたら、そん時はよろしく頼むぜ?……よし、パートナーも準備万端だ。いつでも行ける
(口調は普段と変わらず軽薄だが、眼差しは真剣そのもので、調整している間は片時も銃から目を離さずにいた。そして調整を終えれば、やっと彼女の方を見て扉を開けるように促して。扉が開くまでの間、軽く足踏みをしたり、屈伸や伸脚で筋を伸ばし、全力で駆け回るための準備も整えて)
ええ、了解したわ。マックスちゃんも、いざという時はあの子を倒すよりも生きる方を優先するのよ?一発クリアしろだなんて言ってないんだし、何度だってリスタートすればいいわ。それに、妖精ちゃんを悲しませるのはアタシも本意じゃないもの
(彼の身近にいるらしいメイジの事を示唆しながら、とにかく生き残ることを優先しろという激励を飛ばす。しかし、口ではそう言っておきながら、きっとその『いざという時』は訪れないだろうとも思っていた。いわゆるオンナの勘というやつだ。それでも万が一に備えておくのは研究者の基本であるので、彼を逃がす、あるいは生き残らせる為のサポートをする方法はきちんと用意してある。少しも心配していないという風に笑顔を浮かべて見せては、Bが奥の壁に突進したタイミングでキーボードを操作し、再び実験場への扉を開いて彼を中へと導き「いってらっしゃい、今度もカッコイイ所が見られると期待してるわ」と手を振って)
(既に全意識がBに向いていたせいか、"妖精ちゃん"について触れられても気にせず、寧ろ存在を肯定するかのように「ああ、分かってる。」と一言を返事をして。つい口を滑らせてしまった事に気づくのは、早くともBを倒してからだろう。タイミングを見計らって場内へと移動すれば、Bとの戦いの火蓋が切られた。早々に此方の気配に気付いたBが振り向き、床を蹴り上げる動作をした後、一直線に突進してくる。同時に、その直線上から横に避けて、Bが壁に激突する瞬間まで全力で走って、出来る限りの距離を取る。しかし、Bのスピードにはどうやっても勝てず、目指した位置に辿り着く前に背後で衝撃音がしたので、急ブレーキをかけてすぐさまに振り向き、照準器を覗き込んで。悠長に頭部を狙う暇も無く、少しでもダメージを与える事を優先して、巨体に一発撃ち込むと、体の側面に命中。その瞬間は若干よろめいたかと思われたが、先例通りにたった一発では仕留められず、血走った目で此方を睨みつけて、次の突進をかましてやろうといきりたつ。それから暫くは、壁にぶつかる衝撃音と銃声のみが場内に響いていた。全力で走り、止まって、狙いを定めて、撃つ。現役時代に似たような訓練をしていた事を思い出しつつ、ギリギリの攻防を繰り広げ、7発目にとうとう決着がついた。激突によるダメージもあってか、思いの外早い決着だった。最後にはドスンと大きな音を立てて横たわり、あれだけ威勢の良かったBもぴくりとも動かなくなった。討伐完了を確認すれば、深く息を吐き体の力みを緩ませ、肩を落としダラッと銃を持った両腕を下に伸ばして)
っはぁー…やっとくたばったか……、こりゃカッコイイとは言えねぇな…
(全弾命中、しかも後半は頭部や頸部など急所にヒットさせていて、体力的にというより、精神的に疲労を感じていた。今回は特に見せ場も無かったのに、汗だくで荒い呼吸をする自分が窓に反射して見え、その様子が実年齢より5,6歳老けているように思えて、自嘲気味に笑って。また機械が汚染生物の回収を始めるだろうからまずはこの場を出ようと、息を整えて、額の汗を拭いながら出口へと向かい、外の彼女に扉を開けるように出入り口を指さして。)
(やはり勘は正しかった。見た目はAの時と比べれば華やかさも派手さも無い地味で単調な泥臭い戦いだったかもしれない。けれど、命のかかった戦いにそんなモノを求めるのは上層の悪趣味な連中ぐらいだろう。そんなどうでもいいことよりも、自分の依頼に全力で取り組み、達成してくれたという事実の方がよっぽど自分にとって価値があったし、純粋に素晴らしいと思った。ついつい口元に笑みを浮かべてしまいながら、彼の要望通りキーボードを操作して実験場の扉を開く。同時にアームも動かしてBの回収作業を始めて)
お疲れ様。とってもカッコ良かったわよ、マックスちゃん
(彼がこちらに戻って来るなり開口一番にそう告げ、パチンとウインクを決める。今の言葉は嘘偽りのない本心である。彼は自分の好みでは無いけれど、確実に人を惹き付けるタイプだろうなと少し下世話な事をこっそり考えながら、ぱっと笑顔を浮かべつつ両手を合わせて)
これで『前座』の依頼は全て完了ね、素晴らしいわ!その日の内に二体共倒してくれただけでなく、怪我一つ負ってないなんてすごいじゃない!これは報酬金もちょっと上乗せしてあげないといけないわね。さっき言った通り、倉庫の武器もマックスちゃんが欲しいなら好きなだけ報酬に加えてあげる。ああ、それと…
(そこで言葉を一旦切り、明るい笑顔から何処か含みを持たせる笑みに切り替わる。彼に自覚があるかどうかは分からないが、自分の言葉に対しての彼の返事をこちらはきっちりと覚えているのだ。もう誤魔化しようが無いぞと言わんばかりに口を開いて)
ね、マックスちゃん。貴方からの信用もそこそこ得られたと思うのだけど…妖精ちゃんのこと、きちんと話してくれる気になったかしら?
(カッコ良かったと褒められ、自分としては納得いかない部分もあったが、素直に受け取っておこうと「そりゃどうも。」と肩を竦めて。そして報酬について話を聞きながら、また彼女の隣に戻り回収作業の様子を眺め)
報酬金上乗せ?まじかよ!…いいや、やっぱいい。凄えありがたい事だけど、俺は最初の額で十分だし、追加分はアンタの立派な研究に回してくれよ。あ、武器は頂いてくぜ
(まさか怪我をしなかっただけで、追加報酬が出るとは思っておらず目を見開き、少し間が空いて、今度は首を横に振り追加報酬は要らないと。上乗せも気持ち程度だとは分かっているが、初めに提示された金額でも、今後も仕事があれば問題無く生活が出来る金額で、そこに上乗せとなるとむしろ持て余して、煙になり消えてしまうのがオチだろう。それなら彼女の研究費に充てた方が、ずっと有益な使い方だし、将来的にはブランの為にもなる。ただ、武器は遠慮なく頂いていくつもりで一言付け加えて。さて持ち帰る武器を選ぼうかと窓から倉庫へと振り返った矢先、"妖精ちゃん"という単語が飛び出してきたので動きを止める。数十分前の会話でうっかり口を滑らせてしまったような…。ぼんやりと思い起こしては、しまったと溜息を吐く。彼女の笑みからも感じられるように、今更誤魔化しようが無く、簡潔にブランについて話し始めて)
妖精ちゃんな…、何日か前、仕事に行った先で出会ったんだ。その仕事の依頼主が上層のやつなんだが、その依頼主にアイツの家がバレて燃やされちまってよ…。それで今はうちで匿ってる。つい最近の事だからアイツの詳しい事は俺も知らねぇけど、唯一の身内で師匠のメイジが7年前に失踪してるって
(よくよく考えたら、ブラン自身の事をまだ深く知らなかった。彼女に伝えられることと言ったら、何故家にいるのかと、仲間がいたらしいという事ぐらいだ。メイジに関する研究を勧められる彼女なのだから、もしかしたら失踪した師匠についても知っているかもしれないと、一応その特徴を述べて)
その師匠について知ってることも、黒髪銀目って特徴だけでよ。探してやろうにも中々な…。なにか知ってたりしないよな?
あらそう?別に遠慮なんてしなくていいのに…まあ、善意も過ぎればただの押し付けね。分かったわ、武器の件も勿論いいわよ
(てっきり喜んで受け取ってくれるとばかり思っていたのに、意外にも彼は報酬金の上乗せを断ってきた。しかし、ちゃっかり追加報酬である武器は遠慮なく受け取ろうとする辺り、謙虚なのかそうでないのか。けれど、少なくとも彼は自分の研究内容をくだらないと言うことは無かったし、それに勤しむ理由を聞いても意見は変わらなかった。それは今も継続しているようで、やはり賛同者がいてくれるというのは嬉しいものである。彼の言葉を尊重して、より一層研究に励むことにしようと決めた。そして、『妖精ちゃん』についても彼は観念したようで、その口から語られた経緯に少し眉を下げて)
成る程ね。今時珍しくない経緯だけれど、家を燃やされたっていうのはなかなかキツイわねぇ…着の身着のまま、何も持ち出せたりしなかったんでしょう?妖精ちゃんに同情しちゃうわ
(メイジにとっては日常茶飯事とも、当然の顛末とも言えてしまうのが悲しい所だ。むしろ、ノーマルでありながらメイジに余計な偏見を持っていないらしい彼に助けて貰えただけ、そのメイジは幸運な方である。…けれど、思い出ごと全て焼き尽くされるというのは、想像を絶するほどの辛さに違いない。その子が望むかどうかは別として、そろそろ彼にも自分の『裏の研究』の話はするべきだろう…と、頭の中で話の順序を組み立てていた所で、彼の口から出た『黒髪銀目』というワードに「…えっ?」と明らかに驚いた様子を見せて)
ちょ、ちょっと待ってちょうだい!もしかして妖精ちゃんの名前、ブランだったりしない!?外見はそう、その黒髪銀目のメイジと正反対な感じで、白い髪と金色の瞳の!
(初めて余裕が崩れて慌てふためいた様子を見せながら、そんなまさかと思いつつも彼からの質問を質問で返すような形になり)
ああ…全くだ。
(彼女の言葉に同調し、やるせなさを表すように首を振る。連れてきた先がアクシスでは、助けた事になるかどうかも分からない。居場所を失った精神的なダメージはかなり大きいはずで、自分を恨んでいてもおかしくはない。しかし、そのような様子は殆ど見られないし、寧ろ現状を飲み込んで順応しているように見える。それなら自分も彼が前へ進むためのサポートをしなければいけない。彼の仲間を探す事もその一つのはず。少しずつ情報を集めて、どれだけ時間がかかったとしても、辿り着くまでは諦めない。今回も情報が得られる事はあまり期待はしていなかった。果てしなく遠いゴール、のはずが、彼女から返された質問によって、ゴール目前までワープさせられたようだった。こちらも突然の事に戸惑いながらも、間違いのないように丁寧に答えて)
は…?あ、ああ、そうだ。名前はブラン。白い髪で金色の瞳。あとは…顔は女に見えなくもないが、それを言うとすげえ勢いで怒る
(最後の一言は余計だと、ブランには怒られそうだけれど、名前と髪や瞳の色が同じ別人を話しているのかもしれない。そして、どうやら同じ人間を思い浮かべているようだが、ブランが言うには知り合いは師匠以外いなかったはず…もしかして…、と顎に手を当てて考えるような素振りをしてから、「師匠と知り合いか?まあいい、どういうことか教えてくれ。」彼女にその解答と解説を求めて)
(彼自身の口で質問を肯定され、さらに付け加えられた特徴は丁度アイツが可笑しそうに話していたことと合致する。まさか、こんな所で点と点が繋がって線になるなんて…世界は案外狭いのかもしれない。眉根を寄せながら思わず額に手を当て、溜め息を吐いて)
あー…どこから説明するべきかしら…確かにアイツとアタシは知り合いというかなんというか…はぁ、アタシったら柄にもなくパニックになってるみたい、ちょっと頭の中を整理する時間が必要だわ。マックスちゃんもお疲れでしょ?また明日、ここに来てくれるかしら。その時にアイツの話と、『本番』の依頼の話もしましょ
(たった一人で汚染生物を連続で二体倒したのだから、その分疲労も凄まじいだろう。慌てずとも自分は逃げも隠れもしないのだし、どうせならお互いコンディションを整えた最善の状態で話し合いたい。そんな考えからそう提案しては、あ、とふと思い出したように言葉を続けて)
もし良かったらなんだけど、妖精ちゃん…もとい、ブランちゃんも一緒に連れて来てくれないかしら?アイツの話をするなら身内本人もいなくちゃでしょ?勿論無理強いはしないわ、本人が拒否するようならマックスちゃんが代わりに聞いてくれればいいから
(『前座』の依頼分の報酬金が書かれた小切手と一緒に、片手に収まるサイズの小さな黒い箱を差し出して「もしも来てくれるようだったら、これを渡してあげて。これさえあればメイジだってバレずに上層まで来れるわよ」と笑顔を向けて)
(/背後のみの返信失礼致します。大変ご無沙汰しており、申し訳ございません…!言い訳になってしまうのですが、年末年始はコロナの影響もあり、仕事やら何やらに忙殺されておりました…。現在は時間的にも精神的にも余裕が出てきましたので、お返事させていただいた次第です。勝手は承知しておりますが、まだいらっしゃるようでしたら再開させて頂きたいです…!もしよろしければお返事頂けると幸いです。よろしくお願い致します。)
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